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番組スタッフ
6月30日(月)冷泉彰彦●2014年になって、アメリカでドラえもんが放送される理由
日本が誇る人気アニメ『ドラえもん』が、今年の夏からアメリカで放送されることが
発表されました。テレビ朝日がウォルト・ディスニー・カンパニーとタッグを組み、全米7800万世帯で視聴可能な『ディズニーXD』というアニメ専門チャンネルで、日本版から厳選した全26話がオンエアされます。
期待と不安が入り交じって報じられた「国民的アニメの渡米」。80年代からすでにヨーロッパやアジアでは放送されていたというが、なぜ「渡米」に30年もの時間を要したのか。
アメリカ在住ジャーナリストの冷泉彰彦氏は、背景にアメリカ特有の保守的な考え方があったと分析。
ドラえもんのアメリカ進出が意味するものとは?
冷泉彰彦氏とともに、ドラえもん渡米から今のアメリカを読み解きます。


7月1日(火)●問われる、社外取締役のあり方
元柔道選手や前駐日米大使、ジャーナリストなど多彩な社外取締役を起用する動きが広がってきました。
日本取締役協会の調べでは、昨年8月1日現在、東京証券取引所1部上場企業のうち62・2%が社外取締役を置いています。2004年の30・2%から、ほぼ倍増。
今国会で衆院を通過した会社法改正案は、企業に事実上、導入を強く促す内容を含んでおり、今年はさらに割合が高まる可能性が高いとみられます。
しかし、欧米と比べると、社外取締役の数はまだまだ少ないのが現状です。
生え抜きの役員とは違った視点で、経営にモノ申す「ご意見番」としての役割が期待されている、社外取締役。
現状、その期待にどれだけ応えられているのか。実態に迫るとともに、本来、果たすべき役割を考えます。


7月2日(水)●ヤジ問題の背景にある議会の「儀式化」
東京都議会で晩婚化対策を質問していた塩村文夏都議が「自分が早く結婚すればいいじゃないか」とヤジを浴びた問題で、自民党の鈴木章浩都議が23日、自身の発言だったと認めました。吉原修幹事長は「ご迷惑をおかけしました」と謝罪。鈴木都議は会派離脱を申し出ました。
なぜこのようなことが起こってしまったのか、その背景には、国会などにおける議会が「儀式化」していることがある、との指摘があります。
国会や都議会の議論において、役に立っているとは思えないような野次が飛び交う背景にある、議会の「儀式化」という問題。
議会を実質的な議論をする場にするために必要なこととは? 


7月3日(木)●外国人観光客が指摘する、日本のWiFi整備の遅れ
日本を訪れる外国人が増える一方で、外国人旅行客からは「インターネットで観光案内を見ようとしても、スマートフォンやタブレット端末が使いづらい」という声があがっています。
外国では旅行スタイルとして、スマートフォンやタブレットなどを持参し、旅行先でもネット経由で現地の観光情報を収集したり、SNSを通じてリアルタイムに旅行記を発信したりする人がたくさんいます。そのため、無料で使用できるWi-Fiスポットのある場所には外国人観光客が集まりやすい傾向があるようです。
WiFiは、行き先の検索やSNSを使う外国人旅行者に欠かせませんが、2011年に観光庁が成田空港で外国人約500人にアンケートしたところ、旅行中に困ったことで最多は「無料公衆無線LAN(WiFi)環境」(36・7%)でした。
アジアの近隣諸国と比べても遅れていると指摘される、日本のWi-Fi整備。
セキュリティー面で難のある「パスワード無しの無料WiFi」を広めてまで整備する必要があるのか、考えます。
(2014/6/30 UPDATE)
番組スタッフ
ワイドショー化してしまった都議会のヤジ問題。発言を認めた議員以外の追求はしない、ということで幕引きとなりました。
発言者の謝罪で一旦、区切りを迎えたかと思いましたが、ヤジを受けた塩村議員は今後も自分自身で追求する、名誉毀損で訴えるとさらなる勝利を望んでいるようです。
事態は思わぬ方向、いやもしかしたら、誰もが想像していた方向に向かいつつあります。
男性遍歴、お金をめぐる話題、昔と顔が違う疑惑がネットで浮上し、週刊誌は週刊誌で塩村議員の過去を暴くなど、ヤジを受けた塩村議員がマスコミによってかけられたハシゴを上って、世間の同情を浴びたは良いものの、今後はマスコミによってそのハシゴを外されようとしているのです。塩村議員の過去を考えると彼女に議員としての品格はないとの批判まで噴出しています。

ヤジを認めた鈴木議員、ヤジを受けた塩村議員の双方が批判されることになったのです。
両者以外にも、今回の問題について、批判される人は5種類に分けられます。

1:ヤジを投げかけた議員
2:ヤジを受けた議員
3:ヤジを徹底追及しない自民党都議団(存在が指摘される別のヤジ発言者も含む)
4:品位のないヤジが出てしまう都議会そのもの
5:品位のない議員を選んだ東京都の有権者


嘘を付いた挙げ句、生き恥をかいた議員、引き際を見誤った議員、臭いものに蓋をしようとする議員…
色々と批判の対象はありますが、今回は「有権者の責任」について考えたいと思います。

ネットに転がっている批判の声を拾ってみると、「コイツらを選んだ都民にも責任がある」「こんな人格(人柄)のヤツを当選させた有権者が大勢いることこそ問題だ」との意見が見られます。これは鈴木議員だけでなく、バッシングが浮上した塩村議員にも当てはまります。

果たして…「選挙」において、有権者はどこまで責任を持つ必要があるのでしょうか。

有権者の多くが、“自分たちの選択ミス”だと嘆いた例と言えば、「民主党に政権を奪取させてしまったこと」が思い浮かびます。
民主党に失望し、少しでも良くなればいいとの願いを込めて行われたその後の選挙では自民党が政権を再び取り戻し、先の参院選でも勝利し、国会のねじれが解消されました。

その結果が、現在の安倍政権および自民党の一党独裁とも言える、押せ押せムードを生んでいるのです。
政権支持率がある程度、維持されている限り、このまま安倍政権がやりたいようにことが進んでいくのは明らかですし、こうなることは衆参のねじれが解消された時点で明らかだったはずです。

「集団的自衛権の行使容認」「憲法改正議論」「TPP」「アベノミクス三本の矢」…
勢いのある安倍政権が決定する政策が、日本にどのような影響を与えるのかわかりませんが、上記の政策は全て、有権者が選択する時点で、自民党がやりたいこととして明らかだったはずです。「憲法改正」など、自民党の党是そのものです。

安倍政権の支持率も発足時ほど高くはなく、安倍カラーと言われる政策への批判が高まりつつありますが、「民主党よりましであれ」と自民党に投票した人がほとんどでしょう。
現在の安倍政権の独走、暴走を許してしまっているのは、野党の不甲斐なさはもちろんのこと、有権者にもその責任があると考えることができます。

選挙において、実行力はさておき、事前に候補者の「政策」を知ることは可能です。
しかし、実際に政治家となり、品位のないヤジをするかどうかといった「人柄」、言い換えると「本音」の部分までを予見して、判断基準とすることは容易ではありません。


すごくさわやかなイメージの政治家が実はネチネチした嫌な人間だったりします。
反対に、私が勝手に「この人、悪人ヅラだな。怖そうだな…」と思っていたベテラン政治家と、一緒に仕事をした際、とても穏やかで気さくな人だと好印象を受けたこともありました。


今回の一連のヤジ問題で、「東京都の有権者にも責任がある」と批判する人はきっと、選挙の際に、候補者の政策を熟考し、彼らの人柄を調べあげ、政治を任すに値する存在かどうかを自分なりにきちんと判断し、責任をもって投票に望んでいるに違いありません。
政治のリテラシーも非常に高いのでしょう。

しかし…地方自治の場合。都政にとても興味がある…という東京都民がどのくらいいるのでしょうか。
私は恥ずかしながら、都議会で東京五輪以外にどのようなことが主な議題として上がっているのか、わかりません。正直に言うと、国政について知るだけでも手一杯だったりします。
「都民のためにもっと情報を発信してくれよ!」と訴えたくなりますが、多分、東京都は東京都ですでに発信しているのでしょう。


今回のヤジ問題はワイドショー化してしまいましたが、この際、民主主義における選挙とは何なのかを、考える余地のある人は考えておいても良いのかもしれません。
『日本の思想』などの著書で知られる、昭和を代表する政治学者の丸山真男は「選挙」について、次のような言葉を残しています。

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丸山氏:代議制とか、国民を代表して代議士が政治をするといいますが、この代表っていう観念をもう一度考えてみなければいけないと思うのです。(中略)制度というものについてそれは出来上がった既製品として上の方から我々に天降ってくるものだと考えずに、我々の行動が日々制度を作っているという側面をもって考えることが必要です。人間の行動をはなれては制度は一日も動きません。我々の行動が日々制度を作っているのですね。
『丸山眞男集第十六巻』(岩波書店)「丸山眞男氏に聞く」より抜粋

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「我々の行動が日々制度を作っている」という丸山眞男の言葉から考えると、都政への興味のなさが今回のようなワイドショーを生んだのかもしれません。

