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番組スタッフ
熊本地震が起きた際、問題になった「不謹慎狩り」。
きのう起きた大阪北部地震でも数件、報告されていて、いずれも嫌な気持ちにさせられます。

1件目は、モデルの山田優さん。

山田優、大阪北部地震直後にインスタ更新! 地震と関係ない内容にもかかわらず、「不謹慎だ」と炎上!(「日刊サイゾー」2018/6/18)

山田さんはきのう、自身のInstagramに「道が混んでてつかないー。困りました。#あー #traffic」というコメントとともに自撮りアップ画像を投稿。

山田優公式Instagram

地震発生から2〜3時間後の投稿だったことに違和感を抱いた人がいたようで、以下のような批判がコメント欄に書き込まれたといいます。

「不謹慎」
「ニュースを見ろ!」
「地震で大変な事になってるのに、のんきに自撮り?」

地震が起きたことを知らずに「道が混んでて困った」と投稿しただけで「不謹慎」と批判される。まったくもって、おかしな話です。

2件目は、大阪が拠点のチームに所属するサッカー選手。

地震直後「誕生日が思い出深いものに...」 ガンバ選手、SNS発言が「不謹慎」賛否(「J-CASTニュース」2018/6/18)

ガンバ大阪の食野亮太郎選手は、地震が起きてから約2時間後の午前10時すぎ、Instagramに「おはようございます!地震に遭われた方々、ご無事でしょうか 僕は元気です。笑」、「食野は、今日で20歳になりました! ハタチ初日がこの地震で、逆に思い出深いものになりました!」などと投稿。

これに対し、地震を「思い出深い」などと表現したことを問題視する書き込みがあり、これを受けてか、食野選手はこの投稿を削除しています。

食野選手にとっては20歳という節目の日。そのような日に地震という大きな出来事が起きたことで「思い出深いものになった」…。
たしかに、「思い出深いものになった」という言いまわしには多少違和感がありますが、食野選手は20歳。
20歳の若者の投稿だから仕方がない、と軽く受け流せないものなのでしょうか。

3件目は、「不謹慎」という批判に反論する、これまであまり見たことがないケース。

人気ラッパー呂布カルマ「地震楽しかったっす」 不謹慎指摘で炎上も...バトルぼっ発(「J-CASTニュース」2018/6/19)

地震発生時に大阪に滞在していたという、ラッパーの呂布カルマさんは地震発生から数時間後、Twitterに「不謹慎かもだけど地震も込みで大阪楽しかったっす」と投稿。

これを「不謹慎」と批判する書き込みがあり、これに対し、呂布さんは「別に何を楽しもうが俺の勝手だろ」などと反論。
そのうえで、「地震によって麻痺した交通などの非日常感に多少なりともワクワクしたからです」と問題視された投稿の意味をあらためて説明しています。

反論しているという展開が新しいだけで、呂布さんの投稿には共感できる要素はなく、批判するほどのものでもないというのが私の感想。

地震などの災害が起きたときには不謹慎なことを言いたがる人はいるものですし、ツイッター上にもそのような投稿は溢れているので、真摯に受け止めずに受け流せばいいのです。

ネットの書き込みは本来、「便所の落書き」とも揶揄されるほど軽視されていました。
それがいつの間にか、無名の人の言葉もリツイート数やいいねの数という後ろ盾を得て、ある程度の意味や影響力を持つようになってしまいました。
それがまさに今であり、今の状況は異常なのです。

不謹慎な書き込みも、不謹慎だと批判する書き込みも、本来は便所の落書き。
そう解釈し直し、どちらも受け流すというのが「不謹慎狩り」を可視化させないための第一歩なのかもしれません。

(スタッフH)
(2018/6/19 UPDATE)
番組スタッフ
6月18日(月)佐々木俊尚●グーグルの社是「邪悪になるな」はどこに行った?
グーグル社製AI基盤の軍事転用騒動について、朝日新聞記者の平和博氏に解説してもらいます。

6月19日(火)速水健朗●アメリカ出版界で注目される、ヤングアダルト向け啓発本
アメリカの出版界で人気を集めているジャンル、ヤングアダルト(YA)とは?

6月20日(水)飯田泰之●「仙境異聞」が異様な売れ行きを見せるわけ
江戸後期の国学者・平田篤胤の「仙境異聞」が異様な売れ行きを見せる理由とは?

