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番組スタッフ
最大9連休となる今年のゴールデンウィークを、いかがお過ごしでしょうか?
今日から、月曜日のコラムは、「境界線を見つめて」という新企画でお届けしていきます。
人間は、自分と他人との間に境界線を引きながら生きています。
特に、顔の見えないネット世界では、意見が真っ二つに割れる現象を多く見かけます。
そういった対極化しがちな出来事・意見をテーマに取り上げながら、
その境界線を考えていきたいと思います。

さて明日は、労働者が団結して権利を要求する日「メーデー」ですが、
これまで日本の経済を支えてきた技術者達の環境は、現在、様変わりしつつあるようです。
4月23日付のロイターでは、以下のようなニュースが報じられていました。

●韓国サムスンが日本人技術者引き抜き加速、人材戦略弱い国内勢/ロイター(4月23日)
●特別リポート:中国で「第二の人生」歩む、日本の熟練技術者たち/ロイター(4月23日)

現在、日本製品の世界的な躍進を支えた国内の技術者が、
高度経済成長する中国や韓国に渡るケースが増加しているようです。
特に韓国のサムスンは、新しい技術の開発費をかけず、
すでに開発設計レベルの高い日本人技術者を引きぬくことで、
企業として成長を遂げてきたといいます。
2008年のリーマン・ショック以降、日本の大手電機各社は、
事業縮小と人員削減を実施してきたため、
開発環境や処遇が悪化すれば、優秀な技術者が国を離れても不思議ではありません。
中には、引き抜きにあたって10倍の年収を提示されるケースもあるのだそうです。

こういった状態に対して、ネット上では…

「日本の人材流出。企業に勢いがないことも残念だが、戦略がないのも残念」
「日本はモノづくりの国!と言いながら、
企業の経営者が、技術者を道具としてしか評価してこなかった結果だ」

と、経営者側を批判する声があがる反面…

「技術者的には、労働者市場での価値が上がっていると話だから朗報なのでは?」
「より高い評価のもと、研究や開発が続けられるのなら転職すべき」

という意見も多くあがっていました。

確かに、価値ある能力や技術は、それ相応の評価がされるべきです。
お金によって人材が買い取られる現実は寂しいものがありますが、
これまで冷遇されてきた技術者にとっては、幸せなことなのかもしれません。

しかし、内閣府の調査によれば、
現在「社内ニート」と呼ばれる人達が約465万人もいるのだそうです。
「社内ニート」とは、会社に行っても仕事がない労働者のこと。
いわゆる窓際族ではなく、若手の社員にも増えている現象で、
全雇用者の8.5%にもなる、とのこと。
若い社内ニートが増えた原因の一つとして、
企業に社員を育てる余裕がなくなったことがあるといいます。

この「社内ニート」の中に、どのくらい技術者が含まれているかはわかりませんが、
ここに、ひとつの境界線が浮かび上がります。

優秀な技術者が国外流出していく一方で、企業では仕事のない人が増加する現状。

日本がこれまで世界から讃えられてきた「メイド・イン・JAPANのブランド力」は、
今後、どんどん失墜するだけなのでしょうか?
一つだけハッキリしているのは、この現状が長引けば長引くほど、
日本の経済力=国力が落ちてしまうということです。

自民党は、自衛隊を「国防軍」と名称変更する第2次憲法改正草案を発表しましたが、
それよりもまず検討すべきは、日本の雇用環境の改善ではないでしょうか。
これまで培ってきた日本の技術力、そして経済力を復活させることこそ、
本当の意味で「日本を守るチカラ」になると私は思います。

担当:梅木
(2012/4/30 UPDATE)
番組スタッフ
神奈川県の黒岩祐治知事は今週火曜日の会見で、
県内全域を特区として医療、産業などの分野の規制緩和を進める
「神奈川独立国構想」についての考えを明らかにしました。

知事は「常々、日本を再生する神奈川モデルをつくりたいと言ってきた。
国ができないことをやるために、特区制度を全県的に活用する」と表明。
「構想が実現すれば、例えば外国人の医師、看護師が働けて未承認薬も使える、
開かれた医療が実現できる」と語った 同日、県幹部や大学教授らからなる
プロジェクトチームの初会合を開催。

黒岩県知事、「神奈川独立国構想」を表明<j-castニュース>

さらに、黒岩知事はプロジェクトの内容について 海外に開かれた医療として
外国人が働ける、未承認薬も使えるようにする など、具体的な構想を検討するとし
ある種、日本の中の外国、それを作ろう。出島を作ろう と宣言しています。

皆さんはこのニュースを聞いたとき何を思われたでしょうか?
大いなる期待ですか?それとも軽蔑ですか?

知人の神奈川県民はこのニュースに対し、
「神奈川県民はプライドが高い。いち早く独自の文化を
作り上げたという自負もある。東京へのライバル心もあり、突飛な政策を
打ち出したいのは理解できるが、独立国家は理解に苦しむ」

と比較的冷静な意見を述べていましたが、
私は、失笑するとともに、地方政治への失望を感じました。

どうも最近、知事になった皆さんは目立ちたがり屋が多いようです。
言葉先行型・知事たちが派手にスポットライトを浴びるばかりで、
実直な政策で功績を上げている知事が彼らの影になって
全く評価されていないのだとしたら、あまりにもむなしいお話です。
中央政治がお粗末だからこそ、地方政治が何としてでも
日本を支えなければならないと意気込むのは理解できますが…。

いつからか、政治家の言葉は派手でなければならないような風潮が浸透しました。
橋下大阪市長と大阪都構想について議論していくうちに生まれたプロジェクトだそうですが、
どうも「橋下フィーバー」への、憧れ、嫉妬のような感情が含まれているのではないかと
邪推しています。

日本全体に政治への悲壮感が漂っていることに対して、先日、
仕事でご一緒したある哲学者(60代)はこう語っていました。

『学生時代、学生運動に参加していた僕は政治を軽蔑しきっていた。
それから40年、僕の前にあるのは再び、軽蔑すべき政治だ。
トーマス・マンの言葉を、身をもって体感した。
学生運動に参加し、政治を軽蔑したことを後悔しいる』


そのトーマス・マンの言葉とは
「魔の山」でつづられたこんな一文です。

政治を軽蔑するものは、軽蔑すべき政治しか持つことが出来ない。


トーマス・マンの言葉を胸に刻まなければならないと思いながらも、
ただ、もはや今の日本の政治は軽蔑の範疇を超えてしまっている…。
そんな気がしないでもないのも事実です。


スタッフ:坂本
(2012/4/26 UPDATE)
番組スタッフ
今日は明け方、千葉県東部で震度4の地震がありましたね。
ちょっと強めの長い揺れで目が覚めたという方も多いのではないでしょうか?

東京近郊の地震のニュースといえば、最近気になるのが、東京都が発表した「首都直下地震で起きる新たな被害想定」。

++++
(産経ニュース:4月18日)
最大震度7 死者9700人に 首都直下地震など被害想定見直し
がれきは東日本を上回る4289万トン

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120418/dst12041818080006-n1.htm

抜粋:
首都直下地震など4パターンの地震で起きる新たな被害想定を公表した。平成18年の想定では東京湾北部を震源とする首都直下地震で最大震度は6強だったが、最大震度7の地域が生じ、6強の地域も拡大。死者数は約6400人から約9700人に増えた。
(中略)
想定したのは東京湾北部地震(M7・3)▽多摩直下地震(M7・3)▽元禄型関東地震(M8・2)▽立川断層帯地震(M7・4)の4タイプ。津波被害発生のモデルとして元禄型関東と活断層で発生する立川断層帯の2地震を18年想定から新たに加えた。

++++

東大と京大で首都直下地震の予測確率が違うというニュースもありましたが、「いつか来るもの」であることには変わりません。震災から1年以上過ぎてつい気が緩みがちですが、備えを怠らないようにしなければ、とあらためて思います。

ところで、テレビ番組で見かける、レポーターさんの「震度7体験」。
なにか特別な場所に取材申請をして、お金もかかったりするのかしら・・・とネットで検索してみたら、東京都内の各所に、消防庁や区が運営する「防災センター」「防災館」「地震の○○館」といった無料の体験型学習施設があるではありませんか。

実は私、去年の3月11日には、ふだんは滅多に帰らないのに偶然にも帰省をしておりまして、東京の地震を体験していないのです。これは体験しておかなければ、ということで、北区の「地震の科学館」に行ってみました。

北区 防災センター(地震の科学館)
http://www.city.kita.tokyo.jp/docs/facility/242/024231.htm


都内で初めての地震体験施設として昭和59年に開館した「地震の科学館」は、滝野川公園の隣に、滝野川消防署と挟まれるようにして建っていました。

ちょうど14時の回の地震体験がはじまるところだったので、駆け込み参加です。ほかには女性2名が参加していました。

photo01

台所や和室などの部屋を模した装置に入り、係の方の説明を受けながら、
新潟県中越地震(M6.8/最大震度7)、阪神淡路大震災(M7.3/最大震度7)、関東大震災(M7.9/最大震度7)の順に、3種類の揺れを体験しました。

震度7というのは、本当に動けなくなるんですね。体がかたまってしまって、きっと脳もビックリしていて、手足に信号を送れない感じとでもいいましょうか。「体験」と身構えていてもそうなのですから、本当に地震が来たら、ガスを止めたり玄関や窓を開けたりといった対応が、いま想像しているとおりにできるのかどうか。

このほか、無害の煙を焚いた真っ暗な部屋の中を手探りでゴールまで辿り着くという「煙体験」も受けてきました。



係の方に「震災後、利用者は増えましたか?ふだんはどういうかたが利用されるんですか?」と訪ねたら、

「震災後はおっしゃるとおり、利用者が増えていますね。学校とかお年寄りの団体の方が多いでしょうか。今日も修学旅行生が体験していきましたよ」

とのことでした。
(次の15時の回を、修学旅行生と先生が体験していました)

photo02
photo03

<併設の展示場。災害時に気をつけることや、避難所のジオラマ、ゲームをとおした学習体験など>



もうすぐゴールデンウィーク。友人や家族とのお出かけの予定に「地震体験」も加えてみてはいかがでしょうか?


