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番組スタッフ
仲良くないけどつながってしまった人に投稿を見られたくない。
上司の投稿にいいねするのがめんどくさい。
思い切り愚痴をいいたいけど、気兼ねする…。
Facebookのストレスはあげようと思えばいくらでもあげられます。

「いいね」という評価システムから、それを得るためにキレイな投稿になりがちなFacebook。
もっと、本音を吐露したい。汚い感情を吐き出したいと思うのが人間の本質なのでしょうか。
今、「新感覚コミュニティ! ネガネガ ネガにゃんこ」 というアプリが10代から20代の若者の間で注目を集めています。
仮に、「いいね!」を獲得することがFacebookの大前提だとすれば、「新感覚コミュニティ! ネガネガ ネガにゃんこ」 の大前提は「よくないね」を獲得すること。

ネガティブな感情を吐き出して、他のユーザーから「よくないね」を獲得するというSNSです。

Facebookでは中々、ネガティブな投稿をすることはできません。
ネガティブ投稿をしたとしても、それを見る側は「いいね」と言うわけにもいかず、どうすることもできず、スルーのが一番良いという結果になります。

「新感覚コミュニティ! ネガネガ ネガにゃんこ」 の投稿は数多のユーザーからのネガティブなものだらけ。
試しにダウンロードして、覗いてみると…

*やる気がでないorz もともと無かったかも
*しんどいな…生きるって難しい
*仕事サボります
*生理きた。はらいたい
*受付のおばはんの息が臭い
*子供は子宝だけどアナタは選択ミスだった
*Facebookなんて自慢ばっかり!


…と、まさにネガティブな“心の叫び”の温床です。

私も実際に投稿してみました。
どんなネガティブなことを吐き出したかは伏せますが、普段、絶対にFacebookで言わないような投稿をすると数秒で他ユーザーからの「よくないね」というリアクションをもらいました。
この即効性は他のSNSでは味わえないものなのではないでしょうか。

驚くべきことに、およそ10秒に1回の割合で、誰かからの新たなネガティブ発言が投稿されてくるのです。つまり、他の投稿を閲覧するページは、めまぐるしい速度でネガティブが蓄積されていきます。
そのほとんどに、他のユーザーからの「よくないね」というリアクションがすぐに返ってきています。
ユーザー同士でつながり合うといった行為も必要ないので、簡単に投稿でき、簡単に「よくないね」を押すことができるのも、このSNSの魅力のひとつなのでしょう。

また、30文字以内と制限もあるので、聞いている方が(読んでいる方が)うっとうしいと思ってしまう長々とした愚痴にならなくてすみます。「死ね」「殺す」といった、あまりにもネガティブすぎる言葉は「禁止ワード」として書き込めないようになっているので、“荒れない防止策”も取られています。


ネガティブな感情を吐き出して、同情などではないシンプルなリアクションがあるのは正直気持ちがいいもの。
しかし、あえて要求を突きつけるならば…投稿主が本気で「いいね」をもらうためにした投稿に「よくないね」と冷たくリアクションができる…そんな仕組みができないものかと願っています。

「俺、スゴいでしょ」アピールぷんぷんの有名人と一緒に写った写真。
キラキラに加工された料理の写真+四日連続で女子会!というコメントの投稿。
あるいは、「Loveという言葉にはoverが入っているから、愛が終わることは当たり前なんだ」という、ピンとこない名言風のポエム。

こういった投稿に「よくないね」と言えるシステムがあればなと私は考えます。
ネガティブな感情を吐き出すのは気持ちがいいものですが、ネガティブな感情のオンパレードを見るとやはり少なからず萎えるものです。

私の友人(男)が今日、これから食べるのであろうコンビニスイーツの写真とともに、
「今日の俺、がんばろー。日本代表もみんなもがんばろー!」とのコメントを添えた投稿がありました。
なぜだかとてもイラっとしました。「よくないね」だと思って、いいねをクリックしました。
イライラさせてくれる投稿に対して、投稿主を傷つけることなく「よくないね」と言えるシステムがあればなと夢想します。投稿主に気づかることなく、「よくないね」が溜まっていくと、知らず知らずのうちに、写真が変色していく…とか。

そんなことを考えてまでSNSをやるなら、辞めてしまうのが一番良いのかもしれません。
しかし、人間の感情と直に結びつき、それに合わせて様々な進化を遂げようとするSNSの変遷を眺めるだけでも楽しいものです。

スタッフ:坂本
(2013/5/30 UPDATE)
番組スタッフ
大阪市・橋下徹市長の発言が、海を超え、
アメリカからも非難される程になってしまった昨今、
それ以外の話題でも、ここ数ヶ月で“ヘイトスピーチ”という言葉を
目にする機会が増えたように思います。

そんななか、「岐阜新聞」の社説が“ヘイトスピーチの規制”を主張し、
ネット上では議論が巻き起こっています。

●ヘイトスピーチ 言葉の暴力、法的な規制も/5月27日岐阜新聞


記事のなかでは、ヘイトスピーチを繰り返す市民団体や
ネット右翼(ネトウヨ)が行なっているデモ活動などについて、
ナチス礼賛が規制されているドイツなどの例を紹介しながら、
日本も“人種差別禁止法の制定を検討すべき”と訴えかけています。

この記事に対し、ネット上では
「表現の自由を規制すべきではない」といった声が多数あがっているのですが、
そもそもどこまでが“表現の自由”の範疇なのでしょうか?

さらに岐阜新聞の社説の中では、欧州の例として、こんな意見も述べています。
++++++++++++++++++++++++++++++++
(抜粋)ドイツ、フランス、イタリア、米国など欧米諸国の多くは、
憎悪発言をヘイトクライム(憎悪犯罪)として規制する法律を持つ。
ユダヤ人虐殺の過去があるドイツは特に厳しく、
公的な場所でナチスを礼賛する言動をしただけでも、処罰の対象だ。
国際人権委員会、国連人種差別撤廃委員会なども憎悪発言を規制するよう各国に要請している。
++++++++++++++++++++++++++++++++

この一件に関して、私自身は「デモの権利を規制すべきではない」とは思うのですが、
「ヘイトスピーチ」に関しては、ネット上で差別発言を見かける機会が多いせいか、
正直なところ“そろそろ日本も、欧米諸国のような、
もっと差別に敏感な国になってもいいのでは?”と思うことが多々あります。


新大久保などのコリアンタウンで行われている
通称「嫌韓デモ」は、「朝鮮人を殺せ!」などの過激なプラカードが掲げられています。

そんな“嫌韓”の主張に反発した人達が、
「差別やめよう!」などと書いたプラカードを掲げて街頭に立ち、
“カウンターデモ”を展開して一触即発の事態になるなど、カオスな状態が続いています。

ヘイトスピーチは、表現の自由? それとも規制すべき?
この境界線の答えを探そうとネット上を徘徊していたところ、こんな記事を見つけました。

●【赤木智弘の眼光紙背】ヘイトスピーチを排除させるな!/4月9日BLOGOS


フリーライターの赤木智弘さんは、記事の中で、
「一切、嫌韓デモを擁護するつもりはない。」とした上で、こう記しています。
+++++++++++++++++++++++++++++++
(抜粋)ヘイトスピーチを排除するのは 国家権力の仕事ではなく、国民の仕事である。
国民がそのまっとうな言論をもって、恥ずべきヘイトスピーチを口にする人たちを
地道に根気よく批判し、力を失わせて行くしか無いのである。

+++++++++++++++++++++++++++++++

確かに“好き・嫌い”という個人の問題を、法規制することは不可能に近いし、
現実的なラインとしては、静かに態度で示していくしかない問題なのかもしれません。


5月7日の参院予算委員会で、安倍晋三首相が
「一部の国や民族を排除する言動があるのは、極めて残念」と述べました。
その後5月9日に、安倍昭恵夫人が自身のフェイスブックで、
韓流ミュージカルの観劇報告をしたのち、
「(抜粋)このミュージカルを観たことも載せないという選択肢もある中で、
批判覚悟で載せました。どんなに甘いと批判されようが、
すべての人や国と仲良くしたいというのが私の思いです。
理想に向かっている私なりのアクションのひとつだとご理解ください。」として発言しています。

もちろん、この観劇報告には、多数の批判が寄せられていましたが、
私自身は、この安倍夫人の行動を素晴らしいと思いました。
(そもそも、政治的なミュージカルならともなく、単なる恋愛物のミュージカルを見ただけで、
180ページ以上の賛否両論が寄せられる状態もおかしな状況ですが…)

批判の中には「なぜ首相の写真を焼くような国民がいる国を支持するのか?」
といった意見もありました。そこで、余談ではありますが、一つ思い出したことがあります。

以前、旅行でエジプトに行った時、現地の人と雑談中に、こんな質問をされました。
「日本は“軍隊”がないって本当?」
私は、自衛隊をどう説明しようかと迷いながらも「まぁ、軍隊はないよ」と、
とりあえず答えると、「賢いやり方だよね!軍隊のない国を攻めたら、
世界から非難されるもんね」と、なぜか褒められてしまいました。
その人は、エジプトで会社員をしている一般人だったのですが、
そのことが余計に「世界には、日本をそんな風に見ている人もいるのか」と
新たな発見をした気分でした。

これは、今回のヘイトスピーチの例にも当てはまり、
例え他国で日本批判が展開されようとも
「ヘイトスピーチをしない」という方法をつら抜けば、
いつかは世界から“日本人は、平和で誇り高き民族である”と、
評価される日が来るのではないかと私は思うのです。
また、それがひとつの愛国心の表し方にもなるのではないかと思います。


他の国が悪口を言っているから、やり返せばいい…では、
とても幼稚な泥仕合になってしまいますから。

さて、およそ1年間書かせていただいた「境界線を見つめて」は、
今回が最終回となります。
これまで読んでいただいた皆様、ありがとうございました!
これからもタイムラインを宜しくお願いいたします。

担当:梅木





(2013/5/29 UPDATE)
番組スタッフ
おそらく多くの人が思春期に一度はかかったことがある「中二病(厨二病)」。
“中学2年生頃の発達途上の段階にありがちな自己愛に満ちた空想や嗜好などを揶揄した言葉”で、一般的には“思い出すだけで顔が真っ赤になるような昔の恥ずかしい行動や考え方”を指し、決して表には出したくない、いわば人生の汚点です。
ところが今、ある画家が“過去の中二病的な妄想を具現化したノート”を公開するだけでなく、それをamazonで販売し、ネット上で話題になっています。

タイトルは『架空の歴史ノート-1 帝国史 分裂大戦編』
画としてのインパクトが強烈なので、まずは著者の設楽陸さんのHPに一部だけ公開されている中身に目を通してみてください。

