三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ ユージ・吉田明世20代~30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2021.12.21

不安の種を検証して潰す

株式会社10X
代表取締役CEO
矢本真丈さん
「ネットスーパー」のアプリを開発し注目されている会社


ONE MORNING「 The Starters 」。
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。

今週と来週の株式会社10X 代表取締役CEOの矢本真丈さんです。

矢本真丈さんは1987年、青森県生まれ。
大学院卒業後、丸紅やNPO、メルカリなどの勤務を経て、2017年に株式会社10Xを創業されています。


先週は、主な事業内容について伺いました。
お客さんとしてはネットスーパーで買いやすく、
スーパー側は在庫管理などが便利になるアプリ「Stailer(ステイラー)」とか、
そして、ドラッグストアでドライブスルーで買い物できてしまうアプリ
「P!ck and(ピックアンド)」を展開するなど、
私たちのネットでの買い物や、小売業の形を変えてしまうサービスばかりでしたね。

今週は矢本さんのこれまでについて伺っていきます。


青森のご出身ということなんですけども、青森はどちらですか?


「青森県弘前市って盆地の出身で、雪が深い場所ですね。高校卒業するまでいました。」


今は、社長という職業について、起業するってイメージはいつ頃からあったんですか?


「ちっちゃい時も全くなかったですね。
家族が、親もおじいちゃんおばあちゃんも全員公務員とか教師とかなんですよ。
なので、全くビジネスみたいな概念が家庭の中にはなくて、
起業しようと思ったのは、2011年に震災を仙台で被災した時に、死にかけたっていうのと、
ボランティアとか色々やっていたのですが、あまりインパクトでないなという中で、創業者がすごい支援してくださって、
例えば、孫正義さんとか、三木谷さんとかが支援されていて、
社会が大変な時に、それを支えられる影響力って凄いなって思って、ぼんやり意識していくようになりました。」


2011年の震災があった時に仙台にいらっしゃったのですか?


「そうですね、その時東北大学で大学院生でした。」

実際に間近に経験をされて、

「本当に死ぬなって。地震起きる瞬間、1分くらいの揺れだと思うのですが、
1時間ぐらいが揺れてる感じがして、これが死ぬのかみたいな経験があって、その後に避難所で一週間半生活したりとかしましたね。」


そんな中で、多くの起業家含め日本でも有名な資産家たちの支援を見て、自分もそういう人間になれたらいいなと。

「そうですね、ぼんやりとですが。」

ちなみに東北大学では専攻は何をなさっていたのですか?

「専攻は、化学・バイオ工学で、ワクチンを作っている会社とかに近くて、
DNAの内容を解析して、癌を治すにはどうしたらいいかとかそういう研究するような工学をやってました。」


今のお仕事とずいぶん違いますね。
最初に就職したのが、丸紅だそうですね。


「カザフスタンに、ウランがたくさん埋まっていて、ウランを掘り起こして、世界中に原発の材料として輸出するっていう事業が、
僕が入社する4年5年前からやってたんですけど、そこに配属になりました。
ですが、私が被災をした後、世界中で原発止まってたので、
ビジネスが立ち行かなくなるみたいな訴訟が起きたりとか、
そういう面倒ごとをうまく間に入って解消をするっていうすごく難しい仕事してました。」


それもまたイメージと違いますけども、そこからNPO に転職。
そこでは何をされたんですか?

「やっぱ商社の仕事にダイナミズムあったんですよ、
ですが地に足がついてないというか、誰の役に立ってるのだろうっていう疑問がずっとあって、
だったらダイレクトに、自分ごととして捉えられる人に仕事を提供したいって思うようになって、
東北で被災したっていう経験もあったので、復興支援の NPO に入らしていただきました。」


その後、メルカリにお勤めになったと。


「1回実は、企業挟んでいます。NPOの時に、IT ってすごいな思い、
自分でプロダクト、製品を作ってみれるようになりたいというので、
企業挟んで、それが売却が決まって、その後メルカリにお邪魔しました。」

「メルカリでは、新規事業の部隊に配属になって、
地域の人たちが売り買いをする、メルカリアッテっていうサービスが昔あったのですが、そのプロダクトマネージャーをしてました。」

今の会社を立ち上げられたのが2017年ということで、
メルカリは今上場してますけど、上場する前のメルカリ、丸紅という会社の中も見たし、
色んな景色をご覧になって、今の経験にも活かされてますか?


「丸紅は3万人ぐらいいて、メルカリは入社した時400名ぐらいで、
出る時には倍ぐらいになってたので、速度が速い会社でした。
NPO とか自分で起業した時は、NPOは10人目ですし、企業した時は1人目みたいな、
いろんな規模で何が起きるのかは、たまたまですけど経験ができたのかなって思いますね。」


その後、10X の創業に繋がると思うんですけど、どのようにつながっていったのでしょうか?


「メルカリにいた時に、育児休暇を取らせて頂いたのですが、
家事とか育児をやって、食と買い物の周りって全然テクノロジーが入ってないなってない気づかされたのです。
自分が小さい時から週末にスーパーに行って買い物して帰ってきてみたいな、このルーティン何も変わってないじゃん、
なんで食品は買えないんだろうっていうのが根幹にあって、今の事業だったり、企業に繋がっていきました。」


実際どうですか?
自分のこれ不便だなという思いも含めて、恐怖とか、心配とか無かったですか?

「当然そういうものってあるんですけど、
何に対して恐怖を感じるかなっての考えたんのです。
先が見えないことだと思って、“自分どうなるんだろう”とか”食っていけるのかな”と、
そういう不安が一番が根底にありますよね、
私がやったのは、全部書き出して、上から順番に検証していくことをやりました。
例えば、
前に献立は推薦するアプリを作ったのですが、
その前に、これお金になるのか検証する必要があったので、
そういうサービスを出品できるような場所で、
“あなたの一週間分の献立を私が代わりに考えます・買い物リストも作ります”
っていうサービスを500円で出品したら、
1時間で16人から注文入って、これ売れるじゃんとっていう形で、
一つ一つ不安の素を潰していきました。」


ありがとうございます、めちゃめちゃ興味深いお話でした。
そろそろお時間になってしまいました。
最後に、これからの夢教えてください。


「個人としてこういう夢がありますみたいなことはあまり無くて、
子供も居て、好きな仕事してすごい充実してるんですが、
仕事の先に、会社として掲げてるコピーみたいのがあって、
自分みたいな人とか、一般の普通の人の半径1 M にいるような人たちを助けられるサービスを作りたいってのが会社のモチベーションでもあるんですね、
それが達成出来るように、時間はかかるかも知れませんが
前に進めることができると、
社会の役に立つし、地震の時に感じた自分の無力さも少し役立てた実感を持てるかもなと思い、それを目指しやっていきます。」




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