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番組スタッフ
7月19日に楽天が発売した電子書籍端末「kobo touch」。
これをめぐる楽天側の対応に、ネット上では批判の声があがるなど、ちょっとした騒動となっています。

騒動のそもそもの原因は、「kobo touch」自体の不具合。
発売初日から「初期設定ができない」「アプリケーションが動かない」などの理由で、苦情が殺到。
楽天市場の口コミサイト「みんなのレビュー」には、多くの不満の声が寄せられました。
実際に書き込まれた不満の声は、下記のようなものです。

30代の女性(投稿日:2012年07月23日)
*****
ドクロマークがあれば100個つけたいです!!!珍しく遅延なしに届いたとおもいきや反応は遅いし書籍は高いし魅力ゼロ!!!この時代に暗い場所でライトが必要だなんて初期のゲームボーイレベル!!!
*****

しかし、このサイトが7月23日に突然、楽天側によって削除され、閲覧できない状態に。
この措置に対し、ネット上には「まじで買わなくてよかった。製品以上に対応がひどすぎる」「このタイミングでレビュー削除とか正気じゃないな もともと低い信用が地まで落ちるぞ」というような、楽天の対応を批判する声が多数、書き込まれました。

こうした事態になることは予想できたはず。それなのになぜ、楽天は「みんなのレビュー」を閲覧不可能にするという浅はかな対応をしたのでしょう。

その理由について楽天の三木谷社長は、東洋経済オンライン(2012年7月27日)の取材に対して、このように答えています。
*****
機能の問題自体は2日以内に解消されたわけだから、間違った情報を残しておくことは逆にエンドユーザーに対して間違った情報になってしまう。一回整理しましょうということで、そういう措置を取った。
繰り返しになるが、大体のネガティブなコメントというのは、ほぼ全て初期設定の問題であり、それについては対応済みだ。初期設定以外のクレームはほぼない。
言い方が悪いかもしれないが、改修した問題については、ミスリーディングする口コミは消して、それ以外のものに関してはできるだけ残したらどうですか、というのが基本的な考え方だ。

*****

また、日経ビジネス(Digital速報2012年7月27日)では、「対応を終えた後もインターネット上での騒ぎが収まっていない」と話をふられると、「時間の問題じゃないでしょうか。実際に騒いでいる人の数を数えると、まずたいしたことないと思いますよ。騒いでいるのはせいぜい2000〜3000人でしょう」と答えるなど、あくまでも対応の正当性を主張し、強気の姿勢を崩していません。

今回の楽天側の対応。
理由を聞くと、筋が通っているようにも思えてしまいますが、どうなのでしょう。
結果として不具合が解消されたとはいえ、不具合があったことは動かぬ事実。
それを始めから不具合がなかったかのように体裁を取り繕うのは、企業の対応としては正解とは言えません。
楽天がすべき対応は言うまでもなく、不具合の事実が記されたレビューは残しつつ、それら不具合が解消された旨を新たに書き加えることだったように思います。


一方で、アメリカでは6割のシェアを誇る「Kindle」を擁するアマゾンが、日本国内向け電子書籍配信サービスについて、8月末から9月にかけての開始をめざして最終調整に入り、電子書籍端末「Kindle」も国内で発売することが明らかになりました。

「Kindle」発売後も、今回の騒動で見せた楽天側の強気の姿勢は変わらないのでしょうか。
今回の対応が“楽天の終わりの始まり”にならないことを祈りつつ、今後の対応を注意深く見守っていきたいと思います。


<web担当:H>
(2012/7/31 UPDATE)
番組スタッフ
空気と水の綺麗な土地へ行って、ホタルの光に癒されながら夕涼みをしたい…
ヒートアイランドな東京から、現実逃避したくなる今日この頃。
そんなホタルの光を巡って、福島県いわき市では、
あまりにも世知辛い騒動が持ち上がっていましたのでご紹介します。

事の発端は、いわき市の水族館・アクアマリンふくしまの「復興ブログ」。
このブログが始まったのは震災直後の昨年3月31日で、
職員であり獣医技師の方が、津波被害を乗り越えながら復興していく様子を
綴り、地域に勇気と希望を発信し続けてきました。
そんなブログが、上層部や外部からの圧力により終了せざるをえなくなった
として、今、話題になっているのです。

原因は、ホタルの放流。
現在、いわき市では「ふくしま復興ホタルプロジェクト」として、
“放射線を浴びると光らない”と言われているホタルを放すことで、
福島の放射線量の状況をアピールし、
地域や避難住民を応援しようというプロジェクトが行われています。

これだけ見ると、何やら良さそうな計画に思えますが、
「復興ブログ」の担当者は、2つの問題点をあげ、警鐘を鳴らしているのです。

1)他の生物への影響が考慮されないまま進められている
ホタルは、河川ごとに遺伝子の違いが見られる場合があり、
むやみに放流をすると「生物の多様性」を破壊してしまう場合もあるそうです。
元々、このブログ担当者の方は、ホタルプロジェクトに専門家として加わっていたそうですが、生物多様性の危険を本部に訴えたところ、
その後の協力要請がないまま、いきなり放流のニュースを
テレビで知ったとのこと。

2)ホタルは放射線量の指標にならない
プロジェクトの運営側は、「0.5μSv/hの放射線でホタルは光らなくなる」として、放流場所の安全性を証明したい狙いがあるようですが、
ブログ担当者の方は“もっと放射線量が高い所でも光っているのを確認している”と主張しています。
また、プロジェクト運営側にデータの提示を問い合わせたところ、
「文部科学省から止められているから出せない」と断られたとのこと。

そこで、ブログ上にて指摘を続けていたところ、
プロジェクト運営側からの“圧力”がかかるようになり、
ブログの文章訂正を求められたそうです。

担当者の方は、やるせない思いをこう綴っています。

++++++++++++++(※以下、ブログ抜粋)
今回のプロジェクトが、ただ単にホタルの放流だけなら、
黙認する事も可能でした。
大した内容でもない記事に対して、修正を行うだけなら我慢はできますが、
我々現場の人間が本当に伝えたいことまで消去させられるのは我慢できません。
情報発信する際にこのような圧力がかかる可能性があるのであれば、現在の職を続けていくことは私には無理です。
放射線の問題に対しては真摯な気持ちで取り組んでいきたいから…
職を賭して伝えなくてはいけないこともあります。
++++++++++++++

この衝撃的なブログの終了告知に、多くの読者が声をあげています。

○朝、起きぬけに号泣でした。考えて考えての決断なのでしょうね。
残念で、淋しくて仕方ありません。
○一時の楽しみのために生命を無駄遣いするのが
復興のシンボルになるんだろうか。
○こうやって事実を大切にする心が踏みにじられる。
そんな大人の世界を子供に見せて恥ずかしくないですか。
○職を賭した告発。こんなごまかしをしていては、
原発行政と変わらないではないか。
○アクアマリン、なんだか残念なことになってるなぁ…
やっぱ、復活すると色々と変わっちゃう人もいるんだろうなぁ…

しかしながら、ブログ担当者も、プロジェクト運営側も、
“福島を復興したい”という思いは同じのはず。

なのになぜ、こうも溝が深まってしまうのでしょうか。

今回は、復興に対する姿勢が、「慎重に」か「早急に」かで、
考え方に大きな対立が生まれてしまったように思います。

震災以降、ネット上では“圧力”という言葉を使う人に対して、
「陰謀論者」とレッテルを貼る行為を幾度となくみかけます。
また、本当に間違った情報を“圧力”として、
ミスリードしていきたい人々も、少なからず存在します。

では、このブログ担当者の方は、「正義の告発者」なのでしょうか?
それとも「復興を邪魔する陰謀論者」なのでしょうか?
この境界線は、前者であると私は思いました。

しかし、プロジェクトの運営側もまた、
「正義」を持ってホタルを放流していることも事実。
本当に、やりきれない世の中です。


ちなみに、アクアマアリンふくしまの「復興ブログ」は、
明日7月31日をもって、非公開になってしまうそうです。
ご興味のある方は、今のうちに覗いてみてください。

担当:梅木
(2012/7/30 UPDATE)
番組スタッフ
今週、ツイッターに関して「過去のツイート全てを見られるようになる」というニュースがネットを騒がせました。

ツイッター社のディック・コストロCEOはニューヨークタイムズ紙に「もうすくユーザーは過去のツイートをアクセスおよびダウンロードできるようになる」と語ったそうです。
現在、ツイッターで実際にたどれるのは過去数千ツイートほどで、何万ツイートもしている人は過去ツイート全てを見られないことがありますが、コストロCEOによると、この状況がついに改善されるとしています。
今回、追加検討中の機能は幸い、自分の過去ツイートだけをたどれるもので、他ユーザー全てのツイートを見られるものではありませんが、ツイッター社が機能追加検討の背景には以下のような事情があるようです。

++++++++++++++++
ツイッターが始まったころであればユーザ数も少なく、新機能追加も簡単にできたはずですが、現在のツイッターはリアルタイムにニュースが流れたりするコミュニケーションツールとして発展しており、アクティブユーザ数は1億4000万にも達しています。そこへ1人で数千もあろうかというツイートの中からの検索をしたいという要望が多く出てきたことから、とうとう同社幹部は解決法を見いだすために数人のエンジニアを割くことにしたそうです。いつからこの過去ツイート検索サービスが使えるようになるのかについて明言は避けましたが、コストロ氏はこのサービスがある種のユーザを満足させるものになるだろうと自信をのぞかせたとのこと。
GIGAZINE
++++++++++++++++

さて、今週末からロンドンオリンピックがはじまります。
待ち望んだ開幕を前にして、ロンドンオリンピックに出場するはずだったギリシャの陸上女子三段跳びの選手が、ツイッターでアフリカからの移民に対する差別的な発言をしたとして、代表から外されたことが明らかになりました。
女性選手はツイッターに「ギリシャにはアフリカ人があまりに多い。西ナイルの蚊は少なくとも故郷の味が楽しめる」と書き込んだところ、非難を浴び、後に本人が謝罪するにいたりました。
不用意な発言で、名誉を手にするチャンスをみすみす失ったわけです。

ツイッターでの何気ない無意識な発言から、ユーザーの怒りを買い、炎上する人が後を断ちません。
未成年での飲酒、喫煙をツイートし、プチ犯罪自慢をして炎上する若者も珍しくありません。
今やツイッターは「バカ発見機」「バカッター」などと呼ばれているのも、もはや多くの人がご存知なのではないでしょうか。

何千何万とツイートがある人にとって、自分自身の過去ツイートをイチイチ検閲するのは面倒です。しかし、いつ、何がきっかけで炎上してしまうかわからない…。
そんな危険の火種と隣り合わせのご時世にうってつけのサービスを見つけました。
その名も「黒歴史クリーナー」です。

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以前使っていたTwitterアカウントのツイート、完全に黒歴史だわ――そんな過去を持つ人にうってつけのサービスがある。過去のツイートを自動消去してくれる「黒歴史クリーナー」だ。Twitterアカウントで認証し、「開始」をクリックするだけで、過去のツイートを全消去する。1時間あたり300ツイートを消去。ブラウザを閉じても削除は続くが、「やっぱり消したくない」と思ったらいつでもキャンセルできる。Webアプリ開発者の@cohakimさんが開発し、3月に公開したサービス。
ITmedia
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あまりにも好評すぎて、一時は削除処理が遅くなってしまったという「黒歴史クリーナー」。
今日現在、約13000人のユーザーが約1100万件のツイートを削除しています。
今はフェイスブックばかりでツイッターは使っていない、でもツイッターにしかいない友達もいるからアカウントは残しておきたい…そんな人に役立つサービスなのではないでしょうか。

大津のいじめ問題での、一連の加害者身元特定の騒動から想像すると、(何もやましいことはないのですが)どうも私はネット上の個人情報の管理に神経質になってしまいます。
ツイッターアカウントが放置状態にある私にとって、「黒歴史クリーナー」は「必要最低限の自衛手段」なのかもしれません。

自分の発言に黒歴史なんてないと思って数年前のツイッターを見てみたら、結構恥ずかしいものばかりでした。早速今日、「黒歴史クリーナー」の力を借りました。


スタッフ:坂本
(2012/7/26 UPDATE)
番組スタッフ
唐突な自分語りで恐縮ですが、私は決して、映画を幅広く観るほうではありません。
いいことやイヤなことで自分なりに日々消耗しているので、選ぶ映画はついつい、軽くて明るくて、観たあとスッキリするもの。
こどもや動物が出てくる話は苦手、暴力シーンも本当にキライ。
韓流ブームにもイマイチ乗り切れず・・・

そんな私がこの『トガニ 幼き瞳の告発』を観たいと思ったのは、“人の心を動かし、世論を動かし、国を動かした、実話に基づく映画” と聞いたからです。

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『トガニ 幼き瞳の告発』公式サイト
http://dogani.jp/index.html


8月4日(土)シネマライズ、新宿武蔵野館 ほか全国ロードショー
配給: CJ Entertainment Japan

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photo01
<写真>©2011 CJ E&M CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED


2000年から2005年にかけて、韓国の聴覚障害者学校で実際に行われていた、大人からこどもへの凄まじい暴力と性的虐待。
内部告発から4年後の2009年に小説化され、昨年2011年に映画化されると、460万人以上を動員。
映画を観た韓国の人々の怒りが、風化しかけていた事件の再捜査、こどもへの性暴力犯罪の処罰に関する改正案「トガニ法」の制定、そして当該学校の廃校という結果を導いたといいます。

イ・ミョンバク大統領も、この映画を観て国民に「意識改革の必要性」を訴えたのだそうです。
一国の長から発言を引き出した興行作品って一体?

