ON AIR REPORT オンエアレポート

元ポーランド大使館、広報文化センター副所長 マルタ・カルシさんを迎えて

17/06/26


今夜もお聴きいただきありがとうございます!

ゲストに、元ポーランド大使館・広報文化センター副所長、マルタ・カルシさんをお迎えして、ショパンやパデレフスキ、ワルシャワの夏の楽しみなど伺いました。2歳から8歳まで日本で育ち、ワルシャワの大学では日本語を専攻されたマルタさん、ずっと国際的な文化交流のお仕事をされています。きっかけは学生の頃ポーランドがEUに加盟し、ポーランドのオーケストラがヨーロッパ各国で演奏会をするプロジェクトにかかわったことから。音楽にかかわる仕事ができて夢がかなったそうです。現在は、国立の機関、ショパン研究所のお手伝いもされています。

<プレイリスト>
M1 ショパン作曲:『17のポーランドの歌 作品74』より1曲目「願い」/エリザベータ・シュメトゥカ(ソプラノ)、マルコム・マルティーノ(ピアノ)
M2 パデレフスキ作曲:『6つの演奏会用ユモレスク』より1曲目「古風なメヌエット」/ミハウ・シマノフスキ(ピアノ)

マルタさんに選んでいただいた曲は、ポーランド語で歌うショパン作曲の歌曲「願い」。
そして、ピアニストでのちにポーランド独立後初代大統領となったパデレフスキ作曲のピアノ曲。

2018年はポーランド独立100周年、そして、2019年は日本とポーランドの外交100周年の記念の年です。
ショパン(1810−1849)やパデレフスキ(1860ー1941)は、分割されポーランド語が禁止されていた時代に国外で活躍し、ポーランドの存在を世界にアピールしたアーティスト。パデレフスキは、アメリカでピアニストとして活躍し、チャリティコンサートで得たお金でポーランドの市民を支援した英雄です。アメリカのコンサートではショパンをプログラムに必ず入れ、ポーランドの独立について語ったり、ウィルソン大統領の前で演奏したりと外交官のような活躍でした。ポーランド独立後初代大統領になるのですが、そのようなピアニストは世界中、歴史上ほかに見当たりません。横山幸雄さんは今年の3月から日本のパデレフスキ協会の会長に就任し、パデレフスキの芸術や人間としてのスケールの大きさを日本に紹介していきたいと思っているそうです。

マルタさんが携わるショパン研究所は、ショパンピアノコンクールの主催、ショパン博物館やショパンの生まれたジェラゾバ・ヴォラの管理、ショパンに限らずポーランドのアーティストの研究や出版物の制作も行っています。
今年の夏は8月12日から30日までワルシャワで「ショパンと彼のヨーロッパフェスティバル」を開催し、40回ものコンサートが企画されています。

日本との外交100周年を記念したポーランド音楽の楽譜集もショパンの歌曲、クリスマスの聖歌集などが出版されています。日本語の訳詩や充実した解説がついているのでぜひポーランド語に触れてください、とマルタさんはおっしゃっていました。

ポーランドには親日家が多く、ワルシャワにはたくさんの日本料理のお店や抹茶専門店まであるのだとか。日本もクラシックの作曲家のなかでもっとも人気があるのはショパン。マルタさんも「日本はショパンの魂の第二のふるさと、いつまでも架け橋になってほしい」とおっしゃっていました。横山さんは「僕がピアニストである限り、それは大丈夫です!」と笑顔で答えました。


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