目を通していただければわかるとおり、まず目に飛び込んでくるのが、学生時代に愛用した人も多い、コクヨのキャンパスノート。
そして、そこに書かれた、手書きの「帝国史 分裂大戦編」という文字と、何だかよく分からない人物画。
内容はというと、実在しない「架空の帝国の歴史」を詳しく解説したもので、開帝クラストフ初代人類帝王という架空の帝王の「人類史上最初で最後の世界帝国の創設をここに宣言する」という言葉からはじまり、帝国が繰り返してきた戦争をこと細かく解説するなど、まさに“中二病”全開。
さらに調べてみると、総ページ数132ページに書かれた文字と絵はすべて手書きで、それをスキャンしたデータをKindle版でのみ販売しているようです。

『架空の歴史ノート』に対し、ネットの評判は賛否ありますが、わたしは無条件に賛であり、また賛否以前に“妙な親近感”すら覚えてしまっています。
妙な親近感の原因は、本に込められた“中二病的背景”なのですが、それは設楽さんがamazonの本の内容紹介欄で綴った思いから読みとることができます。
*****
小学生の時、勉強が大の苦手で先生の熱心な語りが右耳から左耳へと日々抜け続けていた僕は、その脳内の空虚さを埋めるべく授業中、ノートの片隅に架空の王国の物語と年表を描いて遊んでいた。
描けば書くほどその一人遊びにハマり縦横無尽に拡大してゆく世界。
人類が生まれ、文明が形成され起動し始める新世界の時流、大帝国の繁栄と落日、全世界を巻き込んだ大戦争、英雄たちと人々の織りなす物語、政治の駆け引き。
...が、中学生になるころあの燃える様に描いたノートの創作意欲は失われ、記憶の片隅に追いやられ消え去って行った...
そして十数年後...美大を卒業し創作活動をスタートさせた僕は、再び架空の歴史ノートの復活と創造を開始した。
2012年には美術館で漫画版を含め10冊のノートを展示させていただく機会をいただき、多くの人の目に触れることとなった。また多くの人々が僕と同じように幼い頃、イケナイ創作活動をしていたことが分かりました。
それはつまりイケナイ秘密の共感。だれもの心の中にある世界を創造したいという想いが個と言う殻を破って生々しく、ピュアに描かれています。

*****

設楽さんいわく、多くの人がしていたというイケナイ創作活動。
わたしも、ご多分にもれず、行っていたことがあります。たとえば、小学校高学年のとき、ノートに描き溜めていた、くそつまらない漫画。
もうすでに焼き払ってこの世には存在しないのですが、たしか、“ガイチ”でおなじみ中垣内祐一の活躍などで、当時、大人気だったバレーボールと、最高視聴率21・6%とアニメが大人気だった『キン肉マン』をミックスしたような内容のバレー漫画でした。
こんなくそつまらない漫画を、何の迷いもなく友人に読ませ、自己満足に浸ったことを苦々しく思い出すとともに、“自分だけではなかった”との安心感やそれに伴う“妙な親近感”から、『架空の歴史ノート』を無条件に支持してしまっているのかもしれません。
今のところ(5月28日17:30)、amazonのKindleランキングで4位と好調な売上げを見せている、『架空の歴史ノート』。
ネットの話題性がランキングを押し上げているのは大前提ですが、過去の自分と照らし合わせることで覚える“妙な親近感”から、思わず購入してしまっている人も少なくないような気がします。

(スタッフH)
(2013/5/28 UPDATE)
番組スタッフ
競馬の外れ馬券は「必要経費」として認められるのかーー異例の争点が注目を集めた「競馬脱税事件」の判決が先週5月23日に大阪地裁でありました。大阪地裁は、大量の馬券を自動的に繰り返し購入した場合、競馬の所得は「雑所得」にあたり、その購入費はすべて経費になるという判断を示しました。起訴された元会社員が税務申告をしなかった罪は認め、懲役2月、執行猶予2年という有罪判決を下しましたが、脱税額は検察が主張していた5億7000万円から5200万円へと大幅に減少しました。

元会社員は競馬予想ソフトを使って、インターネットで大量に馬券を買っていました。2007年からの3年間で約28億7000万円分の馬券を購入し、トータルで計約30億1000万円の払戻金を得ていました。つまり、計約1億4000万円の「黒字」だったのです。ところが確定申告を行わなかったために、脱税で起訴されたのですが、検察は競馬の所得は「一時所得」にあたり、当たり馬券の購入費である約1億3000万円だけが経費として控除できると主張し、元会社員の「所得」は計約28億8000万円だと論じていました。

このような検察の主張は、競馬ファンの常識からすると非常におかしなものでした。なぜなら、馬券を買って実際にもうかった金額は約1億円なのに、「所得」が約29億円もあるとされ、その結果、6億円も脱税したと言われたのですから。つまり、もうけた金額の数倍もの税金を支払えという要求をつきつけられたのです。もしこのような検察の主張が認められるとしたら、誰も馬券を買おうとは思わないでしょう。

ちょうど先週は競馬の一大イベントである日本ダービーを週末に控えた「ダービーウイーク」だったこともあり、大阪地裁がどのような判決を出すのか、多くの競馬ファンが注目していました。結局、裁判所は「外れ馬券の購入費も必要経費」として認めるという判断を下し、競馬ファンを安心させました。

この判決に対して、競馬ファンでもある経済評論家の山崎元氏は「今回の裁判は法律論と常識論の戦い。いわば裁判官に対する常識テスト」とコメントし、「たとえば企業の接待においても、収入に結びつかないケースはあるが、それでも経費と認められる。常識で考えれば、当然ハズレ馬券は経費になる」と述べています。

また、鹿児島に拠点を置く南日本新聞は社説でこの判決を取り上げ、「経費参入が認められなければ、被告はもうけた額をはるかに上回る所得税を支払わされることになっていた。常識的な判断であり、国税、検察当局の完敗といえる」と評価しています。

このように「外れ馬券」を必要経費として認めた大阪地裁の判決は、おおむね好意的に迎えられたといえますが、そもそも競馬の払戻金に対して課税するべきなのかという疑問が残ります。さきほど紹介した山崎氏は昨年12月にダイヤモンドオンラインで公開したコラムのなかで、「本質的にファン同士で競う1回の賭けに対して、少なく見て10%もの国庫納付金を払っているのだから、馬券の儲けに逐一課税しなくてもいいのではないか」という意見を表明しています。

実は、いまJRA(中央競馬会)の馬券を買うと、その売上の10%が国庫に納付され(第1国庫納付金)、さらにJRAの運営を経て出た余剰金の半分が国庫に納付されることになっています(第2国庫納付金)。つまり、競馬ファンは馬券を買うたびに国にお金を納めているわけで、いわば1割以上の税金を払っているようなものなのです。それにもかかわらず、さらに競馬で黒字になった人から税金を取り立てようとするのはいかがなものか、というわけです。

また、今回の事件で、元会社員が脱税を追及されたのは、インターネットで馬券を買っていて、その購入と払戻の記録がすべて銀行口座に残っていたためでした。しかし競馬ファンのなかには、競馬場や場外馬券売場に行って現金で馬券を買っている人も数多くいます。そのような人が競馬でもうかった場合に確定申告をしているのかいえば、そんなことはほとんどありません。つまり、どういう買い方をするかで不公平な結果になってしまうのです。

南日本新聞の社説も「ネット購入で記録が残る人だけに課税するのでは、課税の公平性という点で問題がある。国税庁が本気で払戻金に課税しようというのなら、判決で示された一般的な馬券購入と資産運用的な馬券購入の境界を明確化し、時代に即した公平な課税策を検討すべきだ」と記しています。

20年ほど前のオグリキャップブームのころとは裏腹に、競馬の売上は年々減少し、JRAも「競馬離れ」に頭を悩ませています。そのうえ、「競馬でもうかっても税金にもっていかれてしまう」というのでは、ますます人々を競馬から遠ざけてしまうでしょう。ここは、JRAをはじめとする競馬関係者が、適切な課税策の導入を訴えていくべきではないでしょうか。

(スタッフ: K)
(2013/5/27 UPDATE)
番組スタッフ
ネットの中の日常的風景になってしまった炎上。
今週の炎上と言えば、乙武さんとイタリアンレストランの一件でしょう。
この炎上に関して、私は何も言うことはありませんが、今後、このイタリアンレストランは大丈夫なのか、と良からぬ心配をしてしまいました。

炎上という「煙」が立ち上るたび、私は「火元」の将来が少しだけ気になります。
ネットスラングで「メシウマ」という言葉があります。これは「他人の不幸をオカズにして、さも食事を美味しく頂けている状態であるかのように、喜びを表している」言葉。
炎上に怒りや苛立ちを感じるのはもちろんですが、炎上経験者の人生のほころびに出くわすと、禁断の浄化作用を有しているのは事実です。

最近、私は炎上を経験した人と出会いました。
仮にその人をXさんとします。Xさんは20代半ばの起業家です。
今年の3月。ある縁を通じて、彼の会社が私たちの会社とビジネスパートナーになりたいという申し出から、共に仕事をする話を進めてみようことになりました。
私がXさんに抱いた第一印象は、「不思議の国の王子様」。
私が知っている起業家たちが持つ“ギラつき”が、彼にはありませんでした。
これが今どきの若手起業家か…そんなことを思いつつ、仕事の話を進めようとしても、前日までノリノリだったXさんが、やけに大人しく、中々進められない。そんなことがありました。

Xさんという人物を計り兼ねた私は、彼が電子書籍をリリースしていることを知り、次に会う時はその話をしてみようかと、彼の名前でググってみることに。
彼の会社の名前はあらかじめググっていましたが、Xという名前を入力し、ネットの中をうろうろしているうちに、現れたのは「横領」「詐欺」「逮捕」といった信じられないキーワード。
どうやら誰かが弁護士を立てて、管理できない範囲の悪い書き込みは削除されたようですが、魚拓を残している人もおり、深く掘れば掘るほど、Xさんの悪いウワサが出てきます。

何やら、ある団体と共に仕事をしていたXさんは、その団体の売り上げを着服していたというのです。そして、Xさんはその団体から除名処分を食らったと言います。
除名後もある会社の収入を横領していたとか、街金融のブラックリストに載っているとのウワサも…。
そういったことを背景に、彼のブログ、会社のブログは炎上し、会社名を変更したらしいのです。
確かにXさんのメールアドレスと会社名を照らし合わせてみると、ドメインが炎上時の会社のもので、社名を変更していたことがうかがえます。

もちろん、根拠のない誹謗中傷かもしれません。悪いウワサの真偽は不明です。
しかし、私たちはXさんをフォローする材料を何も持ち合わせていませんでした。
私たちの会社も、私たちだけでひっそりと静かに仕事をしているわけではありません。
いわゆるBtoBの仕事がほとんどのため、多くの場合、出会うのは法人の代表。社長さんです。
Xさんと共に仕事をすることは、おいおい私たちのリスクになりうると考え、破談としました。
彼の炎上を目の当たりにしてまで、私たちはリスクを犯したくはなかったからです。