(水曜タイムラインWeb担当:たけなか)
(2012/4/25 UPDATE)
番組スタッフ
先週のコラム(http://www.tfm.co.jp/timeline/index.php?itemid=50589&catid=1166&catid=1332)で取り上げた、福島県いわき市の渡辺市長の発言。
「東京電力から賠償金を受け、多くの人が働いていない。パチンコ店も全て満員だ」。
そして、この発言によって見えてきた、「避難者」と「いわき市民」の間に生じた溝

先週、いわき市長の発言に端を発したこの問題について考え、自分なりの答えを導き出しましたが、それはあくまでも既存の報道、客観的な情報を参考に導き出したもの。
「表面だけを知り、本質を理解できていないのでは」と思いたち、今週も引き続き、この問題について考えてみることにいたしました。

今回のポイントは、以下の3つの疑問。 
この疑問の解明を軸に、現地をよく知る方々に独自取材を敢行しています。

<1>
いわき市には避難者のパチンコ店通いについて市民から苦情が寄せられているというが、実際にこうした事実は存在するのか?

<2>
いわき市以外の「避難者受け入れ先」でも、同様の溝が生じているのでは?

<3>
この問題の本質は? 問題を解決するためには何をすべきか?



まず、主に<1>の疑問の答えを明らかにするため、いわき市出身で福島県出身の在京大学生が中心となってよりよい地域づくりを目指す団体「TEAM iups」の代表を務める、西丸亮さんにお話を伺いました。
西丸さんには<3>についても、お話を伺っています。

●西丸亮さん(23歳)
*************
今は東京に住んでいるが、4月以前は月に1〜2回は、いわき市に帰省していた。
避難者の方がパチンコ屋のはしごをしている様子は、パチンコ屋の駐車場が車で埋めつくされていることから、そう感じる。また、貸家の大家をしている知り合いから聞いた話ですが、貸家に入居している避難者の方は、昼はパチンコ、夜はスナックという生活。しかも、家賃を滞納することもあるらしい。
別の知り合いで避難者の方に家を貸している人からは、「家賃を下げてくれ」と催促された、という話も聞いた。
今のいわき市は、被災者が被災者にすがる状態になっていると思う。


ただ、すべての避難者の方が、すがっているとは言い切れず、避難者の方の中でも、「被災者ぶっている人」と「そうでない人」の二極化が進んでいるように感じる。問題なのは「被災者ぶっている人」で、これは補助金頼りで、それでいいと開き直っている人。
この人たちは、雇用は選ばなければあるのに、働かない。


市長の発言からも分かるように、避難者の方々が批判の対象になっている。でも、冷静に考えてみると、批判すること自体に疑問も感じている。
避難者はかなりのストレスを溜め込んでいる。発散方法は地方特有のパチンコというかたちとなっているだけ、という見方もできる。

私は「避難者の自立」が一番大切だと思う。
その点で考えると、今回のいわき市長の発言はあながち間違っていないように思える。
また、避難者の自立に向かう環境が整っていない行政課題が仮にあったとしても、パチンコに費やす時間と費用とは必然性がないと思う。ストレスに問題があるのであれば、ストレスケアをするべきで、他にも解決方法がある。補償頼りの生活に甘えている「避難者ぶっている人」(当事者)の立場に寄り添い、自立支援に力を入れるべきではないだろうか。
*************

つづいて、2つ目の疑問“いわき市以外の「避難者受け入れ先」でも、同様の溝が生じているのでは?”について。
前出の西丸さんに相談したところ、沿岸部の避難者を受け入れている郡山市と会津若松市在住の方を紹介していただき、お二方とも快く取材を受けて下さいました。
西丸さん同様、お二方には<3>についてもお話を伺っています。


●郡山市在住の会社員・Tさん(47歳)
*************
自分で直接、見たわけではないが、郡山市でもそういう状況(避難者がパチンコ屋に入り浸る状況)があるとは聞いている。
私が見たことがあるのは、郡山市の居酒屋に来ていた避難者の方。沿岸部からの避難者は、浜方面独特の口調で語気が荒い方も多いため、どうしても目立つ。そのため、騒いでいるイメージが強く、悪いイメージを抱かれてしまうのかもしれない。

避難者の方には仕事がなく、やることがない。しかも、壁が薄く、隣人の声が丸聞こえの仮設住宅暮らし。これではストレスが溜まる。パチンコ屋やスナックに入り浸るのも、しょうがない気もする。
避難者の方が働かず、パチンコ屋やスナックに入り浸るのは、働けない理由があるからだと思う。元々住んでいた場所に戻る気があるから、郡山に根差す気はない。だから、就職しない、働かないのだと思う。

政府は、避難者を元々住んでいた場所に戻せないなら、戻せないという方針を早く示してあげて欲しい。そうしないと、避難者の方々はいつまでたっても働くという決断ができない。
避難者に補助金などを渡す国や県の対応は、根本の解決にはならず、肝心な決断を先延ばす、ただの時間稼ぎになってしまっているのではないでしょうか。

*************


●会津若松市在住の谷津拓郎さん(25歳)
避難し仮設住宅で暮らす人々のために雇用をと立ちあげた、避難者に内職仕事を紹介する会社「llE(イー)」代表
*************
会津にも大熊町などから避難者が来ているが、パチンコ屋が避難者で満員という話は聞かない。
もともと流行っていたパチンコ屋に、避難前から好きで通っていた人たちが避難先でも集まっただけではないか。
会津にはそもそも娯楽が少なく、パチンコ屋に人が集まるのは震災前からあったこと。
震災前には当たり前だったことが、震災後、悪い形で露呈したのだと思う。


今回、報道された、いわき市のケースを考えると、避難者といわき市民の間には「認識の分断」があると思う。
いわき市民の方々は、避難者が置かれている状況をきちんと認識できていない。
そのために、両者の間に摩擦が生じているのだと思う。


今、避難者が置かれている状況について。まずは金銭面。
避難者は東電からの賠償金だけでなく、延長され続けている雇用保険や、請求すればもらえる生活費などのおかげで、働かなくても生活していける状態にある。
さらに、国は生活できるお金だけは渡して、今後、避難者が元々住んでいた場所に帰れるのか、帰れないのか、肝心なことははっきりさせないでいる。そのため、避難者は生活基盤を会津にすると決められない。そんな状態で、長期の仕事を探し、仕事をしろと言うのは酷。

避難者の方々は、お金はあるが、避難者同士のつながりも、受け入れ先市民とのつながりもない。
何のつながりも持てていない。孤独がゆえに、何か目に見えない空白を埋めようとしている。
その空白を埋めていかなければならない。それを埋めるにはパチンコに代表される消費活動ではなく、仕事などの生産活動が必要なのだ。言い方とタイミングに問題はあったであろうが、市長の発言の前提にはそういった意味があることも理解しなければならない。

こうした状況をどうにか変えようと、私は「llE(イー)」を立ち上げた。避難者の方々が、「llE」が紹介した内職をすることによって、地域とのつながりを持つことができれば、今の状況は変わるのでは、と思っている。

*************


今回の取材をする前、わたしは頭の中に、メディアが報じている「賠償金をもらい、働かない避難者」をねたみ、受け入れ先市民が避難者を批判している、といった単純な構図を描いていました。

しかし、現地で起こっていることはそう単純な構図ではなく、避難者と受け入れ先の市民のそれぞれが複雑な感情を抱え、それを互いに認識できていない断絶ともいえる状況がありました。
前出の谷津さんの言うとおり、問題の根本には「認識の分断」が横たわっているのかもしれません。

最後に、この問題を解決するためには何をすべきなのか?

