ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2016年5月29日のショートストーリー

「あなたにとって、“今日”がいちばん若いのですよ」

[ストーリー]

たくさんのきれいな瞳が、教壇に立つ私を見つめている。

緊張の中、迎えた、教育実習初日。
心なしか声が震えている。
しっかりしろ、私！

かつて、私もこの中学校の生徒だった。
口下手で不器用。
何をやってもダメな私をいつも励ましてくれたのが、
担任の先生だった。

その背中を追いかけて、今日はじめて、教壇に立った。

でも、思うようにいかないまま、授業は終了。
すると、担当でもないのに、見守っていてくれたのか、
先生が、あの頃と同じように励ましの言葉をかけてくれた。

それを聞いた途端、心が軽くなった。

ここまで歩んで来られたように、
いつか、今日のことを思い出し、
懐かしく思う日が来るだろう。
大丈夫。きっと先生のような教師になれる。

帰り道、私は、先生からもらった言葉を何度も思い返した。

「あなたにとって、“今日”がいちばん若いのですよ」

東京都「ue053312」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・市川榮里

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