大学生が炎上すると、「コイツの人生終わったw」といったリアクションを目にします。
Xさんの人生に、終わった気配はありません。彼のSNSをチェックしてみても、適当に楽しくやってそうな感じを受けます。
しかし、XさんのブログやSNSの全てがうさん臭く思えてくるから不思議です。

Xさんの悪いウワサは今後もネットに残り続けるでしょう。
大学生の炎上も同じです。今後も残り続けるものです。
私の知人で、大手企業の採用担当者は「炎上経験のある大学生は採用しない」と語ります。
「炎上経験者が唯一無二の万能人かもしれない。しかし、その人物を雇うことはリスクとなる可能性がある。経験上、軽薄な印象を与える人物が、会社に莫大な利益をもたらすことはありえない」からだそうです。

何かを言いたい、誰かにかまって欲しい人々。その一方で明らかに存在する、誰かの人生にほころびが出る瞬間を楽しんでしまう人々。
こういった衝動がなくならない限り、炎上がなくならないのは明らかです。

炎上の履歴は半永久的に残ってしまいます。
EUは昨年、インターネットに拡散した個人情報の削除を本人が求められる「忘れられる権利」を提唱しました。悪意ある書き込みとその履歴をネットからなくそうとするものです。一方で、表現の自由や知る権利を揺るがしかねないとして、アメリカを中心に慎重な対応を求める声が上がっているといいます。

炎上しない発言をするのが“大大大”前提ではありますが、一般的に、炎上した側は期せずして炎上しています。
EUの試みのように、炎上してしまった憐れな羊を救う術はやはり必要なのかもしれません。

スタッフ:坂本
(2013/5/23 UPDATE)
番組スタッフ
今週から「格差」をテーマに展開している、All About News DigとTOKYO FM TIME LINEの連動キャンペーン。3日目のテーマは、「企業間格差」です。

例えば、「仕事とはドラゴンクエストだ!」というユニークな持論を展開するのは、公認会計士・税理士の大塚祐介さん。

大塚さんは、「ドラゴンクエスト」というTVゲームの中で、強いモンスターを倒せば、その分多くのお金と経験値がもらえる仕組みを、現実世界に例え、“多少実入りのいい仕事があっても、時間の切り売り同然で、ほとんど成長できないのであれば、長い目で見れば時間の浪費であり、できれば取り組むべきではありません。逆にタダ働き同然でも、経験値ががっぽり稼げる「はぐれメタル」のような仕事であれば、長い目で見れば、進んで取り組むべきなのです。”と語っています。

その他にも、現在All About News Digのサイトでは、この他にも、常見陽平さんによる「やっぱり大企業はウハウハという現実」や、ビジネス・カウンセラーの佐藤きよあきさんによる「自分を鍛えたいなら、中小企業へ」など、「企業間格差」をテーマにした8本のブログがアップされています。どのブログも、興味深い持論を展開してますので、ぜひチェックしてみてください!

4日目となる23日は、「教育格差」に関するブログがアップされる予定です。お楽しみに!
(2013/5/23 UPDATE)
番組スタッフ
「世界レイシズム地図」というものをご存知でしょうか?

5月15日付のワシントンポストに掲載されていたのですが、
これは、スウェーデン人の経済学者が
「経済レベルと人種差別の関係性」を調べるために行った調査で、
世界80カ国以上の国を対象に実施されたもの。
「家の隣に異人種・異民族が住むことを受け入れられるか?」
という質問を投げかけ、「YES」と答えた人の割合が、国別で色分けされています。

日本の「YESと答えた人の割合」が10%〜14.9%という結果だったことは、
普段ネット上で“近隣国への差別発言”をよく見かけてしまう分、
個人的には、なんとなくホッとした結果だったのですが、
そんななか、改めて“日本人の差別心”を感じてしまう
出来事がありましたのでご紹介します。

キッカケは、有名スポーツ選手やクリエイターのマネージメントを手がける、
某有名PR会社の代表取締役社長が、5月20日に、
「愛読書を聞いちゃいけないなんてマジにナンセンス!」として、
Twitter上で、厚生労働省からの通達文書の写真をアップしていたんです。

そこに書かれていたのは・・・

++++++++++++++++++++++++++++
【面接で聞いてはいけないとされている事】
・本人の本籍、出生地
・家族構成、家族の職業・勤務先・収入・役職
・思想、宗教、支持政党
・性差別、外国人差別につながるようなこと
・本人の容姿、血液型
・愛読書(新聞、雑誌など)

++++++++++++++++++++++++++++

・・・という項目。
そこで、厚生労働省のサイトを調べてみると、
さらに細かく「人生観」や「尊敬する人物」についても、
“聞いてはいけない”とされていました。

しかし私は、この厚労省からの通達に、
“方向を見誤った差別意識”を感じてしまいました。


というのも「性差別、外国人差別につながるようなこと」や
「本人の容姿、血液型」、「思想、宗教、支持政党」といった項目について、
質問しないよう促すのはわかるのですが、
「愛読書」や「尊敬する人物」を聞くことですら、
“差別につながってしまうとされる国”って、どうなんでしょうか?

この“聞いてはいけないとされる”境界線は、どうあるべきなのでしょうか?

去年、たまたま別の仕事で、
一般企業の人事部で採用面接を担当されている方数名に、
「面接する際に重視すること」をうかがう機会があったのですが、
その時に、各社の面接官の方が共通しておっしゃっていたのは
『この先、5年、10年、一緒に働いていけるかどうか?を見ている』ということでした。

この言葉の意味には、近年の“若手社員がすぐに辞めてしまう現象”をうけて、
「勤続して働いてくれそうかどうか?」も含まれているのですが、
最終的には、人と人が向き合って、一緒にプロジェクトを進めていくので、
学歴や資格などの条件が同じくらいの人がいた場合には、
答えを返す時の「コミュニケーション力の高さ」や、
その人が持つ「雰囲気や人柄」が、採用への判断基準になるのだそうです。

つまり、採用面接は、同じ会社で一緒に働く人材選びの場なわけですから、
学歴など判断基準の以外にも、社員や社風との相性を押し図る質問は、必要不可欠。
やはり何でもかんでも“差別につながる”とすることも、おかしな事だと私は思います。


差別の問題に抵触しないように呼びかけることは、もちろん大切なことですが、
「何が差別で、何が差別ではないのか?」を、
改めて、各社の人事部の方々に考えてほしいと思う出来事でした。

担当:梅木



(2013/5/22 UPDATE)
番組スタッフ
昨日から「格差」をテーマに展開している、All About News DigとTOKYO FM TIME LINEの連動キャンペーン。
2日目のテーマは、「情報格差」。
デジタル時代の到来で、膨大な量となった情報を知っている人と知らない人の間で“情報格差”が生まれていると言われていますが、その格差を解消するために4月11日に新たな新聞「発禁新聞」が発行されました。

本日はこの話題を取り上げたブログ11本が、All About News Digのサイトにアップされています。
たとえば、現時点(21日23時現在)でもっとも多く「Good!」を獲得している、香洋FP事務所さんの『発禁新聞は面白い!でもそれって真実が書かれているの?』
現在は情報を入手するより遮断する方が難しく、入手する情報も嘘と真実が入り乱れている。こうした環境で、正しい情報を元に正しい行動を起こすのは難しいだけに、「発禁=真実」と安直に判断してしまうことの危険性も感じてしまう、と綴っています。

このほかにも、『知ることの楽しさ、知らないことの幸せ』だったり、『「情報」だけに価値は無い』など、個性的な見解が示されたブログがアップされています。

3日目の明日(22日)は「企業間格差」に関するブログがアップされる予定。
明日もぜひ、All About News Digのサイトにアクセスしてみてください。
(2013/5/22 UPDATE)
番組スタッフ
乙武洋匡さんが、車いすだから入店拒否されたとイタリアンレストランの店名を公開してツイートしたことが発端となって巻き起こった騒動。
店側がブログで謝罪したことから、騒動はほぼ収束。ネットでの議論も収まり始めたところだったのですが、今日の11時21分に乙武さんが自身のブログで騒動について言及したことから、ネットでの議論が再燃しています。
ネットではひととおり議論が尽くされたテーマなので既に知っているという方が多いかと思いますが、念のため、これまでの経緯をまとめましたので、騒動を知らないという方はご一読ください。

●乙武さんがあるイタリアンレストランの予約をしたが、予約のときに車椅子で来店することを伝えていなかった
●当日、そのイタリアンレストランに行ったが、「車いすだから」と入店拒否されたため、店名を公開して批判的な意見をツイッターに書き込む
●さらに、『「ちょっと下まで降りてきて、抱えていただくことは…」と頼んだが、店主からぶっきらぼうに「忙しいから無理」「これがうちのスタイルなんでね」と言われた。「店主の対応にはまるで心が感じられなかった」』とツイート
●これに対し、レストラン側はブログで『「働き始めたばかりの子と2人で営業」「店が2階にあるがエレベーターが止まらない」「店内に余裕がなく、車椅子をおくスペースがない」などの事情から、他の客のサービスが滞ると判断し、入店を断った』などと事情を説明
●さらに、乙武さんがショックを受けたという強い言葉使いはしていないと釈明
●ネットでは、主に「どちらが悪いのか」というテーマで議論が盛り上がる
●その後、動きは見られず、騒動は収束に向かったかに思われたが……


以上が昨日までの経緯です。ところが今日になって突然、乙武さんがブログで騒動について再び言及。
「軽率だった。自分でも、冷静さを欠いた行為だったと思う」と自分の落ち度を認めながらも、「はなから相手を小馬鹿にしたような、見下したような、あの態度が許せなかったのだ」とあらためて店主を批判したともとれる書き込みをしたことから、ネットスラングいうところの「燃料」が投下された状態(※当事者が炎上をさらに加速させてしまうような言動をとってしまうこと)となり、議論が再燃する事態となっています。

ほとんどは、乙武さん、イタリアンレストランの店主のどちらかを批判する意見で読むに堪えないのですが、なかには今回の騒動の本質を突くような意見も見受けられました。
たとえば、身体障害一級でIT系自営業者のまるみえ星人さんのブログ「まるみえ星人の日記」の『障害者側からみる乙武氏入店拒否問題その2』というエントリーに書かれていた下記のような意見。
*****
彼は間違いなく障害者に対する世間のイメージを良い方向に大きく変えてくれたと思います。
ただ、常に彼が正しいわけではないし、その影響力の大きさ故に他の障害者にとってデメリットとなることもあるのです。
今回はそういう面が出てしまったけれども、だからといって乙武氏の全てを叩くというのも間違ってます。
そして乙武氏一人に「障害者のイメージ」を背負わせるのも、間違ってます。