前出の谷津さんは「避難者」について、興味深いエピソードを教えてくれました。
*************

僕の仕事をしてくれている方は、「何もすることがないのが一番つらい」と言っていました。

*************

一方、22日に政府が公表した、福島県内などの今後20年間の空間放射線量の予測によると、10年後にも、住民が長期間戻れないとされる「帰還困難区域」にあたる50ミリシーベルト以上の地域が双葉、大熊、浪江の各町に残ることがわかっています。

しかし、政府は予測を公表するだけで、除染の効果については一切、触れていません。
これでは、今回の問題(避難者と受け入れ先市民の溝)の収縮は望めず、むしろ拡大していくかもしれません。
今後、問題の拡大を防ぐためにも、一刻も早く避難者が帰還できるか否かの決断をすること、そして、避難者が「何もすることがない」状況を解消し、なおかつつながりを生み出す雇用の創出こそが、政府にとっての急務なのでしょう。


<担当:H>
(2012/4/24 UPDATE)
番組スタッフ
違法ダウンロードの刑罰化についてのニュースが、インターネット上を駆け巡ったここ数週間。
現状は、ひとまず先送りになっているものの、
4月6日付の産経新聞では、以下のような記事が報じられていました。

●発売後3カ月で使い放題 中国が音楽ソフトで著作権法“改正”案/産経新聞(4月6日)
中国国家版権局は、販売から3カ月を経った音楽などの『録音作品』について、
「著作権者の許可なく使用できる」との条文を盛り込んだ
“著作権法の改正案”を検討している、とのこと。

いくら何でもやりすぎなのでは?と、ツッコミたくなるような中国の改正案。
音楽業界からは「せめて3カ月でも著作権が保護されれば立派だ」と、
現状を皮肉った声も出るほど、中国の違法ダウンロードは深刻な問題のようです。

そこで、各国の違法ダウンロード法事情について調べてみました。

<アメリカの場合>
まず、世界に音楽を輸出する巨大音楽市場アメリカでは、
違法ダウンロードがすでに刑罰化されています。
2009年には、1曲99セントの曲を30曲分ダウンロードした若者が、
なんと67万5千ドル(当時の為替で約6400万円)の罰金となったケースも
ありました。ネット上では多数批判の声があがったものの、
その後の違法ダウンロードは激減。抑止力にはなったようです。

ちなみに、アメリカのテクノロジー・ニュースサイト「Ars Technica」の記事によると、
現在アメリカでは、映画協会や音楽団体などが、
インターネット・プロバイダ会社と協力し、若いネットユーザーを教育する目的で、
「シックス・ストライクス」と呼ばれる警告システムを導入する見通しだそうです。

「シックス・ストライクス」とは、映画協会や音楽団体から委託された業者が、
ファイル共有サイトなどから疑わしい者を割り出し、プロバイダ会社に依頼して、
段階的に警告文を発してもらうというもの。警告を6回送るので「シックス・ストライクス」です。

●Ars Technica参照記事
http://arstechnica.com/tech-policy/news/2011/07/major-isps-agree-to-six-strikes-copyright-enforcement-plan.ars

確かに、10代からネットリテラシーを学んでおくことは、
長い目で見て、有効な手段となるかもしれません。

<フランスの場合>
フランスでは、3回の警告を出す”スリー・ストライクス”が、法律で制定されています。
そして、驚くべき結果も出ているようです。

アメリカのITニュースサイト「TorrentFreak」の記事によると、
フランスでは、このスリー・ストライクス法によって、
2011年の違法ダウンロードサイトへの訪問が29%減少、
ネット上で違法ファイルを共有する動きも66%減少したそうです。
その反面、フランスの音楽産業は、2011年の収益が全体で3.9%減少。
法を犯してまで音楽をダウンロードしていた人達が、
規制によって音楽に触れる機会が少なくなり、
結果として、音楽を買わなくなってしまったようです。

●TorrentFreak参照記事
http://torrentfreak.com/french-three-strikes-law-slashes-piracy-but-fails-to-boost-sales-120330/

こうした欧米諸国の例を見る限りでは、インターネットの進化に、
エンタメ業界のビジネスモデルが対応しきれていないように思います。

特に音楽業界では、これまでアルバム単位で売れていたCDが、
1曲ずつのダウンロード購入や、動画サイトでの視聴に代わり、業界全体の収入が激減。
さらに、共有ファイルソフトも生まれてしまった為、いよいよ首が回らなくなってしまったのです。

実際に、フランスを拠点とする国際商業会議所は、
“違法ダウンロードが音楽や映画関係の企業に悪影響を与え、
2015年までにヨーロッパで100万人以上が失業する可能性がある“
との調査報告を発表しています。

では、日本が違法ダウンロードを刑罰化したらどうなるのでしょうか?
現在ネット上で危惧されている問題点を拾ってみました。

・申告されただけで、PCの中身を警察に洗いざらい調べられることになるのは
プライバシーの侵害だ。
・実はパソコンを調べることが目的で、罠を仕掛けるもできる。
・正規でダウンロードしたと思ったけど、著作権者にはお金は渡っていなかった…
などのケースではどうなるのか?


確かに、世界に先駆けて違法ダウンロードの刑罰化を行ったドイツでは、
日本で問題視されているような事例が実際に起こっていました。

<ドイツの場合>
●【特別寄稿】踏みにじられたユーザーの意見、暴走するダウンロード刑罰化/
BLOGOS(3月31日)

インターネットユーザー協会(MIAU)代表理事の小寺信良氏によると…
2007年から違法ダウンロードの刑罰化を行ったドイツでは、刑事訴訟が乱発。
裁判所・警察・検察ともに対応しきれない状態に落ち入ったため、2008年に再び法を改正。
それでも訴訟の数は減らず、警告状が年間約60万件も送付されるなど、
混乱状態に陥っているのだそうです。

もちろん違法ダウンロードは、アーティストの権利を侵害する由々しき行為ですが、
ドイツのように膨大な訴訟件数を抱える状態も避けねばなりません。

これまでの日本では、ネットを通じてテレビ番組を海外などでも視聴できるようにした
「まねきTV」や「ロクラクII」などに対し、知的財産高等裁判所が、
テレビ局側の訴えを認め、サービス差し止めを命じるといった判決が下されてきました。

しかしながら、今やYoutubeではフジテレビの公式チャンネルが開設され、
バラエティーやアニメといった、放送済みの番組が無料配信される時代になりつつあります。
また海外では、ラッパーのカニエ・ウェストのように自分の楽曲を無料配信することで話題を作り、
リリース枚数を稼いで、グラミー賞受賞に繋がったアーティストも登場しています。

現在、「待った」がかかっている違法ダウンロード刑罰化の問題は、
こういった新しいものを受け入れる柔軟な対応にこそ、答えがあるのかもしれません。


担当:梅木
(2012/4/23 UPDATE)
番組スタッフ
先日、理想の上司ランキングが発表されました。
男性の一位は橋下徹大阪市長。
飛ぶ鳥を落とす勢いの橋下徹氏がもうひとつ、トップに輝いたものがあります。
それはツイッターを利用している政治家の中でのフォロワー数
橋下氏のフォロワーは69万6479人(19日13時30分現在)と
政治家の中でトップです。

+++++++++++++++++
橋下氏は大阪維新の会の選挙公約の説明や、
著名人に議論を仕掛ける場としてツイッターを活用。
注目度の高さからフォロワー数が急伸しており、
この2カ月間で昨年以降発信を控えていた鳩山氏を逆転した。

<日本経済新聞>
+++++++++++++++++

政治家にとってもはや重要な存在となりつつあるツイッター。
そんな中、民主党が党議員にツイッターやブログでの発言に留意せよ
という通知をしたようです。

+++++++++++++++++
民主党が党所属国会議員に、ツイッターやブログを使って
政策の審議経過や個人的な情報の発信をしないよう
“自粛”を求める通知を出していたことが18日、分かった。
通知は三井辨雄、桜井充両政調会長代理名で17日付で出され、
「個人的見解が内閣、与党の見解のように誤解され、
野党の攻撃材料になる恐れもあることに十分に留意ください」と記している。

<産經新聞>
+++++++++++++++++

言論統制だ、という批判の声があることに対し、民主党の有田芳生議員は、
その通知資料を公開し、「民主党が議員に言論統制をしているとネットで
話題になっているが、そんな事実はない」
と述べています。
【資料】民主党が議員のネット言論を規制したというデマ

通知書を見る限り、自粛せよとまでは言っているようには思われませんが、
ネットと政治の距離がより近づきつつある今、“野党の攻撃材料になる恐れもあることに
十分に留意ください”としてツイッターでの発言をコントロールしようとしていることに、
民主党の稚拙さを感じてしまいます。

言論統制云々はさておいて、政治とツイッターに関して、
以前、番組でも特集しましたが、韓国ではSNSを使っての選挙活動が容認されています。
韓国ではツイッターなどインターネットのSNSを使った選挙運動や
候補者の応援が自由にでき、候補者や支援者らがウェブサイトや
ブログ、SNSで支援を訴えたり、別の候補を批判したりできます。
先日の総選挙でも、ツイッター世代の後押しで野党が勝利するのではという見方もありました。
(結果は与党の勝利でしたが…)

アメリカのオバマ大統領は大統領選挙の際、たくみにソーシャルメディアを利用して
勝利した選挙キャンペーンは、2009年のカンヌ広告祭でグランプリを受賞しました。
アメリカではすでに、オンラインでの献金も可能です。
さらに、 ミネソタ大学大学院ジャーナリズム・マスコミュニケーション校の
鈴木良和氏の調査によると、2010年のアメリカ中間選挙を例にとると、
まず全体的にツイッターを利用した議員の方が利用しなかった議員よりも
圧倒的に勝利する割合が高かった
そうです。

有権者が政治家を判断する、政治に参加するツールとして、
ネットは重要なものになりました。
今回の要請のみならず、時代の流れと逆行する言動ばかりが目立つ民主党。
正直なところ、私は政治家の皆さんがツイッターを使って
どこまで有意義な発言をしているかはわかりませんが、
橋下市長にいたっては、自身の提案に異を唱える評論家と
一度に70ツイートにもわたる議論を展開するなど、過激さも含めて注目されているのは事実です。
(70ツイートも連投するヒマがどこにあるのか疑問ではあります)
今回の要請が出されたままでは、民主党からフォロワー数日本一の政治家が
誕生することはありえないでしょう。

