2017/10/8
衣替えの季節になりましたね。
「男女関係なく、誰でも、オギャーと生まれてからの最初の人間関係は“親”。しかも、父親ではなく母親。人間関係の中でも、実の母と娘という同性同士の関係は、非常に複雑。私は男だから分からないところもあるので、学ばせていただきたいと思います」という江原さん。
今日は『母と娘』をテーマに番組をお届けしました。

今夜お届けしたナンバー
◇Mama's Song / キャリー・アンダーウッド
◇北国行きで / 朱里エイコ



「家族の事で悩んでおります。私の母は、少し変わった人です。小さい頃から殴る蹴るは当たり前、一度キレると手が付けられません。学校へ電話して先生を困らせ、今、私は会社員をしておりますが、会社に“飲み会が多いふざけた会社だ”と、電話されました。そんな母に“お前みたいなバカに、ここまで金かけてやったのに、感謝もないのか”とも言われ…。正直、感謝はあまりしていません。大学まで出してもらった事には感謝はしています。でも、小さい頃から虐待まみれの家でしたし、誕生日も何かあげてもケチをつけられるのであげる気にはならなく、ケーキのみ。そんな親に感謝しろって言われてもな…と。何か反発すると言い負かされてしまいます。話し合っても平行線。いずれ結婚するとなると、相手にもケチをつけそうですし、母が原因で彼氏と別れた事もあります。こんな母とうまく付き合うにはどうしたら良いのでしょうか。正直、母が私の人生の重荷になっております。母に、早く子離れして欲しいです」というメールをいただきました。

江原さん
「この手のパターンで共通している事。“子離れ”より先に“親離れ”するべきではないか。映し鏡。親の事をすごく不満に思っている割に、同居している人が多いのが不思議。お金も大変だろうけれど、そんなに嫌なら自立するべき。そこに“愛・憎”という癒着があるのではないか。“出るとなるとモメるし…”“居てくれると助かるし…”と。“子どもとしては、親をみるのが当たり前”と言う人がいるが、あなたは儒教論者なのですか?と思うんです。そんなに憎み合うのであれば、離れてしまえばいい。朱里エイコの『北国行きで』を聴くべき。“にくみ合わないその前に 私は消えていくの”という素晴らしい歌詞がある。同じ土俵には乗らないという事。“愛に疲れた二人なら このままで身を引くの”ともある。お母さんも極端だけれど、自分が変わる。相手を変えようとする前に、まず自分が変わるのです」


「73歳の母との距離の取り方に悩んでいます。私は、以前は一人暮らしをしていましたが、母は数年前から年金収入だけの暮らしで、一人で暮らすには収入が足りなくなりました。私も給与は多くはないので同居しています。母とはよく一緒に出かけたり、仲は良いのですが、母も私も相手に依存しているところがあります。母は、お金の管理や掃除や部屋の片付けができません。その上、年々判断力が鈍り、されて嫌な事を繰り返され、その度、母を怒鳴ってしまいます。母が居なくなったらという事を考え、私も炊事、洗濯、掃除をこまめにしています。高齢の母相手に怒りを抑えられない自分が、本当に嫌になります。“こういう親でいて欲しい”という理想を、母に押し付けているかもしれませんが、同居人として、人として、相手が嫌がる事はしないというルールを守って欲しいのです。お金の問題がなければ別々に暮らすのが一番良いと思うのですが、母は、生活保護が必要になる可能性が高いので、適切ではないと思います。母の事を愛しています。働きまくって母一人で育ててくれた感謝もあります。年老いて、理解力や気力・体力が弱くなっていく母に、我慢するだけでなく、受け入れ、優しくなりたいです。私が激昂してしまった時、賢く対応する為のアドバイスをいただけないでしょうか」というメールをいただきました。

