ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2016年4月3日のショートストーリー

「どちらに進んでも道は開ける」

[ストーリー]

春、新しい一歩を踏み出した。
コツコツと靴音を響かせて。

東京の大企業の内定も貰ったけれど、
自分の意志でこの道を選んだ。
地元の会社に就職する。
ふるさとを活性化したいとの想いからだ。

入社式で懐かしい顔に出会った。
中学時代のサッカー部の友人。
でも、何だか浮かない表情をしている。
聞けば、家庭の事情でやむを得ず、Uターン就職をしたという。

「そっか。でも大丈夫。覚えてるだろ、この言葉」

「どちらに進んでも道は開ける」

それは、サッカー部の顧問の先生のアドバイス。
ドリブルで突破できなければ、
パスを回して前進しろと教えてくれた。

アイツにあの時の笑顔が戻った。

「俺のパス、スルーするなよ」
「勿論。まだ、革靴には慣れないけど」

社会人としてのキックオフ。
ウグイスが高らかにホイッスルを吹いた。

神奈川県「こぶし」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・市川幸宏

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