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番組スタッフ
先週のコラムに引き続き、今週は『ふくしま集団疎開裁判』世界市民法廷の「体験編」です。

2月26日(日)、日比谷で行われた世界市民法廷に参加してきました。

このイベントは

第一部:法廷再現劇
第二部:ゲストトーク
第三部:会場の参加者とゲストの意見交換

という三部構成になっており、第二部のゲストトークには上杉隆さんも登壇。


会場に入って席につき、受付で渡された封筒の中身を出してみると、裁判資料のほかに、A5サイズくらいの赤・黄・白の紙が入っていました。
裁判劇を見たあと、陪審員である会場の参加者が「こどもを疎開させるべき(白)」「疎開の必要はない(赤)」「わからない(黄)」とジャッジを示すための紙です。

Photo01

先日の記者会見以来、自分が陪審員になったらどういうジャッジをするか?ということを考えていましたが、このときはまだ、「わからない」の札を挙げるかなあ、と思っていました。

+++++
こどもの健康や安全はもちろん大事、ぜったい大事。

だけど・・・

この裁判で郡山市が負けたら、他の大勢の被害者も同じ訴えの裁判を起こすだろう。そうなると、市には莫大な費用負担が発生するわけだし、そんな費用をどうやって捻出するんだろう?
+++++


これが私の「わからない」の理由でした。


第一部の法廷再現劇は、郡山市の放射能汚染マップなど、原告が裁判で提示した資料のいくつかをスクリーンに映しながら、法律知識に詳しくない一般の人にも分かりやすい構成で進みました。

舞台上の陪審員役の人たちも、向かって右端が「もっとも被告(郡山市)寄り」、左端が「もっとも原告(こどもたち)寄り」、真ん中は「わからない人」という配置になっていたので、分かりやすかったです。

Photo02


劇が終わっても、私の意見は「やっぱりわからない」でした。どちらの主張も妥当に思えたからです。
しかし、そのあとに壇上に上がった郡山市のひとりの女子高生のスピーチを聞いて、はっとしました。

+++++
放射能をまいた東電、国策として原発を推進してきた国と自治体、それを容認した有権者に怒りを覚えます。
一番大切なのは命です。
けっして、大人の事情や経済を中心に考えないでください。
+++++


私の「わからない」は、まさしく「大人の事情や経済」が中心の思考。
中立の立場で、とか、広い視野で、と考えていたことが的外れだったことに気づかされ、恥ずかしい気持ちになりました。



第二部のゲストトークでは、上杉さんをはじめ各界の専門家の方々から、貴重な意見を聞くことができました。

Photo03

(登壇者:敬称略)
・上杉隆(自由報道協会代表)
・汐見稔幸(白梅学園大学学長)
・生井兵治(元筑波大学農林学系教授)
・野中ともよ(NPO法人代表) 
・メリー・ジョイス(ピースボート)
・井戸謙一(弁護士)


上杉さんの「こどもたちの健康・生命を守ることが最優先で、原発賛成反対の議論はここに持ち込まないようにしよう」という提案。

野中さんの「ニーメラー牧師の教訓」の引用と、「子供を守れない国は滅びる」というコメント。

心に響く言葉がいくつもありましたが、私のなかでは、次の汐見さんの言葉が、その前の女子高生のスピーチと繋がりました。

+++++
予防原則について。
日本人は原則に従って思考・行動するのが苦手。
先の戦争がなぜあんな大きなものになったかということを、丸山眞男さんは「事実がこうなったからの積み重ねで進み、こういうことは絶対してはならないという原則が忘れられた。すべて事実の後追いだった」と分析している。
今回も同じ。
「放射線の閾値なんてない、どういう影響があるか確定的に分かったときは遅い、危ない可能性があったら遠ざけるしかない」
というのが原則。
これがはっきりすれば話はややこしくない。
こどもの引き受け先や教育予算などの問題は、原則がまずあって、やるんだと決めたら、そのあとは粛々とやっていけばいい。
そういう原則を、私たちが生きていく社会のなかでは大事にしなければならない。
市民が「予防原則が大事だ」と分かったら、私たちの物の考え方は少し変わっていくのではないか。
+++++



