三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ ユージ・吉田明世20代~30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2019.09.17

不安定な経営環境の中で働く職人へ求人を

株式会社助太刀代表取締役社長兼CEO
我妻陽一
建設現場と職人さんをつなぐ求人アプリ

今週は、【株式会社助太刀代表取締役社長兼CEOの我妻陽一さん】をお迎えしました。

我妻陽一さんは、大手の電気工事会社で現場監督として働いた後、
電気工事会社を10年経営。立教大学大学院を経て、
2017年3月に「助太刀」の前身会社を立ち上げ
去年3月、「助太刀」にへ社名を変更されています。

まず「助太刀」の事業内容を簡単に教えて下さい。

「株式会社助太刀は創業2年のスタートアップなんですが
 日本のスタートアップでは珍しく「建設業」をターゲットにしています。
 その中で職人さんのマッチングアプリの運営や、
 工事代金が即日で受け取れるファクタリングのサービス、
 つまりフィンテック事業も行なっています。
 主な事業はアプリ助太刀の運営ですが、
 他にも職人さんのためのブランドプリペイドカード助太刀カードや、
 助太刀労災という一人親方のための労災も取り扱っています。」

具体的には「助太刀」アプリは、どういった流れで使うのですか?

「まず職人さんは「職種」と「居住地」を入力するだけで
 簡単にアプリを使い始めることができます。
 すると自分と同じ職種で、近隣県に住んでいる職人さんや工事会社さんが
 リコメンドでどんどん表示されます。
 気になる人がいれば「興味ある」ボタンを押せば、
 相手にも表示されて相互フォローされます。
 そして、どんどん仲間が繋がっていきアプリ内のメッセンジャー機能で
 現場の受発注や仕事上でのコミュニケーションを行なっていただきます。
 もちろん緊急の時には職種と地域を指定して職人さんを募集することもできます。
 SNSと求人をくっ付けたようなアプリです。」

フリーランスの職人さんが仕事を受けられるというものなんですね。

「職人さんは日本に300万人くらいいるのですが、 
 個人事業主や2〜3人でやっているフリーランスの方が非常に多いんですね。」
 
職人さんは昔堅気で機械に弱いようなイメージもあるのですが
このアプリの使いやすさは好評ですか?

「今までに無かったということもあり、リリースしてから1年半くらいなのですが
 8万人を超える職人さんが使っています。」  

従来の建設業の仕事の発注・受注はどんな仕組みはどういったものですか?

「僕も施工管理の仕事などをしていたのですが、 
 助太刀が出来る前までは、人も探すときは人からの紹介のみ、
 連絡手段は電話連絡だけでした。
 さらに建設業界特有の「囲い込み」の慣習が強いため
 末端の方になると元請けが変わると横のつながりはほとんど無くなってしまい、
 取引先が一つしかないということになります。
 新聞などでは毎週のように人手不足でオリンピックが間に合わないなど、
 建設業の人手不足問題が取り上げられていますが
 このような状況によって、忙しい時はやりきれないほど仕事があるのに、
 暇なときは空いてしまうといった
 非常に不安定な経営環境の中で働いていらっしゃいます。」

「助太刀」を立ち上げたのも、その辺の業界の事情が絡んでいますか?

「元々施工管理の仕事をした後に自分で電気工事会社を
 10年以上経営していましたので、やはり人の手配は苦労したところではありました。 
 「助太刀」を立ち上げた理由としては、
 建設業で起業しても結局は下請けになってしまうので、
 経営の自由度が全く無く、ずっとモヤモヤしながら経営していたんです。
 会社が10周年を迎える頃に、やはり何か違うなと考えて
 立教大学のMBAに行くことにしたんです。
 そこで共同創業者と出会い2人で様々なビジネスモデルを考えました。
 そのうちの1つが助太刀で卒業と同時にで登記しに行きました。
 しかしモノが無い。ということでプログラミングスクールに通いまして、
 半年くらいで助太刀のプロトタイプを作って発表しました。
 そこにベンチャーキャピタル が何社か来ていて、
 話題になり資金調達が出来ました。」

来年にオリンピックを控え、人手不足って言われてますよね。
「助太刀」を利用する会社や職人さんも増えているのでは?

「今は一番人手不足が深刻な時だと思います。単価も急騰していますね。
 でも実はオリンピックまでが人手不足ということでも無いと思っています。
 オリンピックがあるということで止まっている
 大型工事が都内にはたくさんありますし、
 高齢化が進む建設業ではオリンピックが終わると同時に
 大量に彼らが離職するのではと言われています。
 オリンピック後には景気後退するでしょうが
 建設業の人手不足はまだしばらく続きそうですね。」
 
最後にこれまで乗り越えてきたハードルを教えて下さい。

「あっと言う間にここまで来まして、
 まだ2年ですから本当に大変なことは
 これからたくさん起こるんだろうなと思っています。
 でも、やはりスタートアップなので大変だったのは、
 資金調達と組織問題ですね。
 大体はこの二つが同じようなタイミングで起こるんです。
 私も今までに数回経験しています。」

我妻さんには来週もお話を伺います。
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