ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2016年5月22日のショートストーリー

「花も実も、根っこがあってこそ」

[ストーリー]

5月、水辺に凛々しく咲く花は、私の心を奮い立たせる。

江戸時代、尾形光琳がリズミカルに描いた、
かきつばた。
私は、その絵に魅せられ、美大に進み、
今はデザイン事務所でアシスタントをしている。

主な仕事は、先輩たちのお手伝い。
必要な本や写真を集めたり、プレゼンの資料を用意したり。

ある日、先輩が作ったロゴマークを見て、愕然とした。
シンプルなのに、メッセージが伝わる。

ふと、大学時代の先生の言葉を思い出した。

「花も実も、根っこがあってこそ」

花は、根っこまで描くつもりで描け、と教えてくれた。
先輩の作品には、しっかりと根が張り巡らされていたのだ。

経験という名の根を張って、私も花を咲かせたい。

いずれ、あやめか、かきつばた。
憧れの先輩に並び立つよう、今日からまた、勝負！

佐賀県「メレンゲ」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・市川幸宏

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