私たちがどれほど責任をもって選挙に望んだところで、それでもしかし、政治家は失言し、失敗します。そこまで期待していないにもかかわらず、なぜか私たちは彼らが失敗すると安全圏から集中砲火を浴びせます。政治家とは何とも哀しい職業です。

こう書いてみると「選挙」とはとても崇高な選択行為のように思えてきます。気軽に投票に行こう!などと言って良いものではないのかもしれません。こうなってくると、投票しない自由も合わせて考えるべきなのでは…と思えてきたりします。


スタッフ・坂本
(2014/6/26 UPDATE)
番組スタッフ
連日熱戦が繰り広げられている、サッカーW杯ブラジル大会。日本は24日(日本時間25日)、1次リーグCの組最終戦でコロンビアと対戦し、残念ながら敗れてしまいました。
サッカーW杯の日本戦といえば、試合後に渋谷のスクランブル交差点周辺に集まり大騒ぎする人々がお約束のように必ず話題となりますが、コロンビア戦後は、警察のスムーズな誘導もあり、特に混乱することもなく、落ち着いた様子だったようです。

初戦のコートジボワール戦(15日)後は、敗戦したにもかかわらず大勢のサポーターが、数時間にわたって横断しながらのハイタッチなど交通の妨げとなる騒ぎを繰り返したり、混乱に紛れて痴漢行為で逮捕者が出るなど、かなりの騒動がありました。

こうした行為を非難する声はネット上に溢れ、タレントでは、例えば伊集院光さんが、ラジオ番組の中で「あのスクランブル交差点の連中のことを、サッカー好きな人はどう思ってんの?」「正直日本代表のサッカー応援している人もあいつらのこと嫌いであってくれと思うよ、おれは」などと語ったり、
ナインティナインの岡村隆史さんがラジオ番組に出演し「あそこで騒いでるの、本当のサポーターじゃない。アホやで。意味わからへん、恥ずかしい」「別に、応援すんな、とかじゃないけど、負けてハイタッチって、意味わからへん。謎の行動ですよ」と感想を漏らしました。

痴漢はもってのほかですし、交通の妨げとなるほどの騒ぎも、ある程度非難されることは仕方がないことだと思います。
「あんなのサッカーファンじゃない」と言いたくなる気持ちもわからないでもありません。
しかし私は先日、あるサッカーファンが抱えている悩みを聞き、試合後のファンの大騒ぎ問題の陰で、こうした人もいるのだと考えさせられることがありました。

それは私が仕事で関わった、ある雑誌の企画(W杯特別企画)でのこと。それは様々なタイプのサッカーファンに話を聞いたり密着したりするという企画だったのですが、その中にいた、ある悩みを抱えているという1人のサッカーファンの話で、仮にKさんとします。
Kさん(男性35歳)は大のサッカー好きで、大きな大会は、自宅に友達を大勢集めて盛り上がったり、スポーツバーやパブリックビューイングで観戦したりする筋金入りのサッカーファンです。Kさんは、スクランブル交差点で騒ぐ人たちのことを否定も肯定もしませんが、自身はそこまで無茶はしないという人です。
しかしKさんは、ユニフォームなどを着て少しでも盛り上がってる風にしていると、W杯開催中に限っては不思議と、SNS上で叩かれたり、何かと嫌な目に遭うことが多いのだというのです。

Kさんは自宅での観戦後、友達数人とユニフォーム姿で、公園のベンチで缶ビールを飲んでいるだけの写真をツイッターに投稿すると、ぜんぜん知らない人から叩かれてしまったのだと言います。
「そんなところで飲んではしゃいでたら迷惑だろ」「公園はお前らだけのものじゃない」「本物のサッカーファンはそんな恥ずかしいことはしない」などのコメントが多く寄せられたそうです(同じようなことが何度もあったという)。
また、ユニフォーム姿で数人で喋りながら人通りの多いところを歩いていると、「じゃまだよ」とか「うるさいんだよ」などと文句を言われることもあり、ある時は口論にまでなったと言っていました。

猊當未砲靴討襪鵑任垢韻匹諭△箸砲く気にくわないというか、イラっとするんでしょうね。恐らくSNSでそういったコメントをよこす人たちもサッカーファンではないでしょう。サッカーで盛り上がっている奴を叩きたいだけ。だから気にしないようにしてるんですけど、気になっちゃうんですよ、どうしても。すごい傷つきますよ、実際

騒いでるというより、お祭りに行った時くらいのノリで盛り上がっている感じなんだと語っていたKさんは、「それでもサッカーだと許されない、みたいな空気はなんなんだろう」とも、漏らしていました。
Kさんほどではなくても、他にも同じ思いをしている人はいるのではないでしょうか。

スクランブル交差点ではしゃぐ人たちの映像が、嫌なサッカーファンのイメージとして、1人歩きしているのかもしれません。
私の知り合いのある人は、スポーツバーではしゃいでいる人の映像を見て悪態をついていました。その人は恐らくスクランブル交差点で騒ぐ人たちの映像に対しても何か言っているだろうと思いますが、Kさんの話を聞いた今だと、その映像から悪いイメージが広がって、「スポーツバーではしゃいでいる人=なんだか嫌なファン」となったのではないか、そんな気もします。
どこまでのはしゃぎっぷりを許容するのかはもちろん人によって違うとは思いますが、適度な塩梅で盛り上がっている人までも叩いたりするのは、さすがにやめてもらいたい、そんなふうに思います。

(スタッフ:武市)
(2014/6/25 UPDATE)
番組スタッフ
先週木曜に報じられて以来、物議を醸し続けている「都議会のやじ問題」。
やじの当事者がなかなか名乗り出てこないことに苛立ちを覚えた、という人も少なくないようで、普段は穏やかなわたしの知人(30代女性)も、恐い顔で「早く吊し上げにならないかな」と口にするなど、やじの当事者が吊し上げになることを心待ちにしていました。

フラストレーションが高まる中、ようやく名乗り出た、やじの当事者。
自民党の鈴木章浩都議が昨日、「早く結婚した方がいいんじゃないか」という発言が自らのものだったと認め、謝罪しました。

すると、当然のように矛先は鈴木都議に向けられ、会見では「どうしてこのような不適切な発言をしてしまったのでしょうか?」「なぜ嘘をついたのでしょうか?」「なんでもっと早く名乗り出なかったのでしょうか?」「議員辞職には匹敵しないと今はお考えですか?」と、厳しい質問ばかりが飛び、フルボッコ状態。
鈴木都議の事務所には生卵20個が投げつけられ、ネットでは「怒りの代理人」たちが鈴木都議の過去の洗い出しを開始。
過去の不祥事をネットに晒し始めるなど、“歪んだ正義感”がいかんなく発揮されています。

鈴木都議をいくら叩いても構わない、というおかしな空気も蔓延。
「議員は立場悪くなるとすぐに自殺に逃げる傾向があるからな」「鈴木さん自殺フラグだな」といった不謹慎なツイートも数多く、こうしたツイートのまとめも存在しています。

たしかに、鈴木都議のやじは、フォローのしようがないほどひどいものです。
叩きたくなる気持ちも、叩いてほしいと願う気持ちも分からなくもないですが、叩くという行為は問題をうやむやにし、本質を見えにくくしてはいないでしょうか。

ファイナンシャルプランナーの中嶋よしふみさんはこちらのブログエントリーで、「やじ問題で大騒ぎしている人たちに対する違和感」を告白。
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自分は今回の騒ぎに当初から強い違和感を覚えていた。
質問をした塩村議員やヤジを飛ばした鈴木章浩議員、それをかばっていたと非難されている東京都の自民党にではない。ヤジ問題で大騒ぎをしている人たちにだ。
「日本はいつの間に女性差別に対してこんなに厳しくなったんだろう?」と。
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「数ヶ月もすれば騒動があったことすら忘れられる」と指摘しています。
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今回の騒動を機に女性差別の問題に目覚める人がいるのならそれはそれで良い事だと思う。
しかしそんなことにはならないだろう。
佐村河内守氏や小保方さんの問題にもはや誰も興味を持っていないように、数ヶ月もすれば騒動があったことすら忘れられているに違いない。
なぜなら多くの人が差別発言をした政治家を叩きたいだけで、女性差別に興味を持ったわけではないからだ。
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恐い顔で「早く吊し上げにならないかな」と口にしていたわたしの知人は、鈴木都議が吊し上げになってからは、この話題に触れることはなくなりました。
吊し上げになったことで、やじに対する報いを受けたと判断。それを見届けたら怒りが収まり、興味が失せたようです。

今朝の新聞各紙に目を通すと、「全発言者の特定を」という論調が目立ち、これからもしばらくは他のやじの犯人探しが続くでしょう。
しかし、それは叩きたい、叩いてほしいと願う人たちに一時のカタルシスを提供し、問題をうやむやにするだけ。やじによって浮かび上がった“根深い女性差別”をなくす、という観点においてはマイナスです。
そうならないためにも、不毛な犯人探しはこのあたりで止めにしてはいかがでしょうか。

