ON AIR REPORT オンエアレポート

ヴァイオリニスト・大谷康子さんを迎えて(前編)

2017.07.24


暑中お見舞い申し上げます。
今夜もお聴きいただきありがとうございました。

日本を代表するヴァイオリニスト・大谷康子さんを2回にわたってお迎えします。なんと横山さんが高校生、大谷さんが大学院生のときからの長ーいお知り合い。しかし、お二人だけのコンサートの共演は今年の1月が初めて。8月12日には軽井沢大賀ホールで共演します。

<プレイリスト>
M1 サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番ロ短調より第2楽章 /大谷康子(ヴァイオリン)、東京交響楽団、大友直人(指揮)
M2 グラナドス作曲、クライスラー編曲:スペイン舞曲/大谷康子(ヴァイオリン)、藤井一興(ピアノ)

デビュー42周年の大谷さん、現在は国内外でのソロ活動を中心に子供たちに音楽を届けるボランティア活動、後進の指導、テレビの司会など大活躍されています。長く東京交響楽団のソロ・コンサート・マスターを務め、現在は名誉コンサート・マスター。横山さんが東京交響楽団でピアノ協奏曲を演奏するときもいつもサポートしてくださいました。

M1のサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲は、東京交響楽団とのライブ録音。日本人の演奏家では大谷さんが唯一の録音です。
高校生のとき、全日本音楽コンクールで1位になったとき弾いた思い出の曲、さらに、今年の5月には”キエフの春音楽祭”に招待され、キエフ国立フィルと共演した曲でもあります。

M2は、8月12日の横山さんとのデュオリサイタルでも演奏する1曲。会場の軽井沢・大賀ホールは、ソニーの故・大賀典雄さんを記念したホール。大賀さんは、大谷さんにとっては「大賀さんほど力をくださった方はいない」といつも応援してくださった恩人、そして、財界人でありながら出身は音楽大学で横山さんにとってはピアノの同門の大先輩だそうです。

大谷さんは、大学生の時から子供たちや病院に音楽を届ける活動をされています。子供たちによい音楽を届け、音楽を好きになってもらうことが未来を明るくすることという信念、願いを持ち続けていらっしゃいます。音楽には技術を磨き芸術を極めるほかにもすばらしい力がありますね!

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海の日にちなんで海にまつわる名曲を

2017.07.17


今夜もお聴きいただきありがとうございます!

7月17日は海の日。そこで、海にまつわる作品を<ピアノでめぐり逢い>的セレクトでお送りしました!
<プレイリスト>
M1 ドビュッシー 交響詩 《海》より 第1曲<海の夜明けから真昼まで> /ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、サイモン・ラトル(指揮)
M2 ヴォーン・ウィリアムズ 《海の交響曲》(交響曲第1番)より第1楽章<すべての海、すべての船に寄せる歌>/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルナルト・ハイティンク(指揮)、ソプラノ:フェリシティ・ロット、バリトン:ジョナサン・サマーズ、ロンドン・フィルハーモニー合唱団
M3 ラヴェル 《鏡》 より 第3曲 <海原の小舟> /横山幸雄(ピアノ)三鷹、ヴォヤージュ・シリーズ第10回(2015年8月2日) ライブ録音

日本なら太平洋、日本海、瀬戸内海、ヨーロッパでも地中海と大西洋、同じ海でも場所によって時間によって季節によってその表情は大きくちがいます。作曲家は大自然からインスピレーションをうけ、自分の中でふくらませて作品に。
今日も、ドビュッシーの色彩感あふれる海、ヴォ―ン・ウィリアムズのダイナミックな海、ラヴェルの繊細な海、
いろいろな海を楽しんで、想像していただけたのではないでしょうか。

横山さんも、海は大好き。眺めたり、浮かんだり、泳いだり・・それを楽しみに一年がんばれるそうです!



7月生まれの音楽家、ヴィエニャフスキに注目!

