2021.08.17
日本の食の価値を世界へ
ONE MORNING「 The Starters 」。
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。
今週のゲストは、
グルメコミュニティアプリ「SARAH」を展開する、株式会社 SARAH 代表取締役の高橋洋太 さんです。
おはようございます!
高橋洋太 さんは1984年のお生まれ。
大学在学中に「学生起業家選手権」で優勝、その時の賞金で起業を経験。
2009年に株式会社エニグモに入社し、海外ファッション通販サイトBUYMA などを担当。
そして、2014年に株式会社SARAHを設立されています。
グルメコミュニティアプリ「SARAH」とはどういうアプリでしょうか。
「一言で言うと、美味しい一皿が集まるグルメコミュニティアプリになります。
口コミ系のグルメアプリというと、お店に対して口コミを書いて、お店のランキングから探すことが一般的。
「SARAH」は一皿。メニューに対して口コミを集めてまして、例えば、美味しい麻婆豆腐食べたいなど。」
社名の「SARAH」はお皿に掛かっている?
「ダジャレですね。もう1つありまして、
人の名前を付けたいなと思っていて、サラちゃんがオススメを紹介するという意味で付けました。」
ユーザーの方は、どのように使われていますか?
「もちろん、ご飯探しに使っている方が多いのですが、頻繁に使う方が投稿することで日々のご飯をより楽しんでいるという感じです。
イメージとしては、ポケモンのようにご飯を楽しんでもらう感じに作っているのですが、ポケモンって集めるだけで自己満足的に楽しいように、ポテサラこれだけ食べましたみたいに集める楽しさ、他の人にたくさん美味しいもの食べているよというような形で、ポケモンみたいな感じで楽しんでもらえると、日々のご飯を食べることをもっと楽しくいうなるという感じです。」
「SARAH」というアプリはどうやって作ったのですか?
「最初、エリアを限定して、会社が代々木上原にあったので、限定して情報を充実させて作って行こうと思ったのですが、あまりうまくいかなくて、
やってるうちに各エリアでご飯を発信してる人がコミュニティになってるということに気づいて、なのでそういったSNS で情報発信してる人に DM で連絡をして、そうこうしていくうちに、呼ばれたりとか、そちらに行きますみたいな感じで、
ユーザー会とかもやるようになって、そうするとユーザーさんからいろんな要望いただけて、アプリを改善して精度が良くなっていったのと、
あとは人紹介していただけて、どんどんアプリが大きくなっていった感じです。」
集まったデータとかってのは貴重だと思うのですが、外食産業に提供したりとかはあるのですか?
「外食産業もそうですが、最近だと食品メーカーさんが結構多かったりするのですが、非常に多くの会社さんにデータ提供させて頂いてまして、
単品に対する感想のデータを分析していくと面白くて、消費者ニーズがすごく細かく分かるのです。
例えば、質問いいですか?
一般的に人気のある唐揚げはどんな唐揚げが人気だと思いますか?」
ジューシーで、ちょっとにんにくが効いていて、中は柔らかい、外はカリカリ!
「ありがとうございます。実はどれでもなくて、”大きい”唐揚げなんですよ。
評価の高い唐揚げの口コミに書かれるキーワード、テキストを分析すると、
“大きい”というキーワードが使われる唐揚げが一番人気ということが分かるのです。」
それぞれのユーザーがその料理のどういうポイントに注目して食べているのかっていうのを口コミからデータ化していると。
「それで、大手メーカーさんや外食業さんが使って商品化すると。」
なるほど。
ただ、ここまでいろんなご苦労もあったかと思うのですが、
何か大きな負債を抱えてしまったこともお有りなのですか?
「最初、19歳の頃に起業して、別の会社で役員にもなっていて、そのあとそこの負債を背負う事になるのですが、」
「学生起業家選手権」で優勝して、その資金で起業経験されているじゃないですか?その企業ですか?
「それとは別の会社です。
学生で起業するってなると良くも悪くも目立つじゃないですか。
普通の大人の会社に呼ばれて、学生向けの事業をやりたいから役員になってくれないかと言われて、
その会社の負債を…連帯保証しちゃったというやってはいけないよと言われる話で、まだ経験も少なくて、自分の担当の事業でもあったので、
私にも責任があるかなと思って、自分の会社も4、5年やって、それはそれで上手くいかなかったので、
辞めて、それでBUYMAに入ったのですね。
そしたら半年くらい経った時に、裁判所から通達が届き、あなたの社員の給料差し押さえしないといけなくなりましたと、で、そこから給料が全部入って来なくて、しかもそのまま続けてても50歳まで完済できない金額でした。」
え、それはどうしたのですか?
「そうこうしてるうちに株式会社エニグモが上場したので、その時に入ったお金で一括で返済することができました。」
エニグモはどういう立ち位置で入ってたのですか?
「普通に社員でした。」
ということは、ストックオプション?
「おっしゃる通りです。」
その権利を与えられたメンバーだったのですね。素晴らしいですね。
今振り返ってみてすごく大変な経験だと思いますが、今の事業には生かされてると思いますか?
「少しのことではストレス感じなくなりましたね。あとは契約のことは気を付けるようになりました。」
今どんなことにやりがいを感じてらっしゃいますか?
そして、これからの夢を教えてください。
「データの力を活用して、日本の食の価値を世界に届けたいっていうところを個人的にはモチベーションになっています。
デジタル競争力っていうので、日本は先進国の中で最下位とか言われちゃってるとか、あとはいろんな産業も中国とかアメリカとかが強くて、
なかなか厳しかったりするじゃないですか。
その中で、食は日本の価値として世界に認められているし、メーカーさんもあんなに美味しいものを安く作れる国もなかなかないと思うのです。
そこに、データの価値、要するに世界の人がどんな味覚なのかとか、
どんなものを求めているのかというのをデータ化して、それと、日本の食の商品開発を組み合わせて世界の人に美味しいものを届けたいなっていう風に思っています。」
株式会社 SARAH 代表取締役の高橋洋太 さんでした。