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番組スタッフ
来週はもう4月ですね。
別れと出会いの季節、真っただ中の今、
ネット上で議論を呼んでいる「人事異動」にまつわる話題があります。
きっかけはこんなツイートでした。

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堀 潤@nhk_HORIJUN
報告です。以前もお伝えしましたが、3月末をもって「Bizスポ」を卒業します。
このtwitterアカウントは「Bizスポ」キャスターとしてのものでしたので
、番組終了にともないクローズされることになりました。
残り少ない期間ですが、みなさんこれからも宜しくお願い致します!

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3月30日の放送で終了となるNHKのニュース番組「Bizスポ」。
4月2日からは「Bizプラス」として生まれ変わるそうです。
それに伴い、堀潤アナウンサーも番組を卒業することになり、
これまで運用してきたTwitterアカウントが閉鎖されることが本人により明らかにされました。

震災直後の情報共有や、被災者への励まし、原発問題への疑問を投げかけなど、
堀アナのTwitterアカウントはフォロワー10万人超という圧倒的な人気を誇っていました。
今回の卒業をきっかけに、アカウントは閉鎖されてしまうというのです。

この問題にいち早く異を唱えたのが、「タイムライン」にも何度か出演していただいた
ITジャーナリストの津田大介さん。

「堀さんのツイッタークローズさせるとかありえないだろ。
NHKの報道なのか、編成なのか、上層部は納得のいく説明ちゃんとするべきだと思う。」
「朝日新聞ですら記者のツイッター公式に認めたっていうのに、
逆行してどうするよっていう話だよなまったく。」

とツイートしました。

坂本龍一さん、加藤登紀子さんも残念、ショックだとつぶやくほど、
ファンが多かった堀アナのアカウントだけに、閉鎖に関して
多くの著名人やマスコミ関係者がコメントを発表しています。

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評論家の宇野常寛氏
「堀潤アナのせっかく育った9万フォロアーのアカウントを、
彼の異動を理由に閉じさせるのか……。局と視聴者を直接つなぎ、
信頼を担保するいい回路になっていたのに。NHKの人たちは、
こういう決定がどれだけ視聴者を落胆させるか、
かなり甘く見積もっていると思う。本当に残念だ。」

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フジテレビの福原伸治氏
「NHKって僕たちのとこ以上にこういうところは先進的だなと
思っていたのに残念です。失ったものの大きさに気付くのだろうか。」

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評論家の赤木智弘氏
「でも、アカウント名が「nhk_HORIJUN」だからねぇ。
彼がもしNHKの名称が入らない個人のアカウントを開設した時に
NHKが差し止めるなら批判もできるけど、この場合はやはり
NHKがアカウントの存続を決めるのは、当人も受け入れていることだと思う。」

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そもそもなぜ一個人のツイッターアカウント閉鎖が話題となっているのか、
朝日新聞ジャーナリスト学校主任研究員・伊丹和弘氏はこのように考察されています。
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堀潤さんの現在のフォロワーは10万人超。この数は立派なマスメディアです。
マスメディアである雑誌で、この数字に届かない週刊誌、月刊誌はあまたあります。
というか、10万部を超す雑誌の方が珍しい。

マスメディア内で、10万人読者がいるメディアを持つ個人が、暗に
存続への指示を呼びかけることで、社内外で大きな反響が起きた。
これをこれからNHKがどうとらえるか。「新たなメディアとしての可能性」なのか、
「秩序を乱しかねない脅威」なのか。これによって今後が変わっていくでしょう。

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今回の騒動に関して、先日、私が仕事で一緒になった某テレビ局ディレクターにも聞いてみました。

「ネットで話題になっているっていうけど、正直、同じ発信者という立場ながらピンと来ない。
確かに10万人のフォロワーをゼロにしてしまうのはもったいない気もするが、
番組公式アカウントである以上仕方ないのでは。
相当な堀アナの人気にすがろうとしないNHKの潔さも気持ちがいい。たぶんNHKにしかできない。
僕の番組もツイッター公式アカウントを持っていますが、ツイッターはあくまでも副菜。
主菜は放送される番組そのもの。番組が終わればもちろん消滅します。
でも、もし堀アナみたいに副菜(公式アカウント)が人気になってしまったら、
僕ならその旨味を、主菜にもおすそわけしようと画策しますね」

と彼は語っていました。

今回の件で騒いでいるのは、メディア関係者だけかと思えば、
意外にも当のマスコミ関係者の中にも、事態を冷静にみつめる人もいるようです。

閉鎖が明らかになった直後、堀潤さんはこのようにツイートしています。

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一生懸命このアカウント存続のために動いてくれた先輩は沢山いたのですが、
そもそもBizスポのキャスターとして認められたアカウントだということで
僕が番組を離れる今月末をもってクローズすることになりました。
あと4日皆さんどうぞ宜しくお願いたします。またどこかでお会いできます!よね?笑。

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10万人のフォロワーを有する堀潤アナのアカウント閉鎖で、
NHKが失うものは果たして大きいのでしょうか?


スタッフ:坂本
(2012/3/29 UPDATE)
番組スタッフ
橋下徹・大阪市長が率いる大阪維新の会が開いた「維新政治塾」に、2,000人を超える受講者が集まったというニュースがありました。


(毎日新聞「大阪維新の会:政治塾への参加者 職業も動機もさまざま」より引用)
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既成政党への批判が強まる中、維新への期待の大きさを反映して全国から受講生約2000人が、大阪市北区の会場に集まった。追い風に乗って国会を目指す人、勉強や人脈作りに利用しようという人。職業も動機もさまざまだ。

・・・中略・・・

「国政のチャンスがあれば出たい」という大手家電メーカーの男性社員(40)=神戸市。政治家志望ではなかったが、橋下徹・維新代表を見て「この人なら改革できるんじゃないか」と思うようになった。

・・・中略・・・

求職中の東京都の男性(35)は政治に無関心だったが、「東日本大震災で国が機能しない現実を見せつけられて危機感を持ち、自分に何かできないか考えた」と言う。
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愛知県の大村秀章知事、名古屋市の河村たかし市長、滋賀県の嘉田由紀子知事も、開講予定を相次いで発表。政治塾がアツイですね。

嘉田知事が4月に開講する「未来政治塾」には871人の応募があり、


(読売新聞「『嘉田政治塾』応募者871人…女性4割」より引用)
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近畿圏を中心に全国から応募があり、女性が347人と約4割を占めた。30歳代が247人と最多。10、20歳代が166人と若者が目立ち、最年少は中学1年の男子(13)だった。
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と、女性と若者の関心の高さがうかがえます。



日経の世論調査によると、「大阪維新の会」の国政進出に「期待する」人は57%。
「期待しない」の33%を上回る結果です。

自民党の官僚政治を嫌って民主党を選んだものの、期待を裏切られて失望。とはいえ再び自民党に任せたいかというと疑問で、かといって他の野党も・・・となると、新しい風に期待を寄せてしまうのは、自然な心理と言えるでしょう。