失言や失態の可能性を懸念して、ネットでの発言に留意しなければならないのであれば、
失言の宝庫、講演会や国会での質疑応答こそ、自粛されるべきです。


スタッフ:坂本
(2012/4/19 UPDATE)
番組スタッフ
東京新聞に、群馬県前橋市が5月1日から市民に放射線量測定器を無償で貸し出すというニュースが出ていました。


【群馬】放射線量測定器 市民に貸し出し(2012年4月17日/東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20120417/CK2012041702000141.html



東京都内でも、新宿区、渋谷区、葛飾区、小平市、青梅市、武蔵野市などが貸し出しサービスを行っています。というわけで、私も借りてみることにしました。

私が住んでいる渋谷区は、

・シンチレーションサーベイメーター「HORIBA PA-1000 Radi」×6台
・シンチレーションサーベイメーター「DoseRAE2 PRM-1200」×1台

を貸し出しています。

シンチレーション検出器は、放射能の強弱を放射線量として数値で表示するガイガーカウンターと違って、放射線の持つエネルギーを測定するもの、とのこと。ちょっと難しいです・・・

ネットで調べると、「HORIBA PA-1000 Radi」は10万円台のお高い機械です。こっちを借りることにします。

電話で事前予約をして、渋谷区役所・生活衛生課環境衛生係を訪ねると、測定器と、取り扱いに関する注意書きの紙を渡されました。機器の使い方、測り方、やってはいけないこと、などなど。

電源を入れて、ウォームアップまで35秒待って、測りたいところに置いて1分待つ。
操作はごくごく簡単そうです。


貸し出し書類のやりとりの合間に、いろいろ質問してみました。


+++
Q. 予約状況はどんなかんじですか?
A. 機器を2台から7台に増設したところで、需給を見ているところですが、昨日は予約がいっぱいでした。

+++
Q. どういう人が借りていくんですか?
A. 男性も女性も、いろんな方が借りていかれます。ご自分のガイガーカウンターを持ってきて、数値を比較したいという方や、ちょっと調べたいという方も。
ガイガーカウンターだと高いレベルを拾いやすいというのがあって、それを1時間あたりで換算するので、ご自分の持っている機械で高い数値が出たと心配して来るお母さんもいらっしゃいます。

+++
Q. 渋谷区のなかだとどれくらいの数字が平均的なんですか?
A. 場所によってさまざまですが、高くて0.2ぐらい。1μSv/h(マイクロシーベルト毎時)を超えるところはないと思います。国の除染の指標が0.23μSv/hです。
ただ、空間線量はつねに増減しますから、心配でしたら同じところを何回か測ってみるといいと思います。
この前お貸しした人から聞いたのですが、プラズマクラスター型の空気清浄機とかエアコンのモーターに近づけると、機械がノイズを拾ってすごい値が出るそうです。

+++
Q. 自分の家の周りで測ってみて高い数値が出ちゃったら、どうしたらいいんですか?
A. 1μSv/hを超える数値が出た場合には、報告して、東京都が対応することになっています。ただ、この前聞いた話ですが、0.4ぐらいの数値の場合は、セシウムというのは5cmぐらい溜まるから、深く掘って埋めれば下がる。もしくは、ペットボトルに水を入れて敷くという対応策もあります。水は遮蔽効果が高いですから。

+++
Q. 私のように、よくわかってない状態で心配して借りに来る方もいらっしゃいますよね?
A. いっぱいいらっしゃいます。だからとにかく、測ってみたほうがいいです。見れば安心すると思います。



本当はもっともっと時間をかけて、ベクレルとシーベルトの説明からしてくださったのですが、そこは割愛させていただきます m(_ _;)m



さて、お天気もよかったので、有栖川公園とガーデンプレースに行ってみました。


photo01
<有栖川公園の木の上>


photo02
<有栖川公園の水辺>


photo03
<広尾の交差点>


photo04
<恵比寿ガーデンプレイス>


最後に、家のベランダです。ここがいちばん高い値を示したものの、心配するような数値ではありませんでした。


photo05
<家のベランダ>



「○○市で何μSv/hを検出」というニュースを何ヶ月も見てきましたが、その数字は頭を右から左に抜けるというか、どうしても感覚としてわからなかったのですが、実際に測ってみると、すっと入ってきます。
同じところでも線量が増減するという現象も、自分の目で見て納得です。

身のまわりの放射線量が気になるという方は、自治体のこうした無償サービスを利用してみてはいかがでしょうか。



(水曜タイムラインWeb担当:たけなか)
(2012/4/18 UPDATE)
番組スタッフ
「東京電力から賠償金を受け、多くの人が働いていない。パチンコ店も全て満員だ」

福島県いわき市の渡辺敬夫市長が、今月9日、福島第一原発の事故で避難した双葉郡の住民について行った“この発言”が今、波紋を広げています。

2万5000人の避難者を受け入れている、いわき市では実際に、避難者のパチンコ店通いについて市民から苦情が寄せられているといいますが、それにしても地方自治体の首長が、被災者の行動を批判するのは極めて異例。

地元では発言に対する賛否が巻きおこっているようです。
地元の声は、河北新報(2012年4月11日)によると、以下の通り。

*いわき市の運転手男性(60歳)
 「よく言ってくれた。パチンコ店に行くと、避難者をよく見掛ける。
 市民も同じ思いだ」
*いわき市の会社員女性(27歳)
 「そういうことを言っている場合ではない」
*大熊町の無職男性(68歳)
 「パチンコに行くのは仮設団地でも2、3人。家も畑も失い、行き場がない。
  市長には『働ける場所をつくる』と言ってほしい」


地元の声は、内なる怒りは感じとれはするものの、あくまでも理性的。
一方、ネット上では感情的な言葉が並んでいます。

*『被災者になんてことを言うんだ、みんな大変なんだ!』って抗議されるから、
 なかなかこういう事言えない風潮でよく言えた。
*なんでそんなパチンコ好きなんだ、他に使いようあるだろ。
*避難者のどれだけがパチンコをしているか調査したわけじゃないだろ。
 市長が街の噂でテキトウなことを言うなよ。

「災害後、被災地でギャンブル依存症が増加することはよくある」と言われていますが、
今回、問題視されているのは、いわき市に避難してきた住民だけの「パチンコ依存」。
つまり、同じ被災者であるいわき市民の「パチンコ依存」については、問題の範囲外ということです。

なぜ、こうしたいびつな状況が生まれたのでしょうか。

河北新報(2012年4月11日)の取材を受けた、いわき市の自営業男性(49歳)が「市民から不満が出るのは当然。いわき市も地震と津波で被災したのに原発事故の避難者は賠償金をもらえる。ねたみにつながりやすい」と話していますが、どうやら、賠償金をめぐるねたみが、「避難者」と「避難者を受け入れるいわき市民」の間に溝を生んでいるようなのです。

また、これ以外にも、避難者の働く場所がないことや、説明もなく、いわき市が双葉郡の一部自治体が集団移転する「仮の町」の候補地に挙げられていることなどがこの問題の背景にあるのでは、と指摘されています。

「パチンコ依存」に端を発した、こうした状況は、ただ報じられていないだけで、おそらく、いわき市だけでなく、いわき市以外の避難者の受け入れ先のでも起こっていることは推測できます。
だからこそ、この問題を放置することは許されませんが、解決策を講じるのは容易ではないでしょう。

●●●●●●
家族仲の良い人や、居場所のある人は立ち直りやすい。
しかしそうでない人たちは逆にどんどん精神的に追い詰められていく。
その中の一部の人々にとっては、アルコールやギャンブルがなんとか
明日を生き延びるための『道具』になることもあるのです。

●●●●●●

精神科医の森川すいめいさんが、岩波書店の月刊誌「世界」の中で、「ギャンブル依存症」について上記のような見解を示したように、避難者がギャンブル依存症に陥るのはある意味でやむをえないことで、やめさせることはできません。
また、こうした避難者の行動を批判したところで、何も変わらないでしょう。

この問題を解決に導くことができるのは、パチンコに代わるストレスケアなどといった一時しのぎの方策ではなく、「避難者の雇用の確保」、「受け入れ先市民への恩恵」など、避難者受け入れ先の市民から不満が生まれないための「制度づくり」なのかもしれません。

<web担当:H>
(2012/4/17 UPDATE)
番組スタッフ
皆さん、「脱脳(脱・放射脳)」という言葉をご存知でしょうか?
「脱脳」とは、放射能の問題で脳が一杯になってしまった状態「放射脳」から
「脱する」ことを指すネット造語です。

今、この「脱脳」という言葉をめぐって、
ネット上で興味深い動きが生まれつつあるのでご紹介します。

福島第一原発事故以降、政府への信頼が失われ、インターネット上では
何でもかんでも「危険だ」と言ってしまう論調が後を絶ちません。
そして、事故から一年経った今、その言葉に惑わされた人々の不安が
具体的な数字となって現れはじめています。