日本公開を控えた昨日、都内で行われた試写会とシンポジウムに行ってきました。


* * *


映画は、1台の車が濃い霧のなかを走るシーンで始まります。
赴任先へ向かう主人公、美術教師のカン・イノ。視界不良から来る不安感が、これから始まる出来事を暗示しています。

最初の20分ほどは・・・
正直なところ、席を立って帰りたいと何度も思いました。
「これは実話をもとにした “映画” だから表現は誇張されているはず、オーバーに演出されているはず」と自分に言い聞かせます。
次から次に出てくる加害者に、事件を隠蔽しようとする大人たち、どいつもこいつも清々しいほどの悪人。映画を観て、スクリーンに物を投げつけたくなるほどの怒りを覚えたのは、初めてのことです。
拳を握って耐えつつ、ところどころに挟まれるユーモラスなシーンに、怒りを通り越して漏れ出る笑い。
被害者の少年少女と主人公との間に心の交流も生まれ、いつの間にか引き込まれていきます。

中盤からの法廷シーンはとても見応えのあるものでした。
被害者側に少しずつ見えてくる光、そしてそのあとの結末。

私は「この映画をきっかけに世の中が動いて法律が変わった」ことを知ったうえで観ていますから、そこに救いを感じることができますが、韓国で公開されたときは、まだそんな動きもなく、ただ事実が目の前に放り投げられた状態。観た人はどうやって、これだけの怒りや不条理感を全身に溜め込んだまま、映画館を出て、日常に戻ったんだろう?という気持ちが頭を巡りましたが、戻れなかったのですね。
何もせず自分の日常に戻ることはできなかった、それこそが、「世の中を動かす力」になったのだと思います。


上映後、ファン・ドンヒョク監督、放送作家の鈴木おさむさん、弁護士のパク・インドンさんによるシンポジウム「表現の力が民衆を動かした」が開かれました。


photo02
<写真>左から、ファン・ドンヒョク監督、鈴木おさむさん、パク・インドンさん


「映画を観て感動の涙、喜びの涙、哀しみの涙は経験があるが、観客がこんなにも “怒りの涙” を流しているのを見たのは初めて」という鈴木おさむさん。監督とはこんなやりとりがありました。

+++
鈴木さん:
この映画を作った目的は?

ファン・ドンヒョク監督:
最初は映画化の提案を受けて、初めて小説を読みました。
それまで、こういう事件があったことも、こういう小説があることも知りませんでした。
読みながら、本当に衝撃を受けました。あまりにも苦しく、涙があふれてきて、なかなか読み進められないのです。
苦労して読み終えましたが、本当に苦しく、とても映画化する自信がなかったので、映画製作会社に電話をして、一度は「他の監督を」とお断りしました。
だけど、一ヶ月後にまた電話をしてみたら、まだ監督が決まっていないという話だったので、「私がやります」と決心したのです。
これがたとえば30〜40年前の事件で、加害者や被害者がみんな亡くなっていたら、映画化する必要はなかったと思います。しかし自分が小説を読んだ時点では、まだ5〜6年ほど前の事件。報道番組でも取り上げられて、小説化もされていたにもかかわらず、世の中の人があまりにこの事件のことを知らなかった。
被害者や被害者を支援していた方々がいろいろな努力をしたにもかかわらず、何も解決していませんでした。
そこで、だったら自分が映画化することが、この事件を世の中に知らせる最後のチャンスではないかと考えたのです。
いまならまだ意味があると思って、映画化を決意しました。

+++
鈴木さん:
映画が大ヒットして、法律が変わるいちばんのきっかけになったのは何ですか?大統領が観たからですか?

ファン・ドンヒョク監督:
公開前の試写の段階から、TwitterなどのSNSで「こんな事件が実際にあったとは知らなかった」「この映画は絶対に観るべきだ」など、いろんな方たちからの書き込みがありました。それがひとつの世論になって、国民の声になった。
大統領は、実際には何の指示もしていません。結果的には世論の力が言論を動かし、マスコミが政府に働きかけて(再捜査や法律改正につながった)。国民の声がいろんなことを動かしたのです。

今日、この作品をご覧になって、これを単純に「韓国で起こったひどいこと」という感想に留めて欲しくはありません。
似たような事件は世界のどこでも起こりうるし、実際に起こっていると思います。
ついこの前、台湾でもこのような事件があったと聞きましたし、アメリカでもあったと聞きました。
日本でも、起こる可能性は十分にあると思います。
性的暴力だけでなく、いじめも含めたこれらの問題はすべて、力を持っている者が弱い者をいじめている、そういう問題です。
この映画を観て、主人公のカン・イノの視点を持ち、立場に立っていただきたいと思います。
自分のまわりで、知らない間にこのような事件が起こっているかもしれない、そのことで苦しんでいる人がいるかもしれないということを。
もし、自分のまわりでこういう事件があったら、勇気を出して手を差し伸べてください。
みなさんが手を差し伸べられる、この映画がそういうきっかけになればと思います。


* * *


『トガニ 幼き瞳の告発』のパンフレットに寄稿されている、フリージャーナリストの小宮純一さんのコラムによると、日本では、6日に1人、こどもが虐待で死んでいるのだそうです。これは決して、よその国の話ではありません。

日本で起こっている官邸前デモやさまざまな抗議集会。
原発再稼働、消費増税、オスプレイ配備など、身のまわりの問題について声を上げることに以前よりも抵抗感はなくなりましたが、その原動力はすべて、日本を、自分や家族、子や孫の代まで安心して安全に暮らせる場所にしたいから、だと思います。
自分とつながりがある人々のために、想像したり、行動したりするのは難しくありませんが、埋もれて流されかけている「立場の弱い見ず知らずの人々」のために、こんな風に行動することはできるだろうか?
いじめや児童虐待といった問題の存在を知ったとき、うちの子、よその子の垣根を越えて、大人がこどもを守るためにできることって何だろう?
いろいろなことを考えさせられる、重たいけれど素晴らしい作品です。


そうして声を上げたとき、日本の社会は耳を傾けてくれるのだろうか?
そんなことも、ふっと頭をよぎったのでした。




(水曜タイムラインWeb担当:たけなか)
(2012/7/25 UPDATE)
番組スタッフ
昨日から物議を醸している、産経新聞(2012/7/23)の『「迷彩服を区民に見せるな」 自衛隊の防災演習、東京の11の区が庁舎立ち入り拒否』という記事。

*****
16日夜から17日午前にかけて行われた、陸上自衛隊第1師団(東京都練馬区)の連絡要員の自衛隊員が東京23区に徒歩で出向き、被害状況や出動要請などを確認する統合防災演習で、自衛隊側が23区に対し「隊員を区役所庁舎内に立ち入らせてほしい」と要請していたにもかかわらず、11区が拒否していたことが22日までの産経新聞の調べで分かった。
立ち会いも要請していたが、7区の防災担当職員は立ち会わず「区民に迷彩服を見せたくなかった」と明かした区担当者もいた。
隊員の立ち入りを拒否したのは千代田▽中央▽港▽新宿▽目黒▽世田谷▽渋谷▽中野▽杉並▽豊島▽北−の11区。
*****

この記事に対し、「隊員の立ち入りを拒否した」と名指しされた港区、中野区、豊島区などはすでに「記事は事実無根である」という意図の反論記事をHPに掲載していますが、なかなか問題の全容はつかみきれません。

そこで、わたしは記事の中で「隊員の立ち入りを拒否した」と名指しされた11区の中のある区で、防災演習の対応をしたという担当者の方に電話取材を敢行。
興味深い話を聞き出すことができました。

Q:きのう、区に抗議の電話はかかってきましたか?
*****
一日中、抗議の電話がかかりっぱなしで、切れ目がありませんでした。
ただ、事実を説明したら、ほとんどの方が納得してくれました。

*****

Q:そちらの区が「隊員の立ち入りを拒否した」と名指しされていますが、これについてはどんな心境ですか?
*****
「隊員の立ち入りを拒否すること」は区にとって何のメリットもありません。
災害が起きた際に、きちんとした対応をしていただくために、区としては最大限の協力をしたつもりですので、心外だし、大変遺憾に思っています。
記事を書いた産経新聞の記者とも直接、電話で話しているので、なんでこんな記事になってしまったのか、という思いがあります。

*****

Q:最大限の協力と言いますが、どんな対応をしたのか教えていただけますか?
*****
今回の防災演習は、自衛隊員が2人1組で23区に徒歩で出向き、被害状況や出動要請の有無などを確認するというもの。
われわれの区に出向く自衛隊員2人が練馬駐屯地を出発したのが16日の19時13分。
徒歩でわれわれの区の防災センターに到着したのが、17日の0時55分。
そして17日の朝8時から10時まで防災センターで無線通信訓練を行っていきました。
防災センターは庁舎内ではなく、別の建物にあるのですが、ここで無線通信訓練を行ってもらった理由は、災害時に区が収集した情報が集まる災害対策本部がある重要な場所だからです。
実際に災害が起きたときには、自衛隊は災害対策本部付近に常駐し、被害状況を練馬駐屯地にある第一普通科連隊に送ることが想定されます。
災害が起きたときにより近い状況で訓練をやってもらおうとの配慮であり、自衛隊もこれを了承していました。

****

Q:今の話を聞く限りでは最大限の協力をしたように思います。ではなぜ「隊員の立ち入りを拒否した」と名指しされてしまったのでしょうか?心当たりはありますか?
*****
ひとつ心当たりがあります。
自衛隊の本部から、自衛隊員2人が防災センターに着いた17日の0時55分から、無線通信訓練を行う翌朝8時までのおよそ7時間を、防災センター内で待機させてくれないかとのお願いがありました。ところが、防災センター内に待機する場所を確保することが困難なことなどから、区内にある自衛隊関連施設に宿泊してくれないかとお願いしたところ、これに本部は了解してくれました。
記事を書いた産経新聞の記者に、この対応については質問をされていたので、これを「立ち入り拒否」と解釈したのかもしれません。

*****

Q:記事にある「区民に迷彩服を見せたくなかった」という声は実際にありましたか?
*****
区の職員からそういう声はあがっていないが、区民の方からは「迷彩服を見たくない」という声は寄せられていることは確かです。
わたしにはそういう感情はないので、何とも言えないが、平時なのに自衛隊が迷彩服を来て歩いていると、不安を覚える人もいるのでしょう。

*****

わたしが今回取材できたのは、「隊員の立ち入りを拒否した」と名指しされた11区の中のたった1区です。
ただ、この1区ではありますが、「隊員の立ち入り拒否」とはほど遠い現実が明らかになりました。


そして騒動から一夜明けた今朝の産経新聞の「産経抄」には、この問題についてこんな見解が掲載されています。

『迷彩服をなぜか受け入れられない人の存在は、承知している。
まさかそんな一部の声に配慮するあまり、首都直下地震に向けた自衛隊の訓練をないがしろにする防災担当職員が、東京都内の区役所にいるとは。
(中略)
職員の心ない仕打ちにも顔色ひとつ変えなかったであろう、自衛隊員の心情を思うと、やりきれない。』