一方で、私の頭には、「また失敗だったらどうするの?」という不安も浮かんできます。
実際、「政治塾に応募してきた人たちは素人の集まり。いきなり国政が担えるとは思えない」という論調も、よく見かけます。
野党経験があった民主党すら、与党になった途端に官僚政治(なのかなんなのか)に絡め取られ、マニュフェストをひとつふたつみっつと覆すことになったのだから、政治経験のない人が国政に関与してホントに大丈夫なの?とリスクを警戒するのも、これまた防御反応として自然です。

この「新しい風」に対する期待と不安について、マーケティングが専門の大西 宏氏は「『維新政治塾』への的はずれな批判や懸念も期待の裏返し?」というタイトルの記事で

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期待が大きいから、まるで阪神タイガースのファンが選手に厳しい言葉を投げるように、批判や懸念を投げかけるのでしょうか
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としたうえで、「政治改革」を「ビジネスイノベーション」の視点で捉えて

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「改革」という甘い幻想に惑わされるなという批判や懸念も多く見受けられます。小泉改革も続かなかった、民主党も国民が期待する改革を進めることができなかったことへの失望感から、「改革」を疑う気持ちは理解できます。

これは批判の対象が違うだろうと感じてしまいます。イノベーションを阻むひとつに、「失敗への道は善意で舗装されている」という格言がありますが、それに近いものを感じるのです。ビジネスの世界でも新しいアイデアを潰す典型的な言葉は、それは「昔やってけれど駄目だった、同じ事を繰り返すだけだ」というものです。もう騙されないほうがいいよという甘い言葉で、いまの政治を結果として擁護し、出口なしの状況へと誘う質の悪い立ち位置を感じます
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と、批判を諫めています。

大きなミスをおかしたくないから無難な線で、という考え方と、いまこそ変革を進めなければ、という考え方。どちらを選択するにもリスクがありますが、次の選挙で選択を誤ると本当にマズイ気がする昨今、政治塾への関心の高さは、人まかせから一歩踏み出して自分が関わることで「リスクを負わないためのリスク」を覚悟した人が多いということなのでしょうか。

番組本編でも、近日中に「政治塾ブーム」について取り上げたいと思います。
どうぞお楽しみに。



(水曜タイムラインWeb担当:たけなか)
(2012/3/28 UPDATE)
番組スタッフ
来月から、全国の中学3年生の理科で始まる「放射線教育」

開始直前というこのタイミングで、放射線教育を根本から考え直さなければならないと
思わせるような問題が毎日新聞によって報じられました。

全国に先駆けて放射線教育を実施している福島県教育委員会が、
文部科学省が作成した「原発事故やそれに伴う被ばくに触れない」副読本から逸脱しないよう教員を指導、そのうえ、「原発の是非に触れるな」と指示していたというのです。

問題はこれにとどまりません。
福島県内の学校では放射線教育の内容について、親から正反対の苦情が寄せられ、
現場に混乱が生じている
といいます。

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小中学校の教員で組織する福島県教組によると、親の間では被ばくの影響について見方が割れ、
学校や教委に「放射線の危険性について認識が甘い」「不安をあおり、過保護にするな」など
正反対の苦情が寄せられている。

放射線量が高い地域の小学校教諭は「親の意向で弁当を持参して給食を食べず、
屋外での体育を休む児童がいるが、他の親たちに批判的な空気も生まれるなど厳しい状況にある。
副読本や県教委の指導は福島の現実に即していない」と指摘する。
●●●●●●
(毎日新聞 2012年3月22日)

福島県の教育現場で今起きている、大きな2つの問題。
2つに共通する問題点は、子どもたちの意思が無視され、親や教師たちが勝手に教育方針を
決めていること
のように思います。

子どもたちの意思を無視し、「原発事故やそれに伴う被ばくに触れない」、「原発の是非に触れない」放射線教育に意味はあるのでしょうか。

肝心なことに一切触れない副読本に沿って、放射線教育を行うことは、目の前にある臭いものに
フタをするような行為
で、やるだけ無駄、時間の無駄、1ミリの意味も感じません。

では、今やるべき放射線教育とは、どのようなものなのでしょうか。
わたしが導き出した1つの答えを示す前に、1つの事例と1つのアンケート結果を紹介します。

今回の原発事故にも踏み込んだ独自の放射線教育を行う、
柏崎刈羽原発を抱える新潟県の小学校。
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新潟市東区の木戸小学校で13日、6年生の児童約80人を対象に行われた授業。
福島第一原発で何が起きたのかを理解してもらうため、事故の写真や放射性セシウム検出量
などのデータを活用。
放射性物質から放射線が出て、人間など動物の細胞の遺伝子を傷つけ、がんを発症する危険性が
あることなども教えた。これらを踏まえて、児童たちは「原発を今のまま動かしていいのか」
「放射性物質を体から取り除く方法はないのか」などと疑問点を発表しあった。

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(読売新聞 2012年3月26日)

福島第1原発事故で避難し、福島県内にとどまる小学5年生と中学2年生に対して、
共同通信が行ったアンケート調査。
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・「放射線をあまり分かっていない」・・・42%(225人のうち95人)
・「放射線が怖い」・・・46%(103人)
・「放射線が怖い」と答えた103人のうち、
 「事故で初めて危険と知った」は84人。「事故前から知っていた」は17人。

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(中日新聞 2012年3月19日)

知ったうえで怖がる方がいいのか、怖いものを知らないままでいる方がいいのか・・・
その答えは言うまでもないかと思います。

そして、今やるべき放射線教育とは何なのか・・・
「原発事故」「原発の是非」に触れることはもちろんですが、それ以前に、
放射線に関して、子どもたちがどのような情報を求めているのか、
子どもたちから意見を募り、その疑問に答えること
なのではないでしょうか。


<火曜web担当:H>
(2012/3/27 UPDATE)
番組スタッフ
先週、イングリッシュパブでたまたま隣の席に座った日本人と外国人がおもしろい話をしていたので少し紹介します。

「5年で5回も首相が変わるなんて、日本は異常だね」と自嘲交じりに話す日本人。

すると外国人の方が「No」とそれを否定しました。

「5年で5回も首相が変わっているのに、暴動が一回も起きていないのが異常だよ」

たしかに5年で5回も首相が変わる国というのもなかなかありませんが、それで国民の生活に大きな波風がたたないというのはさらに珍しい。

そういえば野田総理就任当時、アメリカ国務省のヌランド報道官が会見中に「日米関係は強固だ」と述べながらも「ここ数年で何人の総理が誕生したと思う?」という記者からの質問に「知らない」と苦笑いした事がありました。

「これだけコロコロ変われば一人一人を覚えていられないのも理解できるよ。僕は日本に住んでいるから何とか名前と顔はわかるけど、たぶん外国の人は今の日本の総理が誰か知らないだろうね」(アイルランド出身 40代男性)

