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番組スタッフ
少し気が早いですが、新学期はすぐそこまで来ています。進学するにあたって、スマートフォンを初めて手にするという学生さんもいるようで、2月からはスマホ、インターネットを正しく知るという啓蒙活動も行われます。

【平成27年 「春のあんしんネット・新学期一斉行動」の取組】

総務省では、青少年が安心・安全にインターネット等を利用できる環境の整備に向けて、多くの青少年が初めてスマートフォン等を手にする、春の卒業・進学・新入学の時期に特に重点を置き、関係府省庁・関係事業者等と連携、協力して、フィルタリングの推進や青少年・保護者等のリテラシーの向上に向けた取組を集中的に行う「春のあんしんネット・新学期一斉行動」を昨年から行っており、本年も2月から各種取組を展開する予定です。

取組の目的を見てみると…スマホの急速な普及に伴い、多くの青少年がSNS等を利用していおり、長時間利用による生活習慣の乱れや、犯罪被害、いじめなどのトラブルに陥るケースも見られるため、子どもたちがこれらを正しく利活用できる環境を整えることが重要である…とのことです。

私が学生の頃には存在しなかったネットの中でのいじめ。ギリギリPHS、携帯電話がありましたが、それらが舞台となる良からぬことはあまり大きな問題にはなりませんでした。
大きな問題が起こる以前に、所有する、学校に持ってきてはいけない、という何かしらの創世記にありがちな奇妙な決まりがあったものです。

いじめに関するニュースは後を絶ちませんが、舞台は「SNS」「インターネット」が中心になっているように思われます。SNSを使わない、そもそもスマホを持たせなければ、ネットのトラブル、SNSでのいじめに巻き込まれないという指摘も聞こえてきますが、そう喚くのは大抵、大人です。

SNSでのいじめは従来のそれとは違う全く新しいもの。そんなイメージがなんとなくあります。学生時代にスマホ、SNSなどなかった大人が想像できないことが多々あるのでは…と私なんかは思ってしまいます。
直接的な対面型のいじめとネットのいじめが大きく違う点があります。
「オーディエンス」の存在です。オーディエンスとはつまり、いじめの瞬間に同じ空間に居合わす人、いじめが行われている事実を知る人のこと。いじめを知っても何もしない人は傍観者は昔もいました。傍観するだけでなく加担してしまう人もいます。
ネットの拡散性、可視性を鑑みると、昔のいじめよりもネットのいじめの方が「傍観者」「加担する者」が多くなり、私たちが学生の頃よりも複雑なのだろうと思っていましたが、そうでもないようです。

アメリカにおけるSNS研究の第一人者、ダナ・ボイドはアメリカのティーンエイジャーがSNSをどう使っているのか、どう考えているのか、その実態に迫った著書『つながりっぱなしの日常を生きる』の中で次のように指定しています。

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ネットワーク化されたテクノロジーは、人々のいじめ理解を複雑にしている。一部の人々は、ネットいじめをまるっきり新しい現象だと信じている。(中略)ネットワーク技術によって、大きな規模のオーディエンスがいじめを目撃する可能性が高まったことに疑いの余地はほとんどないが、かといっていじめのありかたや、そこに関わる人々に与える衝撃が劇的に変わったかどうかは、はっきりしていない。

ネットにおけるいじめの可視性と持続性によって、いじめがいかに構成され理解されるかに新たな側面が加わった。ティーンのあいだの残酷なやりとりの痕跡が残され、他の人々がそこで何が起こったのかを目にすることができるようになった。これを利用して他の人々が攻撃をさらに増幅する結果となった場合、高まった可視性はひとつのいじめ事件がもたらす感情的圧力をさらに強くしてしまいかねない。こうして人々は、テクノロジーにはいじめをより有害なものにする性質があるに違いないと決めてかかるようになる。
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インターネット、SNSによって若者のいじめは可視化されましたが、従来のいじめとは何も変わっていない、ネットがよりいじめを有害にするというのは大人の決めつけというのが著者の主張です。

以前、校内でのSNSの利用を禁止する学校もあると報じられました。
しかし、一方でスマホの利用を学校公認にすることで、いじめがなくなったという学校もあります。
高知県高知市の私立高知中央高校は、授業や安否確認などでのスマホの積極活用に力を入れており、生徒のネットリテラシーも高まり、いじめや中傷も起こっていないのだとか。
【スマホ:学校公認でネットいじめなくなる 高知の私立高 - 毎日新聞】