陪審員となった会場の参加者の評決は、少しの黄色と大多数の白、というものでした。

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目先の経済や外交の駆け引きや技術発展よりも、命や安全がいちばん大事、という当たり前のはずのことを、当たり前すぎて軽んじていたのだと感じました。
この裁判に限らず、震災と原発事故に関連するいろいろな事柄に対して自分の価値判断が揺らぐ場面も(私のなかにまだまだ)あるのですが、この日の体験から、考え方の芯が定まった気がします。

現実の「ふくしま集団疎開裁判」弁護団は今月中に反論をまとめて提出。
来月中には、裁判所から何らかのレスポンスを得る予定だそうです。
引き続き、裁判の行方を注視したいと思います。



(水曜タイムラインWeb担当:たけなか)
(2012/2/29 UPDATE)
番組スタッフ
2008年に自殺した、居酒屋チェーン「ワタミフードサービス」社員の労災認定。

これを受けての、「ワタミ」の渡邉美樹会長の”あるツイート”
そしてその後のまずい対応がネット上で物議を醸しています。

ことの発端は、2月14日の渡邉会長のこのツイート。
===
労災認定の件、大変残念です。四年前のこと 昨日のことのように覚えています。
彼女の精神的、肉体的負担を仲間皆で減らそうとしていました。
労務管理できていなかったとの認識は、ありません。
ただ、彼女の死に対しては、限りなく残念に思っています。
会社の存在目的の第一は、社員の幸せだからです

===

このツイートに対し、ネット上では・・・
「100時間残業させといてみんなでケアしてたとかよく言えるよな」
「こんな人間が都知事になってたらと思うと恐ろしい」

と批判の声が続出、ネットの掲示板は炎上しました。

さらに、ワタミが2月21日にHPに掲載した「本日の一部報道について」という文書。
これが火に油を注ぐ事態を引き起こしました。

<ワタミHP「本日の一部報道について」>
===
本日、一部報道におきまして当社グループが運営する店舗に勤務していた元社員につき
労災と認定されたとの報道がありましたが、報道されている勤務状況について当社の認識
と異なっておりますので、今回の決定は遺憾であります。

===

これを見る限り、ワタミ側に「反省」の色はなく、
「遺憾」であることを強調しているように思えます。

当然のごとく、この文書に対しても批判の声が続出。
そのためか、この後、ワタミ側は態度を一変、反省を示し、火消しに走ります。

まずは、「本日の一部報道について」という文書をHPから削除。
代わりに「2月14日付け決定された労災認定について」と題した文書を
2月24日に掲載し、「真摯に対応すること」を強調しました。

<ワタミHP「2月14日付け決定された労災認定について」>
===
過日、報道のありました弊社グループ元社員に関する労災認定については、
神奈川労働者災害補償保険審査官による決定の内容を精査の上、
真摯に対応してまいります

===

そして、渡邉会長も2月24日、ツイッター上で「反省」の意思を表明。

<渡邉会長ツイッター>
===
縁あって、ワタミの思いに、共鳴してくれて入社してくれた一人の社員を
守れなかったのは、事実。命懸けの反省をしなければならない。
彼女に、心からお詫びをしなくてはならないと考えるに至りました。
もう一歩、寄り添うことが、出来ていれば…
一層の法令遵守 社員に寄り添う会社づくりを 約束します

===

当初、「遺憾」としていた態度を180度変更し、「真摯な対応」「反省」という言葉を使い、
表面上は誠意を示したかのようにみえるワタミ側の対応。
しかし、そこに謝罪の言葉は見当たりません。

渡邉会長は、2月3日、ツイッター上で、
「ごめんなさいが言えない組織は腐る」とつぶやいていますが、
自らがやっていることはどうでしょう。

渡邉会長の予言通りだと、ワタミは今後腐っていくのでしょうか、
それともすでに腐り始めているのでしょうか。


さて、ここまで、一連のワタミの対応を批判寄りの目線でおさらいしてきました。
それは私自身、発覚直後からネット上の情報をウォッチし、今回の騒動をどちらかといえば、「自業自得」という目線で見てきたからかもしれません。

