2021.05.18
「本」を通じて"予感"を提供するサービス
ONE MORNING「 The Starters 」。
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。
今週のゲストは、本を通じたマッチングサービスサービス「Chapters」を手がける株式会社MISSION ROMANTIC 代表の森本萌乃さんです。
おはようございます。
森本さんは大学卒業後広告会社で4年間プランナーとして勤務し、その後転職を経て2009年にMISSION ROMANTICを起業されています。
今週は主なサービスについて伺っていきます。
MISSION ROMANTICの主なサービス教えてください。
「我々はChaptersという同じ季節に同じ本を読んだ人と出会えるようなマッチングサービスとオンライン書店が掛け合わさったものを運営しています。
毎月選書を4冊、私達の方で書店員さん出版社さんと一緒にしているのですが、その中から一冊選ぶと、皆さんビデオチャットに参加できると、
で、今回Chaptersで提供している出会いって、恋愛に限らなくて、既婚者も参加できますし、同性同士のマッチも盛んに行っています。
純粋に本を読んだ後の誰かと共有したいという気持ちに応えるようなサービスで、その先に素敵な恋愛が始まったりとか、
友情関係が始まったらいいなという予感のサービスを提供しております。」
MISSION ROMANTICっていう名前、これが会社名になるのですよね。
会社名ぽくない感じもしなくもないんですけど、素敵な名前だと思いますが、コンセプトがあったりするんですか?
「起業するとき、ビジョンミッションバリューが大切って言われていて、なんだろうと思ってたんですけど、
私の場合、コンセプトありきで起業して、それが映画の耳をすませばを見た時に雷に打たれて、こういう出会いを作りたいと思ったので、
そこからぶれないように、それはつまりロマンチックだなと思って、ビジョンミッションバリューは一旦置いといて、
自分なりの会社の作り方をしようというのでMISSION ROMANTIC。
会社が提供するものはロマンチックであるかどうかってことをきちんと判断軸においていくっていうことで会社名を決めました。」
Chapters bookstoreでユーザーが本を選ぶときはどのように選んでいますか?
「我々の方で本を販売する時は、少し変わっていて、タイトルと著者を隠した形で販売してます。
本とか映画とかそういうコンテンツって、自分がこれ選んだらこう見られるんじゃないかとかそういう自意識が働いちゃうと思うんですよね。
私すごいなんか働いちゃうので、その時にあれこれ考えずに直感的に選んでほしいなっていうことからタイトルを隠して選んでいます。」
ユーザーはどういったことを理由に選ぶんですか?
「そうですね、例えば4月だったらスタートラインっていうテーマで本を組んだのですが、4月の始まりにピッタリの4冊を選びましたと、
そこには独自のクリエーションと推薦文を添えているので、そういった事を直感で選ぶように、
5月とかは五月病を吹き飛ばすんだみたいなテーマで本を4冊選んで、
どの本を読みたいかってよりも、どんな気持ちになりたいかというので選ぶようにしていますね。」
テーマで選ぶ本のセレクトっていうのはどなたがどうやって行なっていますか?
「毎月、店員さんだったり出版社さんと協議をして行なっています。
その漠としたテーマを私から伝えて、送られてきた本を私ともう一人で読み漁る、冒頭100ページで面白いと思えるかどうか、それを大切にしていますね。」
冒頭100ページが結構重要。
「私も日々本を読むのですが、冒頭100ページ読むとその本が軽すぎて内容が入ってこないのか、逆に難しすぎて集中できないのかが分かる目安が100ぐらいかなと思っていて、お客さんの7割が久しぶりに読書を楽しみたい、2,30代が多いので、
そういった方達の感性に私が一番近いのかなと思って、プロの本を味見するという形で、全部責任を持ってお勧めしたい本を選ぶようにしてますね。」
こうやってこだわって選んで下さってるので、マッチングサービス利用目的じゃなくても、純粋に本を楽しみたい人もすごい楽しめそうなサービスですね。
マッチングサービスの本屋というよりは、マッチングもできる本屋ってことですね?
このChapters bookstoreではアテロという機能も独特なのですけれども、さらに詳しく教えてもよろしいでしょうか。
「アテロはビデオチャットの呼び名なのですが、無機質なので、ビデオチャットという名前が、なのでサービス中にアテロと呼ぼうと定着していきました。
で、アテロでは20分間、初対面で本の話をするわけなのですが、特徴がありまして、10分間お互いの顔が見えないということ、
後は、選んだ本に合わせて、質問を用意しているので、直接的に本の話がしやすいということ。
事前情報だったりとか、スペックみたいなことを取り払って、直接的に本の話をして、その人に触れてほしいという事。
本ってすごく人の価値観に触れられるものなので、何かそういった出会いにしたいなと思って工夫をしてます。」
面白い取り組みですね。この発想はどこから生まれたのですか?
「私、今31歳なのですが、20代後半にマッチングアプリをすごいやったんですよ。スペックで人を判断することに違和感を感じて、
出会いそのものが楽しいはずだよな恋のはじまりってと思って、その出会いの始まりを作れるサービスにしたいと思って始めたのがこのサービスの前身となるサービス、MISSION ROMANTIC bookっていうサービスがあったのですが、
これは全部アナログで、私が送って、お食事の場所を提供してみたいなことをヒソヒソやってました。
ありがたいことに人数が1000人単位で入って来てくださって、
私1人で捌き切れなくなり、今回オンラインのChaptersの開発に踏み切りました。」
今週はそろそろお時間になりました、最後にこれで乗り越えてきたハードルを教えてください。
「色々あるのですが、ちょっと超えられそうで越えられないぐらいの近くのハードルをいつも置くようにしていて、Chaptersやるにあたっても起業しなくても良かったのですが、色んなやり方がある中で起業して自分のビジネスとして挑戦するってちょっと難しそうじゃないですか、そこにきちんとハードル置いて行くみたいな、私の目指すハードルっていつも低いんです、多分人より。
いつも目の前にあって、ちょっと超えづらいみたいな事を重ねているかなっていう気がします。」
ありがとうございます。