(スタッフH)
(2014/6/24 UPDATE)
番組スタッフ
6月23日、島田雅彦さんとお送りする今夜のテーマは、『「革命の子どもたち」の今』。

7月5日よりテアトル新宿ほか、全国順次公開となる映画「革命の子どもたち」。
この映画は、1968年、学生たちによる革命運動のうねりの中で登場した2人の女性革命家、重信房子とウルリケ・マインホフ、それぞれの娘が、革命家として生きた「母親の生き様」について語るドキュメンタリーです。
現代史において最も悪名高きテロリストと呼ばれた彼女たちを、娘である重信メイとベティーナ・ロールはどのように見ていたのでしょうか。
また、1960年代後半に日本で強まった「抗議の精神」のエネルギーはどこに消えてしまったのでしょうか。
重信メイさんにお話を伺い、考えます。


6月24日、岸博幸さんとお送りする火曜日は、『激化する都市間競争、アジアにおける東京の未来』。

日本の経済成長に欠かせないのは、国家間競争力だけでなく、東京の都市間競争力。上海、香港、シンガポールとの競争は、国家間以上に激しさを増しているといいます。
こうした中、競争に欠かせない日本国内の外資系企業の数をみてみると、バブル以降、“日本離れ”は顕著で、1990年から2013年までで、およそ1/10にまで減少していることが分かっています。
政府および東京都は、アジアのビジネス拠点として東京を復活させようとしていますが、果たして勝ち抜くことはできるのでしょうか。
月刊誌「WEDGE」の大江編集長をスタジオにお迎えし、世界を知るビジネスマンの取材をもとに、東京の未来を考えます。


6月25日水曜日、上杉隆さんとお送りするのは、『総務省が「変な人」を募集!? 政府主導で和製ジョブズは生まれるか?』。

総務省は、情報通信の分野で世界的に影響を与えるような奇抜なアイデアを持った人材の支援に乗り出すと発表しました。
「奇想天外で野心的な課題」に挑戦することが条件で、年300万円を上限に研究費を支給。失敗も許容するという、中央官庁としては異例の事業となります。
アップル創業者の故スティーブ・ジョブズ氏のような人材の育成を目指すようですが、果たして政府主導の支援策で、ジョブズのような人物は生まれるのでしょうか?
日本でイノベーターが生まれるために何をすべき、考えます。


6月26日、伊藤洋一さんとお送りする木曜日は、『成長戦略素案にこっそり盛り込まれた「金銭解雇」導入の是非』。

先日、明らかにされたアベノミクス第三の矢「成長戦略」の素案。
「ホワイトカラーエグゼンプション」ばかりに注目が集まる一方で、素案を目をこらして見ると、「働き方改革の実現」という項目の中に「予見可能性の高い紛争解決システムの構築」とあることに気が付きます。
これは、労働紛争を金銭で解決する制度のことで、いわゆる「金銭解雇」。当初、導入は見送りとなりましたが、ホワイトカラーエグゼンプションに注目が集まる影で、いつの間にか盛り込まれていたようです。
欧米では導入されている国も珍しくない「金銭解雇」。日本でもこのシステムが導入されたら一体どういうことが起こるのでしょうか。
「金銭解雇」の導入がもたらす影響を考えます。
(2014/6/23 UPDATE)
番組スタッフ
昨日から、Yahoo!ニュースにも取り上げられるなど、物議を醸している問題があります。
その問題とは、先日の東京都議会において、女性議員の質問中に投げかけられた、デリカシーのない野次。
これがセクハラだと批判されているのです。
毎日新聞は次のように報じました。

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東京都議会の本会議で18日、みんなの党会派の塩村文夏(あやか)議員(35)が、女性の妊娠・出産を巡る都の支援体制について一般質問をしていた際に、男性の声で「早く結婚しろよ」「子供もいないのに」などのヤジが飛んだ。同会派は、議員席からだったとして「公の場でセクハラ発言を受けた」と反発。発言議員を特定し、注意するよう議会運営委員会に申し入れる。 塩村氏は議長席前の演壇でヤジを浴び、声を詰まらせる場面もあった。質問終了後、報道陣に「女性の気持ちを代弁していただけに腹が立つし、悲しい」と語った。
毎日新聞 2014年06月18日『都議会:セクハラやじ 女性議員に「早く結婚しろ」』
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おそらくこれは、セクハラにあたるのでしょう。議会席から飛んできたのだとすれば、デリカシーのない、時代を読む感覚が欠如した議員がいるものだなと都政の未来に不安すら覚えます。
許されざるセクハラ、下品な野次はさておき…今回はそれとは別の観点から持論を述べたいと思います。


毎日新聞の記事を見ると、塩村議員が「妊娠・出産」について質問し、議員席から「子供もいないのに」と批判されたとあります。例えば、「妊娠・出産」をめぐる社会問題について、真剣に考えるとき、「妊娠・出産」だけで考えるでしょうか。「妊娠・出産」の一般的な前段階である「結婚」について考えるはずです。

東京都議会のインターネット中継を見てみると、塩村議員は次のように発言しています。

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女性のサポート、子育て支援についてお伺いをいたします。東京の女性は、他の都市に比べて晩婚、晩産です。都道府県別の第一子出産時の母の平均年齢は東京都がずば抜けて高く、32歳近いことがわかっており、高齢出産や不妊治療を受ける女性が増加をしています。
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毎日新聞では省略されていましたが、塩村議員は「結婚・妊娠・出産」という一連の流れを見て、都政のいたらなさを指摘しているのです。
今でこそ、できちゃった結婚は珍しくないですが、マジョリティーではありません。妊娠する前に「結婚」することが良しとされる風潮にあります。まだまだ日本においては、結婚を抜きにして「妊娠・出産」の問題を語ることができるわけがないのです。


結婚・出産・妊娠に関わる問題は、結婚すらしていない人が語るべからず…との意味合いがある今回の野次。もちろんそれらを経験した人が訴えることも効果があると思います。
しかし、(塩村議員がどう考えているかは知りませんが)結婚する人が減っている少子化の時代において、結婚したくてもできない、だから出産・妊娠が遠のいているという人もいるでしょう。そんな人の気持ちは、未婚の人だってできるに決まっています。

妊娠・出産よりも以前に、結婚したくてもできない女性は数多く存在しています。そんな人たちも包括して支援することで、妊娠・出産に関する制度、設備の問題、ひいては少子化問題が解決されるのではないでしょうか。


未婚の女性が晩婚化など結婚しない人たちの現状を訴え、結婚の先にある妊娠や出産について、都政のいたらなさを指摘する。
これほど説得力のある問題提起はない。私はそう考えます。


また塩村議員は、東京都で進む晩婚化の現状を説明したそうですが、晩婚化の背景には、女性の社会進出がひとつの原因になっていると言われます。私の周りにいるバリバリ働いている30代以上の女性の中にも、婚活に必死な人がいたりします。そんな人は言うまでもなく、バリバリ働いているから高収入です。
結婚できない高収入女性の気持ちは、高収入である政治家だからこそ代弁できる、共感を生むということも考えられます。


政治家がテレビで、貧困や格差の問題などを熱く語ったりします。こういったときに、少なからず登場するのが、金持ちに庶民の気持ちなどわかるわけがないといった批判。
政治家が語る問題提起など、「上から目線」に過ぎないというのでしょうが、的外れも良いところです。


本来、誰が問題提起しようが同じはずです。問題解決に向けて先導役となる人には、その問題に関する経験値が高いことが求められるかもしれませんが。
何かの問題を解決しようとする活動の従事者は「一人でも多くの人にこの問題を知ってもらいたい」という言葉を用います。だとしたら問題を広く知らしめるためには、つまらない条件付けなどしないことが近道なのではないでしょうか。

スタッフ:坂本
(2014/6/19 UPDATE)
番組スタッフ
今月7日、アイドル界のビッグイベント、第6回AKB48選抜総選挙が行われましたが、その中で、第9位だった、AKB48総監督の高橋みなみさんが「努力は必ず報われる」というメッセージを発し、会場を沸かせていました。
高橋さんが、もはやお馴染みとなっているその台詞を言ったのと同じ7日、タレントの明石家さんまさんが、「MBSヤングタウン土曜日」(MBSラジオ)で、「努力が報われる」と思っている人について持論を展開し、ネット上で反響を呼びました。

有名人がテレビやラジオで語っていたことを、リスナーに報告してもらう「名言珍言ゆとっtter」というコーナーで、その日ゲストだったアイドルグループの「アップアップガールズ(仮)」の佐藤綾乃さんが、インタビューで話していたというこんな話が紹介されたそうです。
「努力は必ず報われる。その言葉、最初は信じなかったんですよ。そんなこと言っても、本当に努力を見てくれてるのかよって。でも、自分の経験上、努力をしていれば必ず誰かが見てくれていて、報われることがわかりました」
この言葉に対してさんまさんは、「それは早くやめた方がええね、この考え方は」「努力は報われると思う人はダメですね。努力を努力だと思ってる人は大体間違い」と否定。

そしてさらに、こう続けたそうです。
「好きだからやってるだけよ、で終わっといた方がええね。これが報われるんだと思うと良くない。こんだけ努力してるのに何でってなると腹が立つやろ。人は見返り求めるとろくなことないからね。見返りなしでできる人が一番素敵な人やね」

ネット上では「すごく刺さった 妙に納得した」「賛成。報われない努力も山ほどあります」とさんまさんの言葉に胸打たれた人たちもいれば、「努力は報われると信じて頑張ることは、たとえ失敗しても無駄ではない」などの反対意見も多く挙がっています。

