ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2013年3月10日のショートストーリー

「誕生日は、産んでくれたお母さんに感謝する日」

[ストーリー]

今日は、私の誕生日。
今朝、夫も小学六年になる娘も、
何も言わずに出かけたけれど、覚えてるかな、私の誕生日。
歳をとるのは嫌だから、誕生日なんかお祝いしてもらわなくていい、と思いつつも、やっぱりどこかで「おめでとう」を言ってほしい自分がいる。
メールが来た。懐かしい高校時代の友達からだった。
「たしか、今日、誕生日だったよね？おめでとう」
シンプルな文面だったけれど、うれしかった。
そして、私は高校の卒業式のことを思い出した。
卒業式の日がちょうど自分の誕生日で、そのことを担任の先生に話すと、先生はこんなふうに言ってくれた。
『誕生日は、産んでくれたお母さんに感謝する日なんだよ』
私は校門の前で待つ母に、「ありがとう」と言った。
そうだ・・・祝ってほしいと思ってばかりいたけど、今日は感謝する日。さっそく母に電話した。
でも、私が「ありがとう」と言う前に、電話に出るとすぐに母は、「おめでとう」と言ってくれた。
ありがとう、先生！

愛知県「なつみかん」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・北阪昌人

• 前のストーリーを見る
• 次のストーリーを見る