しかし、同時に、
頭ごなしにワタミを叩いてもしょうがないのでは、という複雑な感情も抱いています。

調べてみると、ワタミのような事例は氷山の一角。
就職人気企業の6割が国の過労死基準を超える時間外労働を命じることができる
労使協定を締結していることが、2011年に明らかになっています。


===
就職人気企業225社のうち60.8%にあたる137社が、
国の過労死基準を超える時間外労働を命じることができる労使協定を締結していることが、
労働局に対する文書開示請求によって明らかとなった。
===
<My News Japan>2011年3月6日

労使一体となって社員を死ぬまで働かせる仕組みが、6割以上の企業でまかり通っている今、
ワタミだけを叩くことは不毛なこと。

叩くべきは、社員を死ぬまで働かせる仕組みがまかり通っている現状を
「よし」としている政府のずさんな対応なのではないでしょうか。


<火曜web担当:H>
(2012/2/28 UPDATE)
番組スタッフ
米グーグルが3月1日に変更するプライバシーポリシーが波紋を広げている。グーグルが抱える検索エンジンやGmail、Youtubeといった60以上のサービスでの検索・観覧履歴がすべてグーグル側にまとめてストックされ、それを基にユーザーの趣味に合った広告が表示されるというシステムだ。

この新しいプライバシーポリシーが発行されることにより、個人情報が漏洩しやすくなるのではないかという懸念が浮上し、またあるサイトで入力した情報が違うサイトでも反映され消費者の不快感を招きかねない。さらに大量の個人情報を一社に集めることにより、「ハッカーの攻撃対象になりやすくなるのでは?」という不安の声も挙がっている。

「ただでさえインターネットの普及によって個人情報の重大性が騒がれているのに、こんなポリシーを許せるはずがない。グーグル社内でもいつ誰がその情報を管理しているのかわからない。彼らが絶対に我々の情報を守れるという保障もないのに賛成できるはずがない。絶対に反対」(スペイン出身 30代男性)

グーグルがこのポリシーを発効する背景にはオンライン広告競争の激化がある。Wall Street Journal紙によればグーグルが抱える60以上のサービスのプライバシーポリシーを統一することにより、各サービスを横断的に一人のユーザーとして扱えるようになり、またアカウントの使い分け防止にも繋がる。企業側はユーザーの趣味をより詳しく把握でき、それに合った広告を打つことができる。

全世界に8億4500万人のユーザーを持つFacebookは、その大量の個人情報を利用して2011年には37億ドルを売り上げており、うち85%が広告収入という。今後さらに激化しそうなオンライン広告競争にそなえて、グーグルとしては何としてもFacebookに負けないだけの個人情報を集める必要があり、今回の新ポリシーはまさにその広告主争いが激化していることを示している。

反対意見が目立つこの新しいプライバシーポリシーだが、現在のネットを取り巻く環境を考えれば自然な流れだという見方もあるようだ。

「今頃騒ぐことじゃない。今までだって観覧履歴からYoutubeで僕の趣味に合ったビデオを勧められたり、amazonでも違う本を勧められたりしてきた。それと何も変わらないよ。このSNS時代、匿名でネットを使おうというほうが難しいのかもしれない」(カナダ出身 30代男性)

このシステムに対して、欧州連合(EU)が早々と更新延期を要請したほか、アメリカでは36の州と地域の司法長官が反対の立場を表明した事を受けて政府が2月23日にオンラインの消費者プライバシー権利章典(Consumer Privacy Bill of Rights)を発表した。

一方日本では川端総務相が「政府として何ができるのか対応を検討している」と、賛成とも反対とも取れない何とも曖昧な態度を取っている。日本の皆さんはこの問題をどう考えるだろうか?
(2012/2/27 UPDATE)
番組スタッフ
何かと物議をかもす橋下市長の発言。先日、こんな提案がありました。