記事の中でひときわ目を惹くのは、『首都直下地震に向けた自衛隊の訓練をないがしろにする防災担当職員』という一節。

一連の原発事故の報告書も一応出揃い、防災や減災、そして原発事故への対処について1日も早く本格的に取り組まなければならない時に、どうしてこのような奇妙なすれ違いが報じられてしまうのでしょうのか。不可解でなりません。


<web担当:H>
(2012/7/24 UPDATE)
番組スタッフ
昨今、何かと話題になる“コミュニケーション能力”。
“空気を読む”という言葉でも表現され、
もはや社会を生きる上での必須能力として定着しているわけですが、
先日、Twitterを徘徊していたところ、
その常識をくつがえす大変興味深いまとめを発見しました。

内容は、ある発達障害者の方が、自身が働く職場についてつぶやいたもの。
職種は、エンジニアのための業界誌を作っていて、
ツイート主さんを含め、その職場にいる方々は、
全員が何らかの発達障害を抱えているのだそうです。

その職場の特長を、抜粋したツイートを交えつつご紹介します。
(全ツイートをご覧になりたい方は、コチラの「Togetterまとめ」をどうぞ)

+++++++++++++++++++++
<偏見にとらわれず、互いが理解しあう職場環境>
*いじめがなく、やたら仕事の進みが早く、余計な詮索や馴れ合いがない。
それぞれの長所と短所を全員が相互に把握しており、
長所は存分に活用し、短所は補える誰かが補う仕組みになっている。
*「ああああへへへへんしゅうちょ」「俺はここにいるからな、まずは息をしろ」
「(笑)」というやりとりの中で、誰も申し訳なさそうな顔をしない。
むしろみんな少しはにかみながら、楽しそうにしている。
実際、なにも取り繕わずにやりたいことを懸命にやれる環境は、楽しい。

<部下の特性を完全に理解した、頼れる上司がいる>
*怪しい挙動により誰かが言いがかりをつけられても、
ズバズバ物を言うアスペルガー上司が、いつも矢面に立つ。
「君のところのスタッフ、おかしいよ」
「おかしいとは?具体的になにかご迷惑をかけましたか?」
「とにかく声が大きいから困るよ」「困るのはどなたですか?」
「それはその…」といった調子。

<無駄な人付き合いがない>
*基本的にみんな他人に興味がないから、噂話・悪口・憶測など、「人間の話」が皆無。
結婚は?子どもは?実家はどこ?どこの大学出たの?
そんなの誰も訊かないし、知らない。
交わされるのは、仕事に必要な会話のみ。なにも困っていない。

<なぜ、そんな職場になったのか>
*「優れたエンジニアがいい記事を作る」事実に誰かが気づき、
以来、採用面接で挙動不審でも、実力重視で人を採ることに。
+++++++++++++++++++++

このまとめは、現在25万viewを超え、
「発達障害とか関係なく、こんな職場が増えて欲しい」
「上司がすごい」「感動した」といった多くの共感を呼んでいます。

そんな人々の反応を見ていて私が思ったのは、
昨今の職場で求められる“コミュニケーション能力”は、
果たしてほんとうに必要なのか?ということです。


7月15日付の日本経済新聞に掲載された
「人事トップが求める新卒イメージ調査」の結果では、
コミュニケーション能力の高い人材を求める声が一番多く、
全体の59.6%を占めたそうです。

しかし近年、コミュニケーション能力を重視した採用の結果、企業の技術力は低下。
今年5月、日本IBMの新社長に就任したマーティン・イェッター氏は、
“世界の経営者が「技術」を最重要課題に挙げるなか、
日本の「技術力軽視」は危険な状態である”
と苦言を呈しています。

もちろん、営業や接客といった顧客と接する職種であれば、
コミュニケーション能力が求められるのは当然です。
しかしながら、エンジニアや専門職の分野で、
本来の実力よりコミュニケーション能力を重視する傾向があるのは、
そもそも雇用側こそ、相手の不足を補うための能力がないからじゃないの?
とすら思えてしまいます。

発達障害を抱える彼らが実現した、“KYな職場”がアリかナシか。
この境界線は、言うまでもなく「アリ」だと思います。

必要最低限のコミュニケーションでも、それぞれが実力を発揮し、信頼しあえる会社。
こんな職場は、とても珍しく、幸運なケースではありますが、
個々の能力が適材適所で発揮され、誰も空気を気にしなくなった時、
日本の職場は、よりよい環境になる。
彼らは、そんなヒントを与えてくれているのではないでしょうか。


発達障害者の方々が作り出した、息苦しさのないオフィス。
昨今は、どこの職場でも「空気」の読みあいに明け暮れていますが、
皆さんの職場はいかがですか?

担当:梅木
(2012/7/23 UPDATE)
番組スタッフ
今週月曜日、東京都の代々木公園で「さようなら原発10万人集会」が行われました。
主催者発表によると17万人集まったとか、警察発表によると7万とか、参加人数ははっきりしませんが、
いずれにせよ、原発問題に関して、多くの人が関心を持っている、何かあれば行動に移すということが改めて明らかになったわけです。

集会には大江健三郎氏、瀬戸内寂聴氏、鎌田彗氏らが呼びかけ人として参加していました。
そうそうたる面々の中、物議をかもしているのが、坂本龍一氏の「たかが電気」発言です。

+++++++++++++++++++++
言ってみれば、たかが電気です。
たかが電気のためになんで命を危険にさらさなくてはいけないのでしょうか。

ぼくは、いつごろになるか解りませんが、今世紀の半分くらい、2050年くらいには、電気などというものは各家庭や事業所や工場などで自家発電するのがあたりまえ、常識という社会になっているというふうに希望を持っています。そうなって欲しいと思います。たかが電気のためにこの美しい日本、国の未来である子供の命を危険にさらすようなことはするべきではありません。
+++++++++++++++++++++

…と、集会でスピーチしました。

坂本龍一氏の発言に対し、ひろゆき氏が「電気が無ければ死ぬ人がいる。 熱中症だけじゃなく、病院で手術が出来ないと命に関わる人、生命維持装置が止まる人、透析が出来ない人。 本当に人が死んでからじゃないと理解しないのかな。 なんで想像力が働かないんだろう。」
佐々木俊尚氏は「『2050年くらいには電気は各家庭や事業所や工場などで自家発電するのが常識になっていると希望』。19世紀末もそうだったけど、コストがかかるので送電網に変わったんだよね。」「坂本龍一氏は過去のエネルギーの開発史まで視野に入れて発言してるのかな?と疑問に思った」
と述べるなど、波紋は広がっています。
そんな中、私は東京大学大学院教授で進化生物学者の佐倉統氏のツイッターに注目しました。

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PCやネットに限らず、ぼくらの着ているものも食べるものも、すべて電気がないと生産も流通もできない。文字通り、ぼくらの命は電気と一体になっている。だけど、このような社会基盤技術は、人々の意識には上りにくい。停電しないのが当然で、停電すると皆怒る。

「たかが電気」発言は、そのような現代社会のあり方を端的に象徴していたと思う。もうひとつは、生活の基盤である電気が、単に意識にのぼらないだけでなく、「たかが」と軽んじられる存在になっていること。なぜ音楽家やスポーツ選手や(一部の大学教授?)は脚光を浴びるのに、

生活のインフラを支える職業は脚光を浴びないのか。文化や学術や金融操作は、そんなに大層なことなのか。専門的技能が高く評価されるべきだというなら、基盤技術の管理維持も、町工場の職人技も、みな専門的技能ではないか。自分自身が大学の教師をしていてこんなこと言うのもなんだけど

世の中ちょっと不公平と格差が大きすぎやしないか。自分の職業が社会的に高く評価されるのは、それはうれしいしありがたいことだが、それに見合った働きを自分がしているかどうか、いつも大変気になっている。坂本龍一は大好きな音楽家だし、社会貢献もずいぶんしている方だと思うが

その彼にしてからが、ああ、そういう認識なのか、と思ってしまった。電気や水道、食品流通など、日常の生活から「見えない」基盤技術を、もっと日頃から体感する機会が、きっと必要なのだろう。ちょっと想像力を働かせれば分かりそうな気もするけど・・・。とりあえず、以上。

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電気のみならず、私たちの生活を支える「インフラ」は数多くあります。
しかも、当たり前に手に入るものばかりです。
未曾有の震災の経験した日本にとって、インフラ整備の重要性は明らかです。
地震大国・日本において、インフラがいかに重要であるか、中野剛志氏は著書「レジーム・チェンジ」の中で、次のように述べています。
「東北の三陸海岸の高速道路である三陸縦貫道は、三十年かかってもまだ半分しか完成していませんでした。交通需要が多く見込めないという理由から予算が十分に支出されてこなかったのです。しかし、東日本大震災が勃発し、国道四十五号線が破壊された際、三陸縦貫道の併用中の区間は、国道四十五号線の代替道路として、救命や緊急輸送のため大いに活用されました」
狸や熊しか渡らないであろう高速道路すら、震災の時は重要なインフラとなったのです。

「交通」「電気」「水道」…当たり前のものが、当たり前にありすぎる日本人の日常。
当たり前の日常を支える「インフラ」を「たかが」と言い切ることは私にはできません。

以前は某自動車メーカーの電気自動車のコマーシャルに出演していながら、脱原発を唱えて猛批判されました。
電気の通ったマイクで、「たかが電気のために…」と述べた坂本龍一氏の姿に、私はむなしさを感じました。


スタッフ:坂本
(2012/7/19 UPDATE)
番組スタッフ
エネルギー・環境の選択肢に関する国民的議論の一環として、7/14から各地ではじまった意見聴取会。
原発推進を求める意見表明者のなかに電力会社の関係者が含まれていた問題が報道されたことで、はじめて「エネルギーに関する国民的議論」がいつの間にか始まっていたことを知った、という方も多いのではないでしょうか?

内閣府国家戦略室は「話そう エネルギーと環境のみらい」という特設サイトを用意し、エネルギー・環境の選択肢に関する「国民的議論」の場として、今日の特集で取り上げる「討論型世論調査」「パブリックコメント」などを用意していますが、周知不足や設定期間の短さなど、疑問に感じることばかりです。
国民に知られないようにこそっと済ませて、“国民的議論をした” という既成事実を作りたいだけなのではないかと、思わず勘ぐりたくなります。

そんな「国民的議論」の場のひとつ、16日に名古屋で行われた意見聴取会に行ってきました。


photo01
<写真>参加者に配られたアンケート


名古屋会場は、応募総数:352名、入場者数:106名、0%支持:106名、15%支持:18名、20〜25%支持:37名 という構成。
報道で見聞きした方も多いと思うので、私は、意見表明者9名の、それぞれの意見をまとめることにします。


photo02
<写真>会場の様子


※発言は名前のあいうえお順。

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1)大阪 男性 映像制作 ※地元が名古屋(0%シナリオ支持)

直感的に考えて0シナリオ。
20〜25%を支持する人の考えを聞きたくて応募。

エネルギー転換や構造改革のために、なぜ「原発を今以上に作らなければならない」となるのか?
事故の原因解明もできていない、どこに責任があるかわからない状態で原発を新設することには反対。

太陽光、風力以外のエネルギーも考えていくべきだと思う。
たとえば農業の進んでいる地域なら農業廃棄物を使ったバイオガス発電、山の多いところなら林業と連携など、地産地消についての議論が必要。
都会のエネルギーを作るのに産業の少ない地域がリスクを負って発電するという考えを転換しなければ。

このまま原発を進めたところでの経済というより、新たな道を探してほしい。
新たなクリーンエネルギー技術を開発して、これから原発を進めていく国々の指針となるような政策をとるべき。
現在は経済を模索しなければならない転換期。
経済は大変なことになるかもしれないが、ゼロに向かっていく方向性を示すほうが未来を見据えるという点ではいいと思う。
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2)名古屋 女性 専業主婦(15%シナリオ支持)

限りなく0シナリオに近い。最終的には原発ゼロを希望。

2030年は遠い未来のようで近い。18年間で再生可能エネルギーに移行することで、各家庭の費用負担が重くなりすぎるのではないかという懸念。
経済的不安、消費増税、教育費、介護医療費、年金受給額、年収ダウン・・・そのような状況で太陽光パネルや燃料電池を各家庭に設置するとなっても、その費用は誰が負担するのか、資料で詳しく述べられていないことが気になる。
将来的に装置の量産化が進んで各家庭に安価で導入できるようになるまで、ある程度の時間が必要だと思う。