SNSと未成年の相性は悪いと捉えられがちですが、きっと一部の大人による早急な結論付け。
社会インフラであるネットが特異で、悪害をもたらす可能性を孕むと未成年を遠ざけるよりも、有益にするための使い方を正しく説くことが大人がなすべきことのように思われます。


スタッフ・坂本
(2015/1/29 UPDATE)
番組スタッフ
本日の特集は
「なぜ若者を惹き付ける?『ヴァイス・メディア』が切り拓く新たなジャーナリズム」。

1994年、カナダで立ち上げられたフリーペーパー『VICE』。
休刊を経て、2012年にweb版として復活。日本語のサイトも開設されています。

現在は世界35ヵ国に展開する若者向けのメディアとして、ヒップホップ、ストリートファッション、セクシャルな話題などを取り上げていますが、この「VICE」内にある「VICE News」は、戦争・紛争・犯罪や環境問題などを中心に伝えるページとなっています。シリア、アフガニスタンなど紛争地域からの現地レポートや、トルコの人種問題、ギリシャから亡命するムスリムの姿などを伝えていて、ときには目を覆いたくなるようなリアルな戦地の状況を、写真や動画を用い、レポートをしているのです。
また、「VICE News」のYoutubeチャンネルは120万人近くがチャンネル登録をしています。

危険な地域からの取材が、若者にどう届くのか。
「次のCNNを狙う」という目標とともに、“悪徳、不道徳”といった意味を掲げた「VICE News」。
若者をターゲットにした「VICE News」は、ジャーナリズムの未来をどう変えるのか。

VICE Japanの編集長・川口賢太郎さんにお話を伺います。

ピックアップは「迫る“24時間”、後藤さん解放の可能性は」。中東情勢に詳しい東京外国語大学の青山弘之教授にお話を伺います。

「まえがきは謳う」は、上杉隆さんの新著「ニュースをネットで読むと『バカ』になる」をとりあげます。
(2015/1/28 UPDATE)
番組スタッフ
殺害を予告する映像が公開された先週火曜(20日)以降、連日のように報じられている、イスラム過激派組織「イスラム国」による日本人人質事件。
メディアが深刻さを強調しているのとは対照的に、ネットはどこか他人事。
深刻さとはほど遠く、「#ISISクソコラグランプリ」、「イスラム国ごっこ」なるものが盛り上がりを見せているようです。

<テロにユーモアで対抗? 『Twitter』で「#ISISクソコラグランプリ」が盛り上がる>
<不謹慎な画像が次々と…「イスラム国ごっこ」に耽る日本人>

「#ISISクソコラグランプリ」とは、イスラム国がネット上に公開した動画を素材として使い、それにクソみたいに雑なコラージュを施し、Twitterで「#ISISクソコラグランプリ」というハッシュタグをつけて投稿し合うもの。
ナイフを持った黒ずくめの男の前に「ケバブ肉の塊」を置いたり、黒ずくめの男が手に持ったナイフが「バナナ」になっていたり、人質2人の顔に「アニメキャラの顔」や、「去年世間を騒がせた人物たちの顔(佐村河内氏、野々村元県議など)」をかぶせたりと、やりたい放題。
国内では否定的な見方が多数を占める一方、海外メディアはなぜか肯定的な見方を示すなど珍現象も起きています。

そして、もうひとつの悪ふざけ、「イスラム国ごっこ」とは、イスラム国がネット上に公開した動画の構図(黒ずくめの男、後藤さん、湯川さんの立ち位置)を真似た画像をTwitterなどに投稿する行為。
Twitterで「ISISごっこ」と検索すると、いくつかの画像が確認できますが、投稿しているのは中高生など若い世代が中心。笑顔でポーズをとっているものが多く、2013年に多発したバイトテロを彷彿とさせる、軽いノリの悪ふざけ感が漂います。

このふたつの悪ふざけが不謹慎であることは言うまでもありません。ただ、わたしが気になるのはそこではなく、不謹慎の背景にある「他人事感」です。
日本人が標的になったとはいえ、多くの人は今回の事件を「他人事」と感じているのではないでしょうか。
「他人事」というよりも、現実に起こっているという感覚さえも薄い。近いようでなぜか遠い。
実はわたしもそうなのですが、イスラム国による日本人人質事件はなぜこんなにも現実感が薄いのでしょうか。