「努力」という言葉を聞くと、その先にある「成功」や「勝利」といった何かしら猗しいもの瓩鬟ぅ瓠璽犬垢訖佑發い襪もしれませんが、私は「苦行」という言葉を連想してしまいます。
努力をするということは、不得意なことをやっているという証拠で、それはもう自分が無理をしてやらなくてもいいのではないか、と私は思ってしまうのですが、それは、苦手なことを結果が出るまでやり続けても、苦しい割には思ったほどの成果が得られなかったという経験からくるものです。
苦手なものを努力するより、さんまさんの言うように、「好きだからやってるだけ」という力を抜いたスタンスで取り組めるものを見つけることが大事なのかもしれません。
とはいっても、現実はやはり、嫌でも狹慘呂鰺廚垢覯燭瓩降りかかってくるものです。そうした時、どのように向き合えばいいのか。

「雀鬼」と呼ばれ、20年間無敗という伝説を持つ、雀士の桜井章一さんは「努力」についてこう語っています。
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私にはこれまで「努力した」という記憶がない。(中略)
麻雀だって「頑張った」という思いはまったくない。「努力して」上手くなったという感覚がまったくないのだ。
これをこういうふうにすれば面白いなとか、こんなふうにやれば上手くいくんだなとか、ただ、そんな感覚で麻雀の牌をいつもいじっていた。歯を食いしばって練習したなんていうことはなかった。
勝負を離れたところで難事がふりかかってきても、精一杯努力してそれを乗り切ろうということはしなかった。むしろ自分がどこまで可能性を持っているか試してやろうと、挑むような気持ちで向かっていった。そうしているうちに、それは遊びのような感覚になっていくのである。
つまり、麻雀にしろ、何にしろ、そこにあったのはいつも「努力」でなく「工夫」だったと思う。「工夫」があれば何事も楽しくできるのだ。
≪「努力しない生き方」(桜井章一・著)より≫
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がむしゃらに「努力」するのではなく「工夫」することによって、遊びのような感覚にしてしまう……。
達人といった域の桜井さんにしかできないのではないかと思ってしまいますが……いや、しかし、「好きだからやってるだけ」と思えることでなくても、こうすれば面白いかも、と工夫を重ねていくことで、少しでもそれを「楽しいこと」に近づけることくらいはできるかもしれません。

(スタッフ:武市)
(2014/6/18 UPDATE)
番組スタッフ
「渋谷で便乗痴漢」、「スクランブル交差点で負けてもハイタッチ」と、日本の初戦が行われて以来、話題に事欠かないワールドカップ関連ネタ。
昨日、世間を騒がせた不届き者とは打って変わって、今日は「世界が称賛」するような行動をブラジルで起こした日本人が話題となっています。

日本対コートジボワールの試合後、競技場の「ごみ拾い」を率先して行った日本人サポーター
この「ごみ拾い」という行動に対し、海外メディアからは称賛の声があがっているようです。
いくつか称賛コメントを拾いましたので、参考までにご紹介。

「敗北したが、日本の応援団のカリスマ性はブラジル人の心をつかんだ」(ブラジルの地元紙)
「最近の試合では珍しい光景だ」(イギリスの新聞「メトロ」)
「日本ではスポーツイベントの後、観客が掃除をするのが模範とされている。海外では奇妙に見えるが、これこそフェアプレーだ」(ヨーロッパのスポーツ専門放送局「ユーロスポーツ」の記者)
「日本のサポーターは雨のなか、ゴミ拾いをして気品を示した」(香港のインターネットサイト)
「民度の高い国は尊敬に値する」「政治は置いておいて、学ぶべき点が多々ある」(中国メディア)

世界から称賛されるのは喜ばしいことですが、よくよく考えると、日本でプロスポーツの試合を観戦した後、自分のごみを持ち帰るのは当たり前のこと。
とくにJリーグのサポーターは試合後、必ず「ごみ拾い」をするようで、称賛の対象という印象はありません。
やる場所を海外に移すだけで、なぜ「ごみ拾い」は称賛されるものに変わるのでしょうか。

今日アップされ1200以上の「いいね!」がついている、メイロマこと谷本真由美さんの「WirelessWire News」の記事には、こうあります。
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日本ではスポーツや音楽フェスの後に自分のゴミを持ちかえるのは珍しいことではありません。
ところが、日本の外では、ゴミは会場に放置、デモの後は町がゴミだらけ、セルフサービスのお店でもトレイやお皿は机においたまま。
私が住んでいたイタリアではそれは当たり前。イギリスでも当たり前です。スペインやフランス、ベルギー、チュニジア、メキシコ、ロシアでも当たり前でした。
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そもそも、日本以外の多くの国では自分のごみを持ち帰るというマナーがないようです。
その理由は、「ごみ拾いを生業とする人の仕事をとってはいけない」という考えが浸透しているから。
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イタリアに住み始めた頃、私はどこかに出かければゴミを持ち帰り、セルフサービスの店でも日本でしていたのと同じ様にトレイや食器を所定の位置においていましいた。
しかし、ある日、ボリビア人同僚とイタリア人同僚に注意をされたのです。
「彼らの仕事を奪ってはいけない。ここではそのままにしておくのだよ。あなたがやってしまったら彼らの仕事がなくなる。他人の仕事を奪ってはいけない。ゴミ拾いや食器を下げることは担当者がやること。客がやることではない。仕事は作らなくちゃいけないんだよ」
マナーを守っていたつもりの私は、実は他人の仕事を奪う「マナー違反者」だったわけです。所変われば考え方も違うということを実感した事件でした。
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谷本さんがボリビア人とイタリア人に教えられた「掃除をする人の仕事をとってはいけない」という考え方はアメリカにもあり、生徒は「掃除をする人(多くの学校で掃除は用務員の仕事とされている)の仕事をとってはいけない」と言われて育つようです。
そのため、最近ではこうした教育による弊害も表面化。机や椅子の裏にガムが貼りついていること、ごみが落ちていても拾わないことが当たり前になっているといいます。

一方で、「ごみ拾い」が当たり前で、「掃除をする人の仕事をとってはいけない」という教育は受けていない日本人。
だからといって日本人全体のマナーが素晴らしいというわけではもちろんなく、日本国内ではこんなマナー違反が報告されています。
今月7日、AKBの総選挙が行われた味の素スタジアム周辺に、雨のため会場で配られたレインコートが大量に捨てられていたことが発覚。ファンのマナー違反を非難するコメントが殺到しました。

繰り返しになりますが、自分と同じ日本人が世界から称賛されるのは喜ばしいこと。日本人全体のマナーが優れているとの錯覚すら覚えました。
しかし、現実は、、、
味の素スタジアムの件を見る限り、それは儚い幻想なのでしょう。

(スタッフH)
(2014/6/17 UPDATE)
番組スタッフ
6月16日(月)星浩 ●東京高裁が自衛隊の体質を断罪。そこから見えてくる、自衛隊の抱える“影”
先月23日、東京高裁が、海上自衛隊の護衛艦「たちかぜ」の自衛官のいじめ自殺事件で、当時21歳の1等海士が自殺に追い込まれたのは先輩隊員による暴行・恐喝などのいじめが原因として、先輩隊員に計440万円の賠償を命じた一審横浜地裁判決を変更し、約7330万円の支払いを命じました。
あわせて判決は、海上自衛隊による証拠隠し(艦内アンケートに自殺といじめの因果関係を証明する多数の証言があったのに、これを隠蔽したこと)の違法性を認め、国に対して別に20万円の支払いを命じ、海上自衛隊の組織的隠蔽をも断罪。

自衛隊の組織的人権蹂躙や隠ぺい体質を断罪した、東京高裁の判決。
「自衛隊員が泣いている―壊れゆく“兵士”の命と心」などの著作がある、ジャーナリストの三宅勝久氏にお話をうかがいます。



6月17日(火)●アップルがBeatsを買収! 音楽ビジネスとIT業界の融合がもたらす未来
アップルがヘッドフォンやスピーカー、ソフトウェア技術を扱う「Beats Electronics(ビーツ・エレクトロニクス)」と音楽配信サービス「Beats Music」を買収することで合意したと発表。世界の音楽レコード業界に衝撃が走りました。
買収総額は約30億ドルで、日本円でおよそ約3056億円。アップル史上、過去最高額の買収となります。

今回のアップルによるBeats買収には、ストリーミングサービスによる音楽事業の収益化、IT業界と音楽業界とのパイプを強めるためとの分析が…。
アップルの衝撃的なBeats買収が意味するものとは?



