ON AIR REPORT オンエアレポート

1月生まれの作曲家、スクリャービンに注目!

17/01/09


今夜もお聴きいただきありがとうございます!
今夜は、1月生まれの作曲家の中から1872年1月6日生まれのロシアの作曲家&ピアニスト、アレクサンドル・スクリャービンに注目しました。

スクリャービンは、ラフマニノフ(1873年生まれ)と同級生として、共にモスクワ音楽院で学びました。手が小さいために、過度の練習を行い、右手に運動マヒを起こして生涯その後遺症に苦しむことになりましたが、コンサート・ピアニストとして活躍しました。作曲家としては、多くのピアノの小品を作曲。とりわけ初期のピアノ作品にはショパンの影響が強く感じられます。中期・後期は、神秘主義に傾倒、調性の枠を超えたり、色や香りを音楽と融合しようと試みたり、独自の音楽表現を目指した作曲家です。

<プレイリスト>

M1 スクリャービン《12のエチュード op.8》より 第12番「悲愴」
演奏:横山幸雄(ピアノ)(2006年のアルバム 「ザ・ヴィルトゥオーゾ〜ラ・カンパネラ」より)

M2 スクリャービン 《24のプレリュード op.11》 より 第2曲
演奏:横山幸雄(ピアノ)『Voyageショパンからラフマニノフを結ぶ音楽の旅路<リサイタル・シリーズ第3回>』(2012年6月 三鷹市芸術文化センター)より

M3 スクリャービン 《ピアノ・ソナタ第5番 op.53》
演奏:横山幸雄(ピアノ)『Voyageショパンからラフマニノフを結ぶ音楽の旅路<リサイタル・シリーズ第6回>』(2013年7月)より

M3の「ピアノ・ソナタ第5番」は1906年のアメリカ旅行中に着想され、翌年12月、スイス・ローザンヌで6日間ほどで完成しました。初期のロマン派的な音楽から後期の神秘主義に移行する過渡期にある作品で、超絶技巧を要する難しい曲でありながらよく演奏される作品の一つです。
「手が小さいことをコンプレックスに感じていたためでしょうか、スクリャービンの作品は手が大きくないと弾けません。調整感がこの時期から崩壊していきますが、ハーモニー、音の響きは洗練されていきます」

「スクリャービンは、ものすごく好き、という人がいる作曲家です。明るい作品があまりなく、退廃的でロマンティックなところに魅かれる方が多いのではないでしょうか。ぼくも時折演奏する作曲家です。」と横山さんの解説です。


来週は、ベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ”テンペスト”」を、カシオのセルヴィアーノ・グランドハイブリッドで演奏します!
お楽しみに!