三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ ユージ・吉田明世20代~30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2020.06.09

ホテルはこれから観光業以外の文脈で広がっていく

ホテルプロデューサー
龍崎翔子
イマーシブ・シアターのキックオフミーティングを!


ゲストは、先週に引き続き、ホテルプロデューサーの龍崎翔子さんです。

今週は、コロナによって大打撃を受けているホテル業界や観光業の現状や
龍崎さんがすでに起こされているアクションについてうかがいました。

まずご自身が運営されているホテルの現状を教えて下さい。

「コロナウイルスの影響はホテル業界では1、2月くらいから出始めていて
 インバウンドが多かったお宿さんはお客様が減ってらっしゃったみたいなんですね。
 私たちは日本国内のお客様かつ、比較的年代が若い方が多かったので
 3月くらいまでは去年とそんなに変わらない印象を持っていたんですけども
 やはり4月に東京がロックダウンされるんじゃないか?という話が
 出始めると、例年の半分くらいの売り上げになってしまって
 この状態で今後更に予約が入ってくるというビジョンは
 なかなか持てないねということを社内で話し合って
 やはりホテルという業態上、色んな所からお客様を受け入れるので
 お客様や従業員の安全の配慮もしないといけないと思いまして
 4月5日に休業することを決めたんですね。
 その状態で2か月間の休業期間を経て、5月30日から順次営業再開してきて
 いて今お客様を受け入れ始めているという状況です。」

そんな中、龍崎さんはホテルを独自の施設として使うことにされたといいます。

「4月の初旬の話になるんですけども、外出自粛が叫ばれていて
 STAY HOMEと言われていたと思うんですけども、
 STAY HOMEしたくてもできない方、あるいはSTAY HOMEすることで
 困ってしまう方が世の中にいらっしゃるなと考えておりました。
 例えば家庭内にトラブルを抱えていて、関係の悪い家族と
 ずっと一緒にいたくないと思っていらっしゃる方だったりとか
 あるいは感染リスクのある職業をされていて
 家族に移してしまうのではないかと心配されている方だったりとか
 すべての方が円満にSTAY HOMEしているわけではないなと感じまして
 そういった自宅以外に室内が必要な方々と
 稼働の低くなっているホテルをマッチングさせるような
 ”HOTEL SHE/LTER”というプロジェクトを4月ごろに立ち上げました。」

この”HOTEL SHE/LTER”は、新たなホテルの形に繋がっています。

「これはイメージとしてはホテル業というのは
 観光業の中で語られることがすごく多かったと思うんですけども
 観光以外の用途というのも提案する事ができると思っておりまして
 例えば不動産業のようなオフィスやアパートを提供するような形で
 提案することもできると思いますし、
 ケアサービス業のような形で身の回りのお世話をしてあげるような
 サービスとして提案することもできると思いますし
 エンターテインメントの場としても提案することができるし
 いわゆる観光業以外の文脈でホテルを提案していくという方向性に
 切り替えることにしました。」

龍崎さんのお話に、パーソナリティの鈴村健一もこんな提案を。
『僕も自分で企画してエンタメを発信することがあるのですが
そんな時にホテルの一室を借りられたら
その一室だけで撮影する企画もできるなと思いました。』

「本当ですか!?それは私たちもすごくやってみたいと思っていて
 ホテルの客室をスタジオでもあり、
 編集・収録部屋のようにできたらいいなと思っていました。」

ぜひやりましょう!と意気投合した2人。
その他にチャレンジされていることを伺うと、その想いはさらに高まります。

「プロジェクトがこの期間にたくさん立ち上がっていて
 収集がつかなくなっているんですけれども(笑)
 最近取り組んでいることとしては
 イマーシブ・シアターという没入型の演劇です。
 普通演劇って舞台があって客席があって、
 舞台の上で役者さんが演じているのを客席から観るという形態に
 なっていますが、舞台と客席が混在しているような形態の
 演劇があるんですね。それをホテルの中で行うというプロジェクトを
 やっておりまして。本当はコロナショックが起きる以前は
 6月に上演する予定だったんですけども
 それがコロナの影響で難しくなってしまったので
 5月のゴールデンウィークの頃に、オンラインで泊まれる演劇をする
 というプロジェクトをやりました。
 それはオンライン上で謎解きのような感じで、
 演者さんもいらっしゃるんですけど、視聴者のお客様も演劇に主体的に
 関わりながら、インタラクティブな体験を通じて
 ホテルのミステリーの主人公になったような気持ちで
 観賞することができるような演劇をやったんですね。
 それは480席の販売だったんですけど
 一時間もしないうちにすべて購入していただくことができまして
 たくさんの方に支持していただいているのかなと感じています。」

なんと龍崎さんのプロジェクトは鈴村健一の夢でもありました!

『展覧芝居と言われる海外ではよくあるホテルを借り切って
 その中に宿泊しながらザッピング的に色んな演劇が動くということを
 やっているんですよね。
 いつかプロデュースをしてホテル内での展覧芝居をやるというのが
 僕の人生をかけた夢の一つなんです。』

「次回作で弊社のプロデューサーとキックオフミーティングを
 させていただければと思います。
 そんな形でご一緒できるのは夢のようです!」

最後にウィズ・コロナもしくはアフター・コロナの世界で、
「ホテル業界」はどう変わっていくと思うか?を伺いました。

「今までのホテルというのはどうしても旅行の時だったり
 出張の時だったり、普段住んでいる場所から離れた時の寝床として
 使われることが多かったと思うんですけど
 これからは”泊まる”ということと”住む”ということの垣根が
 無くなっていくと思うんですね。
 去年オヨライフというアパートをホテルのように借りて
 住む事ができるというサービスが立ち上がったりしたのですが
 それと似たような感じで今度はホテルをアパートのように
 使える時代がやってくるんじゃないかなと思っています。
 なので観光業という文脈だけではなくて
 本当に様々な可能性がどんどん広がっていって
 具体的には不動産業的な使われ方を
 もっとされていくのではないかなと思っています。」

さらに不動産業的なホテルの在り方について龍崎さんはこうも語ります。

「本当にタワーマンションなどの掃除がついているバージョン、
 執事がいるバージョンのような感じだと思うんですよ。
 元々今ある名門ホテルと言われるところは
 植民地時代、帝国主義時代にロイヤルな方々の
 国外での執事付きの宮殿のような役割を果たしていた場所だと思うので
 言ってしまえば元々は滞在型の場所だったと思うんですよね。
 それがどんどんカジュアル化して一泊で泊まれるようになってきた
 だけであって、それが原点回帰していくというのは
 全然ありえそうだなとは思っています。」

新しいホテルの形、そして龍崎さんと鈴村さんがコラボした展覧芝居が
観られるのはそう遠くはないかもしれませんね!
2週にわたってありがとうございました!
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