現存する原発を放っておいても、2030年には廃炉になる。私はそれでいいのではないかと思う。
ただし原発事故を起こした国として、安全対策はきちんとして欲しい。
老朽化した原発は使わない、新たな原発は作らないと約束して欲しい。

今後のエネルギーについては、再生可能エネルギーだけではなく、日本独自のエネルギー開発をすべきだと思う。資料では次世代エネルギーが考慮されていないが、考慮すべきだと思う。
太陽光パネルの薄膜技術、日本近海の底に眠るメタンハイドレード、藻類などからバイオエタノールを作るなどの研究開発を進めていただき、再生可能だけでなく新エネルギーにも予算をつけてほしい。
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3)名古屋 男性 中部電力に勤務(20〜25%シナリオ支持)

今日は個人としての意見を。
今回のように原子力発電の必要性を論議するときは、安全か命かの二項対立の話になりがち。経済成長よりも安全や命が大事という論調だが、私はこの二つを別物とは考えていない。
世界には貧困でなくなる方が多数。薬や医療技術があってもお金がなければ救えない。
昨年の福島原発事故で、放射能の影響で直接死んだ人は一人もいない。今後5年、10年経ってもその状況は変わらないと思う。疫学のデータから見れば紛れもない事実。

経済的リスクが、命や安全のリスクにつながることとして捉えられていないことを強く懸念している。
経済が冷え込んで消費が衰退して企業の国際競争力が低下してしまえば、福島事故と同じ、あるいはそれ以上のことが、日本全体で起こると考えている。そういった視点で、各シナリオのリスクがどれだけ共有されているかを考えたい。

放射能に対する過剰反応で脱原発の論調が席巻しているが、報道されている内容に偏りはないだろうか?
経済的なリスクを「安全に無関係」として、最初から切り捨ててはいないだろうか?
太陽光、風力、水力、地熱など、再生可能エネルギーのリスク認識はどれだけ共有されているか?
ホルムズ海峡が封鎖されるようなことが現実に起こったら?

経産省の試算では、「0%シナリオ」を選択した場合、家庭の電気料金は最大で2.3倍上がる。
企業はもっと大変。電気料金が1000万円、何千万円とかかっている企業はざらにある。それで国際競争はできていくのか?
電気をこまめに消すとか、冷房を扇風機に変えるといったレベルの話ではないことを認識しているか?

提示されたシナリオは、他のエネルギーのリスクに比べて原子力エネルギーのリスクを過大に評価している。このままでは日本は衰退の一途を辿ると思う。国民の皆様の冷静なご判断を望みたいと思う。
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4)東京 男性 大学2年生(15%シナリオ支持)

環境サークルに属し、環境・エネルギー問題に取り組んでいる。
再生可能エネルギーを導入しながら原発を畳んでいくと2030年には15%くらいになるのかな、ということで選択。

今回の資料では、すべてのシナリオがGDP成長1%ほどという前提で組まれているが、まずこの点に疑問。
なぜ経済成長が前提なのか?
これから日本は人口が減り、生産年齢人口はさらに早く減るのに、それでも国内のモノやサービスを増やす必要は本当にあるのか?
さらに根本的なところで、経済成長をして、誰が何をしたいのか?
金銭という価値をさらに手にすることが豊かさの象徴なのか?
大量生産、大量消費は本当に心豊かな社会なのか?
経済成長を前提としたエネルギー戦略に賛成できない。

このシナリオの選択肢には重要なことが抜けている。
安全が大事、将来が大事、経済が大事、環境が大事・・・どれも大事、一番なんてない。
誰もがすべて満点のエネルギーを望んでいるわけではない。
自分にとってちょうどいいエネルギーを選ぶ自由こそ、本当に求めていることではないか、これまでの議論を聞いて感じた。
それを作って、それぞれの望む行動をする、それこそが各人の充足につながるのではないか。

政府には、どんな社会を目指すのか、私たち国民とともに一緒に考えて欲しい。
それを1ヶ月のような短い期間で結論を出して欲しくない。
私たちの将来を、そんなに軽々しいものにしないで欲しい。
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5)伊勢市 男性 無職(0%シナリオ支持)

できれば即廃炉、最低でも5年以内に廃炉にしてほしい。
原発の使用済み核燃料貯蔵容量は全国で2万トン、いま貯蔵されているのは1.4万トン。
あと5年もすれば満杯、どこに捨てるの?本当にこわい。

今回のシナリオについては、原子力ではなく、化石燃料の有効的な使い方や代替燃料について議論して欲しかった。

今、政府は代替燃料の「E3ガソリン」(バイオエタノールを3%混ぜたエタノール混合ガソリン)を進めていると思うが、私は見かけたことがない。本当に普及させたいのか?
E3ガソリンを進めるためにはブラジルからバイオエタノールを輸入しなければならない、という話をよく聞くが、日本国内で、農業産業の再生のためにも、福島で、東北で、燃料用作物を育てるという政策転換をして欲しい。

原発立地地域の、廃炉にしたあとの産業としては、バイオマスの燃料プラントを作り、燃料用の作物を作り、あるいは藻類からバイオマスを作って、漁業や農業の再生を進めていただきたいと思う。

熱利用に関しても、発電所も工場も、ただお湯を沸かして何かを駆動させたら終わっている。
この、捨てている熱を回収したい。回収する技術もある。
バイナリー発電、温度差発電、スターリング発電・・・こういうものを普及させる政策を採って欲しい。

政府は今、再生可能エネルギーを進めて、分散的電力システムを作ろうとしているが、わざわざ東京まで持ってこなければならない消費スタイルをやめて、省庁の機能を、まず復興庁は仙台、環境省は福島に置いて、そこに人を配置して、エネルギーを消費できるスタイルを希望する。
分散型社会というなら、政府も分散型になって欲しい。今の中央集権ではなく、すべて分散型になってほしい。
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6)岐阜 男性(20〜25%シナリオ支持)

エネルギー政策を決めるにあたっては、夜遅く明るい場所で生活ができ、電車に乗り、このように涼しい場所で会議ができるといった、現在の電気エネルギーの利用が今後も継続していく前提に立って考えなければならないと思う。その上で、大きく3つの課題があると思う。

●省エネ計画は達成できるか?
現在の日本の省エネ技術は世界でも進んでいるのに、さらに20%上積みできるのか?
今の生活水準で、高効率製品への買い換えができるのか?
さらに、万が一、省エネが達成できなかった場合に、どこから不足分を持ってくるのか?
そういうことを考えると、今の段階で、発電方式のひとつである原子力をなくしてしまうことには疑問を感じる。

●再生可能エネルギーの拡大は可能か?
再生可能エネルギーの大幅に増やしていく主たるものとしては考えられている太陽光発電と風力発電、今の発電量を約10倍にしなければならない。
太陽光発電と風力発電で安定したエネルギーが供給できるのか、疑問を感じる。
スマートビットのようなものも考えられているが、まだ計画段階であり、確立された技術にはなっていない。

●化石燃料に過度に依存していていいのか?
日本の化石燃料の自給率は非常に低い。さらに昨今、新興国もエネルギーを使って自国の経済成長を図っている。
化石燃料に頼っていると、世界的なエネルギー確保競争がはじまったとき、より多くのコストが必要。さらに、売ってもらえなくなると日本の経済は立ちゆかなくなる。そういうことを考えると、日本の今後のエネルギー政策を議論するためには、
安定供給、経済性、安全保障、エネルギー確保のための安全性を総合的に判断して決定しなければならない。

再生可能エネルギー、省エネルギーに関する技術を可能な限り構築するために、日本のみなさんが可能な限り挑戦しつつ、過度に火力発電のような化石燃料に頼ることも避けつつ、原子力による発電を一定量確保していくべきではないかと考えている。
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7)愛知 男性 自動車部品メーカーエンジニア(0%シナリオ支持)

日本の国の永続性に関する2つのことについて述べたい。

まず、放射能と命について。
この地方で冬に吹く西の季節風は、若狭湾の原発地帯から関ヶ原を通って吹いてくる。
原発事故後、風下にあたってしまった地域では農業に大きな影響。
大地から与えられる食べ物によって支えられている私たちの命は、原子力とは両立しないという思いを強くした。

放射能が最終的にどのような影響を人間に、生態系にもたらすかについて、人類は未だに充分な経験を持っていない。
長期的な健康影響について科学者の間で意見が分かれていることに加え、放射能とどうつきあっていくか合議ができていない。放射能に対して未成熟な状態。

日本には全世界の10%の地震が集中しており、日本の大地は地震、断層、噴火といった自然の猛威によって絶えず作り替えられてきた。このような自然の猛威に対して私たちは謙虚に身を守る方法を考え、社会を守る方法を考えていかねばならない。それが、日本という国土を次の世代に手渡すものの責任だと思う。

次に、原子力と差別の問題について。
原子力ははじめから終わりまで、すべて差別の上に成り立っている。
原発のある地域では、立地場所とそうでない場所で格差や断絶ができる。
原発で働くのは下請け労働者。危険な作業を安い賃金でさせられている。
核燃料となるウランの採掘地にも、差別構造が及んでいる。
核のゴミの最終処分についても、未来のこどもたちは現在の私たちに対して発言し、要求することはできない。
その立場を利用した差別。

この意見聴取会は日本のエネルギーについて、日本が国策として推進してきた原子力が、福島原発事故によって見直しの時期を迎え、その方針に間違いがあったことを認め、日本という国が将来にわたってどのような理想を実現していくかという議論をする場だと思う。
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8)神奈川 男性 会社員(20〜25%シナリオ支持)

昨年の震災後、神奈川で計画停電を体験。生活に多大な影響があった。
決して贅沢を言うつもりはないが、一日わずか数時間であっても電気のない生活は今の日本社会ではありえない。
電力の安定供給のためには、安全確保が最優先ではあるが、今後も原子力発電を一定程度維持する必要があると考える。
しかし、20〜25%シナリオにも全面的に賛成できるものではない。
その理由として、すべてのシナリオに共通する問題点について意見を述べたい。

第一に、健全な経済成長との両立について。
シナリオは原発や再生可能エネルギー、CO2の削減のみに関心が集中し、健全な経済成長との両立の視点に立った議論が不足していると思う。
すべてのシナリオで実質経済成長率はいわゆる「慎重シナリオ」が大前提になっているが、そもそも、我が国が目指すべき経済成長については、昨年12月に閣議決定された再生基本戦略において「実質経済成長率2%」という政策目標がうたわれたはず。その基本戦略との整合性について見解を示して欲しい。

第二に、想定されている省エネへの疑問。
どのシナリオでも、2030年に経済が20%成長する中で、エネルギー供給は20%減少、発電電力量は10%減少となっている。これをエネルギー効率で考えると、4割も省エネを実施する必要がある。そうとう頑張って省エネをしなければならない。
また、省エネのためだけに20〜30兆円の新たな社会的負担が発生し、その負担は国民にお願いするという政府の方針には首をかしげざるを得ない。

第三に、想定されている再生可能エネルギーへの疑問。
将来、再生可能エネルギーのために家庭の電気料金はどれだけ上がるのか?こうしたことも示して欲しい。
再生可能エネルギーはどんなに技術が進んでも、結局は天気任せ、風任せ。安定性に欠ける。
こうした不安定な電源に多くを頼ることは、電力の安定供給という観点から問題ではないか。

この国には安定した安い電気を必要とする国民が1億2千万人いる。その国民は、日々の生活だけでなく、電気をたくさん使うものづくりに従事して生計を立てている人が数多くいるという現実を見て欲しい。
電気料金が最大で2倍になる日本で、本当にものづくりができるのだろうか?
ものづくりができなくなったとき、多くの人が職を失う。産業が縮小し雇用が失われていく中で、代わりにどのような手段で国富を生み、国民はどこに雇用の場を求め得るのか。
我々の生活や安全を支える電気を、何を原資に調達するのか、はなはだ疑問である。
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9)千葉県 男性 会社員 ※広島への帰省の帰り道(15%シナリオ支持)

15%を選んだが、すべてのシナリオに共通して問題点が多いと思う。
そう考える最大の要因は、たとえば地球温暖化対策を含め、国民生活、経済への影響がきちんと解析されていないし、わかりやすく示されていないということ。