日本の政治に関してはどうやら外国人からも期待が薄いようですが、逆に評価されているのが東日本大震災時にも垣間見えた日本国民の優秀さです。

アジアの政治に関する情報を提供するウェブサイト、アジアポータルには「高度経済成長期以降、とりわけ21世紀以降の総理大臣は小泉元総理を除けば全員絶大な影響力を持った黒幕の操り人形でしかない」と前置きをした上で「調査で『首相に相応しい人物は?』という問いに対して『いない』と答える国民が多いのは、まず首相公選制でないために自分たちの意見が直接反映される事はないという事と、彼らの政治に対する期待の薄さを示している。そのため、日本国民は政治とある程度の距離を保ちながら世界第3位の経済を支えてきた」と日本の政治と国民の関係性を解説しています。

先週木曜日にはTIMELINEでも「強いリーダー不要論」を特集しましたが、改めて我々日本国民は政治とどう付き合っていくかを考えるべきなのかもしれません。

月曜Web担当:ジミー
(2012/3/26 UPDATE)
番組スタッフ
今週の月曜日、番組では「復興バブル」の実態について取り上げましたが、
今ネットでは、日本経済新聞の
「被災地もう一つの異常事態 復興特需・原発賠償金… マネー流入、ゆがむ再生」という
タイトルの記事が話題となっています。

以下、その抜粋です。

楢葉町から仮設住宅に避難した高齢の男性は「お金のことは話したがらないが、
家族が多い世帯だと月80万円ぐらい入ってくるらしい」と漏らす。東京電力が
避難生活を余儀なくされた人に支払う「精神的損害」の賠償金は1人あたり月10万円。
避難によって働けなくなった分の給料も補償される。
世帯主の月給が30万円で5人家族ならば、確かに月80万円が懐に入る計算だ。
(中略)
楢葉町で建設機械向けの部品を製造していたという東信工業の志田五郎会長は
「急いで再開しようなんて会社はほとんどないよ」という。再開できなければ、
東電に損害賠償金として震災前の利益を請求できる。「一生懸命働くほど
お金がもらえなくなるなんてバカな話。賠償金が切れた後、どうするつもりなんだろう」
<日本経済新聞>


働かずしても80万円という収入がある、お金をもらうために働かないという被災者の現状に触れた、
この記事へのネットの反応は次のようでした。

*これじゃ誰も働かないわ こんな連中がいる以上他の労働意欲も下がる一方だし

*家と仕事と故郷失ってこの値段 安いか高いか

*関東人は今まで福島の原発にお世話になったんだから電気代で値上げで賠償負担は当然

*未曾有の災害だったんだし、しょうがないよ。 こういうケースでは必要な人に
必要な時にお金が行きわたることが大切。

*だから叩く所は被災者じゃねーよ。


「ゆがむ再生」の中で、復興に背を向けてしまったかのような被災者の心に巣くう空虚さ。

これについて、私の知人の福島県出身・女性Sさん(神奈川県在住20代)はこう語っています。
彼女は震災後、銀座のクラブで働きはじめました。

「福島市の実家は地震で半壊しました。でも、こっちの友達に同情なんかされたくなかった。
震災後、友達と会う度に、福島第一原発付近出身、浜通り出身じゃないことをアピールした。
これが辛かった。福島にいる家族の話だと、福島の中でも、こっちで聞くような
放射能差別があるからです。
キャバクラで働いたことはあったけど、私の日常とかけ離れた銀座のクラブで働けば、
日常で感じる心の曇りなんてすぐ晴れる気がしました。自分の生活費を除いて、
(銀座のクラブで)稼いだお金のほとんどは実家にいる家族に送っています。
私の家族は私が守るという使命感を今、感じています」


自宅は半壊したけど差別されたくない…そんなプレッシャーから逃げたくて、
非日常を求めて「銀座のクラブ」で働きはじめたSさん。
震災後、神奈川のSさんのマンションに、福島の家族は避難し、
そこで数ヶ月間過ごしたそうです。
今、空虚であることに変わりはないけど、震災前の生活をしていたら、
その空虚さを埋めることはできないとSさんは語っていました。


まぎれもない非日常的な現実として私たちを襲った東日本大震災。
それから1年。
非日常的な現実から逃げ出したくて、自ら非日常へ
足を踏み入れる人たちがいるというのはあまりにも皮肉な話です。


スタッフ:坂本
(2012/3/22 UPDATE)
番組スタッフ
世界の終わりってなんだろう?
終わりのものがたりってどういうこと?

衝撃的なタイトルに惹かれて、お台場の日本科学未来館で開催されている「世界の終わりのものがたり」という企画展を見に行ってきました。


「世界の終わりのものがたり 〜もはや逃れられない73の問い〜」企画展
http://www.miraikan.jp/sekainoowari/



photo01


会場は、入口から出口に向かって「予期せぬ終わり」「わたしの終わり」「文化の終わり」「ものがたりの終わり」という4つのゾーンで構成されており、それぞれのゾーンに、さまざまな「問いかけ」と、それに関する「科学技術的な視点からの解説やヒント」や「来場者が参加できるメッセージボードや投票」が用意されています。


photo02


お台場という場所柄か、若いカップルやお子さん連れの家族を多く見かけました。
会場を案内してくださったプロモーション担当の神宮里江さんによると、
「家ではなかなか話さないテーマなので、ここに来て初めて『うちの子はこんなふうに考えていたんだ』と知りました」と話すお母さんもいらしたとのこと。

歩を進めるにつれ、個から集団、文明へと、終わりの意識が広がっていきます。いろんな「終わり」を提示されて重苦しい気持ちになりますが、「終わりの先の新しい始まり」というメッセージも込められていることを感じます。科学について考えていたつもりが、途中から哲学的なことに思いを馳せていることにも気づきました。


photo03


科学技術を伝える日本科学未来館でのイベントということで、実は私・・・
「先端科学技術の進歩は人類にとって不可欠である、したがって原子力発電も不可欠である」
と考え方を誘導されるようなイベントなのでは?と身構えていたのですが、神宮さんに思い切ってそう尋ねてみたところ、

「科学技術には良い面と悪い面、光と影があります。一人一人がそれを知って考えるきっかけになれば嬉しいです」

と話してくださいました。私、ちょっと病んでいたかもしれません。



展示会場に隣接するスペースでは、「終わりのトークテーブル:世界をいかに終わらせるか/世界をいかに持続させるか」というトークイベントをやっていました。
横長のテーブルの端と端にゲストが座って参加者がそれを取り囲むという、一見ユニークな光景です。ゲストと同じ目線で話しているようなフランクな気分で話を聞くことができました。(写真はトークの開始前に2階から撮ったもの)

photo04



このイベントのゲストは、社会学者の大澤真幸さんと、気象学者の江守正多さん。
宗教的な終末論の話から民主主義の話まで密度の濃いトークが展開しましたが、地球温暖化の将来予測について研究を続けている江守さんから、こんなお話があったのが印象的でした。