3月26日付の毎日新聞では、以下のような記事が報じられました。

●福島県立医大調査:精神科入院の24%に被ばく恐怖影響/毎日新聞(3月26日)
福島県立医大の調査によると、福島第1原発の事故後、
県内の精神科に入院・再入院した患者のうち、
放射線被ばくの恐怖が原因と見られる人が、全体の約4分の1だったそうです。

「直ちに影響はない」とされた健康被害が、
放射能によってではなく、人々の様々な発言から生みだされてしまったのです。
インターネット上では、特に、小さな子供を持つお母さん達の不安を多く見かけます。

そんな状況化で、「脱脳」したお母さん達がたくさん現れはじめています。
以下は、「脱脳」した人達のキッカケです。

*信頼していたジャーナリストや学者の話に矛盾を感じたこと。
*いろんな学説を見るようになったこと。
*自分で放射線量を測り、可視化したこと。

理由は様々ですが、色んな意見を聞き入れて、
放射線被ばくについて正しい知識を取り入れることで、
自分の中の不安を解消することができたようです。
つまり、心に不安を作りだす主な原因は、彼女たち自身にあったのです。

こうして「脱脳」し不安から解消された方々は、
ツイッター上で、同じように悩む人達の相談にのったり、
苦しみを共有しながら正しい知識を広めて、ネット上での絆を深めていっています。

そんな彼女たちのやりとりを見ていて最も良かったと思ったのは、
「脱脳」に至る過程で、多くの方が、原発賛否の問題と混同していなかったこと。

「脱脳」は、「原発反対」か「推進」かで語る問題ではありません。
不安や知識を共有し、心を回復させていくことで、
本当の意味で日本の復興に繋がる、大切なプロセスだと私は思います。

しかしながら、ようやく「脱脳」の動きが広まり、国民の心が回復し始めた途端に、
浜岡原発の再稼働が争点となった静岡県御前崎市長選では、
事実上の推進派・石原氏が当選。

そして政府も、大飯原発の再稼働に向け動き出しました。
4月15日付の福井新聞では、以下の様な記事が報じられています。

●大飯原発工事未完了でも十分安全?政府お墨付きも尽きぬ課題/福井新聞(4月15日)
枝野経産相は「福島のような事故は起きない」と強調した上で、
大飯3、4号機の再稼働に協力を要請。
しかし、放射性物質を除去した上で内部の蒸気を排出する
「フィルター付きベント」設備の設置や、防潮堤のかさ上げなど、
万が一、大事故が起こった時のための設備は未完成のままです。

そもそも国民が不安や不信感をつのらせたのは、原発の安全神話の崩壊がはじまり。
政府は、最悪の事態が起こった場合の設備を備えぬまま、
夏までの再稼働を目標としていますが、こういった“付け焼刃”な対応こそ、
せっかく脱脳できた人達を、新たな不安に陥れてしまう気がするのは、私だけでしょうか?


担当:U
(2012/4/16 UPDATE)
番組スタッフ
ツイッターをやっていて、「これを知ってたら公式RT」というツイートが
自分のタイムラインに流れてきたことはありませんか?
90年代に流行した、懐かしの玩具、文具、アニメ、ゲームなどの
画像を添えて、懐かしいと共感したらリツイートするというものです。
例えば、ロケットペンシル、バーチャルボーイなど。

今、大学生・20代若者の間で「懐古厨(かいこちゅう)」が増えているそうです。
懐古厨とは回顧中毒の略で、「過去の方が良かった」と嘆く人たちのこと。
2ちゃんねる用語として誕生しました。


さらに「懐古厨」には、
+++++++++++++++++
昔と今とを比べると劣化してしまったものがあるのは事実である。
しかし、それに固執してやたらと現在の良さを認めようとせず、
粗探しばかりをして執拗に叩く、または同意を求めようとするのが懐古厨である。

<ニコニコ大百科 懐古厨>
+++++++++++++++++
という傾向があるようです。

懐古厨が見られるのはネットだけではありません。
日経トレンディネットによると、最近大学生の間では、高校時代の制服を着て
ディズニーランドに行く「制服ディズニー」がはやっているそうです。
サークルのイベントとして行ったり、高校時代の友達と行ったりするんだとか。

昨年夏、大学生とカラオケに行くという機会がありましたが、
彼女達が歌うのは、30代前半の私たち世代に流行した歌。
私が大学生のときはヒットランキングに忠実に沿うかのような選曲だった気がします。

いつの時代も過去を懐かしむ世代はいると思いますが、
「博報堂若者生活研究室」アナリストの原田 曜平氏によると、
今の若者はその傾向が顕著に見られるんだそうです。

なぜ若者たちは、「懐古厨」の傾向が強いのか?
原田氏はこう分析しています。

++++++++++++++++++++++
今の若者たちは、幼い頃からケータイを持ち、さまざまな友達と
ソーシャルメディアでつながり、一旦つながるとよほどのことがない限り、
人間関係が途切れません。だから、年齢が経つごとに、人間関係や
コミュニティがどんどん増えていきます。
気心知れた友達とだけ接すればいいのではなく、いろいろなタイプの友達と
付き合わざるを得ない状況です。そうしたときに「ノスタルジー」を描き立て、
状況の違う者同士の共通項となりやすい「過去に流行った」ゲーム機やソフトは、
彼らにとってはありがたい話題の源となっているというわけです。

<日経トレンディネット>
++++++++++++++++++++++

さらに“今の若者たちは、ゲームもネットもケータイも、すでに小さい頃からあるもので、
モノによる未曽有の経験をしたことがないから、新しいというだけでモノに
過剰に反応しませんし、流行に過剰に流されることもない”
のだそうです。

新世代がワクワクするような新しいものが誕生しなくなったということなのでしょうか?
iPhoneやレディーガガなどは(どちらも日本生まれではありませんが…)、
大人だけでなく若い世代も魅了しています。

今の若者が成長してきた過程で、「おもしろそうなもの」はきっと無数にありました。
おそらく私が子供の頃以上ではないでしょうか。
無数に「おもしろそうなもの」がある中で、本当に「おもしろいもの」を
自分で探すのは至難のわざ。
そんなことをするならば、子供の頃に流行ったものを友達同士でもう一度共感して
懐かしんだ方が「おもしろい」のかも知れません。



過去を懐かしむのは若い世代だけではありません。
「昭和ノスタルジー」に浸る中高年も増えています。
ある書籍によると、昭和を懐古する人たちは「B層」に属するのだそうです。

「B層」とは、小泉郵政選挙の際に政府が某広告代理店に依頼した、
国民の過半数を占める「階級層」の実態調査により定義づけられた言葉で、
ひとことで言うと「マスメディアに躍らされやすい知的弱者」。

来週のタイムラインでは1週間にわたって、
日本人の大多数が属するであとう「B層」からの脱却を特集します。


スタッフ:坂本
(2012/4/12 UPDATE)
番組スタッフ
「恋活(コイカツ)」「婚活(コンカツ)」「終活(シュウカツ)」に続き、先週木曜日の特集でもお届けした「保活(ホカツ)」、そしてさらに

「妊活(ニンカツ)」

という言葉があることを知った今日このごろ。

気がつけば、日経ウーマンオンラインが昨年(2011年)末に実施した「今年流行った女子的流行語」で2位にランクインしていました。

http://wol.nikkeibp.co.jp/article/souken/20111222/116661/?ref=top-shin

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2011年は梨花、小雪、SHIHO、神田うのなど、同世代の芸能人たちのの妊娠・出産ニュースが相次ぎ、「産むこと」に関心を寄せる女性が増えた年でもあった。その中で登場したのが「妊活」。
(上記記事より抜粋)
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今年に入ってからも、NHKの「クローズアップ現代」やフジテレビの「ミスターサンデー」で取り上げられたり、3月18日には「妊活バイブル」(著者:齊藤 英和/白河 桃子)という本が出版されたりと、どうやらバズワードだったようです。

「妊活」とは、妊娠に対して(受け身でなく)ポジティブな取り組みをすること。
「妊娠適齢期」があることを知り、体が妊娠しやすくなるように日常生活を整え、ライフプランを考える。不妊治療も妊活に含まれます。

以前より、「○活」という言葉には、どうにも体がモゾモゾするというか、誰が流行らせようとしてるの、という違和感を感じていたのですが、この「妊活」という言葉をきっかけにいろいろ考えていたら、本人にも周りの人にも、ある意味で便利な言葉かも、と思えてきました。

「彼氏が欲しい」「結婚したい」「こどもが欲しい」と口にすると、切実な悩みや悲壮感を人に知られて気遣われてしまう気がするけど、「私いま○活中なんだ♪」と言えば、そんな崖っぷち感がオブラートにくるまれて、明るくポジティブにやってます、そんな真剣に悩んだりしてませんよ、というアピールになる。

周りの人も、「彼氏いないの?」「結婚しないの?」「こどもできないの?」と質問するより、「どうよ最近の○活は。順調?」と聞いたほうが、恨まれる確率は下がります。

そんな質問をする人ってそもそもどうなの?ということはおいといて。

このように、本人の「言いだしにくい」と周りの人の「聞きだしにくい」の間にうまく入ってくるのが、「○活」という言葉なのだと思います。

とはいえ、口にしやすいと言っても、そこに悩んでいる人がいて切実な問題である事実は変わりません。とくに「妊活」は命の誕生にかかわる問題であり、自分の意思だけではどうしようもできないこと。やはり軽い気持ちで使うのには抵抗を感じます。



