ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2014年9月28日のショートストーリー

「二十歳（はたち）すぎたら自分の顔」

[ストーリー]

朝起きると、スマホの画面には、いくつものメッセージが並んでいた。
海外に住んでいると、なかなか話すことはできないけれど、
今や、こうやって簡単にメッセージを送りあえる時代。
誕生日ともなると、ありがたいことに、
色んな人からメッセージが飛んでくる。

今日で30歳。
夢を叶えるためにこの土地に移り住んでもう10年。
最初は寂しくて泣いてばかりいた自分も
今では、夢もフランス語で見るようになった。

バスルームへ向かい、ふと鏡を見ると、
そこには、少し疲れた、でも、10年前よりも
ずっと強くなった自分が映っている。
私は笑顔を作り、今日も自分を奮い立たせる。

こうやって鏡を見つめ、
時折思い出す、成人式の時に先生がくれた言葉。

「二十歳すぎたら、自分の顔」

この言葉をもらった時、身が引き締まる思いがした。
顔はその人の生き方を映し、その人の歴史を物語る。

今の私を見たら、先生は何ていうだろう。
そう思いながら、
私は、今の自分の顔を少し誇らしく思った。

埼玉県「タルトママ」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・永坂久美

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