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日本において温暖化問題は3.11以降、政治的なプライオリティも社会の関心も下がった。
国際的にも、京都議定書以降先送り先送りになっていて、温暖化を止める勢いになるような物語は停滞している。
温暖化や放射能の問題は、専門家に聞いても、往々にして、科学的な答えにその人の価値判断が混ざってしまうので、意見が両極に分かれてしまう。どれだけ怖い問題と捉えるかは、その人の価値判断による。
自分が生きてる間には大したことない、自分の子どもの世代でもまだ終わらないだろう、しかし、もっともっと先の将来世代の、会うこともないような世代の人類が終わりを迎える、その原因を現代の人類が作っていると考えたとき、どれだけの人が深刻な問題として捉えられるか?ということ。
これは科学では決められない問題で、人によってどれだけ深刻だと思うかという価値判断による。
リスクからはもはや逃れられない。どのリスクをとるか決めなければならない。
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そういえば・・・
原発事故以降、「今は火力に頼らざるをえない状況なのだからCO2のことはしばらく目をつぶってよ」ということなのか、温暖化の問題を耳にすることは減りましたが、この2つは本当に二者択一的な話なのでしょうか。



「世界の終わりのものがたり」は6月11日まで。
特設サイト(http://www.miraikan.jp/sekainoowari/)の問いかけ「あなたならどう答える?」に自分の答えを入力すると、会場で投稿された回答とともにリアルタイムに画面に表示されます。

「終わりのものがたり」から、あなたはどんな希望を見いだすでしょうか?


(水曜タイムラインWeb担当:たけなか)
(2012/3/21 UPDATE)
番組スタッフ
放射能汚染に対する恐れから福島県産のコメを敬遠する動きから生じた、
局所的なコメ不足と価格の高騰。
これを背景に、西友が今月10日、販売を開始した中国産のコメの予想以上の売れ行き。

このように福島県産のコメに逆風が吹き荒れる中、報じられたあるニュースが、
ネット上で物議を醸しています。

そのニュースとは・・・
『売れ行きが落ち込む福島県産のコメを「高齢者は積極的に食べよう」と、
東京の市民グループが呼び掛けている』
というもの。

ウォール・ストリート・ジャーナル日本版によると、詳細は以下の通りです。
●●●
東京電力福島第1原発事故の風評被害で、売れ行きが落ち込む福島県産米を積極的に
食べようと、東京の市民グループが高齢者に呼び掛けている。
代表の平井秀和さん(68歳)は「高齢者は放射能の健康への影響が小さい。賛同して
いただけたらありがたい」
と話している。
扱うのは放射能測定証明書を添付した県産コシヒカリ。
平井さんは「皆が福島のコメを敬遠すれば、産地表示が義務付けられないところに流れる。
基準をクリアしているとはいえ、なるべく若者や子供の口に入らないようにするためには、
高齢者が食べることが理にかなっている」
と訴えている。
●●●

このニュースに対するネット上の反応は、
「勇気あるな。皆が言いたくても言えないことをよく言った」
「被災地の農作物食べたって、復興には全く繋がらんって。汚染を広めてどうするんだ」と賛否両論。

私自身は「否」のスタンスなのですが、その理由としては、前出の平井さんの発言にもある
「高齢者は放射能の健康への影響が小さい」という情報に引っ掛かっているからです。
ここから読み取れるのは、放射能の影響はあくまでも少ないだけで、ゼロではない。
つまり、少ないけれど、影響はあるということです。


影響が小さいという理由だけで、高齢者の方々が、安全が保障されていないコメを食べる
必要はあるのでしょうか。
自主的に食べるのであれば何の問題もありませんが、呼びかけに賛同することをよしとし、
呼びかけを拒否しづらい雰囲気を作るのはいかがなものなのでしょうか。
今回の呼びかけには、「現代の姥捨て山」のにおいを感じざるを得ません。

一方で、東京大学の児玉龍彦教授らによって、放射性セシウムが検出され廃棄見込みの
福島県産のコメを、 ガソリン代替燃料のバイオエタノールとして利用する計画が、
今年の1月から動き出しています。

この計画が実用化するにはまだ多くの時間がかかると思われますが、
「福島県」のためという名目で無理をして、福島県産のコメを食べるよりは、
児玉教授らのように、他の有効な利用法を模索する方が賢明なのかもしれません。


<火曜web担当:H>
(2012/3/20 UPDATE)
番組スタッフ
本日は被災地復興バブルの実態と弊害について考えてきましたが、日本の震災復興は海外でも関心が高い。2011年は世界的な経済危機の影響で円買い・ドル売り、ユーロ売りが進み、震災復興に追われる日本に追い討ちをかけました。

そんな中、現在仙台市で起きているミニバブルについて、CNNは「東日本大震災をキッカケに仙台では建築やそれに携わる作業員の消費など、直接復興に関わる消費以外に高級車やブランド品といった嗜好品の消費も盛んになってきている」と書いています。同社によれば東北のあるメルセデス・ベンツディーラーは8月9月で16台を売り、前年比で売り上げ50%増を記録したそうです。また仙台市内のカプセルホテル経営者は前年に比べて売上げが倍増し、連日押しかける宿泊客で満室だと話します。この消費動向の変化について同社のインタビューに答えた現地の人は「以前は欲しいものがあっても『とりあえず待とう』と考えていたが、こういった災害を経験してその考えが無意味だという事に気づいた」と語りました。

野村證券のチーフエコノミスト・木内登英さんはこの一年を振り返り、「日本の民間企業の力に改めて驚いたが、政府に課された課題はほぼ未解決のままだ」との見解。ただ日本経済の復興について話が進むと「今年後半には復興需要が一巡し、『震災後』ではなくなる」と指摘し、仙台市以外での消費は相変わらず消極的であると懸念を示しました。

仙台市内で経済復興が進む一方で、津波の被害を受けた沿岸部では未だに復興が進んでいない。人々は仕事のない沿岸部からバブルで賑わう仙台市に移り住み、仙台市の人口は年間約七千人増えている一方で沿岸部が衰退していく二極化が進んでいると仙台在住経営コンサルタントの田所照章さんは解説します。

ミニバブルで賑わう仙台市の影で、一年前とさほど変わらぬ姿で置き去りにされている沿岸部が活気を取り戻す日はいつくるのでしょうか?
(2012/3/19 UPDATE)
番組スタッフ
今、被災地ではボランティアが不足しています。
昨年の5月には、被災3県のボランティア合計数は1日で1万2000人に達しましたが、
3月1〜4日の1日平均ボランティア数は約600人だったそうです。