いつの時代も女性は強くたくましく、世の中が混乱していてもこどもを産み育ててきたはず。
いま、なぜ「妊活」を意識しなければならない事態になっているのでしょうか。

過度なダイエットや生活サイクルの乱れという個人的な問題から、女性の社会進出による晩婚化、景気に対する不安、核家族化によって育児を親に頼れないなど、現代社会特有の構造も複合的に絡み、国や自治体のサポートも追いついていない現状を考えると、いまやこどもを迎えられるのは、いくつもの好条件が積み重なったひと握りの幸運な人、とすら思えてきます。

産むのか、産まないのか。
いつ産むのか、何人産むのか。
できにくいと分かったときに、どこまでがんばるのか。

若いときからこういうことを考えておくのは、とても大切なこと。
多くの人が当事者として妊活をすることで、その先にある保育施設や待機児童の問題についても、より現実的な解決策が見えてくるのではないでしょうか。
そういう意味で、「妊活」は意義深いものだと思います。

だけどそれでも…

「妊活」という言葉を使う必要がない世の中のほうが、きっと自然で暮らしやすいんだろうな。そんな気がしてなりません。



(水曜タイムラインWeb担当:たけなか)
(2012/4/11 UPDATE)
番組スタッフ
ここのところ、動きが加速している警察当局の「2ちゃんねる」への捜査

3月7日の産経新聞が1面で『「2ちゃんねる」強制捜査 覚醒剤書き込み放置』
報じたのを皮切りに、読売新聞などが
『2ちゃんねる管理会社、実体なし…日本で運営か』、
『2ちゃんねる、警察の削除要請1000件放置』といったニュースを大きく報じています。

*産経新聞2012/3/7*
国内最大級のインターネット総合掲示板「2ちゃんねる」で、覚醒剤の購入をあおる
書き込みを削除せず放置したとして、警視庁が麻薬特例法違反の幇助容疑の関係先として、
コンピューター関連会社「ゼロ」(札幌市)の本社を家宅捜索していたことが6日、
関係者への取材で分かった。
不特定多数の書き込みが行われる掲示板の管理体制について、強制捜査が入るのは異例。

*読売新聞2012/3/27*
覚醒剤売買に関する書き込みを放置したとして、インターネット掲示板「2ちゃんねる」の
関係先が警視庁の捜索を受けた事件で、掲示板の管理会社とされるシンガポール企業は、
実体がないペーパーカンパニーだったことが現地での取材でわかった。

*読売新聞2012/3/29*
インターネット掲示板「2ちゃんねる」が、警察当局からの書き込み削除要請を過去に
1000件以上放置していたことが、警察関係者への取材で分かった。
8割は薬物関連で、同掲示板を舞台とした麻薬特例法違反事件を捜査している警視庁では、
ずさんな掲示板管理が違法行為を助長したとの見方を強めている。

また、「TBS Newsi」(2012/4/6)では、『2ちゃんねるの元削除人が、内部の実態を
証言』と題し、「2ちゃんねる」で書き込みの削除をボランティアで担当していた男性の
証言を動画で掲載しました。
●●●●●●
元削除人の男性は、削除人の大半がボランティアで、違法な書き込みを見つけても、
自主的に削除することはほとんどないことなど、 書き込みに関する管理体制が不十分で
あることを証言しました。
「なになにを消せというのがないんですよ。これはボランティアですから。
削除ガイドラインというルールだけであって、おのおのが分からないことがあれば
手を出さなければいいよと」
●●●●●●

徹底的に「悪」のイメージを植え付けているような印象を受ける、
一連の「2ちゃんねる捜査」に対する報道。

これにネット上は反応。警察当局の捜査批判だけでなく、様々な憶測も飛び交っています。

「警察当局の1000件以上の削除要請ってのはどこにあるの 是非見てみたい」
「権力が潰しにかかってきた」
「この捜査が麻薬捜査の一環としてやってることに違和感を感じる。」
「リークするのは世論を都合よく引っ張りたいのでしょう。
警察の言うことを聴かなかったら即悪的なのは明らかにミスリードを狙っているとしか
思えませんね」

ネット上でわりと多く見られたのが、「表現の自由」を奪うものだという批判の声と、
警察が「覚醒剤の取締り」と言う名目で、「2ちゃんねる」を潰しにかかっているのでは、
という憶測
です。

では、識者は今回の「2ちゃんねる捜査」をどう見ているのでしょうか。
ジャーナリストの伊藤博敏さんは、「現代ビジネス」(2012/4/5)に掲載した記事の中で、
『覚醒剤売買に関する書き込みを放置、覚醒剤の購入をそそのかしたという麻薬特例法違反容疑だが、警察の狙いは「2チャンネル」の管理人を特定、責任を取らせることで、「インターネットの無法」に、警鐘を鳴らすことである』と分析しています。

警察当局の狙いは、「インターネットの無法」に警鐘を鳴らすこと
しかし、「2ちゃんねる」を潰したところで、「インターネットの無法」にストップが
かかるのでしょうか。
おそらく、別の掲示板に人が流れるだけで、何も変わらないでしょう。
むしろ、犯罪の温床となる書き込みが複数の掲示板に分散し、書き込みの削除が
今より困難になるかもしれません。


「ガジェット通信」(2012/04/07)が1000人を対象に行った
『2ちゃんねるがなくなったらどこに行く?』というアンケート結果。
これが、「2ちゃんねる捜査」の顛末を暗示しているような気がしてなりません。

●●●●●●
『2ちゃんねるがなくなったらどこに行く?』アンケート
1位:したらば掲示板やその他の匿名掲示板に行く 343 (34.3%)
2位:「これが日本なんだ…」とあきらめる 95 (9.5%)
3位:Twitterに行く 58 (5.8%)
4位:ニコニコ動画に行く 58 (5.8%)
5位:SNSに行く 39 (3.9%)
6位:自分で新たに作る 33 (3.3%)
7位:警察に抗議する 26 (2.6%)
8位:ネットを引退する 24 (2.4%)
●●●●●●


<web担当:H>
(2012/4/10 UPDATE)
番組スタッフ
国内の利用者数が1000万人を超えているFacebook。
このFacebookに関する、興味深いアンケート結果が発表されました。

ジャストシステムが行った「Facebookの利用状況に関するアンケート調査」によると、
Facebookユーザーの約7割がストレスを経験しているようなのです。

●●●●●●
Facebookを利用していて、何らかのストレスを感じたことがあるかという問いに対し、
「ある」「時々ある」「まれにある」と回答したのは68.4%で、約7割を占めた。
ストレスとして、友人や知人のFacebook上での振る舞いに対し、「違和感を抱いたこと
がある」と回答したのが34.4%
となっている。
その理由として、「無理に作っているような感じ」「ネットと現実での振る舞いが全く違う」
「自分を良く見せようとしている」「キャラを作っている」など、実際とは違う、理想の
自分を演じている友人や知人に違和感を抱いた
との回答が多かったという。
●●●●●●
(CNET Japan 2012/4/5)

また、Facebookの「いいね!」に関しても、8割以上のユーザーが違和感を抱いていることが
同じジャストシステムのアンケート結果で明らかになっています。

「Venture Now」(2012/4/6)の記事によると、
8割以上のユーザーが、友達が「いいね!」しているものを買わないと悪い気がする、
などとしており、ユーザーにとって Facebookの「いいね!」は、純粋な「いいね」とは言い難く、
さまざまな感情、複雑な気持ちが入り混じっているものとなっている
ようです。

これらのアンケート結果に対するネットの反応は以下の通り。
「現実より建前の世界になるのは納得。実名でログが残るし、色々な顔を使い分けにくいし」
「SNSなんて無理して続ける必要無いのにね。リアルが充実してればこんなもん必要ないだろ?大して書きたい事もないのに無理矢理捻り出して文章書いても何か逆に痛々しいし」

ここでわたしが気になったのは「無理して続ける必要はない」という部分。
たしかにその通りで、ストレスを感じながらも無理して利用し続けることで、
何か弊害が起こりうるのではないかとの危惧を抱きました。

調べてみたところ、インドでは義務的にソーシャルネットワークをしたことが原因で、
不眠症やうつ病にかかる人が出てきているというのです。

●●●●●●
調査はインド商工会議所連合が委託したもの。
調査は、国内10都市の12〜25歳の若者2000人を対象に、聞き取り方式で行われた。
ニューデリーでは調査に応じた200人近くのうち約60%が、「ソーシャルネットワークの無意味で
コンスタントなアップデートは退屈。見るのもいや」と回答した。
まるで義務であるかのようにソーシャルネットワークをしたことが原因で、
不眠症やうつ病になったり、人間関係が希薄になったという回答も多かった。

●●●●●●
(AFP BBNews 2012/1/27)

無理して続けた結果、待っているのは、不眠症やうつ病。
また、密な人間関係を構築しようと始めたはずが、
逆に人間関係が希薄になってしまっている・・・何とも皮肉な話です。

ストレスを感じているのであれば止めればいいものの、
ストレスを感じながらも、多くの人はFacebookを利用し続けるのでしょうか?

