☆ものをつくること
旅という要素が仕事に入ってくるようになったのは、この5〜6年で、それまでは雑誌だったりとか、webサイト、インタビューメインにした取材とライティング、雑誌の編集とかもやったりしていました。自分自身が今のような本作りの仕事をしようと思ったきっかけには、旅というものが密接に関わっていたんです。
22歳の時に大学を休学して、長い旅をしようと思い、バイトしてお金を貯めました。たまたま、学生寮の近くにあったバイト先が出版社だったんですね。そこで出版の"いろは"を教えてもらって、編集の仕事って地味で単調で、辛い仕事なんですけど、その中にものづくりに携われるという面白みがあるんですよね。
そのバイトをしてお金を貯めた後に、旅行に行きました。すごく新鮮な体験で、色んな出会いがあって、それまでしてこなかった体験をしましたね。自分が将来やりたい事は、自分の好きな事、大切に思える事を本という形にする仕事が出来たらなと思ったんですね。
それまでは旅というものに対してモチベーションが無かったんですけど、最初の旅がきっかけになって、これは面白いぞと思いました。一番最初の旅って、すごく良く覚えているんですよね。大事な記憶の一つですね。

☆ラダックに魅せられて
ラダックとの出会いは、3回目の旅で半年間かけてアジアを横断した時、インドまで来た時に、首都デリーから上に上がるか、下に下りるかという時に、上に行ってみようよ、ふらっと行ってみたんです。ラダックはヒマラヤの西のはずれにあたるので、標高が高く、一年を通じてほとんど雨も降らないので、高原砂漠地帯みたいな場所です。
バスで行くのに1泊2日かかって、途中で5000メートル以上の峠が3つあるんですよ。それを超えながら行くので、高山病になる人もいて、これはヤバい所に来たと思うけど、着く頃には治っているんです。ラダックに入って、ゴンパというお寺があって色んな村に点在しているんです。朦朧とした中でそれが出て来ると、何だアレは!?と、カルチャーショックを受けました。
人に出会うと、インドとは全然違う人達で、穏やかでニコニコしていて、とても親切なんですよ。色々なものに触れて行くうちに、ここは全然違うなという感触を感じました。初めて行った人でも、懐かしい感じがするというか、一度行ってしまうと戻りたくなってしまう場所、だから、ラダックはリピーターの旅行者が多いんですよ。そういう魅力がある場所ですね。
日本に帰国してフリーランスになって、お仕事をいただけるようになったんですけど、20代の頃に志したもの、自分は心の底から大事だなと思える事を人に伝える本を作りたいと思っていたはずなのに、出来てないなと思った時、パッと浮かんだのがラダックの事でした。ラダックの本だったら作れるんじゃないかと思ったんです。
どうやったら自分が納得出来る形で出来るのか?やるなら徹底的にやらないと駄目なんじゃないかなと思って、でも、仕事を切る度胸がないなと思っていたんですよ。そんな時に読んだ雑誌に「帳尻合わせの人生を送っているようだったら、物書きにはなれない」と書かれていて、「うわー!僕やっていた!」と思ったんです(笑)。自分がこれだと思ってやれるチャンスがあるなら、やるべきなんじゃないかと思い決心をして、仕事をお休みして、1年か2年か分からないけど、ラダックに行ってきますと話をしたんです。

「The Wind Knows My Name」公式ホームページ

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