ボランティアが減少している原因として、産經新聞では以下のように解説しています。

人手が必要な作業がなくなったとの認識が広がっていることなどが背景にあるとみられる。
全社協の全国ボランティア・市民活動振興センターの園崎秀治参事は
「今後は、被災地側もボランティアに来てもらえるような発信の仕方が必要」と話す。
一方、今回の震災を機に企業による後方支援が進むなど、ボランティアに参加するハードルが
低くなった面もある。経団連の調査では、ボランティア休暇を設けていたり、新設したりした企業の
割合は54.6%で、平成7年の阪神大震災時の23.7%から2.3倍に増加したという。

(産經新聞)


自分たちにできることの域を越えた段階にあると考える人が多いようですが、
果たして本当にそれだけなのでしょうか…。
被災地で実際に支援活動を行ったものの、
幾ばくかの喪失感、落胆を覚えたという二人の人物にお話を伺いました。


仙台で避難民を対象に、法律相談をボランティアで行った弁護士A氏(30代男性)
「被災地には仕事がないため、雇用に関する相談が多い。被災地に仕事がないならばということで、
被災者のための雇用を東京に確保しようとしたが、被災者は地元で仕事を探そうとしている。
実際に『東京』に仕事を用意しました、と言っても、『東京』は嫌だという人が多い。

「仙台」とか地元なら、すぐ皆、首を縦にふるのでしょう。
今回、津波の被害が甚大だったということもあり、職を失った人は漁業関係者が多い。
漁業に携わっていた人は、もちろん、漁業がやりたい。漁業関係者が探しているのは、
仕事ではなく、船と漁具です。
若い人の職の問題も深刻。特に若い人は東京へ出てこない。
地元で何とかなる、地元を何とかしたいと思っている。
被災地を出るのは、家族を抱えた本当に生活が切迫した人だけ。
雇用があり、差し伸べる手があるのに、一歩踏み出さない。
地元を捨てきれないのが本心なのでしょう。
彼らに危機感がないとは思わないが、東北の土地柄なのか、もどかしさを感じた。
ただ歯がゆかった。あくまで個人的な感想ですが…



避難所となっている学校を訪れた東京で不動産会社を経営するB氏(40代男性)

「ボランティアのピークの5月に被災地を訪れました。目的はただ支援をするため。
実際に、避難所となっている小学校で炊き出しを行いました。
職に関する不安を抱えている人が多く、私が不動産会社を経営しているということもあり、
自分が持っている物件を無償で寮として用意する、仕事も用意すると被災者に提案してみた。
もちろん、東京でずっと仕事をして欲しいなんて、全く思っておらず、
ほんのしばらくの間の働き口になればいいとそう思っていたが、
提案に応じてくれる人はいなかった。
働くなら地元がいいということでしょう。
また、炊き出しが余ったとき、廃棄するのはもったいないので、余ったものを近所の人に配ろうとした。
すると避難所の人から『今度来た人が同じことをしなくちゃならない。今度来た人が同じことを
しなかったら、前来た人はしてくれたのにと不安に思うから、余り物を配るのは辞めて下さい』。
震災から2ヶ月経った時期だったが、避難所に食べ物はあまりなかった。
にもかかわらず泣く泣く、用意した炊き出しを廃棄しなければならなかった。
善意を押し付けるつもりは全くなかったが、ここまで落胆して帰ってくるとは思わなかった。
被災地の被害状況も目の当たりにして、二重で落胆した気分


話を聴いてくれるだけでも、一緒にいてくれるだけでもありがたい。
以前、番組ではそんな被災者の声を紹介しましたが、
誰かのために何かしたいと強く思う人たちの純粋な善意は、
そのまま被災者に届かず、それを阻む見えない壁があるようです。

弁護士A氏、不動産会社経営者B氏ともに、被災者の今後のことで心配なのは、
彼らの「雇用問題」だと語っていました。
しかし、彼らのほとんどが必要としているのはあくまでも「地元での雇用」。
復興が遅々として進まない今の状況では、支援したい側の「もどかしさ」が解消されるのは
もっと先のことなのかもしれません。


スタッフ:坂本
(2012/3/15 UPDATE)
番組スタッフ
東日本大震災と原発事故から一年を迎えた日曜日、テレビや新聞では特集が組まれ、東京では国会議事堂を取り囲む「人間の鎖アクション」をはじめ、追悼デモや集会が催されました。
日曜日、みなさんはどんなことを感じながら過ごされましたか?

この節目にあわせて、3.11をテーマにした映画も数多く公開されています。
先週の『プリピャチ』に続き、今週は岩井俊二監督の『friends after 3.11』を観てきました。

friends after 3.11
http://iwaiff.com/fa311/


岩井監督と松田美由紀さんがナビゲーターとなって、さまざまなフィールドで活躍されている「友人たち」と語るというスタイルのドキュメンタリー。
水曜タイムラインの上杉隆さんも出演されています(インタビューの場所はTOKYOFMの「タイムライン」スタジオの隣でした)。

映画がはじまってすぐ、元原子力プラント設計技術者の後藤政志さんが話すシーンがあり、私は去年の4月ごろの自分を思い返していました。
去年の4月というのは、私が「タイムライン」に携わるようになった時期です。福島第一原発の状況が分からず、番組では毎日、18時台の終わりに、後藤さんや田中三彦さん、小出裕章さんといった原子炉の専門家と電話をつないで、政府が発表するわずかな資料を手がかりに話を聞いていた頃。その頃のことを思い出したのです。

あれから一年。「被災地の復興も原発の対応も一年でここまでできました」と胸を張れる状況とは、残念ながら言えないように思います。

映画は、インタビューと被災地のロケを織り交ぜながら進みます。仙台市出身の岩井監督と藤波心さんが被災地を訪れるシーンには、津波で裸になった大地にやわらかな色合いの緑が芽吹く風景と、どこかから流されてきた巨大なオブジェが地面に半分埋まったままの風景が同居しており、自然の再生力と復興への長い道のりの対比に、一瞬、時間の感覚を失ったような気分になります。

映画監督の鎌仲ひとみさんや城南信用金庫理事長の吉原毅さんのお話にも深く共感しつつ、「タイムライン」に出演してくださった飯田哲也さんや武田邦彦さんのインタビューシーンを見ていたら、自然と、この一年の番組のことを時系列で思い返していました。一緒に観に行った友人も一年を振り返りながら観ていたといいます。
終わったあと、映画の感想を言い合っていたら、普段は無意識に避けていた原発や自然エネルギーに対する考えについても、自然に話が及んでいました。
観る人それぞれが、
「あのとき何をして、どんなことを考えて、この一年を過ごしてきたのか?」
「これからどうするのか?」
と自分に問い、人と話したくなる作品なのだと思います。


上映場所の「オーディトリウム渋谷」では、このほか、森達也監督の『311』や石井岳龍監督の『3.11日常』なども上映中です。
映画の力を借りて、家族や友人と少しだけ本音を語ってみませんか?