大阪市の橋下徹市長は22日、小中学生が目標の学力水準に達しない場合、
進級を認めず留年させることを検討するよう市教委に要請したことを明らかにした。
同日開かれる市教育委員との意見交換会で協力を求める。
義務教育課程での留年は法的には可能だが、実際の運用はほとんどな
い。

【2012年2月22日 読売新聞】

橋下氏が小中学生の留年検討にいたったきっかけは、20日の読売新聞夕刊のインタビュー記事で、
教育評論家の尾木直樹氏が学力の底上げ策として、小中学校での留年を提案したことにあります。
これに賛同し、「学んだかどうかに関係なく進級させることで、かえって子どもたちに
害を与えてしまっている。理解できない子にはわかるまで教えるのが本来の教育だ」というのが
橋下氏の言い分だそうです。

まずはこのニュースに対するネットの声を拾ってみましょう。

●小中は学力面以外も重要だから難しいな。
 一年留め置かれると、それまでの友人関係から取り残されてしまうのが大きい。

●むしろ教師を留年させるべきでは。
 子供への対応と本人の努力も 併せて必要だが。

●確かに学力は向上するだろうけど
 学力より、道を踏み外さずに最短ルートで歩むことを求められる日本では
 デメリットの方が大きい


子どもの重要な人格形成期に、留年をするということに否定的な意見が多いようです。

橋下氏の提案に首をかしげるのは一般人だけではありません。
日経新聞では橋下氏の提案に対する大阪市教育委員会・矢野委員長の懸念も掲載されていました。

矢野裕俊委員長は「フランスの小学校で厳格な留年制度を実施してきたが、近年は
学習意欲をそぐなどの弊害が出ている」と指摘し、導入に慎重姿勢を示
した。

【2012年2月22日 日本経済新聞】

では、一足先に留年制度を実施しているフランスの小学校の教育システムは
どのようになっているのでしょうか。

こうしてフランスの小学生は段々と進級するのですが、驚いたことに、
フランスでは一年生でも留年することがあるのです。
その生徒の成績があまりにも悪い場合、または個人的な問題で長期間、
学校を休んだ生徒は留年してプログラムをやり直すのです。
これは小学校から大学まで同じシステムで、どの年齢でも
最低レベルをゲットしなかった生徒はもう一年やり直しということになります。
現在でも、少なくとも一年くらい留年した事のある生徒は珍しくなく、
クラスに必ず何名かいるくらい
です。
【国際教育情報室/アルザス・ヨーロッパ日本学研究所 フランスの教育より】

留年は珍しくないというフランス。
大阪市教育委員会・矢野委員長の指摘の通り、深刻な問題となっているようです。

2006年のOECD(経済協力開発機構)の調査によるとフランスでは
15歳の若者の38%が留年したことがあり、OECDの中での最下位となります。
留年することがあまりなく進級・卒業できる日本と異なり
ます。
【栃木県/国際交流員の「今週の言葉」ティボ・ムリス 国際交流員(2011年1月14日)】

日本でも義務教育課程での留年は法律上に可能ですが、実例はほとんどありません。
なぜフランスでは留年が増加したのか、次のような背景に原因がありました。

留年の理由としては成績の悪い生徒を支える補習等のような制度が
あまりないことが挙げられるのではないかと思います。
留年は国家にも両親にも金銭的な負担となるほか、
留年に追い込まれる生徒の精神にも害を与える恐れがあるので、
それよりも補習等に力を入れた方がよいと指摘されています。
また、留年をしたからといって、必ず成績が上がるとも限りません。

【栃木県/国際交流員の「今週の言葉」ティボ・ムリス 国際交流員(2011年1月14日)】

つまりフランスの現状を参考にするならば…
成績の悪い生徒には徹底した補習をすればいいのではないでしょうか。
小学校卒業は12歳、中学校卒業は15歳といった風に、
年齢と就学過程が共通項のように、一般通念として浸透している日本。
思春期の子ども達は、“他の人と違う”ということを極度に嫌うのは自明です。
やはり留年は子供達への精神的影響が強すぎるように思われます。