2017.07.10


2週間ぶりの番組、お聴きいただきありがとうございます!
今夜もポーランドの音楽家に注目。1835年7月10日生まれのヘンリック・ヴィエニャフスキです。

イタリアのパガニーニ(1782-1840)、スペインのサラサーテ(1844-1908)と並んで、「19世紀の三大ヴァイオリニスト」と称されることもあるヴィエニャフスキ。ほとんどヴァイオリン曲しか書かず、祖国ポーランドの舞曲マズルカやポロネーズのリズムを曲に取り入れたことから、同じポーランド出身のショパンと並び称され「ヴァイオリンのショパン」と言われます。横山さんも若いときのショパンに作風が似ていると感じるそうですよ。

<プレイリスト>
M1 ヴィエニャフスキ 《華麗なるポロネーズ》 op.4 /イツァーク・パールマン(ヴァイオリン)、サミュエル・サンダース(ピアノ)
M2 ヴィエニャフスキ 《ヴァイオリン協奏曲 第2番》op.22 より第1楽章/ギル・シャハム (ヴァイオリン)、ローレンス・フォスター(指揮)、ロンドン交響楽団
M3 ヴィエニャフスキ 《スケルツォ・タランテラ 》 op.16 /マキシム・ヴェンゲーロフ(ヴァイオリン)、イアン・ブラウン(ピアノ)

1835年は8歳でパリ音楽院に入学、12歳でデビュー。ポーランドは当時ロシアの占領下であったためもあり、ロシア中を演奏旅行しています。アントン・ルービンシュタインと共演し親しくし、1872年37歳までロシアのペテルブルグで活動。1880年45歳で演奏旅行先のモスクワで亡くなりました。

M1の「華麗なるポロネーズ」は、横山さんも高校生のとき友達の伴奏で演奏した作品。10代のヴィエニャフスキが、ロシアでの2年間200回におよぶ演奏会用に書いたと考えられています。
M2の「ヴァイオリン協奏曲第2番」は、ヴィエニャフスキの代表作であり、こんにちのヴァイオリン協奏曲の欠かせないレパートリーです。
M3の「スケルツォ・タランテラ」も、横山さんいわく「ヴァイオリニストが作ったヴァイオリン曲!という華やかな曲ですね」

1935年にはヴィエニャフスキの生誕100年を記念して、現在でもヴァイオリンの登竜門として知られる「ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクール」が設立されています。独立したポーランドが自国の芸術家を世界に発信したいという思いが感じられます。

元ポーランド大使館、広報文化センター副所長 マルタ・カルシさんを迎えて

2017.06.26


今夜もお聴きいただきありがとうございます!

ゲストに、元ポーランド大使館・広報文化センター副所長、マルタ・カルシさんをお迎えして、ショパンやパデレフスキ、ワルシャワの夏の楽しみなど伺いました。2歳から8歳まで日本で育ち、ワルシャワの大学では日本語を専攻されたマルタさん、ずっと国際的な文化交流のお仕事をされています。きっかけは学生の頃ポーランドがEUに加盟し、ポーランドのオーケストラがヨーロッパ各国で演奏会をするプロジェクトにかかわったことから。音楽にかかわる仕事ができて夢がかなったそうです。現在は、国立の機関、ショパン研究所のお手伝いもされています。

<プレイリスト>
M1 ショパン作曲:『17のポーランドの歌 作品74』より1曲目「願い」/エリザベータ・シュメトゥカ(ソプラノ)、マルコム・マルティーノ(ピアノ)
M2 パデレフスキ作曲:『6つの演奏会用ユモレスク』より1曲目「古風なメヌエット」/ミハウ・シマノフスキ(ピアノ)

マルタさんに選んでいただいた曲は、ポーランド語で歌うショパン作曲の歌曲「願い」。
そして、ピアニストでのちにポーランド独立後初代大統領となったパデレフスキ作曲のピアノ曲。