6/8に行われた会見で、野田総理は「安価で安定したエネルギーでなければ、豊かで人間らしい暮らしは送れない」と言っている。そういう視点でこのシナリオを見ると・・・

資料の電力コストの部分。
電力コストが6割も8割もアップするとされているが、そうなったらどうなるか、自分なりに考えた。
多くの国内企業が倒産、もしくは海外に移転して、雇用が守れず失業率がアップして、国民の所得が大幅に減少する一方で、電気料金や省エネコストが上がるということは、どのシナリオを選んでも「豊かで人間らしい暮らし」はできないのではないか。政府は何を目指して、何を国民に議論させようとしているのか、私にはちょっとよく理解できない。

記載されている、議論のベースとなるGDPは、研究機関の先生方が出した数字ではなく事務局が思い描いた数字ではないか。
GDPの数字には何の担保もなく、電力コストがアップしたときの日本経済の影響が正しく評価されていない。表自体の整合性に疑問を感じる。

また、温室効果ガスの削減量も、モデルで解析した数字ではなくて、政府が決めた「目標」。
もし万が一、技術的、コスト的に見て過度な数字が国際公約になったら、その瞬間から国内企業は世界的な競争力が低下するばかりでなく、結果として、省エネが進んでいない海外での生産が増えて、海外でのCO2排出量が増えて、全世界的に見たら地球温暖化対策に逆行する、これを自分は非常に危惧している。
京都議定書と同じ過ちを繰り返さないよう、温暖化の目標を見直して欲しい。

問題点の多いこのシナリオで、この国の中長期的エネルギーを議論することは、国民を誤った方向に導く可能性があると心配している。野田総理が言われるところの「国民生活を守るため」に、科学と技術に裏打ちされたきちんとしたシナリオに整理して、それを国民に分かりやすく示していただき、それに基づいて議論させていただきたい。
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3つのシナリオに対して、3名ずつがそれぞれの考えを述べる意見表明。
シナリオの支持率に対して発言者の比率を合わせるべきでは、という意見もありますが、私は、(ここでは少数派である)原発維持・推進派の方の意見も3名分聞くことができて、よかったと思っています。
ただ、その意見はどれも、経済的な観点が軸となっているもの。維持・推進派の方の中には、国防や核の抑止力といった観点でこの問題を捉えている人もいると思うので、そういった意見が聞かれなかったのは残念でした。
また、女性の発言者が一人しかいなかったことも、同じく残念でした。

私は「0%シナリオ」を支持しますが、そのためには現実として考えなければならない、代替エネルギーの研究開発・実用化の問題、日本の産業構造転換の問題があると思います。
「2030年」は近すぎる、という意見がありましたが、私にとっては「18年も先の遠い未来の話」です。
目標を18年後に置いて、その間に、達成率と達成内容の評価、問題点の見直しと軌道修正をしていけばよいのでは、と考えますが、皆さんはどうお考えになりますか?



(水曜タイムラインWeb担当:たけなか)
(2012/7/18 UPDATE)
番組スタッフ
滋賀県大津市で昨年10月、いじめを受けた市立中学2年の男子生徒が飛び降り自殺した問題。
問題は日に日に大きくなる一方で、今週も被害者家族の感情を逆なでするような新たな事実が次々と発覚しています。

■大津いじめ自殺 「息子は悪くない」加害者の母が撒いたビラ
*****
加害者の一人であるAの母親が、信じがたい行動に出ていたことが複数の生徒たちの証言でわかった。Aは、主犯格とされる一人。少年とは同じクラスで、父親は京都市内でデザイン会社を経営。母親は当時PTAの会長だった。
「昨年秋に開かれた緊急保護者会の前に、A君の母親が校門前でビラを配ったそうです。仲のいい何人かの親と一緒だったと聞きました」と保護者の一人がいう、そのビラの内容について社会部記者はこう話す。
「そこには『息子の痛みをわかってやれなかったのはそちら(少年の両親)のはず。うちの子が悪いというのは責任転嫁です』といったことが書かれていたそうです」
Aの母親は昨秋の緊急保護者会でもマイクを握り「うちの子は仲よくプロレスごっこをしていただけなのに、犯人扱いされて学校に行けなくなった。うちの子が自殺したら、ここにいる保護者や先生の責任だ」と言い放ったと報じられている。
*****
「FLASH」2012年7月31日号


■市教委、抗議FAXが殺到したので警察に被害届を出すか検討中
*****
大津市教育委員会には先週から16日までの間で市教委を非難する500枚以上のFAXが届いています。
教育長などの個人名を挙げて一連のいじめ問題の対応を非難しています。
市教委ではFAX回線が長時間塞がれ業務に支障が出るとして警察に相談し、今後被害届を出すかどうか検討しています。
*****
「ABC WEBNEWS」2012年7月16日(現在、この記事は削除されています)


また、ネット上では加害者とされている生徒の実名、顔写真や住所だけでなく、親の肩書き、勤務先まで暴露するサイトも登場。
タレントのデヴィ夫人も10日付のブログに、加害者とされている生徒の実名、顔写真、親の実名や素性を掲載し、物議を醸したのは記憶に新しいところ。
ちなみに、デヴィ夫人のブログに掲載された情報はデマが多かったため、アップした翌日には内容が修正され、実名はイニシャルに、顔写真はすべて削除され、その後、謝罪文も掲載されています。

こうした加害者の素性を晒す行為を含め、今回の問題に関して、ネット上ではさまざまな議論が交わされていますが、中でも精神科医の斎藤環氏が7月7日から8日にかけてTwitter(@pentaxxx)に書き込んだ内容は、togetterでまとめが作られるなど、ネット上で広がりをみせています。

*****
毎度毎度、判で押したように反復される既視感にいささか眩暈が。臭気、おっと周期はだんだん短くなってますね。マスコミが学校側や教育委員会その他をまず叩き、ネット上では加害者とその家族が特定されて雁首並べて晒される。
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*****
識者が担ぎ出されて「やりかえせ」「チクれ」「逃げて良いんだ」とか十年一日の御託が並べられ、
若者の病理と変質がみてきたように語られ…すっかり溜飲を下げた人々は1ヶ月もすれば報復感情も癒えてまた忘れる。
*****
*****
自殺報道の危険性が何度指摘されても改められないのは、どう考えても報復感情が「娯楽」として
消費されているからだ。絶対に悪い連中をリミッター外してボコボコにする快感に、果たしてあなたは抵抗できるか?
*****


加害者の実名、顔写真などがネット上に晒されたことで、カタルシス(心の中にあるわだかまりが何かのきっかけで一気に解消すること)を感じた人は少なくないでしょう。
わたしも、そのひとりです。

当事者にとって、今回のいじめ問題の終着点はおそらく、加害者がいじめを認め、何らかの罰を受けたとき。
しかし、第三者であるわたしにとって、今回のいじめ問題の終着点は、加害者の実名、顔写真などがネット上に晒されたときだったように思います。
なぜなら、実名、顔写真が晒されたいじめの加害者は、社会的に抹殺されたに等しいと思うから。
悪事を働いた者が報いを受けた瞬間にわたしが感じてしまったカタルシスは歪んでいて、不謹慎なものなのでしょうか。

わたしは歪んだカタルシスを感じつつ、「いじめの加害者の実名、写真をネット上に晒すという行為は、今後、いじめ問題に何をもたらすのか?」、この疑問に対する答えを探し続けています。

実名を晒される恐怖から、いじめそのものの抑止力につながるのか。
それとも、自殺すれば、誰かが報復してくれるという哀しい希望から、いじめによる自殺が増えてしまうのか。

おそらく、その両方なのでしょう。

<web担当:H>
(2012/7/17 UPDATE)
番組スタッフ
久々の明るいニュースだった、「パンダの赤ちゃん誕生」
生後一週間で赤ちゃんは死んでしまい、
残念な気持ちになった人も少なくないはず。

テレビでは、パンダ死亡のニュース速報が流れ、
その後、上野動物園の園長、副園長、動物病院係長が揃って緊急会見を開催。
同日、旗揚げをひかえていた“小沢新党”が霞むほどの大騒ぎになりました。

しかし、その緊急会見が、パンダが可哀想…というより、
もはや上野動物園の園長が可哀想…という
おかしな空気になっていたのをご存知でしょうか?

●上野動物園長はなぜ涙を見せたのか パンダの死「40分記者会見」の異様
/J-CASTニュース 7月12日

会見場に集まった記者は総勢50名ほど。
赤ちゃんパンダの死因について、厳しい意見や質問が飛びかったそうです。

そこで、どのくらい異様だったのか?と、
ニコニコ動画で生中継された会見の模様を改めて見てみたところ、
まるで、東電会見のような重い空気。その一部をご紹介します。

まず記者からの質問も、死因については…

「事故ではなく過失という可能性はないのか?」
「母親の元に戻したという判断は正しかったのか?」
「乳を詰まらせないように対策はできなかったのか?」


また“24時間体制で赤ちゃんを監視していた”という点について…

「どれくらいのペースで見るものなのか?」
「『何分に何回見なきゃいけない』とか、そういうマニュアルはないのか?」


…などなど、まるで“詰問”のような質問が飛び交いました。

この会見を視聴したニコニコユーザーのコメントは…

「騒ぎすぎ」
「パンダ>小沢www」
「動物園が悪者みたいになってるな」
「これは平和ボケではない。異常だ」
「もう熊に色塗りゃいいじゃん」
「やめたげて…」


…と、会見のあり方を疑問視する感想が、多数寄せられていました。

会見場で繰り広げられる激しいやりとりと、
冷静な反応で見守る視聴ユーザーとの間に生じた“温度差”。
この差こそが、震災以降に広がってきた
“マスコミへの不信感”そのものだと私は思いました。


確かに動物の赤ちゃんが死んでしまうのは悲しいですし、
“絶滅の危機に瀕した貴重な動物”という観点もあるのですが、
人間が死んだわけではありません。

その一方で、国内に問題が山積みということは、記者の方々も御存知の通り。
“野生のパンダの約半数が、生後一週間前後で死亡する”という
専門家の意見まで報じられているなか、
「過失の可能性は?」とまで問いただすことに、何の意味があるのでしょうか?


“パンダ急死会見”の報道が「アリ」か「ナシ」かの境界線。
これ完全に、「ナシ」だと思います。


ちなみに、和歌山県・南紀白浜アドベンチャーワールドでは、
既に12頭のパンダの繁殖に成功しているそうです。
2010年8月に生まれた双子のパンダ「海浜」ちゃん「陽浜」ちゃんも、
すくすくと育っているとのこと。

上野動物園の赤ちゃんパンダの死に落胆された方は、
和歌山まで足を運んでみてはいかがでしょうか?

担当:梅木
(2012/7/16 UPDATE)
番組スタッフ
日本のものづくり産業に元気がない…と言われてどのくらい経つでしょうか。
今月末からロンドンオリンピックがはじまります。オリンピックといえばテレビの買い替えというイメージがありますが、先日、某メーカーの新しい液晶テレビが登場するとのリリースがありました。
私はこのニュースを見て、何だか悲しい気持ちになりました。

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シャープは7月10日、液晶テレビ「AQUOS H7」シリーズに40V型の「LC-40H7」を追加した。LEDバックライトを採用し、USB HDD接続による録画にも対応する(中略)ジャンルやキーワードを事前に登録しておけば、番組を自動検索して、検索にヒットした番組を番組表上で色分け表示する番組自動検索機能を装備。番組開始直前に通知もしてくれる。本体にはベル音を内蔵し目覚まし時計として利用することも可能。「明るさセンサー」や「照明オフ連動機能」、「無信号電源オフ」「無操作電源オフ」などを搭載し、テレビ側が自動で節電する機能も備える。
<C-NET Japan>
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パナソニックのテレビ事業収縮、東芝のテレビ国内生産撤退は、日本のものづくり産業の衰退を象徴するニュースとして記憶に新しいところです。
そんな中、記事にあえてするような機能でもないと思うのですが、目覚まし時計付きのテレビを某メーカーがリリースします。
何でもできる多機能なスマートフォンへの憧れなのでしょうか。
なぜテレビにベル音の目覚まし機能がいるのか、テレビとしての役割とニーズを把握しているのか、開発者は実際に使ってみたのか…
色々な疑問がわき上がる新製品発表です。
社内でどんな会議が行われたのか、実に気になるところではありますが、
某メーカーは2010年、1990年から使っていたスローガン「目の付けどころがシャープでしょ。」から「目指してる、未来がちがう。」に変更しました。
今回のテレビのことを考えると、某メーカーが目指す未来は明らかに、私たちが求めているものとは違うのかもしれません。


テレビ、白物家電、パソコン、携帯電話などをひっくるめた日本製品と、最近何かと比較されるのがアップル製品です。
iPhoneを取り扱うソフトバンクの孫正義社長は昨日、都内で開いた法人向けイベント「SoftBank World 2012」の基調講演で、「過激な言い方」と断りつつもこう呼びかけました。
 「iPhone、iPad、スマートフォン、どれも持っていないという人は、今日から人生を悔い改めていただきたい」
「iPhone、iPad、片方しか持っていない状態では、戦に出たら負ける」

情報が武器になる現代、企業戦士は武士の両刀のように、両端末を身につけるべきと孫社長は語ったそうです。
自社から出る国産製品を含む、アップル社以外のメーカー端末を見限った…そんな穿った見方をされてもおかしくない発言だと思います。
孫氏に人生悔い改めろと言わしめるほど、何物のiPhoneの前には及ばないのでしょうか。

ウソかホントか、アップル社がテレビを作るのでは…というウワサもあります。
今年の4月、マーケティング調査会社のKAE社と投票サービスのToluna社が
何とアメリカの消費者の25%、イギリスの消費者の30%が、アップルブランドのテレビに魅力を感じており、発売されたら購入したいと答えているそうです。

最近の携帯電話やスマートフォンのCMを見ていても、あえてその機能を推す意味はあるのか、そもそもそんな機能は必要なのか…と疑問視したくなる製品が目立ちます。
日本の製造業が目指す未来は、どうもユーザーを無視しているような気がしてなりません。

スタッフ:坂本
(2012/7/12 UPDATE)
番組スタッフ
オウム真理教事件、和歌山カレー事件、光市母子殺害事件などの弁護を担当している安田好弘弁護士、と聞いて、みなさんはどんなイメージを思い浮かべますか?