何かと話題になる橋下氏による教育改革。
尾木直樹氏は橋下氏の改革のほとんどは東京で実践済みで失敗したもの、
時代錯誤だ、と批判されています。
他の地域、国と比較してみても、橋下氏の指針は
教育格差を生みかねない諸刃の剣のように思えてなりません。


木曜日担当:坂本
(2012/2/23 UPDATE)
番組スタッフ
福島県郡山市で昨年、「ふくしま集団疎開裁判」と呼ばれる民事裁判があったことをご存じですか?

これは、郡山市在住の小中学生14人が郡山市に対し、安全な場所での教育を求めて起こした裁判です。
一般公衆に対する一年間の線量限度を1mSv(ミリシーベルト)と定める国の法律に則り、それ以下の線量の場所で教育を受けさせて欲しいというのが、訴えの内容。
昨年10月末における、郡山市内の学校の土壌汚染・空間線量をチェルノブイリ(ロシア、ベラルーシ、ウクライナ)の避難基準(5mSv/年)に照らすと、ほとんどが「移住義務地域」に該当するのだそうです。

しかし、折しも野田総理が「冷温停止宣言」を出した日と同じ12月16日、この申し立ては却下されました。

郡山市の主張は

「こどもたちが危険だと思えば自分たちで転校すればよい。郡山市は転校の自由を妨害しない」
「加害者は東電であって郡山市ではない。したがって郡山市にこどもたちを避難させる責任、義務はない」


そして裁判所の申し立て却下の根拠は

「空間線量の値が100mSv以下であれば健康被害は発生しない。本件では100mSv以上ではないので切迫した事由は認められない」

というもの。
この決定を受けて、弁護団は高等裁判所に即時抗告しています。



今日のコラムのタイトル「世界市民法廷」は、この民事裁判の再現劇を広く世界にインターネット中継するというアクションです。
2月26日(日)に東京で、3月17日(土)に郡山で開催されるこのイベントに先駆けて、先日、記者会見が行われました。


20120222_photo


(写真)左から、武藤類子さん(ハイロアクション福島)、柳原敏夫さん(ふくしま集団疎開裁判原告弁護団長)、神山美智子さん(弁護士・「食の安全・監視市民委員会」代表)



弁護団長の柳原敏夫さんは、こう語ります。

===
当日は、会場に集まった参加者と世界中の視聴者(英語の同時通訳あり)が陪審員となって、こどもたちは疎開すべきなのか、疎開の必要はないのか、なぜそう思うのかを自ら考え、意見交換を行います。
市民法廷自体は市民が設立する法廷で、法的効力はありませんが、集まった声をネットで公開し、裁判所にも届けて、世界中の多くの市民がこの裁判をどう考えているか、耳を傾けてほしいと思っています。
裁判所は得てして、最高裁や政府や業界に対しては非常に耳を澄ます能力を持っていますが、市民の声に耳を澄ます能力には欠けています。
この裁判は市民の、こどもたちの命に関する大きな裁判です。

===

「集団疎開」と聞くと第二次大戦中の学童疎開や学校疎開などをイメージしますが、「避難」ではなく「疎開」という通称を用いているのには、人権がなかったような軍国主義の時代ですらできたことが今の世にできないわけがないだろう、という強い想いが込められているそうです。



同じく記者会見に同席されたハイロアクション福島の武藤類子さんは、現地・郡山で感じる裁判の手応えについて、こう語っています。

===
福島県内では、この裁判に関する報道はありません。
福島県は県民を流出させまいという動きが大きく、この裁判はなかなか周知されていません。
ただ、親たちは、一般の方々がやってくださっているこどもたちの保養計画や避難には関心を持っています。
こういうものがあることが周知されていけば、関心は広がると思います。
疎開というのは、14人だけの問題ではありません。
いまの郡山市の施策は、学校の除染のみ。しかし、この申し立てが認められれば、疎開という形だけではなく、学校やクラスを他の場所に移す、週末だけ、週に何日だけ・・・など、除染以外に方法があるという展望が開けていくと思うのです。
親たちは、こどもたちを安全な場所で過ごさせたいと思っています。

