ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2015年11月22日のショートストーリー

「名もない花なんてない」

[ストーリー]

夕方５時。
今日で定年退職する上司のささやかな送別会が始まった。
スピーチでは、この会社で
充実した日々を過ごせたことへの感謝が語られた。
満ち足りた笑顔の上司を見て、ふと考えた。

今の自分は、充実しているのだろうか。

就職までは思った通りに進むことができた。
ところが会社に入ってから風向きが変わった。

この会社で自分に課された使命とはなんだろうか。
得も言われぬ不安に襲われるばかり。

その時、上司として最後の言葉が我々に贈られた。

「名もない花なんてない。」

学生時代の恩師に言われて以来、
退職の日まで大切にしてきたというその言葉に
ハッとさせられた。

そうだ、仕事は与えられてするものではない。
自分にしか咲かせられない花があるのだ。

大きな花束を贈呈された上司に
力いっぱいの拍手を送った。

山口県「前向き中年」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・杉山錠士

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