2018年はポーランド独立100周年、そして、2019年は日本とポーランドの外交100周年の記念の年です。
ショパン(1810−1849)やパデレフスキ(1860ー1941)は、分割されポーランド語が禁止されていた時代に国外で活躍し、ポーランドの存在を世界にアピールしたアーティスト。パデレフスキは、アメリカでピアニストとして活躍し、チャリティコンサートで得たお金でポーランドの市民を支援した英雄です。アメリカのコンサートではショパンをプログラムに必ず入れ、ポーランドの独立について語ったり、ウィルソン大統領の前で演奏したりと外交官のような活躍でした。ポーランド独立後初代大統領になるのですが、そのようなピアニストは世界中、歴史上ほかに見当たりません。横山幸雄さんは今年の3月から日本のパデレフスキ協会の会長に就任し、パデレフスキの芸術や人間としてのスケールの大きさを日本に紹介していきたいと思っているそうです。

マルタさんが携わるショパン研究所は、ショパンピアノコンクールの主催、ショパン博物館やショパンの生まれたジェラゾバ・ヴォラの管理、ショパンに限らずポーランドのアーティストの研究や出版物の制作も行っています。
今年の夏は8月12日から30日までワルシャワで「ショパンと彼のヨーロッパフェスティバル」を開催し、40回ものコンサートが企画されています。

日本との外交100周年を記念したポーランド音楽の楽譜集もショパンの歌曲、クリスマスの聖歌集などが出版されています。日本語の訳詩や充実した解説がついているのでぜひポーランド語に触れてください、とマルタさんはおっしゃっていました。

ポーランドには親日家が多く、ワルシャワにはたくさんの日本料理のお店や抹茶専門店まであるのだとか。日本もクラシックの作曲家のなかでもっとも人気があるのはショパン。マルタさんも「日本はショパンの魂の第二のふるさと、いつまでも架け橋になってほしい」とおっしゃっていました。横山さんは「僕がピアニストである限り、それは大丈夫です!」と笑顔で答えました。


来週7月2日は選挙特番のためお休みです。ぜひ都民の方は投票に!
次回は7月9日にお会いしましょう!

入魂のショパン2017ライブ音源独占放送!

2017.06.19


こんばんもお聴きいただきありがとうございます。
今夜は、2017年の上半期を振り返って、5月5日の入魂のショパン2017のライブ音源でお楽しみいただきました。

まだ1か月あまりしかたっていないので、記憶も新しく、ライブ会場の余韻をお届けできたらと思います。

M1 ショパン 《12のエチュード op.10》より第1番〜
M2 ショパン 《2つのノクターン op.27》より 第2番
M3 ショパン 《ピアノ・ソナタ 第2番「葬送」 op.35》より 第1楽章
M4 ショパン 《ポロネーズ第5番 op.44》
すべて2017年5月5日 東京オペラシティコンサートホール「横山幸雄・入魂のショパン2017」のライブ音源

8回目の入魂のショパン。
今回、第1部は二つの《12のエチュード》全24曲演奏する、という稀な内容でした。
「冒頭から難しい曲だとプレッシャーはありますが、長い演奏会では、これが終われば・・という思いがあり、難しい曲が残っているというそわそわがない、とよいように考えます。8回目なので落ち着いて始められたかなという気がします。」と横山さん。

また今回は、第1部と5部は比較的新しい10数年前に制作されたニューヨーク・スタインウェイが初登場。
第2部から4部は、おなじみの40年前のニューヨーク・スタインウェイで演奏しました。「音色の違いも楽しんでいただけたと思います。」
今回、その第2部から4部は、20代半ばから後半のショパンの作品を番号順に演奏しました。
ちょうどパリで頭角を現し、時代の寵児となっていったころ、ジョルジュ・サンドと出会い、パートナーとなっていった時期です。
その作品群は、おだやかさとドラマティック、2つのキャラクターが交錯しています。
今夜はおだやかで美しいM2、どちらかというと短い作品が多いショパンが気合いを入れて書いたソナタ(M3)、ドラマティックなM4、
さまざまな演奏会のシーンをお楽しみいただきました。
8年前と比べると、今は以前より落ち着いてショパンに帰って来るという気持ちで演奏している横山さんでした。

9月には、同じ東京オペラシティでベートーヴェンプラス。こちらもご期待ください。

来週は、元ポーランド大使館のマルタ・カルシさんをお迎えする予定です!お楽しみに。
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