私が安田弁護士の名前を覚えたのは、光市母子殺害事件の差し戻し審のとき。

犯行の残虐性、加害者少年が獄中から友人に充てた手紙のなかの腹立たしい言葉の数々に加えて、「女性殺害後の屍姦は“生き返らせるための儀式”」「“ドラえもん”が何とかしてくれると思った」「乳児を殺すつもりはなく首に“ちょうちょ結び”をしただけ」という信じられない弁護。私にとってこの事件の印象は最悪で、同じ人間なのに言葉が通じないような気持ち悪さと激しい嫌悪感を、加害者と弁護団の両方に対して、ずっと抱いていました。
報道越しに見る無愛想な写真や映像も手伝って、「悪魔の弁護人」のイメージは私の頭にも完全に固着。死刑廃止運動を進めるために裁判を利用しているのだろう、とさえ思っていました。

その安田弁護士を追いかけたドキュメンタリー「死刑弁護人」が公開されていると知り、嫌悪感よりも強い「いったいどういう人なの?」という興味に引っ張られて、観に行ってきました。

++++

死刑弁護人 公式サイト
http://shikeibengonin.jp/index.html

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この日は上映後、安田さんご本人と、経済評論家の勝間和代さん、映画監督の森達也さんの鼎談があるということで、平日にもかかわらず整理券は午前中で完売。私は105番で、ギリギリ間に合ったのでした。


Photo01
<写真>満席の館内


* * *

映画は、安田さんがこれまでに関わってきた事件、現在関わっている事件を追いかける形で進みます。和歌山の毒カレー事件では、被告が殺人をおかした「証拠」にねつ造の可能性がある、というシーンも出てきます。

映画のなかの安田さんは、今まで私は何を見ていたのだろうと思うほどの別人でした。
学生運動を通して、国家が権力の間違った使い方をすることを身をもって体験した人。
徹底的に弱者の側に立ち、被告の言葉を疑わずに事実を拾い集める、利他精神の人。
どんな人間でも、ヒトラーですら、更生できると信じてぶれない人。

安田さんを映すカメラは、「人を殺したら死をもって償わなければならない」「大切な人が殺されたら同じかそれ以上の苦しみを与えたい」「復讐が許されないなら私に代わって誰かに“成敗”して欲しい」という、私のなかの暴力性も露わにします。

私は死刑やむなしと思っている人間ですが、その視点の出発点は被害者側にあります。
映画を観終わってもなお、自分が被害者遺族になったとき最後の心の拠り所がなくなってしまうから、死刑制度がなくなるのは怖い、という気持ちを払拭することはできていませんが、「もし加害者の側になってしまったら?」「私の大切な人が、やってもいないことや、実際にやったことよりも重い罪を着せられて死刑になる可能性があっても、私は死刑賛成と言い続けられるだろうか?」というもうひとつの問いかけが、心に刻まれました。
たくさんの人に観てほしいと心から思う、すばらしいドキュメンタリー作品です。



上映の後の鼎談では、犯罪抑止力について、勝間さんからこんな意見がありました。


Photo02
<写真>左から、勝間和代さん、安田好弘さん、森達也さん


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死刑存置派の人たちのレトリックは「死刑があるから犯罪が少ない」というもの。しかし実際には、犯罪が少ない国は経済格差が少ない国です。犯罪は経済格差で起こります。犯罪が割に合ってしまう。経済格差がなくてある程度豊かであれば、犯罪をする必要はありません。犯罪の抑止力は「経済の発展」であり、社会の中に格差を作らないことです。

日本が平等社会か、不平等社会かという議論がありますが、統計的には不平等社会です。
生まれつきの階級が移動する確率が非常に低い。アメリカその他の国は、たしかに不平等社会ではありますがが、階級移動は日本より楽です。
日本は公教育が弱いので、ある程度の階層に生まれないと教育を受ける機会すら奪われてしまう。教育が受けられないと就職ができない、就職ができないと生涯賃金や家庭環境に影響して、犯罪に巻き込まれやすくなる、という大きな問題があるのです。

私が視察したアメリカの刑務所では、徹底的な人間関係支援を行っていました。犯罪をおかす人はコミュニケーション障害を抱えているケースが多い。人に対する接し方を教育して、行動習慣、生活習慣を改善することで、再犯率は非常に低くなります。
「犯罪」ではなく「障害」と捉えて、どうしたら改善できるかという考え方。
日本では「犯罪者は自分たちとは違う人」と捉えられていると思います。切り離して隔離して、知らないことにしたいという行動原理。そうではなくて、仲間の自立心をどう助けるのかという視点で犯罪の捉え直しをやっていかないと、問題は解決しないと思います。
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また、安田さんは死刑制度について、こう話していました。


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死刑というのは単に政治的な制度だと思います。政治を司る、政治システムを作っている人たちが、どういうシステムをこの日本の中に持ち込むか、ということです。
死刑を絶対に手放さないのは検察の人たち。死刑という威嚇力、恫喝力を社会の最後の場面に用意しておかざるを得ない、という思想で作られている政治システムです。
「日本の8割の人たちが死刑を支持している」ことを根拠や盾にして、自分たちの政治を正当化しているだけの話。政治家や官僚が考えれば、死刑廃止は簡単にできることです。犯罪被害者への手厚い支援、犯罪に対する社会全体の理解を上げることと防止策を用意すれば、死刑をなくすのは難しいことではない。世界の3分の2が死刑を廃止しているのですから。
私たち市民が死刑うんぬんということより、むしろ根本的なところで、政治システムがどういう風に作り上げられていくのかを、しっかりと見据えていかなければいけないと思います。
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最後に、会場から「絶望することも日々あると思いますが、やってきてよかったと思えることはありますか?」と質問された安田さん。その答えは、胸に詰まるものがありました。


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僕が弁護した事件の少年、一審が死刑で二審が無期懲役の彼は、岡山刑務所に服役して、もう20年近く経つと思いますが、服役している間、被害者のお父さん、お母さんに対して毎年、謝罪の手紙を書き、わずかな作業報酬を送り続けています。
何年も送り続けたけれど、被害者遺族からは何の返事も来ない。
ところが、7年目に一枚の葉書が届くんです。「がんばりなさいよ」と。
その後、さらに何年か経って、お父さんから再び
「君がもう二度とこんなことを起こさないことを、僕は本当に分かった。社会に出てこい。その気持ちを社会の中でもっと活かしてみろ」と。
仮釈放を審査する「更生保護審査会」という機関があるのですが、そこに対しても、彼を仮釈放してくれという手紙を書いてくれたんです。
被害者遺族のお父さんは大変厳しい人で、私どもが行っても全然会ってくれなかった、そんな人が、加害者少年が成人になり、謝罪の手紙を書き続けることを通して、もう一度、加害者に目を向け直し、信頼できると見てとれたんだと思うんです。
加害者と被害者がそういう形で関係性を作り直すということを、初めて目にした。それだけでも、弁護士をやっていてよかったなと思います。

こういう話は、伝わってこないだけで、実はあちこちであると思うんです。
人間だから、誰だって、やったことについては一生懸命、謝罪して、贖罪していこうと思うのが当たり前。そして被害者側も、どこかで許してあげようと思うのが当たり前のことです。ずっと憎しみ続けていくなんて、そんな難しいことはない。
もう一度、人間が、加害者と被害者が出会い直すということ、そういうシステムを作っていかないといけないと思います。
++++





(水曜タイムラインWeb担当:たけなか)
(2012/7/11 UPDATE)
番組スタッフ
昨日、番組でも取り上げた、毎週金曜日の夜に行われている「首相官邸前デモ」。

先週の金曜は、雨にも関わらず、主催者によると約15万人の参加者が集まるなど、デモの規模は拡大を続けていますが、その一方でこうした状況に水を差すかのような、ある2人のデモに対する見解が、今ネット上で物議を醸しています。

ひとりは、オウム真理教の元外報部長で「ひかりの輪」の代表・上祐史浩氏。
物議を醸しているのは、上祐氏が週刊誌に語った以下の内容です。
*****
「これほどデモをやってるのに再稼働が止められない、政治が変わらない」という不満も聞きますが、それは、それぐらいしか変えようと思ってないということなのでは。本当に変わるのは維新の志士のように皆が必死になるときではないでしょうか。
サリン作って、炭疽菌作って、自分たちも死ぬ思いをして、死ぬ恐怖を抱えて革命しようと思った妄想で狂ってる人間たちから見ると、「なんだよ、まだデモしかやってないんでしょう」って。「それで変われるわけないじゃん」って。もともとデモぐらいの努力で変えられるものだったら、オウムも選挙で勝ってたろうし。
だから、「どうしたら今の政治が、国が、変われるのか」という話を聞くと、私は、「本当に皆、変わりたいのかな」と違和感を覚えるのです。そしてもし、その本音が、長い地道な努力の積み重ねではなく、誰かに委ねて楽に変わりたいということならば、それはオウムのように危険だなと。

*****
「週刊プレイボーイ」2012年7月16日号より抜粋

この発言に対するネット上の反応は賛否両論。
「つまりテロをしろってことか」「いやいや無差別テロとデモを比べるなよ」と批判の声がある一方で、「正論だな」「確かに心の底から原発再稼働に反対しているのはごくわずかだと思う」「でも実際デモだけじゃ何も変わんないよね テロぐらいしないと響かないよ平和ボケしてるし」と共感する声も見られました。

そして、もうひとりは、神戸大学大学院国際協力研究科の木村幹教授。
木村教授が先月29日にTwitterでつぶやいたデモに対する見解は、多くのネット住民の共感を呼んでいます。
*****
「相変わらずTLはデモで持ち切り、という感じ。さて、デモの拡大はどういう政治的インパクトを与えるのだろう」
「素朴な疑問。反原発デモの人達は、どうして夕方にはじまり所定の時刻に解散してしまうのだろうか。勿論、法的規制があるのはわかるけど、例えば安保の時見たいに、昼間に国会を包囲したり、霞ヶ関の路上を占拠して官庁街の機能を止めたりすることを考えないのだろうか。ちょっと不思議」
「秩序よくシュプレヒコールを繰り返して定刻に解散するデモ隊が、どの程度政権に対して圧迫感があるのだろう、と思ったりします。理論的な関心ですけどね」

*****
木村幹教授のTwitter(@kankimura)より抜粋

2人に共通するのは、「今、行われているデモで政治を変えるのは難しい」という視点。
デモが盛り上がっている今、水を差すようで言いにくいのですが、これにはわたしも同感で、また多くの人も密かにこう思っているのではないでしょうか。