6月18日(水)●「クロームキャスト」がもたらす変革
グーグルが5月28日、新型デバイス「クロームキャスト」(Chromecast)を日本で発売。
スマホやタブレット、パソコンなどネットに接続できる端末と連動して、動画や音楽、映画、ゲームなどのネットコンテンツを、テレビで簡単に映し出せる。価格が税抜きで4200円という手頃な設定なのも特徴。
手のひらに収まるくらいの大きさで、無線LANによりネットに接続するWi-Fi(ワイファイ)環境で使う。クロームキャスト自体がネットに接続して、動画や音声などのデータを受信しながら同時に再生する「ストリーミング」ができる機能を持っています。
先行発売したアメリカで人気を呼ぶ、グーグルの新型デバイス「クロームキャスト」。
日本ではどれだけ受け入れられ、各業界にどのような影響を及ぼすのか考えます。



6月19日(木)●憲法学で考える「PTA」
ここ数年、PTAを変えようという動きが各地で起こっています。
強制的に加入させられることで様々な問題が生じており、その問題をどのように改善すべきか、一部メディアで取り上げられています。
PTA改革の問題に強い関心を持っているのが、気鋭の憲法学者として知られる木村草太氏です。
木村氏は「自衛権」「憲法改正の限界」などに加えて、「違法PTA」の研究も行っている。
「違法PTA」とは、好きで入会したのであればとくに問題はないが、入退会が自由でないPTAや、強制加入させた会員に仕事を押し付けるPTAのこと。
木村草太氏をゲストにお招きして、親世代なら誰もが経験した、あるいは「するかもしれない」PTAをめぐる問題を、憲法を通じて考えます。
(2014/6/16 UPDATE)
番組スタッフ
「ス卜口ンチウム」と「ストロンチウム」。
一見、同じに見える2つの言葉ですが、“トロ”の部分が違っています。

先日、原子力規制委員会がWebサイトで公開している資料の中で、「ストロンチウム」の「ト」と「ロ」が漢字の「卜」(ぼく)と「口」(くち)になっていたというTwitterユーザーの指摘から、原子力に関する「検索されたくない資料」が見つからないようにしているのではないか…との批判が巻き起こりました。

今年1月に開かれた「第10回特定原子力施設監視・評価検討会汚染水対策検討ワーキンググループ」の会議資料一覧にある、「福島第一原子力発電所におけるストロンチウム分析の状況について[東京電力]」という資料の「ト」と「ロ」がそれぞれ漢字「卜(ぼく)」と「口(くち)」になっており、「検索避けのためにあえて漢字にしたのでは」などとの憶測が飛び交ったのです。
さらには「電力会社が原子力、東京電力の力(ちから)をカタカナのカにしてネットで検索避けをしていると話題に」という指摘もありました。

SNSは人の趣味嗜好が可視化されますが、私の友人は即、この問題に反応し該当記事をシェアしていました。
その記事に添えられていたのは「なんて姑息なことをする集団だ!陰謀を感じる」と批判のコメント。

しかし、友人がシェアしたとき、すでに「意図的な検索逃れ」は誤報だという検証も登場していました。
東電が提出した会議資料は「テキストデータ」ではなく「画像データ」だったため、これをOCRとよばれる文字認識を使ってファイルを読み込んだとき、「卜(ぼく)」と「口(くち)」になるなどの文字化けが起こったというのが、疑惑否定派の大筋の見方のようです。

こういった憶測が飛び交うのも、致し方のないことかもしれません。
「原発(原子力政策)」「東電」=「悪」という社会通念は定着してしまっています。事実、東電の隠蔽体質はまともな大人なら誰もが知るところです。
中には超シンプルな二元論を掲げる人もいます。脱原発こそ絶対正義=「白」で、悪のレベル、疑惑の度合いはどうであれ原発政策に加担した人々は「黒」。淡いグレーだろうが、チャコールグレーだろうが、悪だとみなされるのです。


原子力規制委員会や東電が、わざと文字を変えて検索されにくくすることで国民を真実から遠ざけているという、ネットで拡散されたうわさ。「ありそうな話」だから広まりました。

無限に情報が存在するネットの海において、アトランダムに情報に触れているのかもしれませんが、多くの場合、「見たいものを見ている」のでしょう。見たい情報に触れることで、自分が思いたいように思うのです。

OCR変換ミスという結論が、うわさを否定する根拠としては十分だと私は判断しました。
もしかしたら…OCR変換ミスという結論が間違っているということもありえます。
つまり、私自身、私が信じたい情報を信じてしまっています。

疑わしきは罰するとも言わんばかりに、「相手の罪や疑わしさの度合い」を検証することなく、否定する。
こういったシンプルな思考がきっと風評被害や言われのないイジメをもたらすのではないかと思っていますが、検証がなされようとも、それでも「陰謀だ」と論じる人はいます。そこには政府の原子力政策への疑いがあるからです。
では一体、どうすればいいのか。
『うわさとは何か』という本の中で、著者の松田美佐氏はうわさとそれによる風評被害の問題について、次のように述べています。

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何よりも大切なことは、人びとが政府の公式発表やマスメディアの報道に対して信頼感を持てるようにすることである。言うまでもなく、信頼感の獲得は非常に困難であり、簡単な処方箋はない。まずは、公的機関や関係諸機関、マスメディアが正確な情報を必要に応じて、十分提供することであろう。これが何よりも重要である。
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東日本大震災直後の不安、放射能汚染の恐怖など、社会的危機状況においてうわさが噴出します。そこにはあるのは、未来が見通せない「あいまいな状況」に置かれるという不安です。
「あいまいな状況」下での不安が、今回の「ストロンチウム検索逃れ疑惑」を生みました。
復興、原発問題の見通しが暗い以上、今後、この状況も続いていくことは明らかです。
「あいまいな状況」と私たちはどう付き合っていくべきなのか。

松田さんはあいまいな状況を打破するべく、白黒つけたいという気持ちは理解できるとして、こう述べます。

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リスクについて政府やマスメディアなど制度的チャンネルからの十分な情報の提供はもちろん必須である。その上で、その情報を受け取る私たち一人ひとりには、安全か危険かどちらかに判定できるという前提だけで結論を求めるという姿勢ではなく、基本的にリスクは灰色のグラデーションであるとの前提のもと、灰色の濃さを判断する情報を一緒に求める姿勢が必要であると考えるのだ。
ゆえに、あいまいさへの「耐性」を持つこととは、黙ってあいまいさに耐えることではない。そうではなく、あいまいさを避けるために安易に結論に飛びつくことを批判するのである。あいまいさに耐えつつ、長期的にあいまいさを低減させるために、さまざまな情報に継続的に接触していく必要がある。
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東日本大震災では、多くのデマ、うわさが飛び交い、それらに翻弄されました。
東電や政府、さらにはマスコミが、本当に知りたい情報を隠していたことにも、歯がゆい思いをした人も少なくないはずです。
あいまいな状況下へのストレス解消かのように何でもかんでも白黒付けたがる人、真偽を確かめず無責任に情報を発信する人がいます。

国民が本当に欲する情報を提供してくれるようになり、国やマスメディアへの信頼度が高まる。
国民が安易に結論に飛びつかず、少しだけ考える時間を持つようにする。

うわさやデマに翻弄されないようになるには、果たしてどちらが近道なのでしょうか。

スタッフ:坂本
(2014/6/12 UPDATE)
番組スタッフ
日本を代表する文豪である夏目漱石。その名前は多くの人が知っていると思いますが、では、漱石の作品を一作でも読んだことがあるという人はどれほどいるでしょうか。
何かの作品を読み通したことはなくても、教科書に載っている文章は読んだことがある、という人は多いのではないでしょうか。

そんな夏目漱石が、「今年、ちょっとしたブームになっている」と、朝日新聞が伝えていました。
その朝日新聞紙上で100年前の4月20日、夏目漱石の「こころ」の連載が始まり、今年また、100年ぶりに連載されたのを機に、文庫の売り上げが倍増しているのだといいます。
このブームを盛り上げようと、「漱石こころ100年」の帯を文庫に巻いて表紙を変えたり(新潮社)、装丁の第一人者、祖父江慎さんが「こころ」などの新装丁に取り組んだり(岩波書店)など、漱石作品の文庫を出している各出版社も力を入れているそうです。

「こころ」は、
犢眦学校時代の夏、1人の男性と知り合った「私」は、その男性を「先生」と呼び、何度も訪ねるうちに、教養があるにも関わらず職につかずに妻とともに、世間から離れて静かに暮らす先生とその思想に、「私」は心を奪われてゆく
といった内容。
私は「こころ」は高校生の頃に読みましたが、半分ほど読んで挫折しました。なんだか暗い小説で、読み進めるのがしんどくなったという記憶が、おぼろげながらあります。

朝日新聞の記事によると、ブームを支えるのは、連載をきっかけに再読する中高年ということですが、私は、大人になってから古典を読む人に対し、読むからにはなにかしらそこから受け取り、身になる読書にしようという、意識の高い人たちをイメージしてしまいます。
私は古典を紐解き、今抱えている悩みを解決するヒントを探ろうとか、現代に通じる教訓を読み取り、生きて行く上での糧にしよう、などと思いながら読んだことはなく、そうした読み方に対し、ある種の憧れのようなものがあります。

朝日新聞の記事では、文筆家の堀越英美さんの、このような声を紹介しています。
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「萌える日本文学」(幻冬舎)を書いた文筆家の堀越英美さん(40)は、男性同士の恋愛感情を表現した「ボーイズラブ」を求めて「こころ」を読む人もいると話す。「心を閉ざす『先生』をせめる『私』という関係性に萌える」からだ。
NHKの朝ドラ「あまちゃん」は、ヒロインのアキと親友のユイの同性の友情が描かれた。ヒット中の映画「アナと雪の女王」も、アナとエルサ姉妹の葛藤が物語を進める。
厚生労働白書によると、異性の友人がいない未婚の若い世代の割合は82年が男性36・8%、女性30・1%だった。だが2010年には男性62・2%、女性51・6%になっている。堀越さんは「同性同士の物語が求められている」とみる。
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異性の友人がいない未婚の若い世代に、それが理由で物語の中に同性の友情を求める人がいるのかどうか、そしてあの暗い(私の印象)「こころ」にボーイズラブを求めて読む人がいるのかどうかはわかりませんが、古典を読んで何かを考えるという行為は、「萌え」を足がかりに現代について考察する堀越さんのように、あまり難しく考えずに、軽いノリであってもいいのかもしれません。