*****
※「まるみえ星人の日記」より抜粋

そして、ネットニュース編集長で『ウェブはバカと暇人のもの』の著者である中川淳一郎さんがツイッターに書き込んだ、こんな分析。
*****
乙武氏の件でここまで大拡散した理由は店が実名だったから。明かされていない場合は「叩きがいがない」「追い込む面白さがない」「謝らせたい」というインセンティブがないからだな。そして「店名出しちゃいましょうよ」と乙武氏に言う人も出ただろう。ネット上の実名ってけっこう重いもんだぜ
*****

上記のような意見を読む限りでは、今回の騒動は、“障害者へのイメージ”をあらためて考えるという点においては、意味があったように思います。
ただ、乙武さんが今回の騒動について、これ以上、言及するのはおそらく逆効果。一部の炎上させたいネットユーザーを喜ばせるだけです。
もうこれ以上、乙武さんが”燃料を投下”しないことを願っています。

(スタッフH)
(2013/5/21 UPDATE)
番組スタッフ
専門家によるニュースの深堀コンテンツ「All About News Dig」と「TOKYO FM TIME LINE」の連動キャンペーンがスタートしました。今日20日から1週間、ネットとラジオという異なるメディアで、共通のテーマについて議論を展開していきます。

今回、News DigとTIME LINEがそろって取り組むテーマは「格差」。

All About News Digのサイトには初日となる今日、「男女格差」に関するブログが10本アップされました。安倍首相が働く女性たちの支援策として打ち出した「育児休暇3年延長プラン」に対して、賛否両論が寄せられています。

たとえば、<「3年間育休」は、育児経験のない男性視点の妄言>という刺激的なタイトルの記事を掲載したのは、広報・宣伝・マーケティングのコンサルティングを行なう新井庸志さん。

新井さんはこれまでの職業経験をもとに、「仕事そのものという点では、女性の方が優秀だと思っている。判断力、管理力、そして時間を有効に使うという点に関しても女性の方が優秀なことは多い」と、職業人としての女性の優秀さに触れたうえで、「女性の能力を仕事で活用しないのは社会の損失だと本気で思う」と述べています。

また、女性の側からみても、「仕事をしたい女性ならば1年間の育児休暇の後、すぐに復帰したいだろう」と指摘し、「制度を作っても、女性が出産・育児休暇を取得するのはおおよそ1年間になると思っているし、それが適切だと考えている」と、政府が打ち出した「育児休暇3年延長」という考え方に疑問を投げかけています。

むしろ今、必要なのは「女性が育児を頑張れる環境の増加」ではなく、「男性が育児に参加できる仕組みの整備」であるというのが、新井さんの主張です。「具体的には、出産から3年以内のどこかの時期で、男性にも育児休暇を1年間認めべきだ」と提案しているのです。

All About News Digには、このほかにもブロガーによる記事が9本アップされていて、「育児休暇3年延長プラン」について、さまざまな角度から議論を展開しています。どれも興味深いので、ぜひ、All About News Digにアクセスしてみてください。

明日21日は、「情報格差」に関するブログが、All About News Digにアップされる予定です。お楽しみに!
(2013/5/20 UPDATE)
番組スタッフ
「入社面接でのあらゆる質問に対する最適な応答をプログラミングした人工知能を使って面接を受けた学生が、東証一部上場企業の内定を得ていたことを、千葉電波大学の研究グループが16日、明らかにした。入社面接の必要性に一石を投じる結果だけに、今後就活業界に影響を及ぼしそうだ」

こんな記事が虚構新聞に掲載され、ネットでちょっと話題になりました。「虚構」新聞なので、このニュースはもちろんウソの話です。しかし近い将来、同じような報道がなされるかもしれない。そんな気にさせる「人工知能」がらみのニュースがあいついでいます。

人工知能の進化という点で、最近もっとも関心を集めたのが、将棋のコンピュータソフトと現役のプロ棋士が対戦する「電王戦」です。その対局はニコニコ生放送で中継されたこともあって注目されましたが、団体戦の結果は、コンピュータの3勝1敗1分けと「人工知能」に軍配があがりました。

チェスの世界では10年以上前にコンピュータが世界チャンピオンを破っていて、将棋でも人工知能が一流棋士を超えるのは時間の問題と見られていましたが、いよいよそれが現実のものとなってきました。電王戦の第5局で、A級棋士の三浦弘行八段を下したソフト「GPS将棋」は、約680台のコンピュータを駆使して1秒間に2億8000万手も読むそうで、むしろ、そんな「怪物」を相手に人間がよく戦っているものだと思ってしまいます。

人工知能といえば、国立情報学研究所が「人工知能で東大に入れるか」というプロジェクトを進めているそうです。目標は2016年にセンター試験で高得点をあげ、21年までに東大の2次試験で合格点を獲得すること。約60人の研究者とコンピュータメーカーや受験産業などがプロジェクトに参加し、まだまだ苦手教科が多い人工知能をトップレベルの受験生に育てるために改良を重ねているとのことです。

さらに、インターネット界の巨人・グーグルは5月16日、「量子人工知能研究所」という名の研究所を設立し、量子コンピュータを活用して、人工知能の一研究分野である「機械学習」の研究を推進していくことを明らかにしました。グーグルには、人工知能研究の世界的な権威とされるレイ・カーツワイル氏も参加しており、どのような成果を出すのか、注目されています。

そんななか、日経新聞電子版には「コンピューターは人を超えるか 科学者が語る近未来」と題されたインタビュー記事が掲載されました。ソニーコンピュータサイエンス研究所の社長で、コンピューター科学者の北野宏明氏が「人工知能の今後」について語ったインタビューです。

北野氏は、人工知能と生身の人間の違いに言及しながら、「コンピューターはあくまで道具でしかない。今後もその域を出ないだろう。コンピューターと人間はそれぞれ違う形で発展しており、十分、共存できるはずだ」と話しています。決して「人工知能万能主義」ではない点が興味深いといえます。

「人工知能」という言葉を聞くと、何かSF的なイメージが広がりますが、研究の発展により、我々の日常生活のさまざまな場面で役立てることができるようになっています。今後、少子高齢化が進む日本の社会では、人工知能が得意な分野はそちらにまかせて、人間は、人工知能がカバーできない領域に注力していくべきといえるかもしれません。そのうち、このコラムも人工知能が代わりに書いてくれるようになれば、ラクでいいのですが・・・

(スタッフ: K)
(2013/5/20 UPDATE)
番組スタッフ
5月20日(月)から1週間、専門家によるニュースの深堀コンテンツ、All About News DigとTIME LINEの連動キャンペーンを実施しました。テーマは「あなたの周りの格差社会」。
キャンペーンを終えて、それぞれの見解をまとめてみました。


<TIME LINE まとめ>

「わたしの周りの格差社会 〜勝ち組の不幸!? 負け組の幸福!?」
“見えざる壁”とどう向き合うか

タイムラインでは、「わたしの周りの格差社会 〜 勝ち組の不幸!? 負け組の幸福!?」と題し、人と人との隔たりを生む“見えざる壁”をいくつかの視点から考えました。

月曜日のテーマは「ヘイトスピーチをされる側の言い分から見えてきたこと」。
「皆殺し」「国外追放」といった過激な言葉で在日韓国・朝鮮人を批判するデモ「ヘイトスピーチ」が、東京・新大久保などのコリアンタウンで繰り返されています。先日は初の逮捕者も出ました。
ヘイトスピーチをされる側の韓国人である一橋大学大学院法学研究科のクォン・ヨンソク准教授はこう述べています。
被害者意識を持ち、反日あるいは嫌韓を生きがいにする人の心を変えるのは困難なことだ。以前はネットでの誹謗中傷や嫌韓派の存在が気味悪かったが、最近は慈しみの念さえ覚えるようになった。
嫌うからには、それだけの理由があるのだろう。大人になったのか非力になったのか分からないが、最近は自分を嫌う相手を同じように嫌うのはバカらしいと思うようになった。
人種をめぐって存在する明らかな壁。そこに私は虚しさを感じます。

5月21日火曜日のテーマは「日本のネット選挙はガラパゴスか?」。
ネット解禁法案が成立し、7月の参院選からネット上での選挙運動がスタートします。政党や候補者だけでなく、ネットユーザーの関心も高いが、他人にメールを転送できない、ハンドルネームは使えないなど、使い勝手はあまりよくはありません。
ネット選挙で生じうる格差で、私たちの未来はどのようになって行くかを考えました。

5月22日水曜日は「7万人がフォロー!収束作業の矛盾を訴える、元原発作業員のつぶやき」がテーマ。
東京電力福島第一原発事故の発生当初から収束作業に従事し、現場の様子をツイッターでつぶやき続け、その内容を7万超の人が注目している「ハッピー」さん。ハッピーさんにインタビューし、原発の今後と収束作業の今について考えました。
その是非をめぐって、日本を大きく二分する原発。
福島第一原発の周りに暮らす、あるいは暮らしていた人々と、そうでない人々の間には
“見えざる壁”が生じているように思われます。

5月23日の木曜日は「日本は世界で一番冷たい格差社会?今の時代の勝ち組・負け組」と題し、経済格差について検証。
数年前、ハーバード大学のマルガリータ・エステベス・アベ教授は、福祉機能で米国に劣り、雇用環境で欧州以下の日本こそが、先進国で一番冷たい格差社会であると警鐘を鳴らしていました。非正規雇用者、生活保護受給者にやさしくない国だというのです。
アベノミクスの実体経済への効果に注目が集まっていますが、アベノミクスによる規制緩和で経済格差が広がるとの声があります。
果たして、アベノミクスは私たちに何をもたらしてくれるのでしょうか?
この日の放送では、事前募集していたリスナーの皆さんからのメッセージを紹介しました。
印象的だったのは「アベノミクスで幸せにしてもらおうとする人が負け組。アベノミクスを利用して幸せになってやろうとする人が勝ち組」という意見。
能動的でなければ生き残れない時代は加速しているように思われます。

ある建設機械メーカーは社内を勝ち組と負け組に分け、負け組の事業から撤退し、勝ち組に特化することで大きな成果をあげたそうです。その企業の相談役は、政府は負け組でなく、勝ち組となる産業や企業に重点投資すべきだと述べています。
世界と戦うためには、これくらいが当たり前だと思われるかもしれません。
私はこういった例を耳にするたびに、ある経済評論家が語っていた言葉を思い出します。
「国家という文字には“家”とある。つまり、ファミリー、家族だ。国は大きく見ればファミリーなのだ。どこに、自分の家族の一因が落ちこぼれたからと言って、見捨てる家族があろうか。落ちこぼれでも救ってあげるのが家族なのだ」