オーディトリウム渋谷
http://a-shibuya.jp/
(2012/3/14 UPDATE)
番組スタッフ
東京電力福島第一原発事故で計画的避難区域に指定され、
約6000人が全村避難している「福島県飯舘村」

除染を進めて希望者全員の“帰村”を目指し、
3200億円をかけ、住宅を2年、農地を5年、森林は20年で除染する考えを示しています。
しかし、その一方で、一部の住民は除染の効果を疑問視し、
新たな村への“集団移住”を望む声があがるなど、
村は「除染」をめぐり二分化される事態となっているようです。

除染の効果を疑問視する住民の一人で、飯館村の酪農家・長谷川健一さん
著書『原発に「ふるさと」を奪われて 〜福島県飯舘村・酪農家の叫び』(宝島社)の中で、
除染という作業自体の不毛さを以下のように訴えています。

===
「除染」は、私たちも望んでいることです。
「除染」した結果、村がきれいになって「安全宣言」が出されれば、私だって故郷に戻りたい。
でも、そんなことが本当に可能なのか、
国や県の説明をいくら聞いていてもまるで分からないわけです。
説明では、家の周りは2年のうちに「除染」して、田んぼや畑は5年のうちに
「除染」するとされています。山林は20年のうちに「除染」するのだそうです。
事実上、山林は「除染」しないのも同然です。
となると、いくら家の周りや田畑を「除染」したところで、雨が降るたびに「除染」していない
山から放射能が流れ出してきて、いつまで経っても放射能汚染はなくならない。

そうなるような気がしてなりません。
===

さらに、東京新聞(2012年3月4日)の取材に対しては・・・
これだけ汚染された土地で農業を再開するのは難しい。
除染がうまくいかず、何年か後に『やっぱりだめでした』ではどうにもならない。
村全体で移住する『新・飯館村』のような選択肢を考えておく必要がある
と飯館村で農業を続けることの難しさ、移住の必要性について言及しています。

巨額の費用をかけ、科学的根拠のない除染を実行しようとしている村側。
除染をすれば、避難を余儀なくされている住民は帰れるようになるのでしょうか。
また、除染をしたところで、村側は何を根拠に「安全宣言」を出すのでしょうか。


昨年6月から福島で健康相談会を実施している小児科医の山田真さんは、
「SIGHT VOL.50」(ロッキング・オン)の中で、こんな言葉を残しています。

「国も、福島を見捨てているのに、見捨てないという言い方をする。
除染してもまた住める土地になるとは本気で思っていないのに、 
また住める、いずれ帰れるというようなことを言う。
福島は宙ぶらりんのまま生かされている


飯館村の住民の方々にとって「最良の選択」とは、
かすかな望みをかけ除染を実行し、“根拠のない安全な場所”に住み続けることなのでしょうか。
それとも、除染をあきらめ、“今よりは安全な場所”に移住することなのでしょうか。

住民の方々の自主的な判断を尊重するのはもちろんですが、
身の安全を思えば、選択すべきはおそらく後者なのでしょう。


<火曜web担当:H>
(2012/3/13 UPDATE)
番組スタッフ
今月4日、東京電力福島第一原発事故の経験から原発の安全問題や将来的なエネルギー政策の展望について話し合う集会「福島の証言」がニューヨークにあるマンハッタンビル・カレッジで行われた。集会には事故後、福島第一原発で働いていた作業員や福島大学の研究者が招かれ、自身の体験談や調査結果の報告をした。またアメリカからは災害準備センター代表のアーウィン・レドレナー博士やニューヨーク州ウェストチェスター郡の前郡長、アンディ・スパーノ氏も招かれた。

福島第一原発事故は世界中の原子力発電所のあり方について考えなおす大きなキッカケとなったが、その中でもアメリカで特に議論が高まっているのがニューヨーク市中心部からわずか38マイルに位置するインディアンポイント原発についてだ。同発電所はニューヨーク市で消費される電力の約3割を担っているが、事故や放射能汚染を狙ったテロの標的となり得る事から、3.11以降廃止を求める声が高まっている。
主催団体であるクリアウォーターはニューヨーク市の約六十キロ北にあるインディアンポイント原発の閉鎖を求める活動の一環として同会を開いた。

天野和彦さんは「インディアンポイント原発は地震や津波のリスクが極めて少ない」と前置きをした上で「ただ間違いを犯さない人間やマシーンはこの世に存在しない」と、改めて原発の危険性を示唆すると同時に、福島第一原発事故が人災であった事を強調した。

こうした福島原発事故の体験談を求める声が海外の声は多い。
「テキサスのテレビ局から日本の現状について説明を求められて急遽電話で出演する事になったんだ。質問はほぼすべて東京の放射能について。それがキッカケで、『今日本に住んでいる自分にしかできない事がある』と思って、それ以降も3.11の体験や東北でのボランティア活動についてできる限り海外に住むイ多くの人に伝えようと心がけているよ。原発や放射能の怖さを今一番知っているのは日本に住んでいる我々だからね」(アメリカ出身 20代男性)

フクシマ・クライシス経験者の言葉を世界中の人々が求めている。日本の皆さん、国内の議論ももちろん必要ですが、このような事故が二度と起きないように、全世界にあなたの言葉を発信しませんか?
(2012/3/12 UPDATE)
番組スタッフ
福島第1原発事故から間もなく1年。今回の大惨事を受けて、
原子力規制機関「原子力規制庁」が来月1日、環境省の外局として発足しようとしています。
名前だけ見れば、ようやく原発問題を背負う日本に守護神誕生か…と淡い期待をよせがちですが、
全くそんな気配はなく、発足にあたり、問題が山積みです。

そもそも、設置に関する法案の審議がいまだに国会で始まっていないことも問題ですが、
設置自体に異論を唱える人もいます。
国会の東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)の
黒川清委員長は先月、異例とも言える以下の声明を発表しました。

+++++++++++
私が委員長を務める東京電力福島原子力発電所事故調査委員会は、
法律に基づき、国会に設置された委員会です。
昨年12月から調査を行っている最中であるにもかかわらず、
政府が「組織のあり方」を定めた法案を決定したことは、私には理解できません。
原子力規制庁の設置自体に異論を唱える人もいます。
政府の決定の見直し及び国会における責任ある対応を求めます

<国会事故調委員長声明>
+++++++++++

国会事故調は「事故の直接、間接の原因」「講じた措置の内容、経緯、効果」を
究明するという役割をもつ以外に、
「原子力に関する基本的な政策」「行政組織の在り方の見直し」の提言も行います。
昨年12月から本格的な事故調査に乗り出し、行政組織のあり方を
見直そうとしているにもかかわらず、原子力に関する新たな行政組織が
誕生しようとしていることに、黒川委員長が憤るのは当たり前でしょう。