私は小学生の頃(5年か6年)、太宰治の「人間失格」を読み、ほとんど理解していないまま夏休みの読書感想文を書いて、担任から「こういう本は自分と主人公を重ね合わせて考えなさい」となぜか怒ったような口調で注意されたという苦い経験があり、当時は担任の言っていることの意味がまったくわかりませんでしたが、今となっては、もう一度読み返してみれば、それができるのではないか、そんな気がします。

大人になると古典を読む時間も気力もなくなるから若いうちに読んでおけ、という言葉は割と耳にしますが、主人公に自分を重ねるのも、作品を通して現代社会を考察するのも、大人になってからでないと難しいものなのかもしれません。
新聞連載100年という節目を機に、挫折した「こころ」をいま一度手に取って、あれこれ考えてみようか、そんなことを思っています。

(スタッフ:武市)
(2014/6/11 UPDATE)
番組スタッフ
「語り部」の方から話を聞く、というのは日常生活にはない特殊な経験。基本、ネガティブな話なので、ストレスも伴います。
30代も半ばに差し掛かった今であれば、「ありがたい」という気持ちで聞き入ることができますが、中学生だったらどうでしょう。
中学生だった頃の自分を想像しながらこのニュースを読み、さらに深堀していくと、安易な批判だけでは片付けられないことに気づかされます。

物議を醸している、修学旅行で長崎市を訪れた中学3年生が、被爆者で「語り部」の77歳の男性に「死に損ない」などの暴言を浴びせた問題。
すでに新聞各紙が報じているため大まかには把握しているかと思いますが、暴言を浴びせるまでと、その後の経緯が複雑なので、そのあたりを整理していきます。

・横浜市の公立中学校の3年生119人が修学旅行で長崎市を訪れ、語り部の男性が事務局長をつとめる「長崎の証言の会」に爆心地近くを案内するよう依頼。
・5月27日、語り部の男性が平和公園で事前に生徒たちに「長崎の証言の会」の趣旨などを説明したところ、騒いで話を聞かない生徒がいたため、「聞く気がないなら出て行け」と叱責。生徒は退席させられた。
・その後、約10人の班に分かれ、そのうちの1班を語り部の男性が爆心地から約700メートルの山里小学校へ案内。そこで話を始めようとしたところ、別行動をしていた男子生徒5人が近づき、「死に損ないのくそじじい」と大声を上げ、周りの生徒に向けて「笑え」「手をたたけ」などと言った。
・翌28日、語り部の男性は「多くの被爆者の方に申し訳なく、つらい時間でした」と記した手紙を横浜市の公立中学校の校長に郵送。6月3日に学校へ電話すると、校長から「すみませんでした」と謝罪された。
・暴言を吐いた男性生徒は「叱責され退席させられたやりとりに腹が立った」と話している。

ことの経緯を整理してみて気づくのが、暴言を吐いた男子生徒たちは端から話を聞く気がなかったということ。
<事前に生徒たちに「長崎の証言の会」の趣旨などを説明したところ、騒いで話を聞かない生徒がいたため、、、>
このあたりから、それは読み取れるでしょう。
また、修学旅行で語り部の話を聞くということは、暴言を吐いた男子生徒たちは「学校の行事だから、しょうがなく参加していた」とも推測できます。
わたしも中学生だったら、このぐらいのネガティブさで参加しているような気もしますし、、、
つまり、語り部はときに、自分の話を聞く気がない相手に向かって、戦争体験を語らなければならないということ。
そのため、今回に限らず、過去にもこうしたトラブルは起こっているようです。

こちらのブログエントリーで知った、作家の池澤夏樹さんのコラム集『むくどりとしゃっきん鳥』(朝日新聞社/1998年出版)には、聞き手の無理解ゆえに起きた「語り部と聞き手のトラブル」が取り上げられています。

*****
数年前、こういうことがあった。明治学院大学の学生たちが校外実習として沖縄に来て、戦争経験者である「語り部」の話を聞き、地元の学生たちのガイドで壕に入った。その時の印象を帰ってから文集にまとめた。その内容がちょっとした騒ぎを巻き起こした。
「(ひめゆり資料館では)被害者百%の顔をして“さあどうだ”という感じでひけらかされたという感じが少々あった」とか、「(語り部に)不謹慎な事を言わせてもらえば“酔ってる”かもしれないと思った」、あるいは「(ガマの追体験では)沖国大の方の演出が鼻についたって感じも正直ある」、などなど。
これに対して、ガイドをした学生たちが憤慨して反論を書き、これも文集にまとめた。「(明治学院大の)報告書には沖縄への大きな誤解と認識の不足があり、沖縄戦体験者を侮辱しているとしか思えない表現が際立っていた」というわけだ。
*****

そして、ある学生が書いた<ひめゆりの塔の平和祈念資料館を見た。これでもか、これでもかと押し寄せる女学生の顔、顔、顔。そして惨事を綴った手記。私はもう嫌だった。戦争の惨事は確かにこれでもか、これでもかの砲撃だった。それくらい分かっている。私はこの資料館の悪意が嫌なのだ。悪意と呼ぶには余りにも失礼なら死者とその生き残りの者、その同窓生たちの怨念が嫌だったのだ(後略)>という文章を引用。
池澤さんはこの学生を批判せず、「沖縄の側(=語り部)には無知で無理解な人々を相手にする覚悟がいる」といった指摘をしています。

*****
ぼくはこの一件のことを加藤典洋の『この時代の生き方』(講談社)という本の中で知った。彼はざっと事情を説明し、この学生の文を引用した上で、実にいいことを書いている。
「誰でも、自分がこう感じる、ああ感じた、というところからしか考えすすめることはできません。その場合だけ、なぜそう感じたか、と自分が感じたことの中身と理由を検証しつづける理由が彼ないし彼女の中に生じます。そこが入り口。これを否定しては身もふたもない」。
東京の学生たちにとってはあれが精一杯の反応だった。あえてすりよらないかぎり体験談は自分たちには理解できない。
その準備、それに耐える人生経験がないということを彼らは知っていた。
彼らは無知で無礼だったかもしれないが、しかし自分に対して正直であり、その意味では誠実だった。彼我の間に距離があるのにないふりはできない。本土から来た者がガイドの言葉に迎合して、涙して、カタルシスを得たとしても、それは何にもならない。沖縄の側には無知で無理解な人々を相手にする覚悟がいる。
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「長崎の証言の会」は「生徒たちに学ぼうという気持ちが足りない」と嘆き、77歳の語り部の男性はスポーツ報知の取材に対し、「こんな経験は初めてで悲しい。戦後69年がたち、戦争の悲惨さが分からない社会の雰囲気の中で子供たちが育っているのではないか」と話しているといいます。
7日には、水俣病認定患者で熊本県水俣市立水俣病資料館「語り部の会」会長の自宅に先月、「そんなに金が欲しいのか。(水俣病の)被害者のふりをして。もうやめんか」などと中傷する電話が計3回かかっていたことが分かりました。

ある一定数存在する、「語り部に対して無知で無理解な人々」。
こうした人々を批判したり、変えようとしても時間の無駄ですし、それを本気でやろうとしたら、語り部の方々が疲弊してしまいます。
大事なのはこうした人々を変えるのではなく、こうした人々が存在することを認めつつ、角が立たない程度にスルーしてあげること。
少々ネガティブではありますが、これが双方にとって幸せな関係と言えるのではないでしょうか。

(スタッフH)
(2014/6/10 UPDATE)
番組スタッフ
天安門事件から25年が経った今でも、世界の中で不思議な存在感を放っている中国。
経済的にも軍事的にも大国となり、世界における影響力は絶大で、フランスのある学校では中国語が必須科目になったといいます。
日本でも街行く人や仕事相手、店員など、中国人とコミュニケーションすることが当たり前になりつつあり、中国の文化や考え方は今、世界中に拡散されていると言っても過言ではありません。
こうした空気が蔓延する中、タイムラインでは今週一週間、『10人に1人が中国人?いま知っておきたい中国の横顔』と題した特別企画をお届け。
今だからこそ知っておきたい、“中国の実態と特徴”を取り上げていきます。


6月9日、島田雅彦さんとお送りする今夜のテーマは、『世界を侵食する中国の富裕層』。

今年1月に発表された中国・国際化・研究センターの中国移民研究報告によると、中国の海外移民数は2013年時点で934万人に達し、中国は世界4番目の移民輸出国となったことが分かりました。
中国の海外移民、正確に言えば、、、富裕層が海外で不動産購入や投資を通じて永住権を取得、なかでも中国政府高官は贈収賄で貯めた財産で不動産を買い漁っているといいます。
一方で、世界を侵食しつつある中国の富裕層に警戒感を覚え、カナダでは中国からの移民を規制する動きも出始めているようです。
中国の富裕層が世界を侵食しつつあるという現実を、世界の国々はどう受け止めればいいのでしょうか?
愛知大学現代中国学部の樋泉克夫教授に伺い、考えます。