“がんばってもどうにもできない状況”は存在します。
現実問題として、何をどうしようが、格差という名の見えざる壁を取り払うのは不可能です。
しかし、その壁に穴を穿ち、扉を作るなどして、隔てられた者にいつでも救いの手を差し伸べてあげられるようにしておかなければならない。せめて、私はそう思います。




<All About News Dig まとめ>


All About News Dig 「あなたのまわりの格差社会」 5日間のラインナップ

5月20日(月) 第1回目 「育休3年」が格差を生む!?
5月21日(火) 第2回目  情報格差が不幸を生む
5月22日(水) 第3回目  やっぱり大企業の方がいいですか?
5月23日(木) 第4回目  勉強ができないのは親のせい?
5月24日(金) 第5回目  社宅を蝕む“ママカースト”

All About News Digは一週間にわたりさまざまな「格差」についてとりあげ、多くのDigブロガーがユニークな持論を披露しました。とくにスマートフォン版では、ブロガーたちが格差に対するスタンスを明確にしながら執筆、その記事を読んだ読者も是非を投票するという、書き手と読み手がクロスオーバーする場を作り上げました。

取り上げた格差テーマは「男女」「情報」「企業」「教育」「ママ」の5つ。Digの中心読者である40代の男女が日ごろ感じているであろうテーマを選びました。当初、すべての格差について、「なくすべき」という意見が多いのではと考えていましたが、意外にも「格差があるのは仕方ない」という記事が少なからずあがってきました。テーマによっては格差肯定の意見が上回っていたのは驚きです。

読者の意見は、「格差をなくすべき」が過半数を占めたのが5テーマ中3本。「格差も仕方なし」が2本と、意見が大きくわかれました。近年、とくにウェブが広く普及するにつれ、「格差社会」に対する問題提起が増えてきています。最近のウェブの論調からすると、「格差は悪」とする意見が多数のように感じていましたが、実際にテーマ別に格差を俎上にのせてみると、賛成反対ともに拮抗している様子。

近年、「格差」が広がってきたような印象がありますが、昔からあった格差が、最近のウェブ論壇で浮き彫りになっただけかもしれません。格差は、言い換えれば「違い」「差異」です。人それぞれの個性を考えれば、違いがあるのは当然で、目くじらをたててすべての差異を是正するのは、意味があるとは思えません。もちろん、特定の階層の人々が不利益をこうむるような格差は問題ですが、Digの書き手、読み手たちは客観的に、そして冷静に「格差」を見つめているようです。
(2013/5/16 UPDATE)
番組スタッフ
東急東横線と東京メトロ副都心が連結し、新たな渋谷駅が誕生し2ヶ月が経ちます。
地上2階にあった東横線渋谷駅は地下5階へと移り、当初から周囲の店への客足の便の悪さなどが懸念されていました。

私は東横線沿線に住んでいます。渋谷駅が生まれ変わって、私の生活は少し変わりました。
例えば品川駅に向かうとき。
3月15日までは、渋谷駅まで出て、山手線に乗り換えていました。
しかし、今や違います。
中目黒駅で日比谷線に乗り、恵比寿駅で降りて山手線に乗り換えます。
渋谷駅乗り換えより高くつきますが、そんなの関係ありません。
地下5階から地上2階まで、カオスの中をかいくぐり、細い階段を上っていくことを考えると、自身の精神的衛生上、東京メトロ中目黒〜日比谷駅間の乗車運賃160円は安いものです。

電車に乗ることが苦行と言われる日本。渋谷駅のアップデートは、通勤ラッシュという苦行に、迷宮的な構造によるストレスも加わりました。今回のアップデートを“改悪”と呼ぶ人もいるのです。

駅係員や警備員計約100人態勢で利用客を誘導しているといいます。
大きな声で、カオスに慣れない利用者の動線を確保してくれています。
利用された方ならわかるかと思いますが、新渋谷駅の改札は地下3階にあります。
山手線を利用した人が乗り換えるときに使うであろう出入り口は9番か14番。
ここには下りのエスカレーターがありません。しかも階段が非常にせまい。高齢者に非常に優しくない駅なのです。
高齢者にとっては、上りよりも下りの方が辛いという声もあります。
<毎日新聞 渋谷駅:「不便」 東横線地下化、下りエスカレーターなし>

高齢者だけではありません。渋谷駅の改悪については、多くの人がうらみ節を吐露しているようです。

【ふざけるな!】新渋谷駅の利用者の声まとめ!東横線ユーザー不満大爆発!不便すぎる!
渋谷駅、もはや「地下迷宮」 東横線駅は地下5階…乗客混乱続く

JR渋谷駅の約1カ月間(3月17日〜4月14日)の利用客が前年同期に比べ、6・5%減少したことがわかりました。
東横線と副都心線の直通運転によるメリット、デメリットの両方が影響したと考えられます。
私の周りにも、新渋谷駅をもう使いたくない!渋谷駅を避けて乗り換えをしているという声が多々あります。
また、改悪という不満の声に対して、渋谷駅は次のような”改善”を検討しているようです。

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現在、上りのエスカレーターのみを設置している理由を、同社広報部は「上りを利用する人の方が多く、あまり広いスペースがないため」と説明。「9番」と「14番」についてそれぞれ2016年と20年に下りのエスカレーターを設置する予定だったが、利用者の不満を考慮して「9番」にのみ、今年度内に下りのエスカレーターも設置する検討を始めた。
<毎日新聞 渋谷駅:「不便」 東横線地下化、下りエスカレーターなし>
+++++++++++++++++++

改善は早くとも2016年なのでしばらく先です。もちろん、今すぐ何とかならないのか!という声もあると思います。
東急電鉄では「バリアフリールート」としてエレベーターで2階に上がり、連絡通路経由で商業複合施設「渋谷ヒカリエ」に入り、エレベーターで降りる方法を案内しています。
バリアフリールートとして商業施設に一度入る…邪推しようと思えばいくらでもできる“動線”となっています…。

渋谷駅とは何なのか。『迷い迷って渋谷駅 日本一の「迷宮ターミナル」の謎を解く』の著者、田村圭介氏はこう語っています。

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駅の機能性について一般的に語るとき、トイレの場所の良さ、エレベーターや段差処理のユニバーサル化が進んでいるか、切符売り場や改札がわかりやすいか、サイン表示が優れているかなど、いろいろと考えられる。しかし、渋谷駅にとっては、人を入れて出す、人の流れを作り出すプラットホームの位置が渋谷駅の中で関係を作り出しているのである。
渋谷駅は圧倒的に内的な機能から、その形態が出来上がったと言える。

<田村圭介著『迷い迷って渋谷駅 日本一の「迷宮ターミナル」の謎を解く』より>
+++++++++++++++++

数を裁くことが渋谷駅のメイン機能であるというのです。
渋谷駅は1日280万人の利用者(上記著書より)を有します。280万人を裁くのは1日4000本の電車。人と電車の動きが渋谷駅の血流そのものです。
しかし、数を裁く機能さえ有していれば十分なのか、そんな疑問もわき起こります。

私は乗り鉄でも、昨今、問題視される撮り鉄でもありません。しかし、電車はよく使います。
誰もが安価に使うことができ、それにより利便性を実感できる巨大インフラは、機能性もさることながら、快適であってほしい。そう願います。もちろん、渋谷駅のアップデートで利便性が高まったという声もあります。(田園都市線利用者など)
地上階当時の東横線渋谷駅では、
満員電車に立って乗るのがイヤだから、あえて一本、遅らせる。早めに電車に乗り込んで、スマホをいじったり、本を読んだりして出発を待つ。
…ということがよくありました。
数を裁くことだけに神経を集中しているかのような新渋谷駅。地上階の頃に味わえた“静止した時間”が何だかとても貴重だったように思われます。

スタッフ:坂本
(2013/5/16 UPDATE)
番組スタッフ
早くも今年の流行語大賞をとるのではと噂されている「アベノミクス」。
バブル後に社会に出た「不況ネイティブ」と呼ばれる世代だからか、
いまいち、その効果を実感できないままに日々を過ごしているのですが、
そんななか、最近よく目にするのが「年収150万円」という言葉。

なかでも現在、元・官僚をしていた人が自身のブログで
“年収150万円でも生きていける”という主張を展開し、話題となっています。

その人物とは、株式会社トリリオン・クリエイション代表取締役の宇佐美典也さん。
東大経済学部を卒業し経済産業省に入省。
自身のブログで給与明細を公開したことから有名となり、
12年9月に経産省を退職されています。

宇佐美さんは、5月6日付けのブログで
希望なんて無いんだから楽しめって言う話」と題し、
“今の20代〜30代は、満たされているけど社会に希望は無い”とした上で・・・

『物価は安くなったし、その気になれば
それこそ「年収150万」でも生きていける。
ぶっちゃけ松屋や吉野家や幸楽苑だって十分美味しい。』

…と続けています。
この記事は、言論プラットフォーム「アゴラ」や
「Yahoo!ニュース」にも転載されていたのですが、
記事に寄せられたネット上の意見では、批判的な意見が多く見られました。

+++++++++++++++++++++

・ごめん無理だわ。

・「年収150万円でも生きていける」なら1ヶ月でいいから
その生活を実践してみて欲しい。

・夢と目標があるから、今の(苦しい)生活でも前向きに楽しく生きられる
という人と、苦しい生活を余儀なくされている人をゴッチャにして
あの人はできているんだからお前もそうするべきだ!と主張するのは間違い。

・生きていくことはできるだろうがただそれだけでしょう。

・こういう考え方がどうのこうのって言うんじゃなく
この更に後に続く世代の子供を持つ親としては なんとなくゾッとする

+++++++++++++++++++++

この宇佐美さんの主張は「人生を楽しんだもの勝ち」という点に
集約されるのだとは思いますが、
現実的には、人生を楽しむためにも、お金は必要。

こうした“勝ち組”の主張と、一般人の感覚の境界線には、
マリー・アントワネットが言ったとされる
『パンがなければお菓子を食べればいいじゃない』に似た、
大きな感覚のズレを感じてしまいます。
“格差社会”が叫ばれて久しいですが、
思想の面でも、感覚の“格差”が生まれているのかもしれません。


ちなみに、私の知り合いで“売れない芸人”をしている人がいるのですが、
その人は、一応、プロとして活動はしているものの、
給料が月に5万円以下が当たり前。
もちろん、生活費を捻出するためにバイトに明け暮れ、
そのためネタ作りの時間を作るのにも一苦労。
「生きるためにバイトは必要だし、
正直、どっちが本業なのかわからなくなる」と言っていました。
過去には、ライブで使うための小道具が買えずに、
友達にお金を借りた事もあったそうです。

幸せの定義は、人それぞれ。
“お金で買えない自由がある”という言葉をよく聞きますが、
自分のやりたいことをやっていたとしても、
お金がなければ“選択の自由がなくなる社会”であることも
一つの真実だと私は思います。