6月21日(木)小田嶋隆●“自己肯定感格差”で何が起きるのか?
自己肯定感格差を抑える手段にはどんな手立てがあるのか?
(2018/6/18 UPDATE)
番組スタッフ
先日、久しぶりに週刊少年ジャンプを読みました。
私が読んでいた当時から連載している作品などほとんどなく、唯一のそれが「ONE PIECE」。
連載が始まってもう20年くらいになるでしょうか。

何年かぶりに読み、どうしてそういう展開になっているかはもちろんわかりませんでしたが、主要メンバーは登場せず、記憶の片隅に残っているサブキャラばかりが会議に集まるという回でした。
子供達にも「ONE PIECE」は人気だと聞きます。10年、15年前のキャラクターをわからないという子供たちもきっといるでしょう。
懐かしのサブキャラが集うその回は、”一見さん”のためにそれが誰なのか、どんな話に登場したのかがきちんと記されていました。

少年漫画においてストーリーものの作品を10年以上、続けることに私は否定的なのですが、件の回の”丁寧な情報”を挿入することによる”テンポの悪さ”はまさに長期連載の弊害であるのかもしれないな、と思いました。あくまでも個人的に。
それと同時に、もう私は少年漫画を楽しめる年齢、精神ではないのだとあらためて知らされ、寂しさも覚えたわけです。

長く続き、漫画を読まない人ですら知っている作品にまで上り詰めると、当然”アンチ”も登場し、内容やそれ以外のところで批判されることもあります。
先日、「ONE PIECE」にある批判が集中しました。
今月発売になった最新89巻に綴られた作者巻頭コメントが残留日本兵として知られる横井庄一氏をネタにしたとして大炎上したのです。

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「ONE PIECE」89巻の表紙カバーの折り返し部分には、軍服姿の男性が敬礼する肖像に、作者のコメントが添えられている。尾田氏は、食卓でよくある出来事として、大皿に盛られたから揚げが最後に一つ残りがちであると紹介。この状態のから揚げを「横井軍曹」と命名した。「横井軍曹残ってるよ!誰か戦争を終わらせて!」のように用いると説明している。
【ライブドアニュース:尾田栄一郎氏 横井庄一氏を笑いのネタにし炎上「不愉快極まりない」】
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批判を受け、集英社は少年ジャンプの公式サイトで「『ONE PIECE』89巻の作者コメント欄において、配慮を欠いた表現がありました。編集部、作者共々反省しております。今後は、より一層表現に留意して参ります」とのコメントを掲載しています。

私は今回の騒動をネットで知りました。89巻は買っていません。コミックを買ってない人も怒っているのだろうと想像しますがどうでしょう。
400円を払わずに、誰かがネットにアップした巻頭コメントの画像を見てけしからん!と憤っている人もいるのではないでしょうか。
もしかしたら、89巻も欠かさず買ってきた人がここに来て作者のコメントに怒りを爆発させた、ということもあるかもしれません。

30代の私でも横井庄一氏が昔から半ばネタ化されていたことは何となく知っています。当時も批判の声はあったことでしょうが、ただ可視化されなかっただけなのでしょう。 世の中がセンシティブになりすぎているとは思いつつ、「企業としては謝罪するのが得策」であることは間違いありません。

20年ほど前、ある漫画家がコミックの巻頭コメントで「1人10冊買え!買ったら燃やせ!古本屋には売るな!」というような内容を書いていました。
もし今、「自著を燃やせとは何事だ!けしからん!担当編集者どうかしてやがる!」とコメントをつけて画像とともにSNSに投稿すれば、いつでも怒る準備が万全にできている人々の共感を一瞬にして得られて、ワンピース89巻のような事態になるのではないか。
まあ、ある漫画家とは漫☆画太郎氏ですので、これはくだらない妄想です。

作品と作者は切り離すべきか。そんな問いが頭に思い浮かびます。
私は作品が面白ければ、作者はクズであろうが、変態であろうが、どんな人間でも構わないと思っています。
創作する人とは、人格者がどうかなどという物差しではなく、魂を削って生み出した創作物で評価されるのが良いと思います。
人々の怒りが可視化され、何かと批判が集中し、簡単に炎上する昨今。こういった時に作者と作品を切り離して楽しむ習慣を身につけていると、創作物にネガティブな印象を抱くことがないのでおすすめです。

坂本
(2018/6/14 UPDATE)
番組スタッフ
東京・目黒区で3月に5歳の女の子が父親から殴られた後に亡くなった事件。
煽情的に報じられた女の子の“反省文”は、事件と関係のない第三者の怒りを呼び起こすには十分すぎるものでした。

「ママ、もうパパとママにいわれなくてもしっかりと じぶんからきょうよりか もっともっとあしたはできるようにするから もうおねがいゆるしてゆるしてください おねがいします ほんとうにもうおなじことしません ゆるして」

その怒りの矛先は、女の子を保護する立場にあった児童相談所へと向かい、香川県議会議員の山本悟史さんによると、香川県の児童相談所に「なぜ救えなかった」という電話が相次いでいるのだといいます。
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「かわいそうだ!なぜ救えなかった!」という電話が香川県の児童相談所や本課にバンバンかかっています。気持ちはわかりますが、職員はその対応に追われることで、今、保護が必要な子どもたちへの対応ができにくくなっているのが現実です。
<山本悟史さんのツイッターアカウント(@mossanKAGAWA)より抜粋>
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行き場のない怒りを誰かにぶつけたいという衝動は分からないではありません。
ただ、怒りをぶつけたところで何も変わらないどころか、まわりまわって子どもたちの不利益につながる可能性があるのです。