6月10日火曜日は、岸博幸さんはお休み。富坂聰(拓殖大学海外事情研究所教授)さんとお送りするのは、『西洋世界が終焉し、中国が世界をリードするとき』。

12か国語への翻訳が決まり、全世界で35万部と反響を巻き起こしている書籍、『中国が世界をリードするとき』。
これは、「中国はやがてアメリカを越えるグローバル大国となり、そのことがひいてはアメリカが支配する既存の国際秩序の再編につながる」と主張するもの。
翻訳版が発売された世界各国では議論が過熱しているようです。
議論の渦中にある話題の書籍を通して、中国が世界に君臨するかもしれない、国際秩序の未来について考えます。


6月11日水曜日、上杉隆さんとお送りするのは、『国際社会で繰り広げられる、中国による反日プロパガンダ』。

日本は今、国際社会を舞台とする中国による「宣伝戦」の攻撃にさらされています。
政府首脳による海外での日本批判、在外大使による地元紙への寄稿、旧日本軍施設をめぐるニュースの対外向け発信、外国人記者へのアピール…。
想像以上に広範囲に及んで繰り広げられる国際社会での日本バッシング。
かつて毛沢東は「革命と権力奪取は、銃とペンにかかっている」と宣伝戦の重要性を説いていますが、中国による宣伝戦に対して、日本はどう抗うべきなのでしょうか?それとも相手にせず、静観すべきなのでしょうか?
中国による反日プロパガンダに対応する術を考えます。


6月12日、伊藤洋一さんとお送りする木曜日は、『ビッグデータ分析でわかった、中国ネット検閲の意外な事実』。

厳しさを増す、中国当局によるネット検閲。
天安門事件から25年目を控えた4日には、グーグルの中国本土でのサービスが利用不可能に。中国のウェブアクセスを追跡しているサイト、グレートファイアによると、検索や電子メール、自動翻訳を含むグーグルのサービスが中国で遮断されたといいます。
このように世界的に有名な中国のネット検閲、ビッグデータの活用によって意外な実態が浮かび上がってきました。
中国政府の検閲の実態について分析した計量政治学者でハーバード大学教授のゲイリー・キング氏によると、<中国政府が監視しているのは、とにかく「団体行動」。人を扇動したり、抗議行動に駆り立てたり、政府以外の人間が他人をコントロールしようとする発言は即刻検閲される>のだといいます。
ビッグデータ分析で分かったネット検閲の意外な実態から、中国当局のネット検閲の狙いを探ります。

(2014/6/9 UPDATE)
番組スタッフ
一部の保護者が、我が子の就活に介入することが話題となる昨今。
親から見た子どもの就職について、興味深い調査結果が発表されました。
就職・転職情報サービスを行う株式会社マイナビが、現役及び過去3年で就職活動を行った経験のある子供を持つ保護者を対象に、就職に関する意識調査を行ったもので、それによると保護者はやはり我が子に安定を求めているようです。

子どもが就職先に望んだ企業で賛成するのはどれか、という質問に対して、以下のような結果となりました。

|亙公務員 66.3%
国家公務員 64.9%
M名な大企業 60.0%
ね名な中小企業 52.3%
ヌ橘召梁膣覿 42.0%
μ橘召涼羮企業 22.3%
Ю瀘間もないベンチャー企業 11.0%


ベンチャーに就職すると、親を泣かせてしまいかねないという結果です。

しかし、現代に職を選ぶ若者にとって「ベンチャー」とは悪いイメージがあるとは思えません。
キャリアアップとしてベンチャーを選ぶ若者もいます。
私の知人男性(20代後半)は某大手メーカーに新卒入社し、そこで数年働いた後、ITベンチャーに転職。
大手だからこそ携われるビッグプロジェクトを成し遂げたという経験が、果敢に挑戦することを求められるベンチャー企業で働くということにおいて、絶大な自信とモチベーションになっているといいます。
ベンチャー企業を経て、ゆくゆくは独立起業の願望があるのだそうです。

また、メガベンチャーと呼ばれる大所帯の新興企業が就活生の間で人気を博していると言います。
<東洋経済オンライン:激変、東大生の就活!新御三家はこの3社!商社、金融を押しのける 人気のメガベンチャー>


保護者世代はベンチャー企業をどう理解しているのかはわかりませんが、ひょっとすると何をやっているかよくわからない、できたてホヤホヤの会社というイメージがあるのかもしれません。
そもそも「ベンチャー企業」の定義とは何なのでしょうか。
マイナビは『ベンチャー企業とは一般的に、「魅力的な起業家のもと、独自の技術やノウハウをもって、ニッチな市場に参入したり新規市場を開拓したりしている会社」』と定義付けています。
<マイナビ2015 ベンチャー企業の定義、社会的役割、魅力を探る>


また、安定の公務員が最上位に位置することから想像すると、保護者世代はベンチャーという言葉が大きなリスクをはらんでいると認識していると考えられます。
実際にベンチャー企業に就職することは「リスク」となるのでしょうか?
よくよく考えると、何が「リスク」なのでしょうか?
ベンチャーで働くことのリスクとして、「会社成長の不透明さ」「1度の事業失敗が倒産につながる」「福利厚生が充実していない」といったことが上げられますが、福利厚生以外は今の時代、大手企業ですら抱えているリスクです。

つい先日、某ITメガベンチャーを取材したところ、福利厚生を充実させ、終身雇用を目指していると広報担当者が語っていました。保護者が欲する「安定」を敷いているのです。
「安定」をベースに置くことで、失敗しても再び挑戦できる環境を整えているといいます。

いまだ閉塞感が漂い、世界が1%の富裕層と99%のそうでない人に分けられようとしているこのご時世。勝利すると最高に美味しい思いができるけど、負けると悲惨な目に合いかねない弱肉強食のレースに、我が子を参加させたくないという保護者の気持ちも理解できます。
バブル崩壊を社会人として経験した保護者が我が子に安定を求めるのは当然のことです。
社会全体の安定志向が日本からイノベーションが生まれなくなったと言われる原因を作り出しているのかもしれません。就活を控えた、あるいは真っ最中の子を持つ世代にとっては、「イノベーションで世界を変える」という大志など関係ないのでしょう。


ビジネスによる社会変革を掲げるベンチャーでは「挑戦し続ける」ことが求められます。
挑戦には失敗がつきもの。つまり、「挑戦し続ける」こととは、「失敗し続けてもそれを許す」ということです。

日本は失敗には寛容ではありません。そして、若者の挑戦による成功を妬む年輩者が数多く存在します。
そういった世代が若者の「挑戦」と「失敗」を気持ちよく受け入れる基盤整備が出来上がれば、ベンチャー就職=親不孝なんてことにもならないはずです。


ここまでベンチャーをヨイショしておいてなんですが、安定=悪となってしまいかねないことにも危惧を覚えるのも事実です。
「挑戦したくない」という人も必ず存在します。
挑戦し、失敗が許される会社だらけになると、イノベーションに満ち満ちた素敵な社会が到来するように思われますが、「挑戦したくない」人を「挑戦」することがほめられる野生的なフィールドへ連れて行かれるは惨すぎます。
挑戦を求める人からしてみると、「安定」など下らないと思えるかもしれませんが、挑戦したくでもできない人はいるのです。そんな人のためにも、「安定」が大義とされる受け皿は絶対に否定されてはいけません。
いつも大事だと思うのは、バランスです。

スタッフ:坂本
(2014/6/5 UPDATE)
番組スタッフ
「プロブロガー」のイケダハヤトさんが、東京を離れ、高知県へ移住するとブログとツイッターで発表しました。
サイト名も「イケハヤ書店」から「まだ東京で消耗してるの?」に変更。来週中に東京の自宅を引き払って、高知での本格的な活動は7月初旬までに始めるのだそうですが、このイケダさんの、いわゆる爐燭世琉っ越し瓩、かなりの波紋を呼んでいるから驚きです。

東京で消耗するのがイヤになったから移住するのだと語るイケダさんですが、東京から逃げるという意味合いもあるが、どちらかというと「さらに成長するため」に、移住という選択を決断したのだと言います。
そしてツイッターでは、、、

イケダハヤト @IHayato 5月31日
クリエイターの移住を促進させたいんです。特にデジタル系。ブロガー、マーケター、エンジニア、デザイナー…この種の人々は、東京を卒業して地方に移住すると、年収が上がると思うんですよね。平たく言えば。移住によって「できること」が増えるはずなので。

イケダハヤト @IHayato 5月31日
「クリエイター移住論」はまだ仮説状態なので、とりあえずぼくが体を張って実地検証しようと思います。ぼくの価値はどう変わるのか。プラスに傾くと踏んでいます。乞うご期待。


イケダさんが下したこの決断に対し、起業家の家入一真さんなど、ノマド的な働き方に肯定的な人からはエールが送られていますが、理解を示さない人からも様々な声が挙がっています。
株式会社The Startup代表取締役の梅木雄平さんは、イケダさんと友人であり、ある程度の関係値があるので、真逆の意見で戦っても特に関係にひびは入らないはずだとことわった上で、こう述べています。