ちなみに、生命保険文化センターが公表した
2012年度版の「生命保険に関する全国実態調査」によると、
年収300万円未満世帯の保険加入率は79.8%という結果になったそう。

“年収150万円でも人生楽しんだもの勝ち”とは言えども、
幸せを得るためには、「リスクの回避」というのが、
一般的な感覚なのでは?と思いました。

担当/梅木


(2013/5/15 UPDATE)
番組スタッフ
朝日放送(関西ローカル)で毎週金曜日深夜に放送されている人気バラエティ番組『探偵!ナイトスクープ』。
探偵(というていのタレント)たちが視聴者から寄せられたさまざまな依頼を調査し、解決していく番組なのですが、今から少し前の4月5日に放送された“あるエピソード”が話題になっています。
ネットでは「泣いた」、「感動した」など絶賛する声があがるだけでなく、その一連の現象を「週刊ポスト」が取り上げるという、ちょっとした騒ぎになっているのですが、このエピソードの何が多くの人の琴線に触れたのでしょうか?
少し長くなりますが、ポイントを整理しましたので、まずはご一読ください。

<依頼内容>
●奈良県に住む18歳の男性からの依頼
●男性は物心ついてから両親の会話を聞いたことがない
●59歳の父親は子どもには普通に話すのに、母親とは一言も話そうとせず、理由もわからない
●父親が母親と話さない理由を解明して、夫婦仲良く会話する姿が見たい


<調査結果>
●調査を始めると、両親が会話をしていない期間は「23年間」だと判明
●探偵(というていのタレント)に原因を聞かれた父親は驚きの告白をする
●「子どもが生まれると、なんか子ども中心の、まぁ家内がそういう生活になって、私はなんかほったらかしになったんですね。まぁ若かったせいもあるし、なんか拗(す)ねたみたいな感じで…引っ込みがつかなくなって」
●23年間、会話しなかった理由はなんと、ただ“拗ねただけ”だった


<感動の場面>
●二人が出会ったころにデートしていた公園で23年ぶりに会話
●それを見た子どもたち(依頼人の姉2人)は号泣
●最後に、探偵(というていのタレント)が、“拗ねただけ”という驚きの理由を明かすと、母親は「そうじゃないかとは思ってました」と笑った


都内在住でありながら、ほぼ毎週、「ナイトスクープ」を見ている、“「ナイトスクープ」フリーク”のわたしは、このエピソードをもちろん、リアルタイムで視聴(TOKYO MXで毎週日曜17時から放送中。正確には朝日放送より2週遅れ)。
“離婚されてもおかしくない身勝手な父親を包み込む母親の大きな優しさ”に感動し、「ナイトスクープ」にたまにある“神回”(演出などが突出して良い回のこと)だと確信していました。

もちろん、このエピソードに対し、批判的な意見を持つ人などいないと思いこんでいたのですが、「週刊ポスト」(2013/5/24号)によると、ネットには「これに感動してるって奴、理解できん」「妻に対する甘えだ」「感動しているのは男だけ」などの批判が書き込まれ、しかも批判派の大多数は女性のようなのです。
それだけでなく、記事の中ではジャーナリストの白河桃子さんが批判派の女性たちの代弁として「団塊周辺の世代では、特に夫の妻に対する甘えが強いんです」という厳しい指摘をしています。
*****
番組は、日本人男性の不器用さを許してくれるという部分で、男性にとっては都合がいいのでしょうが、女性からすればこの夫はなあなあで甘やかされているだけに見える。この夫婦のような団塊周辺の世代では、特に夫の妻に対する甘えが強いんです。
(中略)
近年の熟年離婚の増加を見ても、いまやそれは通用しません。この夫婦はあくまで例外で、父親になりきれない夫の今後は厳しいでしょう。
*****

わたしの両親は60代前半で、まさに団塊周辺の夫婦。ほぼ会話はなく、どちらかが話を振ったとしても、会話が噛み合うことはほぼありません。
たとえば、母親が何気ない話をするものの、父親は空返事を繰り返す、空返事がバレバレなので、母親が怒る、といった具合。
この事態を重くみたわたしは、いつだったか、母親に“会話が成立していないこと”への感想を訊いてみたのですが、母親は苦々しい表情を浮かべ、一言、「あきらめている」と吐き捨てていました。
おそらく、これが熟年夫婦のスタンダード。
「23年間会話のなかった夫婦」に感動した多くの男性たちは、自分や自分の父親がおかれている厳しい現実を目の当たりにしているからこそ、男性にとって理想的な「23年間会話のなかった夫婦」に憧れ、心を動かされただけなのかもしれません。

余談ですが、ある調査によると、夫婦関係に満足している人とそうでない人を比較した場合、夫婦関係に満足している人の方がより多く「将来についての会話」を交わしていることが分かっています。
わたしは結婚5年目。夫婦の会話は今のところ順調ですが、いつ会話が成立しなくなるかも分かりません。
その日が来たときのためにも、「将来についての会話」のことは忘れずにいたいと思います。

(スタッフH)
(2013/5/14 UPDATE)
番組スタッフ
米国の有名ニュースサイト「ハフィントンポスト」の日本版が先週5月7日にスタートし、メディア関係者の注目を集めています。ITmediaニュースの記事をはじめ、多数のニュースサイトで、その発表会の模様が伝えられました。

●安倍首相もブロガーとして参加予定

ハフィントンポストはニュースサイトといっても、新聞社が運営するストレートニュースを中心にしたサイトとは異なり、有識者のブログや読者のコメントを積極的に掲載していこうというスタンスをもつ「オピニオン集約型」のサイトです。時事的な話題に関するオピニオンサイトとしては、BLOGOSという先行事例がありますが、そのBLOGOSにもハフポスト発表会のレポート記事が掲載されました。

サイトオープンの翌日には、安倍首相もブログ記事を寄稿する意向であることが発表され、さらに関心を高めました。米国で8年前に生まれたハフィントンポストは、創業者のアリアナ・ハフィントン氏がもつ人脈を駆使して、オバマ大統領やオノ・ヨーコさんらの有名人に寄稿してもらったのが、成功の一因といわれています。日本版でもそのスタイルを踏襲しようということのようです。

メディア関係者がハフィントンポストに注目するのは、ネットで収益化するのが難しいといわれるニュースの分野において、ビジネス的に成功をおさめた「例外」だとされているからです。そのあたりの事情も含め、最近の米国のネットメディア業界の動きをからめて、ハフィントンポストの来歴を紹介しているのが、日経トレンディの記事です。

また、東洋経済オンラインは、米国だけでなく日本のネットメディア業界の事情に触れながら、「ハフィントンポスト上陸」の意味を考える記事を掲載しました。そして、「長らくヤフーニュースがトップの座に君臨し、新聞社系サイトが上位を占めてきた日本のニュースメディアの勢力図が流動化することは間違いない」と激変の予感を伝えています。

●「ハフィントンポストは失敗する」という記事もさっそく登場

このように注目度は抜群といえるハフィントンポストですが、目立てば叩かれるのが世の常であり、さっそく批判的な論評記事もいろいろと出てきています。たとえば、ずばり「ハフィントン・ポスト日本版は失敗する」という見出しで人目をひいたジャーナリスト・藤代裕之さんの記事。藤代さんは、7年前に韓国での成功をひっさげて「上陸」したものの失敗に終わった「オーマイニュース」を引き合いに出しながら、「政治関係者が、今のところ読まざるをえないサイトではないし、ビジネスモデルもよく分からない。投稿側のメリットも薄い」と難点をあげています。

また、ハフィントンポストは「ユーザーが参加するポジティブな言論空間」を作り出すことをコンセプトにかかげ、そのための手段として、読者のコメント欄を編集部が人為的にコントロールする姿勢を明確に打ち出しています。その点について、ブロガーのイケダハヤト氏のように歓迎する意見を表明している論者がいる一方で、「驚きましたよ。コメント、人力で検閲&削除するんですね」と否定的な感想を述べる記事も掲載されています。

読者コメントについては、ハフィントンポスト日本版の発表会で、松浦編集長自身が「日本のニュースサイトにはコメントはいらないのではないかと、絶望的な気持ちになったこともある」と吐露したことからもわかるように、扱い方を一歩間違えると炎上のリスクを秘めています。ハフポストにも「日本人は、なぜ議論できないのか」というブログがさっそく投稿され、それ自体が論争のテーマだといえます。その意味でも、ハフィントンポスト日本版がどのように運営されていくのか注目されます。

●米国版のスタッフは500人、日本版の編集部は8人

このように賛否両論が沸き起こるなかでの船出となったハフィントンポスト日本版。「悪名は無名に勝る」という亀井静香氏の言葉ではないですが、注目されないよりは注目されたほうがよほどましなのは間違いありません。松浦茂樹編集長も「いろいろ言われること自体がありがたいです」とコメントしています。

問題は、この注目度の高さに応えられるだけのレスポンスをしっかり返していけるかということです。その点、心配なのは、500人近いスタッフがいるという米国版と比べて、編集部の人員が圧倒的に少ないということです。

現在は松浦編集長を含め、8人の編集部員だけという少数精鋭の体制です。今後、アルバイトスタッフを入れていくとのことですが、それでも、人数的に多いとはいえません。そんな陣容で、記事を執筆・編集・掲載するだけでなく、ブロガーとのやりとりや、読者コメントのチェックまでやっていかなければならないというのは、なかなか大変なことだろうと想像します。

人員の強化はコスト増につながるので、収益性を考えたら、ミニマムの体制で始めたいというのはわかりますが、ここまで期待度が大きくなってくると、収益性にとらわれすぎるのもどうなのだろうという気がしてきます。

いずれにしても、そのようなスタッフ体制の拡充も含め、これからハフィントンポスト日本版がどのような手を打ってくるのか、注目していきたいと思います。

(スタッフ : K)
(2013/5/13 UPDATE)
番組スタッフ
個人から企業や団体まで、数多あるFacebookページ。
Facebookの企業向けキャンペーンアプリ・解析ツール「Fantastics」を手がける株式会社ガイアックス の調査によると、ユーザーがFacebookページに「いいね!」を押している平均数は23.5個ということがわかりました。もちろんこれは「いいね!」を押しまくっている人が底上げしているという結果です。

本棚を見ると、その人がどんな人物なのか何となくわかるように、Facebookページのラインナップを見れば、アカウント主はどんな人物なのか、どんな趣味思考を持っているのか、判断する材料に十分なりえます。
Facebookページのラインナップを自己PRの手段の一つと考えている人もいるのかもしれません。
私の周りにこんな人がいます。
村上春樹を読んだこともないのに、村上春樹のFacebookページに「いいね!」を押している人。
何かオシャレそう、というのが理由なのだとか。