===

いくら自主避難が妨害されていないとはいえ、親の仕事の都合や経済的な事情に加え、クラスメートと離ればなれになりたくない、一人だけ抜け駆けしたくない(抜け駆けしたと思われたくない)、というこどもたちの心情も、避難の前にはだかる大きな壁だと聞きます。
もし自治体から集団疎開という形で指示が出れば、放射能からこどもを少しの間でも遠ざけることができ、こどもたちの間の分断もなくなる。法定代理人親権者である親御さんの手記(ブログに掲載)からは、そんな切実な願いが伝わってきます。



この裁判自体は、訴えを起こした14人が対象となる民事訴訟ですが、弁護団はこの裁判を、そのほかの被害者の訴訟や和解につながる突破口だと考えています。

「ある意味では郡山市、福島県の危険な状況におかれたこどもたちの安全を左右する、運命を占うような意味を果たす裁判。決して14人の救済だけでは終わらない意味を持っています」(柳原さん)

また、この裁判には、日本の裁判所が採用しない「予防原則(被害を与える側が安全性を証明すべきであり、受ける側が危険性を証明する必要はない)」の考えが、大きく関わってくるのだそうです。
誰かがケンカをした、怪我をした、という一般的な立証責任論が、最先端の科学技術裁判にも維持されている、そのおかしさも大きなテーマとして取り上げたいと、柳原さんは仰っていました。



世界市民法廷は、Our Planet TVとIWJが中継を予定しているとのこと。
開催時間や会場、中継サイトなど詳しくは、下記のブログを参照してください。
「ネット陪審員」の事前登録受付も始まっています。

http://fukusima-sokai.blogspot.com/


私も当日は、会場で「世界市民法廷」を体験してみたいと考えています。
先着順なので入れるとよいのですが・・・
入れたら、来週のスタッフコラムでレポートします。


(水曜タイムラインWeb担当:たけなか)
(2012/2/22 UPDATE)
番組スタッフ
「被告に真摯な反省の情はうかがえない。
犯行時、少年だったことを考慮しても、死刑はやむをえない」


これは、きのう行われた「光市母子殺害事件」の裁判において、
最高裁が被告側の上告を退けた理由のひとつです。

ここでポイントとなるのは、“真摯な反省の情はうかがえない”という部分。

遺族はもちろん、事件に関係ない者の感情も逆なでする、被告である元少年の心情。
ネット上でも、“反省していない”という言葉が数多く飛び交っています。

たとえば・・・
罪を反省しない奴に罪を償う可能性は無いよ…死刑で当然です。
 犯罪に年齢なんか関係無い!!
「でもこの被告、やっぱり反省してないと思う。
 今回の裁判の弁護団の被害者をないがしろにした論法や態度には怒りを感じるし
 妥当な判決だ」

これまでに明らかになっている、元少年が知人に送った手紙の内容や、
法廷で披露された支離滅裂な発言からも、反省していない様子はみてとれます。

さらに・・・
===
判決を前に、元少年は、JNNの記者の面会に応じ、
「傷害致死にとどまる」と改めて主張したうえで、
「首吊り自殺した母親と同じ、絞首刑はあんまりだ」などと話しました。
===
「TBS NEWS i」

判決直前に明らかになった、こうした元少年の心情によっても、
反省していないことがうかがえます。

元少年はこのまま真の反省をしないまま、刑の執行を待つのでしょうか?
また、元少年に限らず、死刑判決を受けるほどの罪を犯した者に、
真の反省をする日は訪れないのでしょうか?


