ON AIR REPORT オンエアレポート

食の秋です。美食家・ロッシーニに注目!

16/10/24


今夜もお聴きいただきありがとうございます!

おいしい食べ物がたくさんある秋ですね!
ワインと美味しいものが大好きな横山さんは「秋の食べものの話をすると、番組が始められませんからね・・」
と好物はあえておしえてくれずに始まった今回の「ピアノでめぐり逢い」。

食にまつわるエピソードが満載の作曲家、
クラシック音楽界随一の美食家といえば・・・ロッシーニです。
今夜はロッシーニの人生と作品を紹介しました。

<プレイリスト>
M1 ロッシーニ作曲:歌劇《ウィリアム・テル》序曲
   フィルハーモニア管弦楽団、リッカルド・ムーティ(指揮)

M2 ロッシーニ作曲:歌劇《セビリアの理髪師》より序曲
フィルハーモニア管弦楽団、リッカルド・ムーティ(指揮)

M3 ロッシーニ作曲 :《老いのいたずら第4集》より<4つのデザート(乾燥果実)>第4曲「はしばみの実(ヘーゼルナッツ)」
   アレッサンドロ・マランゴー二(ピアノ)

1792年、イタリアのペーザロで生まれたロッシーニは、18歳でオペラ作曲家としてデビュー、
19年間に39ものオペラを書き上げた天才作曲家です。

24歳のとき、「セビリアの理髪師」を書き人気を不動のものとし、
37歳の「ウィリアム・テル」が最後のオペラ作品です。

その後は、オペラ界からは引退。ピアノ曲や宗教曲を書いていますが、フランス国王からの終身年金を得て、
レストランの経営と養豚業にいそしみ、美食の世界の追及、グルメ三昧の日々を送ったそうです。

フランス料理によくある「○○のロッシーニ風」は、ロッシーニの名前にちなんだもので
特に有名なのは、”トゥルヌド・ロッシーニ”(牛ヒレ肉のロッシーニ風)と呼ばれる料理。
ステーキの上に、トリュフとフォアグラを乗せた贅沢な一皿です。
イタリア料理にも、マリア・カラス風とか、シャリアピン・ステーキなど音楽家の名前が出てきます。

後年に書いたピアノ曲《老いのいたずら第4集》には、<4つの前菜>と<4つのデザート(乾燥果実)>という
ロッシーニらしいタイトルの作品があります。
<4つの前菜>は「ラディッシュ」「アンチョビ」「ピクルス」「バター」、
<4つのデザート>は、「干しイチジク」「アーモンド」「干しぶどう」「はしばみの実(ヘーゼルナッツ)」です。

ロッシーニは、ベートーヴェンより22歳年下ですが、真逆の人生を送った作曲家ですねと横山さん。
音楽と芸術に人生をささげたのがベートーヴェンだとすれば、ロッシーニは人生を楽しんだ人。
コミカルで楽しく聞きやすいメロディーが、どんどんわいてくるモーツァルト・タイプだったのかもしれません。
ある意味うらやましい人生です。
たいへん人気があったので、ショパンも自作の「タランテラ」の軽快さを「ロッシーニ風」と呼んだり、
のちのサティなどにも影響を与えています。

FM FUKUOKAをお聴きの皆さま。
今月でお別れですが、またコンサートなどでお会いしましょう。ありがとうございました!

来週は、三鷹のコンサートシリーズ<ヴォヤージュ>第11回のプログラムから
ラヴェルのピアノ曲や歌曲に注目します。お楽しみに!