それを示しているのが、『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。
今回の事件よりも過激ではありますが、同じような経緯をたどる海外の事例が取り上げられています。
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2007年、ロンドン北部のハリンゲイで、ピーター・コネリーという17カ月の男の子が亡くなった。
小さなピーターは、恐ろしい虐待と育児放棄の末、短い生涯を閉じた。その死の15カ月後、実の母親トレイシー、彼女の恋人スティーブン・バーカー、バーカーの兄ジェイソン・オーウェンの3人が、幼い子どもを死なせた罪で実刑判決を受けた。
しかし翌日の新聞報道では、この3人とはまったく別の人々に非難が集中した。イギリスの日刊大衆紙『ザ・サン』は、第一面に「血塗られた手」と見出しを掲げて彼らを叩き、その他の新聞も大々的に非難した。
(略)実は、マスコミの怒りの矛先は、当時ピーターを保護する責任があった人々、特にピーターを直接担当していたソーシャルワーカーのマリア・ウォードと、地区児童安全保障委員会(LSCB)委員長のシャロン・シュースミスに向けられた。
『ザ・サン』紙は、この2人の解雇を求めて嘆願書を作成した。そして新聞の紙面に彼女らの写真を掲載し、「この2人を知っていますか?」と見出しをつけ、電話番号を添えた。嘆願書には最終的に160万人もの署名が集まった。
地元の役所はプラカードを掲げた群衆にあっという間に取り囲まれ、シュースミスのもとには殺害の脅迫状が送られた。さらには、彼女の娘も殺害予告を受け、身を隠さなければならなかった。
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マスコミや国民の怒りの矛先がソーシャルワーカーへと向けられた結果、ソーシャルワーカーの辞職が急増。
批判を恐れるあまり、保護される子どもが飛躍的に増え、保護された子どもたちは従来よりも質の低い家庭の里親に預けられるという悪循環を生んだようです。
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ここまで大騒ぎになれば、その後はソーシャルワーカーの仕事振りが改善されるだろう、と人々は確信していた。(略)ではその結果どうなったのか?
(略)結果は、ソーシャルワーカーの辞職の急増だった。新たにソーシャルワーカーになる人の数は激減。(略)一方、辞めずに仕事を続けたソーシャルワーカーは、以前よりもはるかに多くの件数を担当することになった。
当然、一人ひとりの子どもにかけられる時間は減る。そして、彼らは自分の管理下の子どもたちに何かあった場合を恐れ、強引に介入し始めた。危険な信号を見逃して「魔女狩り」に遭うわけにはいかないと考えたのだ。
その結果、家族から引き離される子どもの数は飛躍的に増え、裁判所は急増した保護事案の処理に追われ、保護命令は次々と出されることになった。
(略)保護された児童は里親に預けられたが、急増した保護児童の需要に合わせるため、それまでより質の低い家庭にも里親としての承認が与えられるようになっていった。
また子どもたちは、本来の家庭から引き離されたことで、その多くが心身にダメージを受けた。
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この話を日本に置き換えてみると、認定NPO法人フローレンスの代表理事、駒崎弘樹さんのブログによると、日本ではそもそも、ケースワーカーが受け持つ件数が多すぎるうえ、里親も圧倒的に不足しているといいます。
つまり、里親が不足しているから、親子を引き離す「一時保護」を児童相談所が躊躇するというのが現状です。
現時点でこのようなギリギリの状況にあることから考えると、これに苦情が加われば、状況が悪化するのは明らか。
苦情の電話を掛けるという行為は、結果として保護を必要とする子どもを苦しめているのです。

“反省文”によって国民の怒りの感情を煽ったマスコミの責任もあるでしょう。
ときに怒りの感情が事態を好転させることもありますが、虐待事件に関しては怒りの感情を煽ることは逆効果でしかないように思います。

(スタッフH)
(2018/6/12 UPDATE)
番組スタッフ
6月11日(月)佐々木俊尚 ●古代ローマ帝国崩壊と重なり合う現代社会が直面する問題

「すべての道はローマに通ず」ではないが、ローマ帝国の滅亡と諸問題を抱える現代社会が重なりある理由とは?

6月12日(火)古谷経衡 ●朝鮮半島と関わってはいけない!?歴史が物語る、北朝鮮外交

歴史が物語る、朝鮮半島と関わってはいけない理由とは?

6月13日(水)飯田泰之 ●専制政治とテロが繰り返されるロシア

ロシアの強権政治が生まれた背景を考えます。

6月14日(木)小田嶋隆 ●ロシアが北朝鮮を支援し続ける切実な理由

なぜプーチン率いるロシアは北朝鮮を支援し続けるのでしょうか。歴史からその理由をひもときます。
(2018/6/11 UPDATE)
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