今、広がるデモの特徴は「暴徒化せず、整然と言葉で抗議している」「非暴力で安全」。
「時代の新たな意思表示」といった表現を使って、持て囃されつつもあります。

しかし、デモの声を聞く側の野田総理は先々週の金曜、官邸前で行われているデモについて「大きな音だね」と警護官に語り、先週金曜には「多くの声、さまざまな声が届いております」と取ってつけたように語ったといいます。
そして、最大の焦点となっている大飯原発は、あっけなく再稼働。

日本で規模的には拡大しているデモ。行儀よく始まり行儀よく解散する、今の形のままやり続ける意味はあるのでしょうか。
野田総理のこうした態度を見るにつけ、やり続ける意味を見つけることは難しいように思えてしまいます。

高い志を持ってデモに参加している人たちを否定する気は一切ありません。
ただ、ゴールが見えぬまま、デモへの参加を煽る風潮に違和感を覚えてしまうのです。


<web担当:H>
(2012/7/10 UPDATE)
番組スタッフ
『事なかれ主義の極み』…
そんな言葉が思い浮かんでしまう事件が、世間を騒然とさせています。
滋賀県大津市の男子中学生が、いじめにより自殺してしまった問題です。

■いじめた側にも人権…「自殺練習」真偽確認せず/読売新聞7月6日
記事によると、男子生徒の自殺をうけて行われた全校アンケートには、
「自殺の練習をさせられていた」との回答があったそうです。
しかも、その回答があったことを、市の教育委員会が隠していたとのこと。
そして、加害者とされる同級生に対しては、自殺の練習が事実かどうかを
確認することすらしなかったそうです。

市の教育委員会の言い訳は…
“いじめた側にも人権があるので、配慮が必要だと考えた。
『自殺の練習』を問いただせば、
当事者の生徒や保護者に『いじめを疑っているのか』と
不信感を抱かれるかもしれない、との判断もあった“

しかし、いじめた側にも人権があるのは当たり前。
ならばむしろ、真実をちゃんと調査するべきじゃないでしょうか。
いじめの疑いが、濡れ衣の可能性もあるのですから。


この「自殺練習」に留まらず、全校アンケートでは、
その他にも、酷い事実が浮かび上がっています。

*ハチの死骸を食べさせられそうになっていた
*男子学生の自殺後も、彼の写真に落書きがされていた
*担任教師は笑いながら「やりすぎんなよ」と言っていた

これが民間の会社であれば、確実に責任者数名が厳重な処罰を下されるレベル。
なのに、教師やいじめた側の権利だけが擁護されているなんて、
亡くなった子も家族も、あまりに救われません。

いじめ問題は、残念ながら、いつの時代にも存在してきました。
その度に少なからず見かけるのが、
「いじめられる側にも責任がある」という理屈です。
私は、こういった意見こそが、いじめ問題の根深さだと思います。

いじめられる人には、何らかの「原因」がある場合もあります。
でも、いじめを「する」か、「しない」かの境界線は、
結局のところ、加害者の側に委ねられていると思うのです。

今回の問題については、大津市長が外部の調査委員会をつくり、
事実関係を再調査する方針を示しています。

この調査で真実が明らかになり、加害者側に正当な処罰が下されることで、
今回の被害者だけでなく、全国でいじめを受けている人達にとって、
少しでも救いになれば…と祈るばかりです。

担当:梅木
(2012/7/9 UPDATE)
番組スタッフ
今日、大飯原発3号機で発電を開始し、関西と福井県の一部へ送電を始めました。
9日にもフル稼働に到達する見通しです。

大飯原発の再稼働をめぐっては、反対運動やデモが各地で行われました。
大飯原発を有する福島県のおおい町では、「原発再稼働監視テント」がはられるなどして、連日何らかの反対運動があったそうです。
そんな中、おおい町住民と反対運動参加者のツイッター上でのやりとりが注目を集めました。

そのやりとりを簡単につづると、
おおい町に住む女子高校生(*当時。本当は男子高校生だそうですが…)が、ある反対運動参加者宛てに、参加者らが公衆トイレのコンセントを勝手に使用している画像をツイート
彼女(彼)は「みなさんは簡単に言うと電気泥棒をしてましたよ。これは明らかに犯罪ではないですか??」と述べると、その反対運動参加者は次のように返信しました。

「東電や関電や政府や警察、行政の方がひどい犯罪を犯してると思いませんか?!」

さらにおおい町に住む彼女(彼)は
「あの騒音(僕は騒音だと思っています)が町民にどれだけ影響を与えているか考えたことありますか??図書館の近くでやっているという自覚はありますか?? 受験勉強に取り組んでいる人たちの邪魔になるとは思いませんか??」
とツイートしています。

この後の一連のやりとりが、togetterでまとめられ、ネット上で話題を呼んだのです。
「電力会社に対する反対運動なのに、発電機も用意せず、電気を盗むとは何事か」という声もありました。

それにしても何だか最近、「反原発・脱原発運動」のイメージが損なわれつつあるような気がします。例えばある世界的に名のあるアーティストは、「脱原発」を表明しておきながら、自身は電気自動車のCMに登場しているということで、批判されました。
また、脱原発運動家の中で一番の有名人と言えば、俳優の山本太郎さんです。
彼は子供の未来を守るのために先導役となり、自身のポリシーに乗っ取った活動をされているようですが、そんな山本さんの姉が先日、大麻所持で現行犯逮捕されました。
脱原発運動に疲れたためと語る姉の逮捕に関して、山本さんは次のように謝罪しています。

「同じ脱原発者であり、身内から逮捕者が出て大変申し訳ありませんでした。姉にはきちんと社会的処罰を受けてもらいたいです」と謝罪。姉の逮捕後、公の場で言及したのは初めて。その後、帽子をかぶり直すと目元に力を込めた。
「姉はもちろん悪いのですが、放射性物質を多くの人に吸い込ませている人たちが逮捕されないことは、もっと信じられ
ない」
<日刊スポーツ7月2日>

子供のためだ、未来のためだなどと大義名分を掲げられても、
自身の罪を棚に上げて、東電はもっと大きな罪を犯しているなどと言われると、
私はどうも冷めた気持ちになってしまいます。


原発・放射能汚染の問題に関して、子供たちの健康は保障されるべきです。
長時間に及んだおおい町の反対運動には、雨の中、子供も参加していたと聞きます。
しかし、雨にもかかわらず、深夜まで子供をデモに連れ出すことに何の意味があるのでしょうか。

反原発・脱原発運動のあら探しをすると、原発容認派と捉えられることもあるようですが、「原発はない方がいい、しかし、自分たちの大義を押し通そうとする感情だけの反原発運動に違和感を覚える」という人は、上記のツイッターのやりとりが話題になったことからみると、意外と多いように思われます。
もちろん、中には自分の家族、子供のために、理路整然とした反対運動を展開している方々もいると思います。しかし、そういった人たちの活動は、今回取り上げた人々のために、無に帰してしまうこともありえるのではないでしょうか。
お祭り気分で原発反対運動に参加してはならないという、ごくシンプルなことを改めて知られされました。

「事件に大きいも小さいもない」
どこかのドラマでどこかの刑事が言ったような気がする、そんな言葉が思い出されます。


スタッフ:坂本
(2012/7/5 UPDATE)
番組スタッフ
再稼働を目前に控えた福井県の大飯原発で、反対派の市民が機動隊とにらみ合いを続けていた先週の土曜日。東京では、平和を願う映画祭が行われていました。

ドキュメンタリー映画の上映と有識者のトークで構成された東京平和映画祭
番組コメンテーターの上杉隆さんも参加したパネルトーク「今こそ、いのちつながる選択を」を聞いてきました。


* * *


パネリストは次のみなさん。ドキュメンタリーフクシマの嘘を制作したドイツZDFテレビのヨハネス・ハーノさんは、急遽出演が決まったそうです。

ヨハネス・ハーノさん(第2ドイツテレビ ZDF 東アジア総局長)
佐藤潤一さん(グリーンピース・ジャパン事務局長)
藤波心さん(タレント)
上杉隆さん(自由報道協会代表)

photo01
<写真>パネルトーク


映画祭プロデューサーのきくちゆみさんがファシリテーターとなり、合間合間に「いま大飯原発の抗議活動はこんな様子」と速報を挟みつつ進んだパネルトーク。
私の印象に残ったのは、こんなやりとりでした。


+++++
佐藤さん:

私はグリーンピースという、日本人の間では非常にイメージの悪い団体で、3.11前は「テロリスト」と言われていました(会場笑い)。3.11以降、「グリーンピースって信頼できるよね」と言われるようになった。グリーンピースの信頼が上がったのか、政府の信頼が下がったのか分かりませんが・・・
グリーンピースのやっていることは変わりません。海洋調査であれば、船を出して現場で調査するという活動をやってきました。

40年前にグリーンピースができたんですが、人口8000万人のドイツには80万人のサポーターがいます。オランダでも60万人。しかし日本では5000人なんです。
グリーンピースのような直球勝負のNGOを認められる社会というのは、そこに意見の多様性が担保されるんです。政府の審議会にグリーンピースのスタッフがいるなんて、日本ではなかなか想像すらできないと思いますが、ヨーロッパでは当たり前です。

ジャーナリストであれ、NGOであれ、多様性を担保した中で情報を精査できる社会が重要なのだし、そういうところで育つ人は、疑問を持ったら自分で調べることができるんですね。ドイツの若者は、自分たちでデモに行って自分たちで体験する。そういうことを若者がやれる社会というのが、情報の多様性が担保されている社会だと思います。


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藤波さん:

「Friends after 3.11」がベルリン国際映画祭に招待されて、舞台挨拶に行ったとき、日本との違いを感じました。タクシーの運転手さんが私たちの顔を見て、日本人だとわかると、「ネットやテレビで福島のニュースは流れているよ。日本は広島、長崎と原爆の被害を受けて、今回、福島の原発事故で国内に放射能をばらまいて、国外にも放射能をばらまく加害国になってしまったのに、どうしてまだ脱原発できないの?」と言いました。一般の人がそんな話題を振ってくるんです。

この違いは国民性なのでしょうか?原発に対する国民の関心が下がってきているいま、市民レベルで一人一人に関心を持ってもらうためにはどうしたらいいのか。ハーノさん、どう思われますか?


+++++
ハーノさん:

私は社会運動の専門家ではないので、答えられるか分かりませんが、ジャーナリストとして私がやらなければいけないことは、一般市民に正確な情報を知らせること、「暗闇に光を照らす」作業です。情報をみなさんにもたらすことによって、人々は情報に基づいた選択をし、判断することができる。情報があれば、人々は正しい選択ができるはずです。

これは中国でも言えることです。中国でも、政府は情報を隠そうとします。震災後、日本での取材を終えて中国に戻ったとき、政府から呼び出されて、「3.11後の日本人の冷静な行動について、あなたはどう思うか」と聞かれました。
私が「分からないけど、もし同じことが中国で起こったら、中国は“カオス”になってしまうだろう」と答えると、相手は「もし中国で同じことが起こったら、中国政府は絶対に情報を出さない。それにしても日本と中国の差はなんだろう?」と考え始めました。
中国は中央集権の社会で、人々を権力で完全に押さえつけることができます。それに対して、日本はオープンな社会ですから、情報を隠すことができない。

実は、私にも疑問があります。私はいま、アジア総局の北京事務所にいて、中国に住んでいます。同僚たちは、中国で表現の自由を担保されていない。一方、日本には表現の自由がある。にもかかわらず、人々がそれを行使しない。それはなぜなんだろう?というのが、私の中にある疑問です。



これに対して上杉さんが、「マスメディアと独裁的な官僚機構によって日本人は二重に洗脳されているから」と説明しましたが、ハーノさんは「メディアの問題は他の国にもあること。それ以外にも理由があるのでは?」と納得できない様子。上杉さんはさらに記者クラブ問題を説明しました。


このパネルトークのテーマである「いのちがつながる選択」については、佐藤さんのこの発言にハッとしました。


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佐藤さん:

私が自分に課している判断基準は、「20年後、30年後の人たちが、どっちが正しかったかと判断するか」ということです。20年後の自分のこどもが、20年前の私に対して、正しい行動だったね、と言ってくれることを、常にやらなきゃいけないと思っています。

大飯の反対活動を見て「過激だ」と思っている人たち、いっぱいいると思うんです。でも、20年後から見たら、「なんであのとき再稼働させたんだ」と。ゲート前を占有することより、再稼働をさせたことのほうが遙かに大きな犯罪だと思うんですよね。なので、細かいことよりも、もっともっと引いて見て、何が本当に重要なのかを見るためには、20年後の人々の立場になって考えてみるということを、私は実行していきたいなと思っています。


* * *


映画祭が終わって、プロデューサーのきくちさんにお話を伺うことができました。
(インタビュアーは番組ディレクターです)

photo02
<写真>きくちゆみさん


+++++
Q. 今年9回目を迎えた東京平和映画祭、始めた当初と現在で、目的は変化していますか?

