ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2013年10月13日のショートストーリー

「笑いじわは美人の第一条件」

[ストーリー]

仕事と介護に奔走する毎日で、
同窓会のハガキには目もくれていなかった
そんな私を気遣ってか、
幼馴染が同窓会に行こうと言い出した。

日ごろ着ないワンピースに袖を通し、鏡の前に立つと
そこには疲れ切った女が映っている

口角を上げてみたり、笑顔を作ってみたり、
でもどんなに頑張っても目じりのしわは消えることはない。
私は落ち込んだ気分で会場に向かった。

久々に顔を合わせる同級生たちは、
全然変わっていない子だったり、
誰だかわからないぐらいの変わり具合だったり・・・、
その時だった、
大好きだった担任の中谷先生が
ゆっくりとした足取りで私のところに近づいてくる。

「鈴木さんね。
あなたはいつも笑ってた顔を思い出すわ。
ほら、昔みたいに、笑ってなきゃ。
笑いじわは美人の第一条件よ」

そう言われて自分がしばらく笑っていなかったことを思い出した。
先生の小さくなった手を取り、
そして、私は、子供の頃を思い出し、先生に精一杯笑い返した。

栃木県「モー」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・永坂久美

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