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イケダさんの性格や特性を考えると地方居住には適性があるのだろうと思います。たしかに地方ネタを記事化していくのもブルーオーシャンで面白い。イケダさんのブログが高知新聞とかを凌駕する地方紙になる可能性すら感じます。
しかし、地方には東京ほど面白い人も情報もない。これは僕が実体験から感じることです。たしかに東京で消耗せず、燃費良く地方で暮らすという選択肢もあるでしょう。しかし、地方移住に関心のある人は少なからず地方経験がないがゆえに、地方をユートピア化しすぎているのではないかと感じる。
イケダさんはまだ、地方の冷飯の味を知らないのです。
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梅田さんは北海道出身だそうで、実体験をふまえての指摘なのですが、同じく地方から出て来た堀江貴文さんは梅田さんの意見に、「激しく同意だね。たまに行くから地方は面白い。俺もネットもない時代にド田舎から東京に出てきたから。」と述べています。

私も地方出身者ですが、やはりこの件に関しては、「東京と比べると地方のメリットは少ないのでは」と思いました。
確かに人間関係の煩わしさからは逃れられそうな気はしますが、それ以外は特に思いつきません(直接仕事と関係のない「空気がきれい」や「食べ物がおいしい」とかは別として)。
私はフリーランスで仕事をする身ですが、東京在住でないと仕事にならず、イケダさんの言う「東京を卒業して地方に移住すると年収が上がる」は、私にとっては夢のような話です。

私は、経験者しか知らない狠亙移住瓩領匹気知りたくて、東京から熊本へ移住してノマド的な働き方をしていた友人(今はまた東京に戻っている)に、聞いてみました。

「俺はブラック企業といってもいい会社に勤めていて、身も心も疲れ果ててそこをやめた。そんな人間が、心機一転東京でノマドとかフリーランスとか、そんなの無理。東京時代より年収アップ? それはありえない。けど、極力人に会わずに働くことがすごくいいことだと気づいた。それだけで行った甲斐があった」

イケダさんのように知名度のあるクリエイターなら、話題となってすぐに仕事に繋がることもあるかもしれませんが、普通のクリエイターが1人で頑張ってみてもなかなかうまくいかないのかもしれません。けれどイケダさんの狙い通り、たくさんのクリエイターが移住してみんなで何かをやるということにでもなれば、多くのクリエイターにとって成功のチャンスが生まれてくるような気がします。
地方にいても、都会と同じようにチャンスがある状況が全国的に広がれば、私の友人のように、身も心も疲れ果てた人がやり直すきっかけとしての地方移住、という新たな働き方の道も見えてくるのかもしれません。

(スタッフ:武市)
(2014/6/4 UPDATE)
番組スタッフ
誰もがするのが当たり前にもかかわらず、なぜか学校という空間においてのみタブー視される、トイレで「大」をするという行為。
「バレたら、からかわれる」という危機感から、基本は家に帰るまで我慢、どうしても我慢できないときは、教室のある階とは別の階のトイレをわざわざ利用し、こっそりかつ迅速に済ませた、という経験があるのはわたしだけではないはず。
わたしが経験したのは20年以上も前の話ですが、時を経ても、「学校のトイレで大」をタブー視する傾向は健在、これといった変化はみられないようです。

先月17日に朝日新聞が報じた、NPO法人「日本トイレ研究所」と王子ネピアの調査では、「小学校低学年の約12%が便秘傾向」にあることが判明。
その背景として、「学校のトイレに行きたがらないこと」が挙げられています。

また、去年、住宅設備大手LIXILが全国の小学1年〜高校3年の男女を対象に行った調査で、学校のトイレで「大」をするかを尋ねたところ、50%以上が「我慢している」と回答。
理由は「他人に知られたくない」が50%で最多だったことが分かっています。

さらに、「学校のトイレ研究会」事務局長の河村浩さんは、<時代が移り変わっても子供の本質は同じようだ。現在でも、学校のトイレで個室に入った男子児童を「ウンチくん」などとからかう現象は全国的に観測できる>と指摘しています。

このように今も変わることのない、「学校のトイレで大」をタブー視する傾向。
こうした傾向を変えようと、2001年に男子トイレを全部個室にした神奈川県の公立小学校の取り組みが話題になりましたが、コスト面の問題で他の公立小学校に広がっていないだけでなく、「全部個室にすると、排便が嫌な物として、見えないように覆い隠そうという考えになってしまう」と懸念する声もあります。
つまり、全部個室にしたところで、根本にある「学校のトイレで大」へのタブー視は変わらないというのです。

では、「学校のトイレで大」をタブー視させないためには何が必要なのでしょうか。
「排泄行為をポジティブに捉えさせる教育」。
NPO法人「日本トイレ研究所」代表理事の加藤篤さんは、こう指摘しています。

*****
「学校でできない」子供が多い根底には、小学校の学習指導要領に「排泄」の文字がないという問題がある。
子供が社会生活を踏み出す第一歩の所で、排泄のメカニズムやなぜそれが大切なのか、ルールやマナーなどの教育がされていない。その結果、「排便=嫌な物」という文化だけが形成されているのが現状だという。
小学校で培われたそのイメージが成長しても残ってしまうことで、中学、高校に進んでもできない子供が減らないのでは、と見ている。
<「J-CASTニュース」より抜粋>
*****

そもそも、小学生ぐらいの子供は「うんち」という言葉が大好きで、その言葉を発する、もしくは発せられるだけで大笑いする生きもの。
わたしも、小学生のころはそうでしたし、クラスの人気者はこの言葉を連呼して、笑いをとっていたと記憶しています。つまり、小学生にとっての笑いをとるためのキラーワード。
一方で、「排泄行為をポジティブに捉えさせる教育」というものを受けた記憶はありません。
これでは、「学校のトイレで大」をタブー視してしまうのも仕方がない、とも言えます。

最近では、始業時に担任が朝の排便について生徒に様子を尋ねるなど、タブー視させない取り組みに力を入れている公立小学校も登場しているようですが、まだまだ少数。
こうした取り組みが全国の公立小学校に広がり、「学校のトイレで大」がタブー視されていたことを“過去のできごと”として懐かしそうに振り返る、、、そんな時代が近い将来、到来することを願って止みません。

(スタッフH)
(2014/6/3 UPDATE)
番組スタッフ
6月2日(月)星浩さんとお送りする今夜の特集は『「里山資本主義」の現実』

シャッター商店街、過疎集落、観光、農業、医療、鉄道、不動産開発・・・。
様々な問題を抱える日本社会で、現場は今、いったい何が起きているのか?
去年、「里山資本主義 日本経済は“安心の原理”で動く」で新書大賞2014を受賞した、
日本総合研究所・調査部主席研究員の藻谷浩介さんは、特定の分野の「現場」に身を置いて行動し、掘り下げと俯瞰を繰り返した結果、確固たる「智恵」を確立した人を“現智の人”と呼びます。
そうした“現智の人”が照らす、日本の未来の「具体的なカタチ」とは何か?
藻谷浩介さんにお話をうかがいます。


6月3日(火)の特集は『欧州司法裁判所が認めた「忘れられる権利」の是非』

オンラインプライバシー関連法に対する最大の改革の1つともなり得る判決として、EU司法裁判所は現地時間5月13日、オンラインの検索結果に特定の人物のプライバシーを侵害し得る情報が含まれている場合、人々はGoogleなどオンラインサービスを提供する企業に対し、これらの結果を編集または消去するよう求めることができるとの判決を下しました。
忘れられる権利には、多くの異論も。忘れられる権利を拡大解釈して、政府の気に入らな個人の意見まで削除してしまいかねない…というのです。
忘れられる権利は、やがて日本でも認められることになるのか、その是非を考えます。


6月4日(水)の特集は『「すき家ストライキ」にみる、新たなストライキのかたち(仮)』

人手不足に業務量の増加が追い打ちをかけてアルバイトが離反し、店舗の休業や営業時間短縮が相次いでいる「すき家」。その「すき家」の現役アルバイトたちが声を上げ、ツイッターには「#すき家ストライキ」というハッシュタグが拡散するなど、5月29日(肉の日)にストライキを決行するという動きがネットで起き、話題になりました。
「すき家ストライキ」という新たなかたちのストライキが、ブラック企業問題に及ぼす影響を考えます。


6月5日(木)の特集は『イギリス・ハラール騒動から考える、日本に根付く排外主義の闇』

日本や世界で相次ぐ、人種差別に関するニュース。
イギリスでは、ピザ・エクスプレスというチェーンレストランが、ハラールと呼ばれるイスラム教の流儀で処理した鶏肉を使用していたことがわかり、大きな物議を醸しています。
このハラール肉というのは、イスラム教で厳格に定められた屠畜、解体などの方法で
処理された肉のことであり、ピザ・エクスプレスはメニューにハラール・チキンを使用していることを明記していないため、イスラム教徒以外の人々も知らずにそれを食べていたことが判明して、一部のイギリス人がヒステリックになっているというのです。
その背景にあるのが「イギリスの右傾化」との見方も。
イギリスの問題をもとに、右傾化していると言われる日本が陥りかねない、排外主義・人種差別の闇について予防策を考えます。

(2014/6/2 UPDATE)

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