原子力規制庁は環境省外局となるわけですが、国際社会と比較して、
原子力を規制する機関が行政から独立していないということに
問題があるとの指摘もあります。

+++++++++++
世界の常識は、原発規制機関は「政府からの独立」である。(先月)27日、
国会の事故調に参考人として出席した米国原子力規制委員会の
メザーブ元委員長も規制機関の「独立性」を何度も強調し、
「オバマ大統領がベントを指示することは、米国ではあり得ない」と発言。
記者会見で「日本では最終判断を政治家がすることになっているが」と
質問されると、「日本は政治家の方が知識があるのかもしれませんね」と答えた。
メザーブ氏は真面目に答えたのだろうが、まるで皮肉だ。

<ゲンダイネット>
+++++++++++

ちなみに、文部科学省のHPでは、明日まで、
原子力規制庁技術参与の求人募集がされています。
募集要項でまず、以下の文面が気になりました。

+++++++++++
“法案が成立し、原子力規制庁が設置された場合に、
原子力規制庁の技術参与として勤務いただく方を募集します”

+++++++++++


“設置された場合”の募集…。どんな人材が集まるのか
非常に気になりますが、これぞ“見切り発車”です。

募集要項の中には“国民の健康と安全を守る”という言葉も登場します。
あらためて言いますが、規制庁発足のめどは4月から。
発足1ヶ月をきって、いまだ専門職を求人していることに、
まるで居酒屋のオープニングスタッフを募集しているかのような違和感も覚えると同時に、
寄せ集め集団に私たちの安全を預けていいのか、疑問を抱かざるを得ません。

迅速な対応は何一つなかったように思われる民主党政権。
ぬるい見切り発車での4月発足は潔くあきらめて、
議論に議論を重ねた上でスタートしていただいた方が、
まず安心できるのではないでしょうか。
少なくとも今の政権下ではそう思います。


スタッフ:坂本
(2012/3/8 UPDATE)
番組スタッフ
チェルノブイリ原発事故から12年後の、立入禁止区域(通称「ゾーン」)のなかで生きる人々を追ったドキュメンタリー『プリピャチ』を観てきました。

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プリピャチ
(1999年オーストリア/監督・撮影:ニコラウス・ゲイハルター)


http://www.uplink.co.jp/pripyat/

渋谷アップリンク、新宿武蔵野館ほか全国順次公開中
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Pripyat_01

プリピャチは、チェルノブイリ原発から約4kmのところにある町。5本の川が合流する「プリピャチ川」を名前の由来に持つ、水と緑が豊かなウクライナのこの町は、ソ連時代の1970年に原子力発電所従業員の居住地としてつくられ、1986年の事故によって、周辺30kmの「ゾーン」に含まれます。

住民の多くが区域外に移住し、時間の経過を感じさせる朽ちた街並みのなか、一度は離れたのに戻ってきた老夫婦や、移住の順番を待ち続ける女性、検問所で人や物の出入りを監視する警官、事故後に運転を再開した3号機で働く技術者など、それぞれの事情を抱えながらここで生活を送っている人々が登場し、カメラに向かって語ります。

Pripyat_02

BGMもナレーションもない、モノクロームの映像。
流し網で魚を捕り、森を歩いて水を運ぶ。自然と共生しながら、静かに、そして質素に暮らす住民の姿を眺めていると、古き良き時代の記録映画を観ているようです。
しかし、ここは放射能で汚染された立入禁止区域。有刺鉄線で隔てられた外の世界には、塵ひとつ持ち出せないのです。町の人々がしばしば口にする「放射能」「ゾーン」という言葉で、現実に引き戻されます。

ソ連が崩壊し、独立したウクライナの管轄下で、忘れ去られることを期待されているように見える町。居住者がいることを黙認している当局。12年後の日本を見てしまったかもしれないと思う私とそれを否定したい私が、頭のなかでぐるぐると混ざり合います。

Pripyat_03

1999年に製作された映画ですが、日本で原発事故がなければ、私は、この映画の存在すら知らなかったと思います。
もし観る機会があったとしても、一見淡々と生活を送る人々から、映像以上の何かをくみとることができただろうか。そんなことも考えながら観ていました。

私が観に行った日の2日前、福島の双葉町の方々を招いての試写会があったそうです。
双葉町の方々は、どんな気持ちでこの映画を受け止めたのでしょうか。
家に帰り着いてからもなお、いろいろな思いが湧き起こってくる作品です。


(水曜タイムラインWeb担当:たけなか)
(2012/3/7 UPDATE)
番組スタッフ
「うがい薬で放射能が除去できる」
「白血病患者数が激増」

今もなお、ネット上に飛び交う原発・放射能関連のデマ
こうしたデマを打ち消すため、
経済産業省 資源エネルギー庁が「正しい情報を発信する」ホームページの開設を計画。
しかし、当初の予定から約半年が経っても完成していない
、といいます。

計画の着手から現在までの経緯は以下の通り。
===
今回のHPは、経済産業省 資源エネルギー庁が監視の対象をメディアからツイッターやブログに
変更したことに伴い、本年度から着手した。
昨年5月の一次補正で急きょ予算を計上し、一般競争入札で落札した都内の広告代理店に委託。
入札仕様書には「速やかに正確な情報を提供」することを重要点として明記。
デマ情報を集めた上、事業開始から1カ月程度で30項目以上、最終的には約100項目を
Q&A形式でまとめ、昨秋をめどにHPに掲載するよう求めていた。
しかし、HPは「現在改定中」とされ、情報提供が一切行われていない。
===
<東京新聞 2012年3月1日朝刊>

着手から半年経っても、ホームページが開設しない理由については、
資源エネルギー庁の担当者が、
「広告代理店がデマ情報として集めた大半が放射能の健康影響についてだったが、
 専門家の助言が人によって見解が異なっている。
 食品規制や除染など国の対応が変遷したことも影響し『正解』の作成に手間取っている」

と説明しています。

『正解』の作成に手間取っていると、資源エネルギー庁の担当者は説明していますが、
資源エネルギー庁の言う『正解』、つまり「正しい情報」とは一体何なのでしょうか?

政府がこれまで、発表してきた代表的な「正しい情報」といえば・・・
「メルトダウンはしていない」
「ただちに健康に影響はありません」
「『冷温停止状態』宣言」

これらの情報は、発表後すぐ「安全デマ」と揶揄され、批判の的となったのは、
記憶に新しいかと思います。

今、信頼が失墜した政府が「正しい情報」と喧伝、提示したところで、
一体、誰がその情報を信じるのでしょうか。

もはや信じているのはごく少数でしょう。

また、資源エネルギー庁は、開設が遅れている理由について、
「正しい情報の確認作業が難航しているため」とも説明していますが、
正しい情報というものを、現時点でどのように確認するのでしょうか?