「いいね!」は最大限に簡素化された意思表示システム、あるいはコミュニケーションです。
だから、誰でも気軽に「いいね」をして構わないのです。もちろん、何ら咎められる要素はありません。
村上春樹を読んだことなくたって、村上春樹に「いいね」と言っていると何かカッコ良く見えそうだから、「いいね」と言っておく…。
何となく興味があるだけだけど、これに「いいね」と言っておけば、自分がグレードアップされるかもしれない…。
そんなファッション感覚の「いいね」は私の体感ですが、結構あると思うのです。
(なぜなら私自身、何かカッコいいかもというダサい理由でEvernoteに「いいね!」しています)

なぜ、私がこんなことを思うのか。GW中、こんな動画を見たからです。
「Likes don't save lives - UNICEF Sweden TV commercial」

タイトルからわかるように、これはユニセフ・スウェーデンのCMです。
動画に登場するのはラヒムという10歳の少年。弟と一緒に生活しています。
「母が病気だったように、僕も病気になるんじゃないかと心配する時がある。もし病気になったら誰が弟の面倒を見るんだろう?でも、僕は全てが良くなると思っている」
そう語るラヒム少年は、ユニセフ・スウェーデンのFacebookページには177000の「いいね!」が押されており、夏には20万に達する見込みだと付け加えます。

そしてこのCMは、

Likes don't save lives.Money does.
「いいね!」で命は救えません。お金で救えるのです。


というメッセージとともに、寄付を訴える文言で締めくくられます。

これは「いいね!」を押しただけで、いいことをしたという気になって、
何もしない人へ警鐘を鳴らすユニセフ・スウェーデンのキャンペーンです。
このCMを紹介した世界の広告を紹介するサイト「AdGang」「流行りのバーチャルなアクション(“いいね”)を引き合いに出し、リアルな“本当に価値のある”アクションの実行を市民に訴える企画。現代人のインサイトをついた挑戦的なキャンペーンだ」と述べています。

慈善事業に意思表示はすることももちろん大切です。Facebookにおいて、意思表示は極めて簡単に行うことができます。
言うまでもなく、「いいね!」という意思表示のその先にあるものを示さなければなりません。
“本当に価値のある”アクションとは何か。
私の友人のある映画監督は、常日頃からFacebookでペットビジネスの“被害者”となってしまう動物たちの悲惨な現状をシェアしていました。先日、彼はかわいらしい犬の写真をアップしました。コメントにはこうあります。
「崩壊したブリーダーから助け出された8歳のチワワを買い始めた。人間を信頼できなくなったチワワが、必死に信頼してくれようとしている」

慈善事業へのリアクションだけではなく、いい話や感動するエピソードは無限にシェアされる昨今。
私の友人は「いいね!」のその先にある行動を示してくれました。
きっとそれは、“本当に価値のある”アクションと呼べるはずです。

スタッフ:坂本
(2013/5/9 UPDATE)
番組スタッフ
新入社員を迎えた4月、そしてGWが終わり、
いよいよ本格的に社会が動き出した今週。
週明けから、女性として“腑に落ちない”ニュースを見てしまいました。

●女性手帳:妊娠・出産指南 政府来年度から配布へ/5月7日 毎日新聞

記事によると、7日、政府は、森雅子少子化担当相が主催する、
少子化対策を議論する作業部会
「少子化危機突破タスクフォース」の会合を開催。
若い世代の女性向けに、妊娠・出産に関する知識や情報を盛り込んだ
「生命(いのち)と女性の手帳」を作り、
10代から配布する方針を決めたそう。
この手帳の目的は、晩婚化や晩産化が進む中、
若い世代に妊娠・出産について関心を持ってもらうのが狙いで、
来年度からの配布を目指すとのこと。

私は、このニュースを読んで、大きな違和感を覚えました。
というのも、少なくとも私の周りの、出産を経験していない女性達は、
「妊娠・出産」に関心がないから晩産化しているわけではなく、
むしろその逆で、出産後の生活や、養育費、職に対する不安を抱えて、
妊娠や出産、その先の子育てに踏み込めずにいる人が多かったからです。

そして私自身も、30代の未婚で出産経験もないのですが、
高齢出産のリスクなども知識として知った上で、
あえて、今の状況を選んでいます。

“少子化は、全て女性の問題だから、その意識から変えていかねばなるまい”
…という政府の「押し付け」を感じてしまうのは、私だけでしょうか?


そこでネット上を徘徊してみたところ、女性団体はもちろん、
多くの女性達が怒りの声をあげていました。その一部をご紹介します。

++++++++++++++++++++++++++++++
「女性手帳の最大の問題点は、それ自体がいい悪いということではなくて、
「安心して出産・育児ができない社会」という問題であるはずのものを、
「出産・育児に対する女性の知識」という問題に
矮小化してしまっていることでしょう」

「やるべきは そんな事じゃない、
産んでも安心して生活できる環境づくりと不妊症治療の改善だ!
欲しい人のケアもできないのになんのため?」

「子供を生む、生まない個人の自由!ここまで干渉される謂れはない!
それよりも、子供手当て、保育園をしっかりする事が先決!!」
++++++++++++++++++++++++++++++

これらの意見を見て思ったのは、
そもそも「少子化」は、女性だけの問題なのか?という疑問です。
この疑問の境界線には、女性だけではなく、
夫である男性の問題もあると私は思うのです。

妊娠・出産の問題は、出産の「行為」だけをとって見れば
“女性の問題”かもしれませんが、出産までの妊娠期間や、
出産後に子供が成人するまでの教育、養育費なども含めて、
夫婦の収入や時間の問題が深く関わってきます。

私見ではありますが、こうした産後の「生活に対する将来的な不安」が、
少子化の背景にあるのではないかと思うのです。

とすると、出産しづらい社会は、政治がつくりだしているわけですから、
社会が抱える問題を解決せず、女性に責任転嫁していては、
永遠に、少子化問題が解決できないのではないのではないでしょうか?


ちなみに、5月7日、日本版が登場したアメリカ発のニュースサイト
ザ・ハフィントン・ポスト」には、
自民党が参院選公約の目玉として掲げる予定の「育休3年」方針について、
こんな記事が載っていました。

●「育休3年」って誰のため?安倍首相の子育て支援策に批判噴出/5月5日ザ・ハフィントン・ポスト

記事によると、安倍晋三首相が発表した子育て支援策に対し、
「育休3年」を歓迎する声は少なく、
ツイッター上では「3年も空けたら職場に戻るのが不安」
「3年休んでも働けるような仕事に女を追いやる仕打ちにしか思えん。」
といった批判が噴出しているとのこと。

「女性手帳」で、少子化問題が解決するかどうかはわかりません。
また、このご時世に、どれだけの企業が「育休3年」の制度を
積極的に取り入れていくのかも未知数です。

かつて安倍首相が掲げた“美しい国”の構想が、
全ての女性にとっても、同じように“美しい国”と感じられるよう、
ただただ願うばかりです。

担当/梅木



(2013/5/8 UPDATE)
番組スタッフ
ある調査で、74%が「生活必需品」と答えるなど、日常生活にとってなくてはならない存在になりつつある、スマートフォン。
電車に乗って周囲を見渡せば、スマートフォンをいじっていない人を見つける方が難しい、そんな印象すらあります。
“国民総スマホ中毒”とも言える状況のなか、先週、“スマホ断ち”や“ネット断ち”に関する記事が立て続けにネットにアップされ、それぞれ話題になっています。

ひとつは、Yahoo!ニュース個人に掲載されている『スマートフォンからガラパゴス携帯に替えたら正気にかえり、生活が改善した』という記事。
Facebookのおすすめボタンが2394回押されるなど、多くのスマホ中毒者から共感を得ているようです。記事のポイントは下記の通り。

●記事の投稿者は、サラリーマン兼ライターのココロ社さん
●スマートフォンを使うようになってから、通勤電車などのちょっとした時間にネットを見るようになる
●さらに、Twitterを5分おきにチェックしたり、何度も読んだ過去のツイートを読み返したりするあり様
●スマートフォンをあまりいじらないようにしなければ廃人になってしまうと思い、スマートフォンは家に置いておき、持ち歩くのはガラケーにしてみた
●すると、想像していた以上に生活に改善が見られた


生活の改善点は、具体的には「一度スマートフォンを経験すると、スマートでない電話の使いにくさに苛立って使わなくなる」「よく眠れるようになった」「読書量が飛躍的に増えた」「周囲がよく見えるようになった」の4点。
さらに、「つらいのは最初の一週間だけ、それを超えたら正気に戻れる」「ネット中毒の治療には、心がけではなく物理的なハードルが必要」などと、“スマホ中毒”“ネット中毒”から脱却するための具体的な方策まで示されています。

もうひとつが、ライフハッカー日本版に掲載されている『ある企業のCEOが「9日間の完全なネット断ち」で得られたもの』という記事。こちらはFacebookのいいね!ボタンを押された回数は3463。ひとつめの記事と結論はほぼ同じなのですが、一応、ポイントだけ。

●猛烈な忙しさの中で、「脳がキャパシティを超えた」と感じたある企業のCEOが、妻と共に9日間の休暇をとる
●CEOは休暇の間、「ノートPCとiPadと携帯電話は置いて行き、メールチェックもしない」というルールを課す
●9日間の休暇が終わる頃には、力がみなぎり、心が豊かになった感じがした
●さらに、脳が落ち着き、注意力を自分でコントロールできる状態に戻ったという
●最終的には、「何かに完全に没頭するために大切なのは、定期的に完全なネット断ちをすること」だと結論づけている


これらの記事に対し、ネットでは「心当たりがある」といった書き込みを数多く見ましたが、わたしもその一人です。
ただ、わたしの場合は、スマホユーザーの方々よりも、さらに重傷。ガラケーを使っているのにネット中毒から脱却できていない、ありさまです。
スマホユーザーの方々はガラケーに機種変するというつける薬がありますが、もともとガラケーのわたしにつける薬なんてあるのでしょうか?

