ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2015年9月20日のショートストーリー

「“また明日！”と言うと生きる勇気が湧いてくる」

[ストーリー]

「今年は、お母さんと軽井沢に行って来たよ」

９月のお彼岸。
父の墓前で、夏休みの報告をすることが
いつしか決まりごとになっていた。

社会人になって２年目。
ようやく自分のお給料で、母を旅行に連れて行くことができた。

「頑張ったじゃないか」

父のうれしそうな声が聞こえる気がする。

父を亡くした時、私はまだ中学生だった。
よく笑い、どんな小さなことでも褒めてくれた父。
心に空いた穴はなかなか埋まることはなく、
ただ泣いてばかりいた。

そのとき、担任の先生が、こんな言葉をかけてくれた。

「“また明日！”と言うと生きる勇気が湧いてくる」

その言葉は、明日のことさえ考えられなかった私の心に
一筋の光をくれた。
人は、言葉ひとつで救われることがある。

今、私の職場に、元気のない同僚がいる。
今度、その人にこの言葉をかけてみようと思う。

大分県「キウイ」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・市川榮里

• 前のストーリーを見る
• 次のストーリーを見る