三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ ユージ・吉田明世20代~30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2021.12.14

EC化が最も遅れてる業界に救いの手

株式会社10X
代表取締役CEO
矢本真丈さん
「ネットスーパー」のアプリを開発し注目されている会社


ONE MORNING「 The Starters 」。
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。

今週と来週の株式会社10X 代表取締役CEOの矢本真丈さんです。

矢本真丈さんは1987年、青森県生まれ。
大学院卒業後、丸紅やNPO、メルカリなどの勤務を経て、2017年に株式会社10Xを創業されています。


10Xという社名の由来は?

「NPOに勤めていた時に、 Googleさんとお仕事することがあり、
Googleの故郷が近い方がいらっしゃって、その方がまたまた私のボスになったんですけど、そのボスが何か報告すると「次10倍ね、テンエックス ね」っていう風に、非連続な目標を投げかけてくる方だったんですね。
それがすごい自分とっては心地いいと言うか、良いストレッチになったので、それが好きで、会社としてもこういう非連続なものを社会を作って、
なくてはならないものを準備していきたいっていう意味を込めて、10Xにしました。」


ここからは10Xの具体的な事業内容を伺っていきたいと思います。
まず「Stailer(ステイラー)」というアプリを展開されています。
これはどういったものなんですか?

「Stailer はアプリというよりは、
例えば、スーパーさんとかドラッグストアさんとかチェーンストアと呼ばれる業態、どこに行ってもお店があるそういう業態だと思うんですけど、
こういう方々がECを始めることは実はものすごく大変で、世界中でもEC化が最も遅れてる業界なのです。
そういった方々が、ECをやるために必要なものを全てパッケージをご提供するようなプラットフォームサービスをご提供していて、
例えば、イトーヨーカドーさんとか、大手スーパーのライフさんとか、
そういった会社さんに提供して、事業者さんがECを立ち上げるための準備をするっていうことと、その先にいるお客様が実際に触る、
注文するためのアプリケーションを提供するというそんな事業をやっています。」


なんとなくですけども、
そういうサービスって前にもあったような気がするんですけども、それとまたちょっと違う?

「そうですね、例えば似た業界ですと、Shopify と言われるような、
スモールストアがECを始めるための仕組みですとか、日本だと楽天さんとかそういう仕組みがあったんですけど、
彼らと決定的に違うのは、生鮮食品を扱ったり鮮度だったり温度があるものを扱うってところで、これが難しいんですが、
仕組みを作るの難しいですし、それをオぺレーションすることも難しいんですけど、
Stailerはまさにそこに特化して対応してるってところが大きく違うポイントです。」

そうか、生鮮食品はやっぱ難しいんですね。

「例えば、一週間先の計画を立てることすら結構難しい食材なんですよ。
明日何とれるかわからない世界なので、
実際お店に入ってきてから、今日は何がいくらで何個この店にありますって情報が初めて出てくる、なんかそういう難しいものだし、
お客さんの立場からしても、献立っていつ決めますか?って考えると、一週間前ではなくて今日ですよね。
ギリギリで決める方もたくさんいらっしゃると思いますが、
お客様が意思決定をするための時間もすごい短い、そんな商品なのです。
例えばお洋服とか、長い間検索してお気に入りリストに入れて、
一週間ぐらいかけて検討してという使い方が普通だと思いますが、食品はそうじゃないですよね、
開いてパッと買って、今日の夕飯に使うというぐらいの忙しなさがあります。」



矢本さんは業界について元々詳しかったんですか?

「全然詳しくなかったですね。」

どうやって学んだのですか?

「この事業を始めるにあたって、
大手の小売さんのバックヤードって言われる、普通お客様が入るエリアと、
後ろ側にお店がサービスするために準備するようなスペースがあったりするんですけど、
そういうところにはすごいあしげなく通わせていただいて、そういった形で知識を蓄えていった感じですね。」



もちろん日々良くしていくために開発研究されてると思うんですけど、
実際に使っていくうちに課題も出てくるんじゃないですか?


「沢山出ますね、小売の現場ほど複雑なものはないなって思ってまして、イレギュラーがすごい多いです。
システムとして、こういう風に使ってくださいと設計はできても、
それを使われるパートの方は今日入社しましたみたいな方がすごい多いので、
そういった方々が初日から間違わずに作業が出来る状態を作るには、まだまだ超えなきゃいけない課題がたくさんあります。」


続いて、「P!ck and(ピックアンド)」というものを去年開発されたそうですね。これはどういったものなんですか?


「これもStailerのプラットフォームを使って、ドラッグストアさんに提供したサービスです。
東北の薬王堂さんと共同で実施しているサービスで、スマホでお客様が注文して、ドライブスルーでドラッグストアの商品を受け取れるサービスです。
例えば、薬やおむつ、お水とか実は食品も多いです。
こういったものを注文して、決めた時間に取りに行けます。」



事業以外にも、社員の皆様の為に制度を新しくされたそうですね?

「福利厚生のパッケージで、10X Benefitsという人事制度を導入しました。
社員が長期的に安心して働けるための、落ち込んでしまうようなリスクを会社が積極的にカットしようという考えで作って、
例えば、育休の給付金ってのは結構な金額もらえるんですけど、
だいぶ遅れて振り込まれるので、その遅れてる間ってお金の心配結構あるんです、
それがないように、会社から祝い金って形で、育休に入った瞬間に70万円を振り込みます。」


これまで乗り越えてきたハードル教えてください。

「Stailerという事業を立ち上げる前は、
献立を推薦するようなアプリをやっていて、我々は小売さんについて何も知らなかったんですね。
それからひとつひとつ積み上げていくにあたって、
大企業の会話の仕方とか、大企業がどういうことを日々考えて仕事されてるかっていうのは知らないところからスタートしてきたってのもあって、
事業にできるかどうか分かんないって不安がずっとあったんですよね、
それがスタートアップっていう、スピードが武器ではあるものの、丁寧に会話したりしながら、
今の事業を作ってこられたのは一つ大きいハードル越えられたのかなって思ってます。」


ありがとうございました。



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