ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2013年9月22日のショートストーリー

「なんとかなる、ではなく、なんとかする」

[ストーリー]

僕の職場には、助さんと呼ばれる先輩がいる。
そのあだ名を聞くと、
大柄の男性を想像するかもしれないけれど、
僕たちの助さんは
明るく素敵な女性だ。
トラブルや難しい取引先というと、
「助さん、頼みましたよ」と水戸黄門さながらに呼び出され
彼女はそれを淡々と処理していく。

一度、僕は彼女に仕事のコツを聞いたことがある。
すると、こんな話が飛び出した。

「小学校の頃ね、私のクラス、皆、のほほんとしてて、
なんでも途中でなげだしちゃう私たちに
先生がいつも言ってたの。
『なんとかなる、ではなく、なんとかする』って
おかげで、卒業する頃には、私たち、
『しっかりした子』になってて、
受験でも就職でも、皆、頑張れたんだよね。
自分を信じれば、ホントに『なんとかなる』んだよ。」

ある夜、一人残業する助さんは、珍しく落ち込んでいた。
僕が、「なんとかなる、ではなく、なんとかするんですよね」というと、
彼女はふっと息を吐き、
そして、仕方ない、といった感じに笑った。

広島県「カティ」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・永坂久美

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