ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2013年2月17日のショートストーリー

「ひとつ拾えば、ひとつだけきれいになる」

[ストーリー]

「なあ、今度の日曜日、川の清掃、やってみないか？」
同期の山田君に誘われて、河原を綺麗にするボランティアに参加した。
自宅から車で一時間ほど行った川は、かつて清流と言われ、
イワナが泳ぎ、鮎がはねていた。

その日曜日は、北風が強く寒かった。
河原に出てみて驚いた。
びっくりするぐらい、ゴミが多い。空き缶、吸い殻、ビニール袋。
「ええ？これを上流まで拾い続けるの？」
思わず声が出た僕に、山田君が言った。
「昔さ、小学校のときの先生が色紙に書いてくれた言葉があってさ。
『ひとつ拾えば、ひとつだけきれいになる』。この光景を見るとさ、
その言葉、いつも思い出すんだよな」
ひとつ拾えば、ひとつだけきれいになる。

寒い一日だったけれど、終わってみたら汗をかいていた。
ひとつずつきれいになったのは、河原ではなく、自分の心だった。

男性Ｎこの番組は、月、水、金曜の朝７時１９分から放送している
『ありがとう！先生』でご紹介している言葉をもとに
お届けしています。

神奈川県「スペシャルいちごショート」さんの
先生からもらった忘れられないコトバでした。
脚本・北阪昌人

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