この問いの答えになるかもしれない逸話が記されている本があります。
それは、ジャーナリストの門田隆将さんが書いた
「なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日」(新潮社)。

この本によると、遺族の本村洋さんは2002年、あるテレビ番組の企画で、
アメリカ・テキサス州の刑務所を訪れ、
18歳のときに殺人を犯し、死刑が確定している少年犯罪の死刑囚と対面。
この死刑囚から次のような話を聞いています。

===
死刑という判決を受けて、自分のすべてが変わりました。
殺された人にも家族がいて、愛する人、愛される人がいたことに、
僕は初めて気がついたんです。
僕は死刑判決を受けるまで、なんでこんなことをしてしまったのか、
どうして人を殺したのか、と荒れていました。
死刑判決を受けて初めて命について深く考えました。
いま、僕は本当に自分のやったことを後悔しています。

===
「なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日」(門田隆将/新潮社)

また、本村さんはかつて、死刑が被告に与える影響について、
「死刑がなければ、これほど皆さんがこの裁判の行方に注目してくれたでしょうか。
死刑があるからこそ、被告は罪と向き合うことができるのです」
と話しています。

そして、きのうの最高裁判決後の記者会見では・・・
===
事件からずっと死刑を科すことを考え、悩んだ13年間だった。
20歳に満たない少年が人をあやめたとき、もう一度社会でやり直すチャンスを与えることが
社会正義なのか。命をもって罪の償いをさせることが社会正義なのか。
どちらが正しいことなのかとても悩んだ。きっとこの答えはないのだと思う。
絶対的な正義など誰も定義できないと思う。

===
「msn産経ニュース」2012年2月20日

死刑に関する議論において、明確な答えを出すのは容易ではありません。

ただ、死刑というものが、その判決を受けた者にとって、
反省するきっかけを与えるものだとするならば、
『「光市母子殺害事件」の被告である元少年が、真の反省をする日は訪れるのか?』
という問いに対する答えは、
『それは分からない。
 ただ、きのうが「真の反省」という、元少年にとっての長い道のりの第一歩である』

ということなのかもしれません。

<火曜web担当:H>
(2012/2/21 UPDATE)
番組スタッフ
アメリカ人の会話にはよく政治ネタが出てくる。ただその内容は何も真剣なものばかりではない。

時にはモノマネを交えつつ、政治家を小馬鹿にするようなネタで会話を盛り上げる。特に笑いが起きるのはブッシュ元大統領の話題だ。彼のひどい南部訛りの英語を真似たり、的を得ない発言をジョークにしたりする。

こうした会話を聞いていると、アメリカ人にとって政治は本当に身近にある話題なのだとつくづく感じる。

「僕がニュースを見る理由のひとつは政治家のネタを集めるためだよ。彼らは全米どころか世界中に顔が知れてるから誰に話してもわかる。最高のコメディだよ」(アメリカ出身 20代男性)

またテレビに出る人気コメディアンたちもよく政治家の話題で笑いを取っている。そのため、若者の投票率の低下が騒がれているにも関わらず、誰でもある程度の政治の話にはついていける。

「テレビでコメディアンたちがネタにしたりモノマネをするから自然と政治に興味が出たの。私みたいにテレビから政治に興味を持つアメリカ人は多いと思う」(アメリカ出身 30代女性)

日本にもマンガで歴史の勉強をするといった教材はあるが、若者が政治に興味を持てるようなものがない。若者にも受け入れやすいエンターテインメントがあれば、自然と日常会話にも政治が話題になるはずだ。それではアメリカ人は一体どんな政治話で盛り上がっているのだろうか?

「最初は単純に昨日見たyoutube動画の話とか、そんなもんだよ。サラ・ペイリン(元副大統領候補)なんてまさに最高のネタだね。そういうダメな政治家の話から入って、そこから政策の話みたいな真剣な話になっていくかな」(アメリカ出身 30代男性)

ところが日本人の政治話はどうだろう?みんなが難しい顔をして文句を言い、政治に不満があっても行動に起こす事もなく、ただただ批判に始終するものがほとんどではないだろうか?若者の投票率をあげようと考えるのであれば、こうして親しみやすいアプローチを取るのも一つの手ではないだろうか?

(月曜Web担当:ジミー)
(2012/2/20 UPDATE)

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