江原さん
「“賢く対応する為のアドバイス”と簡単に言うけれど、そんな対応はいくらでもできる。けれど、やらないでしょ?激昂する時に“水を一杯お飲みなさい”と対処法としてよく言われているが、みんなやらない。激昂した時に、実際に水を飲む人はいない。まずは、根本の理解が大切。あなたは“良い人仮面”。心の中では思っていないのに、形ばかり良い人でいようとしている。自分自身も給料が多くないから同居している。持ちつ持たれつの関係なのに“母の事を思っている”といったような事を書いている。73歳になって気力・体力が衰えると、片付けもできなくなるんです。身の回りに物を置いていくようになる。あなたが“愛している”とまで言っているのであれば、腹をくくって徹する事。もうひとつ言えるのは、小さい頃してもらってきた事を、お返しするだけの事なのです。私も体力がなくなってきて、昔できていた事ができなくなってきているから、お母さんの気持ちも分からなくもない。あなたが、腹をくくる事と“休みの日は、私は自由に出かける”など、気分転換する方法を見つける事。それも、お母さんが元気なうちしかできないんです。寝たきりになったら外出もできない。特別養護老人ホームなどに入っても大変。理性的に冷静に計画を立てる事が大切。本当の愛の人になって欲しいと思います」


「私と夫は、娘が進学して独立した後、二人で暮らしていました。4年前、母が病気で倒れました。自宅を片付け、母を介護する為に実家に帰りました。現在は、介護度4だったのが1になり、元気になりました。娘が介護するから、ここまで元気になって、母は幸せで、私は孝行娘です。世間様はそう見ます。しかし、私は葛藤の毎日です。皮肉に聞こえるかもしれませんが、母を看ているおかげで、色々な体験をします。オムツ替えに始まって、インスリン注射など、専業主婦だった私は、毎日が勉強になっています。時には、逃げ出したくなる時があります。でも…です。長寿とは何なのでしょうか。母は“あの時、死んでいれば良かった”と言います。そんな母を“もっとしっかりして”と。私は情けなくなります。時には大声で叱る時もあります。とても虚しく、先日は泣いてしまいました。里の行とはいえ、長寿とは何なのか。毎日、思います」というメールをいただきました。

江原さん
「世の中を見ていても、みんなそうですよね。“長寿”とは、何なのだろうか。けれど、人類が選んできた道。何となく“長寿”になったわけではない。私は9月に『厄祓いの極意』(中央公論新社)という本を出したのですが、その本を書くにあたり“厄年”の事など、色々と調べた。その時に分かったのが100年ちょっと前の日本は、平均寿命が50歳くらいだったという事。いない事が前提だから、私くらいの年齢になると“厄年”がないんです。だから新設厄年というものを作らなくてはならない(笑)。以前、テレビ番組で見たのですが『長寿の秘訣』は、お肉を食べ、40℃くらいのお風呂に10分毎日入るというのが平均で、長寿の人なんだとか。私たちは毎日、長寿に向けた事をしてしまっているんです。また、テレビの特集でも『若返り』をテーマにした番組も多い。その一方“早くお迎えが来てほしい”という話もある。人間というのは、基本、身勝手。時に、嫌になって逃げ出したいあなたの気持ちも分かる。けれど、すごく良い事をやっているんだから、胸を張って欲しい。“長寿とは何か”と思っても、世の中は矛盾だらけ。だから母の弱音を民謡の合いの手だと思い“あの時に死んでいれば良かった”と言われれば“ハイーハイッ!!あ、もうひとつ!”と、心の中で言って楽しむ事が大事。お年寄りに付き合おうというのは、大変。息抜きが大事。今の人は、ある意味で生真面目なのです」


「50代前半は、3年ほど母の介護をしていました。一人暮らしだった母が倒れた時に“このまま逝かなくて良かった…。感謝を伝えられる時間を与えられた”と思いました。その日から毎日、母の事も、家の事も、目の前の事をこなすのが精一杯という状況が続きました。母が亡くなった時には“もっと何かしてあげられたのでは?”と後悔する事もありましたが、今では“文句があったら出て来てね”と、思えるようになりました」というメールをいただきました。

江原さん
「優しいですね。“もっと何かしてあげられたのでは?”と、みんな言うけれど、これは“愛の証”。完璧にやって思うんです。今ある時間を不満に思うのもいいけれど、この話を聞いて“今の大切さ”を感じ、込めていただけたらいいなと思います」


●江原啓之 今夜の格言

「家族とは、自身の映し鏡の学びなのです」
「最後に学び、仲間と自覚できたら成就近しです」

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