「仲間外れになりたくない」という強迫観念にとらわれ、
Facebook における“友達”関係を維持したいがため。


これが、プライベートでは一切、Facebookを利用しないわたしが導き出した、
この問いに対する答えです。


<web担当:H>
(2012/4/9 UPDATE)
番組スタッフ
先月、あるブックフェアが話題になりました。
ネット上では「書店員の最後の本気」として、
まとめサイトNAVERでまとめられるなど、異様な盛り上がりを見せました。

2012年3月31日。
ジュンク堂新宿店が惜しまれつつ閉店しました。
テナントとして入居していた「新宿三越アルコット」の営業終了に伴うもので、
最終日には多くの人が訪れ、店内の最後の様子をTwitterにアップする人もいたそうです。
ゆっくり本を選ばせてくれる場所として頻繁に利用していた方もいるのではないでしょうか。

同店は3月初旬頃から、 6階から8階の各フロアには、様々なブックフェアを開催。
フロア担当がそれぞれ自由に吟味した本が並んでいました。
文庫担当の「集英社文庫人気作家”自選”BEST作品」フェア、
文芸書担当の「ありがとうー新宿店スタッフが感謝をこめてお客様におススメしたい一冊」フェア、
思想科学書担当の「わたしたち、本にはいつも片想い?――書物に対する欲望と快楽、その現代的考察」フェア…。
フェアのタイトルを見ただけでも、「最後の本気」を感じます。

冒頭で述べた「まとめ」はTwitterやFacebookで次々にシェアされ、口コミで話題が急拡大。
同まとめのツイート数は6000以上、Facebookのシェア数は2500以上、
ページビューは63万近くに上るそうです。

私もネットでまとめを見たあと、足を運んでみたのですが、
いくつかのフェアの本棚の本は売り切れていました。
本屋の本棚がからっぽというを見たことのない光景を前にして、

体の内側が震えました。

6Fの社会書売り場では「さようなら新宿〜社会科学担当者が本当に売りたかった本〜」というラストフェアが開催されていました。

私が行った時はほとんど売り切れでしたが、そこに並んでいた本は、
普通は平積みにはされないような本ばかりが並んでいたと言います。

「本当に売りたかった本」というタイトルにしたことで賛否両論あったそうです。

6Fの社会書売り場担当者 @junkushinjuku はツイッターでこう述べています。

++++++++++++++++++++++

「売りたくない本を売ってきたのですか?」というご意見も頂きました。
誤解を生む表現を承知で、最後のフェアとなるので、少しでも
話題になって欲しいという思いがあり、敢えてつけたタイトルでした。


++++++++++++++++++++++

そして今回のフェアに以下のような切実な思いが込められていました。

++++++++++++++++++++++

大手の出版社さん、著名な著者の方、話題のテーマ、メディアに取り上げられる等。
それらは、私共の販売努力以上の効果を生み出します。しかし、ご承知の通り
多くの書籍はそのような状況とは無縁です。 伝えたい事が沢山詰まっていても、
多くの書籍に埋没してしまい、届けられない本が沢山あります。


私たち書店員は、毎日多くの本に出会います。 その中で、
「このように思いの詰まった本をキチンと売りたいな」という出会いがあります。
必要としている誰かに、また少しでも多くの人に、届けたいと考えています。
そのまま順調に売れる事もありますし、苦戦する事も多々あります。その方が多いのですが


「さようなら新宿 社会科学書担当者が本当に売りたかった本」フェアでは、
こちらの努力が足らず、なかなか売れる事の無かった、また、単純に
この本最高!という書籍を選書しました。 「本当に」というよりは「とっても」というのが
適切な表現であったかと思います。


ジュンク堂新宿店社会書売り場ツイッターより @junkushinjuku 
++++++++++++++++++++++

ネット書店にはネットなりの良さ、リアル書店にはリアルなりの良さがあります。
売りたい側の意志を直接感じることができるのは、やはりリアル書店だと思います。

4月2日、新会社「出版デジタル機構」が発足。産業革新機構が最大150億円を出資し、
出版業界は出版物100万点の電子化作業に着手します。
サービス名は「Pubridge(パブリッジ)」。社長に就任する植村八潮・東京電機大出版局長は
「すべての書店や出版社を結ぶ『懸け橋』になりたい」と発足式で述べました。

出版界の未来のために、結ばれるべきは書店と出版社だけでなく、
消費者も合わせた三者だと思います。
閉店するという状況にあったとはいえ、「ジュンク堂新宿店」の“最後の本気”に、
書店、出版社、消費者の三者を結ぶ架け橋の答えがあるような気がしました。



スタッフ:坂本
(2012/4/5 UPDATE)
番組スタッフ
先週の金曜日、ある「復興支援報告会」に行ってきました。

主催者は、自らも郡山で被災し、東京に避難後、全国の避難者を支援する活動を行っている「人の輪ネット」の代表・能登春男さん。
避難者同士、また、避難者と避難先の住民をつなぎ、メディアに取り上げられない被災地の現状を一人でも多くの人に伝えたいと、精力的に活動されています。


この日のスピーカーはお二人。

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お一人目は、集英社 週刊プレイボーイ誌の記者で、独自の取材活動も行っている頓所 直人(とんしょ・なおと)さん。
震災後の被災地取材のなかで出会った宮城県石巻市の自主避難所「明友館」と、いま現在の被災地について、お話がありました。

photo01


「明友館」は、もともとは地元のいわゆるカルチャーセンター。震災直後、余震が多発するなか、遠くの指定避難所まで歩いて行かれないお年寄りなどが自然に集まってできた自主避難所です。

行政や大手のボランティア団体が管轄する「指定避難所」と違い、自主避難所は行政の支援の網から漏れてしまいますが、明友館が不幸中の幸いだったと思えるのは、リーダーの千葉さんが全国に仲間のネットワークを持っていたこと。
携帯が通じるようになり、安否を気遣う仲間たちからの電話で物資不足を伝えると、物資が直接、続々と明友館に届き始めたそうです。
そして、避難所で余った物資を他の困っている人に届ける活動をはじめます。「人の輪ネット」と同じく、避難者でありながら支援者なのです。

起床・消灯の時間、食事の時間や場所まで細かく決められていた指定避難所の人々が窮屈な生活を強いられていた一方で、明友館には自由に過ごせる空気があったと、頓所さんは話します。
お酒もタバコもOK、パーティションもなく、ギターをつま弾く人もいれば、おじいさんと将棋を指すこどももいて、わいわいと語らいながら、明日はどうしようかと絆を深めていったのだとか。

そんな明友館で取り決めていたルールは、たったひとつ。


「トイレを使ったら水で流すこと」


このルールの効力は絶大で、まずトイレを掃除する人が現れ、次に2階に土足で上がる人がいなくなり、みんなが、生活をなんとか取り戻そうと回り始めたといいます。
ニューヨークの地下鉄から落書きが消えたという「割れ窓理論」って、たしかこんなのだったような?

現在、避難所としての明友館は閉鎖されましたが、千葉さんをはじめメンバーのみなさんは、今も支援活動を続けているそうです。

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現在の被災地の復興状況について、頓所さんは「場所によって本当にさまざま」と説明します。
たとえば、石巻からすぐに行ける女川は、被災の規模も甚大だったのでメディアがたくさん取材に来て有名になり、お金も入ったので復興もしやすい。しかし、同じ石巻でも、アクセスしにくい雄勝町(おがつちょう)は、いまだに漁具や瓦礫が山積みのまま、メディアも取材に行かないので、人もお金も集まらず、復興が進まないと。
また、たとえ有名な町でも、建設会社の利権がらみで、家を壊したいのに何ヶ月も待たされるという不条理な状況があるそうです。

震災から一年経ったいま、東京の人間には何ができるのか?という問いに対して、頓所さんはこう言っていました。

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また寄付をするのでもいいけど、お金の流れがよくわからないと不信に思う人は、
ひとつの方法として、被災地に行って現地の人と話してみるといいと思う。
仮設住宅の人たちはあたたかく迎えてくれる。
被災地をぼんやり見ていたところに知ってる人が一人でもいると、全然違う。
あの人いまどうしてるかな、お米でも送ろうかと思う、そういうことでいいと思う。
被災地に点をいっこ作るだけで、被災地との関わりかたが変わってくる。
それが被災地と細く長く関わっていく方法なのかなと思う。
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頓所さんの一連の取材記録は、「笑う、避難所 - 石巻・明友館 136人の記録」という本になっています。



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お二人目は、ビデオジャーナリストの湯本 雅典(ゆもと・まさのり)さん。
2006年まで東京都で小学校の教員をしていて、現在は塾を経営する湯本さんは、震災後、やはりこどもたちのことがいちばん気にかかり、最初は学習支援をするつもりで取材をはじめ、4月に福島に入ったそうです。
そこで知ったのは、福島の先生たちが抱える「学校兼務」の問題。

湯本さんの自主製作映画「わたしたちは忘れない 福島 避難区域の教師たち」(予告編はこちら)を観ながら、お話を伺いました。

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2011年5月、福島県教育委員会は、2012年度の教職員の新規採用見送りを発表。同時に、休校中の学校の教職員に「兼務発令」を出します。
これは、現在在籍している学校と、被災した児童が転校した先の両方で勤務せよ、というもの。
被災児童の転校先と一言でいっても、その場所はさまざまで、なかには片道91キロかけて毎日通う先生も。
通学バスでの送り迎えなど震災前にはなかった業務も増え、超過勤務の状態。
また、兼務になったことで学級担任を持てないので、こどもたちと深く関わることができないなど、先生たちはさまざまな問題点を感じているようでした。

