ON AIR REPORT オンエアレポート

異国趣味=エキゾティシズム

16/04/30


いつもご愛聴ありがとうございます!

今から90年前の4月25日に、イタリア、ミラノのスカラ座でプッチーニのオペラ『トゥーランドット』が初演されました。
『トゥーランドット』は、プッチーニ(1858-1924)の最後の作品で、古代中国を舞台とした未完のオペラです。
友人のアルフォーノが補作し、完成させました。

内容は、古代中国のトゥーランドット姫が、結婚を申し込んでくる男達に謎かけをして、
それが解けなければ処刑という厳しい掟を設けていたが、あるとき、
ダッタン国のカラフ王子が3つの謎を見事解いてしまいます。
そして反対にカラフ王子から「私の名前を明日の夜明けまでに当てたら私は潔く死に結婚はあきらめよう」と謎かけを受けて、
トゥーランドット姫は家来を総動員して「今夜は誰も寝てはならぬ!王子の名前を解き明かすことができなければ皆死刑とする!」というのです。
この場面で歌われるアリアがとても有名です。
プッチーニは、国はちがえど、ラフマニノフと同じ”最後のロマン派”です、すでに調性のない音楽も出てきた時代でした、と横山さん。

今回は、異国趣味を取り入れた音楽を集めてみました!

<プレイリスト>
M1 プッチーニ作曲 歌劇《トゥーランドット》より<誰も寝てはならぬ>
    ルチアーノ・パヴァロッティ(テノール)、ズービン・メータ(指揮)、ローマ国立歌劇管弦楽団

M2 ベートーヴェン作曲 《「アテネの廃虚」からのトルコ行進曲による6つの変奏曲》
     横山幸雄(ピアノ)(CD ベートーヴェン12会より)

M3 ドビュッシー 作曲 《版画》 より <塔> 
     ジャック・ルヴィエ(ピアノ)

M4  ドビュッシー作曲  《前奏曲集第2巻》 より <ヴィーノの門>  
    横山幸雄(ピアノ)(2012年6月の三鷹Voyage Vol.3のライブ録音より)

M2は、比較的早い時期に流行した「異国」=「トルコ(オスマン帝国)」の軍楽隊にインスピレーションをうけたもの。
モーツアルト、ベートーヴェン、ハイドン(「交響曲100番(軍隊)」などが作品にしています。

M3は、万国博覧会でドビュッシーが耳にしたインドネシアのガムラン音楽に影響を受けたと言われています。

M4は、ドビュッシーが、スペインの作曲家、マニュエル・デ・ファリャから受け取った絵葉書から作曲したと言われます。
西洋の作曲家にとって、スペインは、近い異国。
アフリカへの玄関口であり、イスラムとカトリックが混合する文化が魅力的な場所だったようですね。

「異国趣味」の作品は、ハンガリーなどまだまだたくさんあります。また機会を改めてご紹介します!