ON AIR REPORT オンエアレポート

2月生まれの作曲家、メンデルスゾーンに注目!

18/02/05


今夜もお聴きいただきありがとうございました。
2月生まれの音楽家の中から、1809年2月3日生まれのフェリックス・メンデルスゾーンの人生と音楽をお送りしました。
メンデルスゾーンは「ヴァイオリン協奏曲」がなんといっても有名ですが、38年の短い生涯になんと750曲も作曲、様々なジャンルの作品を発表、名ピアニスト、指揮者であり、過去の名作を発掘するなど音楽史上に残る功績を果たしています。

<プレイリスト>
M1 メンデルスゾーン:《無言歌集》より 「甘い思い出」Op19-1/アンドラーシュ・シフ(ピアノ)
M2 メンデルスゾーン:前奏曲とフーガ Op35-5 /ニキタ・マガロフ(ピアノ) 
M3 メンデルスゾーン :《厳格な変奏曲 ニ短調》op.54 / アリシア・デ・ラロチャ(ピアノ)
M4メンデルスゾーン :《ピアノ三重奏曲 第1番》op.49 より第1楽章 / ウィーン・ベートーヴェン・トリオ

M1 50曲余り残された「無言歌」。全曲にそれぞれ表題がありますが、メンデルスゾーンが自分でつけた表題は5曲だけです。大半は楽譜出版社などが曲想や、楽譜の冒頭にある発想標語からつけたもの。キャラクターがはっきりしているので題名もぴったりだと思うものがつけられています、と横山さん。
M2は、メンデルスゾーンは、こんな曲も作っていたのか、という1曲。バッハを研究していたメンデルスゾーンなので、バッハが得意としたスタイルです。
M3は、1841年に作曲。メンデルスゾーンは、ロマン派に属しながら古典的な形式美に寄り添った作曲家。変奏曲作品としてはベートーヴェンやモーツァルトの影響が強く、当時流行していたヴィルトゥオーゾによる「華麗な変奏曲」とは一線を画しています。
M4は、1839年に作曲。メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲は一般的に2曲が知られています(第2番は1845年頃の作曲)。「ヴァイオリン協奏曲」や「無言歌集」などを生んだメロディ・メイカー、ピアノの名手であることが感じられる作品。

フェリックス・メンデルスゾーンは、祖父は著名な哲学者、父はドイツ屈指の銀行の創設者という、ユダヤ系名門一族の生まれ。
裕福な家庭に生まれ、充実した教育を受けた、ほかの作曲家とはかなりちがう生い立ちの持ち主で、モーツァルトと並び称される「早熟な天才」として知られます。

作曲家、名ピアニストとしての活躍のほか、指揮者として、それまで独立していなかった指揮者という職務を確立。また、現在に至る指揮法の創始者として、弟子たちに指揮法を教えています。また、その当時すでに忘れ去られていた大バッハの楽譜を自ら発掘してその価値を見抜き、1829年、約100年ぶりに《マタイ受難曲》を再演し、その価値を世間に知らしめました(=バッハ復興)。
同じく、演奏困難などの理由で早くも忘れられつつあったベートーヴェンの作品を取り上げ続け、シューベルトの「交響曲第8番」も初演しました。

今夜は、メンデルスゾーンが作曲した750曲のごく一部をご紹介しました。いろいろな功績があり、ベートーヴェンとショパンの間の重要な音楽家。素直な癖のない音楽を改めて感じました、と横山さんはおっしゃっていました。

横山さんも2月生まれ。寒いのは苦手だし、短いし、いつもあっという間に過ぎて行ってしまう・・とお誕生日月なんだそうです。

来週は、モーツアルトの「ピアノ協奏曲」に注目します!ぜひお聴きください。