A.
「ドキュメンタリー映画を通して平和で持続可能な社会をつくる」というのを目的に続けてきました。映画祭を始めた当初はイラク戦争などがあった頃で、戦争を止めることや、大量破壊兵器がないのに戦争をしているという真実を伝えることが、メインの目的でした。

いまもまだ、世界で戦争は続いていますが、福島の事故の後、この日本国内が戦争みたいになってしまった。いま起こっている情報隠蔽や食べ物からの内部被ばくというのは、私は戦争と同じだと思うんです。権力のある人たちが市民に情報を教えないで、見殺しにしていくということ。それに対して私たち市民の側からは、映画を通して情報を発信・共有し、みんなで生き延びていこうよ、ということです。

そういう意味で、以前はよその国の戦争だったけど、いまは、日本で起こっている原発震災と、その後の命が蝕まれている状態に対して、私たちは「NO!」だし、生きていきたい、という思いで、この映画祭をやっています。


Q. 日本の中で、平和を脅かされる戦争が起きていると・・・

A.
私は低線量被ばくの問題をずっと追いかけていて、アーネスト・スターングラス博士を日本に紹介した人間なんです。博士の通訳をしながら、一緒に講演旅行をしました。そのなかで博士が繰り返し言っていたのが、「原発というのは、事故なんかなくったって、まわりの赤ちゃんをいっぱい殺しているんだよ」ということ。博士は死にすぎた赤ん坊という本も書いています。原発を止めるだけで、乳幼児死亡率は半分ぐらいに減るという主張です。

それで、原発は「安全に運転していればよい」のではなくて、そもそも「安全に運転していても小さくて弱い子は淘汰されていく」という技術に反対する気持ちで、ずっとこの言論活動をしてきました。
それがまさか日本で起こるというのは、本当に青天の霹靂だったんですけど・・・

戦争に反対するだけでは命は守れない。まず、我が日本にある危機を、この映画祭ではこれから伝えていきたいと思っています。福島の事故はなかなか収束しないでしょうし、収束した後も、日本で原発を動かそうという勢力がある限り、私たちはこの活動をやめないと思います。


Q. 原発に対する考え方はいろいろありますが、推進派、反対派がお互いを認めていない、分断化されている空気を感じます。話し合いによってお互いが改善策を模索できるようになればいいなと思うのですが・・・

A.
日本はいま両極化していますよね。それはでも、私は当然だと思うんです。「持っている情報の差」だと思います。今日のパネルトークで上杉さんやハーノさんが言っていましたが、正確な情報さえあれば、人々は判断できる。

アーネスト・スターングラス博士は、「原爆実験なんかやったらアメリカのこどもが死ぬんだ」とケネディ大統領に直訴して止めさせた科学者です。事実を知ったケネディ大統領は、ソ連と争っているときでしたが、原爆実験を止めたんです。

このように、私たちに欠けているのは「正確で多様な情報」。そんな中で分断が起こるのは当たり前です。だってお互い、寄って立っている情報が違うんですから。でも、みんなが現実の情報の共有を「これ知ってた?」「あれ知ってた?」とやっていったら、近づいていくと思います。

ただ、お互いを罵倒するだけ、批判するだけの関係はイヤですね。相手の立場とか、仕事上どうしようもないとか、そういったものも理解したいし、たとえば、家族の中で男性と女性の意見が違って離婚に至ってしまうケースなんか、すごく悲しいじゃないですか。いちばん大事なのは家族が仲良くやっていくこと、それが幸せですから。

自分に何ができるか分からないけど、ハーノさんの言葉を借りれば、私は「闇に光を照らす」側でいたいと思います。
+++++


考え方の違いから来る分断化、私も身近なところで感じます。
やはり、「自分の情報や判断が常に正しくて、相手のは間違っているか偏っている」とお互いが思ってしまっているところに原因があると思います。
原発賛成の人と反対の人が一同に集って自由に発言できるイベントなんて、ないでしょうか?
あれば、ぜひ参加してみたいです。


(水曜タイムラインWeb担当:たけなか)
(2012/7/4 UPDATE)
番組スタッフ
ダウンロード違法化の阻止を目的に、先月下旬から続いている、国際的なハッカーグループ「アノニマス」による日本へのサイバー攻撃。
これまでに、財務省やJASRACのサイトが相次いで攻撃を受け、サーバーがダウンするなどの被害が報告されています。

サイバー攻撃を続ける一方で、アノニマスは公式ツイッターアカウントなどで、日本人に向けてさまざまなメッセージの発信を開始したのですが、そのメッセージがいちいち面白く、今ネット上の話題をさらっています。

たとえば・・・
アノニマスが攻撃した国土交通省霞ケ浦河川事務所のHPは、アノニマスが「霞が関」と勘違いして攻撃したのでは、という疑惑が流れたときには、つたない日本語で以下のように勘違いを認めるメッセージを発信しています。
*****
昨日は忙しいだった。でもちょっとミスしました。誤爆ごめんな(笑) やっぱり日本語は難しい。でもみんなは優しい。ミスの説明を言いました。ありがとう。頑張ります。
*****
アノニマスが行っている作戦「オペレーション・ジャパン」の公式ツイッターアカウント(@op_japan)

また、きのうは、ツイッターアカウント@AnonymousIRCに、「原発を再稼動させる政府と電力会社に不満を持っていますか?我々はあなたたちを支援します!」と書き込むなど、大飯原発の再稼働に揺れる日本人を応援するようなメッセージを発信。

そして、極めつけが、日本語の公式HP(http://anonymous-jp.com/120701_opACS.html)の開設と、そこに告知された「お掃除オフ会」のお知らせ。
*****
ハッカー集団「アノニマス」が7月7日に「第1回オフ会」を開催する。
オフ会と言っても基本的には「清掃活動」だ。参加者はアノニマスの象徴であるガイ・フォークスの仮面を着け、チラシを配りながら、ゴミを拾い、街をきれいにする。
「違法・不法行為」や「公序良俗に反する行為」は一切行わず、アノニマスがサイバーテロを望まず、より建設的な解決方法を望んでいることをアピールする。
もちろん、違法ダウンロード刑罰化法案への抗議の意味も含まれる。
*****
ねとらぼ 2012年7月2日

アノニマス側のこうしたメッセージに対する、ネット上の主な反応は以下の通り。
「アノニマスになんか親近感が湧く今日この頃。」
「アノニマスって、『自分の考えを何らかの方法で伝える人たち』だと思ってる。良くも悪くも、手段は色々あるからね。 人の命を盾に脅す方法だけは取ってないから、基本的には応援してる。」

ネットの反応と同じく、わたし自身も“妙な親近感”を抱いていることは確かなのですが、それと同時に、日本人に媚び過ぎている態度から“胡散臭さ”も感じてしまっています。

この胡散臭いという感情。
日本経済新聞Web版(2012年6月27日)の以下の記事を読むと、あながち間違っていないようにも思えます。
*****
アノニマスの攻撃は3段階に分かれているという。

第1段階は、フェイスブック、ツイッターなどのソーシャルネットワークを使って、自分の行動の正当性を訴え、活動への参加を促す「リクルート段階」
だ。スキルのあるハッカーは攻撃対象に対して調査を開始する。その期間は1〜18日間という。

第2段階は、「調査とアプリケーションを使った攻撃段階」で、スキルを持つハッカーが発見されないように注意をしながら目標とするサイトのサーバーに脆弱性がないかを調べ、そのサイトのデータを盗み取る試みを行う。その期間は3日以内だという。

第3段階は、「DoS攻撃の段階」。スキルを持たない素人たちが特定のサイトを攻撃するうえで効果的なツールをダウンロードできる環境を整え、できる限りの多くの個人に広めて、目標とするサイトに対して実際のDoS攻撃を始める。
*****

これを見ると、今、アノニマスが日本に対して行っている攻撃は第3段階に入っています。
そして、今回、ネットで話題になっているアノニマスが発信しているメッセージは段階の順番は変わっているにしろ、自分の行動の正当性を訴えるという第1段階の状況と一致するように思います。
つまり、アノニマスの発信しているメッセージは今後、攻撃を強めていくための足場づくり。

現在、アノニマスには日本の協力者が数十人いるといわれていますが、そのアノニマスが日本人に媚びるメッセージを発信し続けることは、今後も日本人の協力者を増やし、攻撃をさらに強めていくことを示唆しているのかもしれません。

<web担当:H>
(2012/7/3 UPDATE)
番組スタッフ
消費税増税が決まり、大飯原発もついに再稼働開始。
震災以降の日本は、あいかわらず暗闇の中を歩き続けているようです。
そんななか、興味深い記事を見つけたのでご紹介します。

●なぜか「患者」は大企業のサラリーマンと公務員ばかり「新型うつ」これが真相です
/週刊現代 6月25日号

今、日本中に「新型うつ」という病がはびこっているといいます。
会社に行こうとするとうつ状態になり、
休暇をとれば、元気いっぱいで海外旅行や趣味を満喫する…
そんな「新型うつ」急増の背景には、意外な事実があるようです。

それは、多くの専門医が「新型うつの患者は大企業と公務員に多い」と語っていること。

つまり、療養制度が整っている職場ほど「新型うつ」が多いのだそうです。
療養期間に入っても、数年間は満額近い給与が支給され、
復職しても、再び長期間、休むことができることから、
ほとんど働かずに給料がもらえる例もあるそうです。
なかには、休職と復職を繰り返し、うつ病の診断書をもらいやすい病院の情報を、
同僚に教えてくれる人もいるといいます。

生活保護不正受給の問題もそうですが、こういった社会の受け皿には、
必ずといっていいほど、便乗する人達がいます。
そういった“相乗り”している人が、この「新型うつ」という病には、
少なからずいるんじゃないかと思ってしまいます。


とはいえ、本当に「新型うつ」になってしまった人と、
便乗の人を見分けるのは、とても難しいことも事実です。
そこで、身近な人が「新型うつ」になってしまった場合、どうしたらいいのか?
その対処方法を調べてみました。

●そもそも「新型うつ」の主な傾向は・・・
(1) 自ら「うつ」であることを主張する
(2) 他人を非難し、他人を責める傾向が強い
(3) 職場復帰を極力後回しにする
(4) 薬では治らない

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● 「新型うつ」への対応方法

(1) ただのワガママに見えても、安全を考えて、主治医の指示を尊重する
(2) 彼ら彼女らの思いを汲み取って、本人をよく理解しようと努める
(3) 時には背中を押してあげたり、育てる関わりも必要
(4) 本人が1人で仕事を抱え込みすぎないよう目を配る
(5) 本人の感情を刺激しないよう、伝え方を工夫する
(6) 就労態度については、倫理観ではなく、社内規程に即して対応する

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参考:日本の人事部「職場のメンタルヘルス最前線 増加する“新型うつ病社員”への対処法」
https://jinjibu.jp/article/detl/bizguide/423/1/

以上の対処法は、ビジネスシーンにおいてのもの。
「主治医の意見を尊重」しながら、面倒見よく対応して、
問題が起きた場合は「就労規則に合わせて対応」することが求められているようです。

しかし、この対処法を見る限り、私が思ったのは、
これらの対処をする上司が、 良くも悪くも“ドラマのような理想の上司像”だということ。
つまり、「新型うつ」の人は、
「楽しい仕事ばかりあって、優しくて理想の上司が見守ってくれる職場」という
“無い物ねだり”をしているのではないか、と思うのです。


(ちなみに、規則に則って退職をすすめると、いきなり症状が良くなり、
何の問題もなく治ってしまった例もあるそうですが…)

現実社会が、ドラマのように行かないのは、誰もが知る常識。
「新型うつ」の方々は、他人の些細な言動に、
悩み、苦しみ、感情を揺さぶられやすいようですが、
理想の上司を演じなければならない上司と、それを喜ぶ「新型うつ」の社員なら、
どちらが悩み多き社会生活なのでしょうか。
その境界線は、今のところ“神のみぞ知る”ならぬ、“医師のみぞ知る”のようですが。


担当:梅木
(2012/7/2 UPDATE)

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