先日、ウェディングプランナーの知人から、ネット中毒にまつわる、こんな話を耳にしました。
それは、これから結婚式を挙げるカップルとの打ち合わせでのこと。
打ち合わせの途中、新婦がトイレに立つと、すぐさま新郎がスマートフォンをいじり出し、逆に新郎がトイレに立ったときも、すぐさま新婦がスマートフォンをいじり出したのだといいます。
この様子に違和感を覚えた知人は後日、「癖になっているのは分かるが、ほんのわずかな退屈な時間にネットをチェックする姿はみっともない」と嘆いていました。

『人間はおおむね気晴らしと退屈の混じり合いを生きている。だから退屈に落ち込まぬよう、気晴らしに向かうし、これまでもそうしてきた』
哲学者・國分功一郎さんが著書『暇と退屈の倫理学』でこう綴っているように、人間は退屈を気晴らしで埋めようとする生き物。
不便なガラケーでもネットサーフィンで退屈を埋めようとする、わたしにつける薬は、悲しいですが“ガラケー断ち”しかないのかもしれません。

(スタッフH)
(2013/5/7 UPDATE)
番組スタッフ
独自のインターネットテクノロジーを活用した、新しい形のニュースキュレーションサービスとして注目されている「Gunosy」をめぐって、賛否両論の議論がネットで展開されています。

まず、「賛」のほうですが、刑務所生活から復帰したホリエモンこと、堀江貴文さんが「朝まで生テレビ」や「ニコニコ超会議」の討論会でGunosyを紹介し、これぞ新しい時代のニュースサービスだと賞賛しました。

また、ネット業界の最新動向を伝える「シリコンバレーによろしく」というブログは
「東大院生のエンジニア集団が生み出したGunosyが止まらない!人気の理由と今後期待すること」という記事を掲載。「使っていてめちゃくちゃ気持ちいいんですよ!」と持ち上げました。

ところが、ホリエモンの言及によってGunosyへの注目が高まったことがきっかけとなったのでしょう。今度は、Gunosyに対する批判記事がいくつかのブログに掲載されました。

ベンチャービジネスの関係者のブログ「ベンチャー・アンダーグラウンド」には、「Gunosyのレコメンドエンジンの仕組み解説」という記事が載りましたが、そこではGunosyについて、「はてなブックマークの再編集サービスに過ぎない」と厳しい指摘をしています。

また、「はてな匿名ダイアリー」にアップされた「近い将来、Gunosyが私達から奪うもの」というタイトルの記事は、Gunosyに対する批判記事がGunosyから配信されていないと指摘。「GoogleはGoogleを批判する記事をフィルタリングしないが、Gunosyはフィルタリングした」「インターネット関連企業は言論の自由や知る権利を守るべきなのに、Gunosyは守らなかった」と批判しました。

しかし、批判する者あれば、擁護する者あり。今度は「Gunosyが批判されているのにやや反論」というブログ記事や、「Gunosyの批判はちょっと的外れ多すぎっていう話」といったブログ記事が掲載され、Gunosyへの援護射撃が行われました。

そうこうするうちに、Gunosy自身から反応がありました。Gunosyの開発チームブログに「ここ最近のGunosy関連の批判についての所感」という記事が掲載されたのです。ここでは、Gunosyのマーケティング担当者が、一連の批判に対して、反論あるいは釈明しています。

このようなGunosyによるレスポンスがあったあとも議論は続いているのですが、これだけの賛否両論が起きているということ自体が、Gunosyというサービスが非常に注目されているという証だといえます。ネットユーザーによる議論を経ながら、サービスやそれを支えるテクノロジーが改良・発展していくことを期待したいと思います。

(スタッフ : K)
(2013/5/6 UPDATE)
番組スタッフ
公開24日目にして興行収入1億円を突破した映画『HK 変態仮面』。
1993年から1994年まで「週刊少年ジャンプ」で連載されていた禁断のマンガが原作です。 変態仮面コスチュームの再現度の高さや、小栗旬さんが脚本協力として参加していることで、公開前から話題となりました。

そんな映画『変態仮面』に関して、その勢いに水を差す、ちょっとした事件がありました。
それはインターネットサイト「オモコロ」のライター、ヨッピーさんが以前、自身が緊縛されている変態的な画像をアップしたところ、映画『変態仮面』の中でその画像を無断で使用されたのです。
制作サイドも盗用を認め、示談金を支払って解決にいたったようですが、作る側の格好悪さが露呈された何とも悲しい事件です。

事件のあらましはこちら。
「変態仮面に勝手に画像を使われたので文句言ったらお金くれたからパンツ買って配ったら警察に連行された」

テレビ局のディレクターと食事をしていたとき、期せずしてこの話題が持ち上がりました。
彼が言うには、「大手メディアの驕りに他ならない」ということです。
簡単に今回の盗用事件に関する感想をまとめてもらいました。

+++++++++++++++++++++
やはり、既存の大手メディアは、その可能性や実力を評価しつつ、ネットメディアを軽視しています。
ほんの数年前まで、ネットに落ちてあるものは無断で使っても支障はない…、テレビの世界にはそんな風潮がありました。
テレビ番組をYouTubeに投稿することはいけないが、YouTubeに投稿された動画をテレビ番組で紹介するのに許可はいらない。そう考えている人も恥ずかしながらいます。

おもしろ動画を紹介する番組は、私が知る限り、全て投稿主の許可を得ています。
しかし、ニュース番組で使われる海外の旬な衝撃映像の中には、生放送だし録画もされない、わからないだろうという理由で、動画投稿サイトから拝借したものがあったようです。
衝撃的な事件が速報としてくると、最近では必ず、その現場に居合わせた人が動画や写真をネットにアップします。テレビ局は“速報性”を優先して、動画や写真を無断で拝借することがあります。
権利者に事後報告するスタッフもいますが、中には、無断盗用というお行儀の悪いスタッフもいるとか。
テレビ番組がネットに転がっていることに、テレビ局は目くじらを立てますが、その逆は全く成立しないのです。
もちろん、僕が言っていることはごくごく一部の話です。
もちろん、今、僕が携わっている番組にそのようなことはありません。許しません!

+++++++++++++++++++++

実際、私が数年前に携わっていた番組では、カーリングの起源を紹介するということで、海外サイトにあった画像を無断で拝借しようとしていたところ、局員のチェックで放送直前に削除するということがありました。
そういえば、雑誌の記事を、キャプションをつけずに無断で使用する制作会社もいました…。
著作権にうるさい大手メディアに従事するものに限って、他の著作物を使用するときは自分を甘やかしている場合があるような気がします。

バレねえだろ感覚で使っていたものがバレたときほど、格好悪いことはありません。
ネットには“タダに思えるもの”がたくさん転がっています。
バレねえだろと思って使ったとしても、無断拝借という行為、悪く言えば盗用が明るみになったとき、その罪はネットの世界では一生残ると言っていいでしょう。
私が小学生の頃、「変態仮面」は当時の週刊少年ジャンプに衝撃を与えました。
その過激な内容の人気は瞬く間に学校中に伝染し、マネをしたがる子ども達であふれました。
知られざる名作が待望の映画化ということもあり、そして、映画の内容も評判ということもあり、非常に期待していましたが、制作サイドの傲慢にも映る今回の無断盗用は残念でなりません。
大きくくくっての既存メディアとネットメディアの深い隔たりをあらためて感じました。


スタッフ:坂本
(2013/5/2 UPDATE)
番組スタッフ
空気が読める…という“感覚”は、
もはや社会人の必須能力になりつつありますが、
職種によっては、時として、この“感覚”が不要な場合もあるかと思います。

そんな「空気が読める・読めない」という“感覚”をめぐり、
今、ネット上で賛否両論の声があがっている話題がありましたので、
ご紹介します。

●プーチン大統領が露骨な不快感/5月1日ウォール・ストリート・ジャーナル

先月29日、ロシアのプーチン大統領と安倍首相の会談後の共同会見にて、
日本側の記者が、プーチン大統領をいらだたせる一幕がありました。

会見は、ロシア側記者から2問、日本側から2問の代表質問が行われたのですが、プーチン大統領の顔色が変わったのは4問目の日本側からの質問。

北方領土で、ロシア側のインフラ整備が進み、
ロシアによる実効支配が強まっていることを指摘した上で、
「日本にとっては、受け入れ難いような状況になっていると思うが、
安倍総理はどのような認識をお持ちか?また、ロシア政府は、
今後も同じような政策を、北方領土に対して継続する考えでしょうか?
そしてその場合、日露平和条約の交渉への影響については、
どのように考えますか?」と、紙に書かれた質問を読みながら、
両国首脳の見解を求めました。

これに対し、プーチン大統領は、「あなたのような、露骨な質問が
投げかけられるなら、ロシアも、同じように露骨な答えをするだろう」
といった主旨の回答をしたのです。

一国の大統領が、記者団に対して、ここまで感情を顕にすることは珍しく、
ネット上では、この記者に対し、賛否両論の声が上がりました。
その一部をご紹介します。

++++++++++++++++++++++++++++

<批判派>
・「空気が読めない」
・「あの質問する意味あったのかな・・・後日ニュースで、
自分たちの局と明かさず必死に擁護してる様子が
なんかすこし気持ち悪かった。」

<賛同派>
・「至極まっとうな質問ではないか。ある意味、ピューリッツア賞ものだ。」
・「たとえ相手に耳が痛かろうと、訊くべきことを訊くのが取材。
友達付き合いと混同してどうする」

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ここで問題になっているのは、
“ジャーナリストに、空気を読む必要があるか、どうか?”。
この境界線は、福島第一原発の事故以降、
多くの人が話題に取り上げてきた問題ですが、
私自身は、記者会見などの質問で“記者が空気を読む必要はない”と
思っています。

というのも、記者は、読者や視聴者が知りたい情報を、
代弁して聞いてほしいですし、当たり障りない質疑応答なら、
そもそも会見をひらく必要がなく、文書で発表すればいい…と思うからです。
空気を読まないことが、“真実を追求する”ジャーナリストたる姿ではないかと、
私は思います。
(とはいえ、質問を投げかける際は、
相手の国の特性を考慮する必要があるかとは思いますが…)

今回のプーチン大統領が苛立った問題について、
今回の質問者とは別の報道局に務める、
朝日新聞モスクワ支局員・関根和弘氏(@usausa_sekine)が、
Twitterで、事の詳細を報告してくれていました。

++++++++++++++++++++++++++++
(抜粋)プーチン大統領がいわんとしていることを解釈すると、
要するに「せっかく交渉を再スタートするときに、
水を差すような質問をしないで欲しい」ということだと思います。
確かに、特にロシア側にとってみれば、気分のいい話ではないし、
日本の交渉に携わる政治家や官僚の人たちにとっても、交渉の戦略上、
今はそういうことを聞かないで欲しいという思いがあったかもしれません。
それでも、記者としては仕事上、たとえ相手がいやがる質問であっても、
聞かなければならないときはあると思っています。
+++++++++++++++++++++++++++++

ちなみに、関根氏曰く、今回の質問内容は、報道各局合意のもと、
聞くことになった内容だそうで、各局の記者にとって、
最も必要な質問であると判断してのことだったようです。

震災以降、報道に関する不信感は消えることなく、
私達の中にくすぶり続けています。
その中で、今回のような出来事は、
報道の信頼性を回復させる、一つのプロセスになるのではないかと思います。

その半面、国内や、その他の国に対しての会見についても、
もっと切り込んだ質問をする記者さんが現れないかなぁ…と、
思わず願ってしまった出来事でした。


担当/梅木




(2013/5/1 UPDATE)

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