震災から半年後の9月、緊急時避難準備区域が解除されると、開校(再開)する学校も出始めます。
近くに場所を間借りして再開した双葉郡の広野中学校に勤める先生は、映画の中でこう話していました。

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再開してみたら、残っていた児童は20人で、160人は転校していた。
兼務先の学校から我々教職員がここに戻ってきたということは、こどもだけが転校先に取り残されてしまったということ。
こどもたちの心のケアのために兼務という形をとったのに、再開によってこどもたちを置いてきてしまった。
本当に私たちが望んでいるのは、本当の校舎で大多数のこどもたちがみんな集まれる再開。
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日ごろ耳や目にする報道から、わずかながらも復興が「全体的に」進んでいるというイメージを作っていましたが、お二人にお話を伺って感じたのは、当たり前のことですが、被災された方、被災した町の数だけ事実があるということ。学校兼務の問題などは、まったく知りませんでした。
まだ知らないことがたくさんあるという意識を忘れないようにしなければと、あらためて思った次第です。



(水曜タイムラインWeb担当:たけなか)
(2012/4/4 UPDATE)
番組スタッフ
昨日の夜、産経新聞によって報じられた、
『首相官邸ホームページ、4500万円かけリニューアル』というニュース。

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首相官邸のホームページが2日、リニューアルされた。
「さまざまな政策情報をより分かりやすく発信する」ため、
各省庁が個別に発信していた政策情報を一括検索できる機能や、子供向けサイトを新設した。
HP更新に要した費用は約4500万円という。
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(産経新聞 2012/4/2)

これに加え、時事通信は早速、ホームページ上の“誤記”を指摘する記事を掲載しています。
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キッズページでは、首相の仕事について
「災害が発生したときに、先頭にたって支持を出す」と説明。
「指示」を「支持」とした漢字の誤記がいきなり見つかり、内閣広報室はその後に訂正した。
首相を警護するSP(警護官)の所属についても「警視庁警護課」ではなく、
「警察庁警護課」と記載していた。 

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(時事通信 2012/4/2)

「リニューアル費用が4500万円」、「4500万円をかけたのに誤記」というインパクトから、
このニュースに対するネット上の反応は「否定」が大多数を占めると思いきや、
意外にも「否定」「肯定」の真っ二つに割れているようです。

まずは、「否定派」の意見。
・「税金の無駄遣い」
・「年度末の予算消化」
・「仕事でHPの制作をしている人に官邸のHPを見てもらったら
 『原価は100万円以下、どんなにふっかけても500万円以下の仕事だね』と言ってました」

一方の「肯定派」の意見は・・・
・「首相官邸のWebサイトは4550万円くらいで妥当な気がする。
  コンサルティングと制作にあたっての対話が重視されるだろう」
・「首相官邸のサイトの件、家を建てると考えたらわかりやすいと思う。
  個人の家とは違い、セコムつけたりSPおいたり耐震にしたり防炎にしたり
  しなくてはならないのだから」

また、Webサイトの制作に携わっている知人に、
「首相官邸のホームページのリニューアルにかかる費用として4500万円というのは妥当なものか?」という質問を投げかけたところ、以下のような回答が届きました。

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確かにページ数は多く、手間はかかりそうだが、それにしても4500万円というのは高すぎる。
4500万円というのは、ものすごく高度なシステムを組み込んだホームページ以外はありえない。

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今回のニュースの論点である「リニューアル費用の妥当性」。
費用の内訳が明らかになるのが望ましいですが、今後もおそらく明らかになることはなく、
リニューアル費用が妥当か否かという疑問に対する答えが出ることはないでしょう。

では、「リニューアル費用の妥当性」以外に問題はなかったのでしょうか。
わたしには「リニューアル費用の妥当性」以上に問題視していることがあります。
それは、「リニューアルをしたタイミング」です。
消費増税が議論されている今、やるべきことだったのでしょうか。

4500万円という費用をかけてホームページのリニューアルを実行する一方で、
政府は本日の閣議で、2013年度に新規採用する国家公務員数を
政権交代前の2009年度に比べて、56%削減する方針を決めています。


国家公務員数の削減は消費増税に理解を求めるための「身を切る改革」の一環と言いますが、
その一方でホームページのリニューアルに4500万円の費用をかけるという、ちぐはぐさ。


この状況で消費増税に理解を求めるというのは、無謀以外の何ものでもありません。
果たして、政府が見せかけではない「身を切る改革」を実行する日は訪れるのでしょうか。


<火曜web担当:H>
(2012/4/3 UPDATE)
番組スタッフ
新年度1回目の放送となる今夜のタイムライン。
今年度もリスナーの皆さんの考えるヒントとなるニュースや特集をお届けします。
さて、しばらくの間、月曜日のコラムでは、
日常の中でFMの番組では触れられないニュース、
ネットユーザーの“琴線”に触れたニュース、
騒ぎにはならなかったものの注目を集めたニュースを、いくつかピックアップしていきたいと思います。


『アップルのT・クック氏、CEO支持率調査で早くもトップの座に』
<C NET Japan 2012年4月2日>
アップル製品の新作はiPhone4s、新しいiPadなど、マイナーチェンジが続いているため
「がっかりだ」なんて声も耳にします。ジョブズ氏と比べて、
クック氏のどこがどうスゴいのかイマイチ伝わってきませんが、
アメリカのキャリア情報サイトの調査によると、クック氏は従業員からの支持率97%を獲得。
何とこれは前任のジョブズ氏をも上回る結果なんだそうです。

昨年この世を去ったジョブズは4年分の新製品のコンセプトを遺していたと言われ、
クックの真の実力が評価されるのは5年目から、
フルモデルチェンジしたiPhoneが登場してからだという見方もあります。
そんな中でも登場から4日で300万台売れた新しいiPad。
この結果が、クック氏が支持率NO.1CEOであることを証明しているのでしょう。


『「@NHK_PR」のTwitter“エイプリルフールネタ”、謝罪して削除』
<RBB TODAY 2012年4月2日>
昨日はエイプリルフール。ネットの世界では恒例の「ボケ合戦」となりました。
そんな中、NHK広報局のアカウントは、「NHKと全ての民放が合併して国営放送になりました。
今後は、着物を着たアナウンサーが、やや絶叫気味にニュースをお伝えする予定です」

北朝鮮のアナウンサーを 連想させるツイートをしたところ批判が殺到。
後に謝罪するまでに至りました。
嘘をつくにも慎重にならなければならない…、空気の読めない嘘は謝罪しなければならない…、
そんな日本人にエイプリルフールって必要なのでしょうか?


『スマホ新放送「NOTTV」開始 ツイッターと連動』
<日本経済新聞 2012年4月1日>
多チャンネル時代の今、新たな放送局が誕生しました。媒体となるのは「スマホ」。
ニュースやスポーツ番組などを24時間放送するほか、ツイッターやフェイスブックなど
ソーシャルメディアと連動するのが特徴で、初年度に100万台の契約を目指すそうです。
2010年末、宇多田ヒカルさんの横浜アリーナコンサートがUSTREAMで生中継されました。
この時の視聴者数は34万人。
30万人もの視聴者がいるとなると、もはやネット放送はテレビ、ラジオにとっての「裏番組」。
作り手側も危機感を感じられる新放送局の誕生を歓迎する一方、
「NOTTV」はどんな可能性を秘めているのか、注視する必要があります。


『母さん50歳東大合格 30年越しの願いかなう』
<神戸新聞 2012年4月1日>
姫路市書写の塾講師、安政真弓さん(50)が東京大学文科3類に合格しました。
家庭を持つ真弓さんが東大を目指したきっかけは、昨年3月、
高校3年生だった次男の玲二郎さんの東大受験失敗。30年前、東大受験に失敗した真弓さんは、
その思いを晴らそうと2度目の東大受験に挑む玲二郎さんと切磋琢磨しました。
残念ながら、玲二郎さんは別の大学に進学するそうですが、仕事と家事をこなしながら、
深夜まで勉強に励んだという母の真弓さん。教材は「息子の教科書と参考書を借りた」とか。
最近、もう一度学びたいと大学に進学する社会人が増えています。このニュースをきっかけに、
社会人のための「東大に受かる勉強術」なんて、本も登場しそうですね。
「母の強さ」をここに見ました。


『パパママ必見!保育施設よりも祖父母に預ける方が子どもの発達は早いという研究結果』
<ロケットニュース24 2012年4月2日>
イギリスの国立社会調査研究センターなどが1万9000人の幼児を対象に行った
合同調査によると、普段祖父母に預けられている子は、保育園児に比べ
はるかに語彙力の発達が早く、その差は3歳までにはっきり表れるそうです。

超高齢化社会の日本では、高齢者が保育資格を取得して、共働きの親が子供を
預けられるようにできないかという取り組みも模索されています。今回のイギリスの調査結果に、
高齢者の孤独死と待機児童問題を解決するヒントはあるのでしょうか。
今週木曜日は「保活」について取り上げる予定です。こちらもお楽しみに。


ちなみに、私が個人的に気に入ったエイプリルフールの「ジョーク」は
グーグルマップの「ドラクエ風地図」です。
皆さんが今日、気になったニュースは何ですか?


スタッフ:坂本
(2012/4/2 UPDATE)

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