昨日、番組内でも紹介しましたが、
中部大学の武田邦彦教授は、原子力・放射能に関する情報について、
===
「学問的には被曝と健康の関係は不明」ということがハッキリしています。
「まだ判らない段階」ということがハッキリしているということです。
つまり学説が複数あるので、学問的には決めることができないけれど、
それを参考にして「合意」することはできるという段階です。

===
と話しています。

今はまだ、原子力・放射能に関する情報は、学問的には決めることができない状況。
つまり、今、「正しい情報」を確認することは限りなく不可能ということです。

それにもかかわらず、経産省が業務委託してまで開設を目指している、
「正しい情報を発信する」ホームページ。
私自身はこのホームページ自体が“不毛な産物”であるし、
開設するために今行われている作業さえも不毛なものだと確信しています。

政府と東京電力が示し、7月にも実行されると言われる家庭向け電気料金の値上げ
原発賠償金の穴埋めのためとの声も聞かれますが、
値上げという最悪の手段をとる前にまずすべきは、
「正しい情報を発信する」という名目で作業が進められる、
“不毛な産物”の開設中止を決めることなのではないでしょうか。


<火曜web担当:H>
(2012/3/6 UPDATE)
番組スタッフ
――『東京からの避難も検討していた日本のリーダーたち』
ニューヨークタイムス紙のウェブサイトにこんなタイトルの記事が掲載された。記事を書いたマーティン・ファクラー記者によれば日本政府は事故の全容を把握していないにも関わらず、国民の心配を抑えるような発表をしながら、実は東京からの避難も検討していたという。

3.11から一年が過ぎようとしている中、世界各国のメディアでも東日本大震災を振り返る特集が組まれている。中でも海外の報道機関で大きく取り上げられているのが財団法人日本再建イニシアティブが発表した原発事故の調査報告書の内容だ。

この調査報告書は日本メディアでも取り上げられているが、国内と海外ではその論調や解釈が少し違う。日本の報道を見ていると総じて原発行政の危機感の欠如や、菅直人元総理の対応批判といった論調で大きく取り上げられている。

ところが海外の報道はどうだろう?前述したニューヨークタイムス紙の記事では「調査書はアメリカの研究者たちが懸念していた事がまさに起きていたという事を証明している」と指摘し、また国民のみならず他国にも原発の危機的状況を説明しなかった事で、日米間の信頼関係が揺らいだと批判している。
一方で日本の報道では批判の的となっている菅元総理に関して「彼は欠点も多いが、彼が事故後東電に押しかけ諦めぬように要請した事で日本は救われた」と、その対応をある程度評価している。

アルジャジーラ紙では『Japan Leaders 'played down nuclear crisis'』(日本のリーダーたち、『原発事故を軽視する』)と、実際にはその危険性を把握していた政府への皮肉ともとれる記事を掲載している。同紙は「菅政権、東電、原発管理者の間で信頼関係が欠如していたために発表の食い違いで混乱と批判を招いた」と分析し、「この事故で政府と東電は信用を大きく失った」と書いている。

比較してみると、日本の報道は主に政府の対応や津波に対する事前の対策といった部分に焦点をあてるのに対し、海外は政府が正式な発表でウソをついていたという事に強い憤りと不信感を抱いているという事がわかる。

残念な事に、海外でも日本政府の発表に対する信頼は低いようだ。それを象徴するような書き込みがニューヨークタイムス紙のコメント欄にあった。

「日本政府が一年前の事故当時、我々に真実を伝えていなかったというのはそんなに驚くべき事なのか?本当の問題は彼らが今現在、日本国民や我々から何を隠しているかじゃないか?」(CD氏 カナダ・バンクーバー在住)
(2012/3/5 UPDATE)
番組スタッフ
今日の番組本編では、被災地がれきの広域処理の是非について特集しますが、
被災地のがれき受け入れ問題は連日、様々なメディアで取り上げられています。

先日、お笑い芸人・たむらけんじさんが大阪府のがれき受け入れ問題について、
テレビで発言したことが今、ネット上で話題となっています。
きっかけは、先月27日に放送された関西ローカルの情報番組『ちちんぷいぷい』。
同番組において、たむらけんじさんは
「ここでやっぱり日本が全員で痛みを分かち合って、せなあきませんよね。
不安な気持ちは、みんなあるじゃないですか。日本人全員でやらないと」

と、がれき受け入れに賛成の意を表明しました。

この発言を受け、たむらさんのツイッターは炎上。
以下のようなツイートがたむらさん宛てに寄せられました。
++++++++++
●オーナーの方針がそんなんやったら彼の経営する焼肉屋の肉の仕入れの安全性は
問題無いのだろうか? と懐疑的になるのは当然。メディア出演者の発言は影響力があるのだから、汚染瓦礫に関する発言は命取りになると覚悟して欲しい。

●国民の安全よりも助け合いの絆を重視するんでしょ?そんな店で怖くて食事できませんわ。
何を出されるか分かれへんもん。福島県産の食品使ってるんですか?
瓦礫受け入れろって熱弁してましたよね?

●無責任に正義を振りかざすなよ。所詮は口だけのお笑い芸人やったか。

●汚染牛や食材が消費者の不安点の一つですが、おたくの肉や食材はどこのをお使いですか。
関東関西を問わず情報公開しない飲食店や焼き肉店は客が離れ潰れていってます。

●食品を扱う企業の責任者であり、かつ、メディアでたくさんの人たちに向けて
話す機会を持つことの責任もあるんですから、「勝手にやらせてください」は通用しませんよ。
++++++++++


たむらさんの受け入れ賛成に異を唱えるどころか、
事態はたむらさんが経営する焼肉店批判に発展してしまったのです。
「飲食店経営者のがれき受け入れ賛成」が「経営店の食の安全基準が疑われる」
…ということにつながるのは、あまりにもナンセンスな思考です。


原発事故以降、マスコミ業界では芸能人が原発問題について、極力、
自身の意見は表明しないようにするという暗黙のルールが出来上がりました。

番組で原発や放射能の問題を取り上げる際、
自身の本音を声を大にして語るという人はいません。
TFM以外でも仕事をしている私自身、
実際に「原発問題はNGで」というタレントを何人か目にしました。
感情のまま発言してしまったらどこかで血祭りに挙げられる…
そんな見えない恐怖心があるようです。

事故直後、反原発を表明したタレントの藤波心さん(15)も、売名行為だと避難されました。
SNSでの礼節について説くつもりはありませんが、
こういった炎上を目にするたびに、もう少し寛容になってみては…そう私は思います。

確かに今、私たちに必要なのは、日本が背負ってしまった難題への感情論ではなく、
科学的根拠に裏打ちされた明確な解答です。
こういった問題で炎上するのも、そもそもは国の安全基準、
情報開示への不審が招いた結果なのかもしれません。
事故から1年が経とうとしているというのに、“見えない恐怖”が
“見えないまま”であることが原因なのではないでしょうか。

また、有名人である以上、こういった賛否両論あるナーバスな問題に関する発言をする時は、
論理破綻した批判があるということを“有名税”として心得ておかなければならないのでしょう。


スタッフ:坂本
(2012/3/1 UPDATE)

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