山本昭宏さんの著書『核と日本人』(中央公論新社)には、「リビングルーム・ウォー」という言葉が登場します。
これは、「私的空間で眺められる戦争」を指す言葉で、テレビが戦争を映し出すことで戦争という惨劇が記号化してしまうのだといいます。
*****
テレビが映す戦争は、私たちの日常とつながった戦争であると同時に、どこまでも遠い戦争だ。
テレビが社会にそのイメージを繰り返しばら撒くことによって、惨劇はオリジナルではなくなり、記号化する。
(中略)
戦争や災害のイメージはマスメディアを通して社会に拡散され日常生活に入り込む。
そのなかで、人びとは戦争や災害のイメージに慣れていく。
*****

多くの人はテレビ画面を通して、「人質の殺害を予告する映像」や「湯川さんの殺害を報告する映像」を見たはず。テレビ画面を通すことにより非現実性は増し、イスラム国による日本人人質事件はフィクションに限りなく近い存在となった。
「#ISISクソコラグランプリ」や「イスラム国ごっこ」という現象は、こうした空気を反映した産物なのかもしれません。

(スタッフH)
(2015/1/27 UPDATE)
番組スタッフ
1月26日(月)濱野智史氏●投げ銭で応援する動画配信サイトにみるネットの変化
無名のアイドルやアーティストらがパフォーマンスを披露する動画配信サイト「SHOW ROOM」が話題となっています。
視聴者が購入した仮想通貨で得たアイテムをおさい銭のように投げ入れると、そこから一定の割合で演者に還元されるというサービスで約1万人の演者が登録。
多くはアイドルや声優、アーティストなどを目指すアマチュア。サイト上の自分の「部屋」でパフォーマンスやトークをします。視聴者は演者に対して、コメントの投稿やサイトで購入した仮想通貨で得たアイテムを投げて応援。
投げ銭でアマチュアのアイドルなどを応援する動画配信サイト「SHOW ROOM」。
そこから見えてくるネットの変化とは?
社会学者の濱野智史氏とともに考えます。


1月27日(火)●教育から学びの時代へ!?今、独学が注目される背景
「今年こそ!独学」。今月13日の毎日新聞の夕刊にこんな見出しの記事が掲載されました。「東大教授が教える独学勉強法」という書籍は、昨年7月の発売以来6刷3万3000部で予想以上の売れ行き。さらに昨春には「JMOOC」がスタート。今年春までに東大などの45講座が開講される見込みで、受講者は10代から80代まで10万人を突破。学びやすい環境が整い、独学に注目が集まっているのだといいます。
今、注目されているという「独学」。その背景には何があるのか、考えます。


1月28日(水)●なぜ若者を惹き付ける?「ヴァイス・メディア」が切り拓く新たなジャーナリズム
「次のCNNを狙う」という目標の下、世界35カ国で展開し、インパクトのあるドキュメンタリー動画などで名を上げている「Vice Media(ヴァイス・メディア)」
シリアやウクライナの現地リポートなど、過激なコンテンツから月間オーディエンス数は1.81億人に達しており、若者から絶大な支持を得ています。
ヴァイス・メディアはジャーナリズムの新たな道を切り拓くことができるのか?


1月29日(木)●グーグルグラスの失敗と教訓
アメリカのグーグルは今月15日、眼鏡型の情報端末「グーグルグラス」の個人向け販売を中止すると発表。グーグルはアメリカとイギリスで「エクスプローラー・エディション」と呼ぶ試作段階の製品を1台1500ドル(約17万4000円)で販売していましたが、19日で打ち切ります。
グーグルグラスはなぜ失敗したのか?その失敗から学ぶべき教訓とは?
(2015/1/26 UPDATE)
番組スタッフ
今週、某社の携帯電話、2015年春モデルが発表されました。そこでお目見えしたのはスマートフォンに加えて、二つ折りのフィーチャーフォン。
スマホに対して使われる、フィーチャーフォンという言葉。どうにも「無理矢理設けました臭」が強すぎて、二つ折りの携帯電話をまとめてガラケーと呼ぶ方が日常的には違和感がないように思われます。

今回、某社が発表した二つ折りモデルは、ガラケーに近い使用感を意識して設計されたスマートフォンのようで、「ガラホ」と呼ばれるのだそうです。

【CNET Japan シャープが模索した“ケータイ”の新たな形--中身はAndroidの「AQUOS K」】


同じニュースを読売新聞は次のようなタイトルで報じました。

【読売新聞 名前は「ガラスマ」?スマホ並みガラケー発売へ】


「ガラホ」と「ガラスマ」、両者には意味の違いがあります。
上記CNET Japan記事によると、ガラスマとは「ワンセグやおサイフケータイなど、フィーチャーフォンで標準となる機能をスマートフォンに搭載したもの」で、ガラホとは「アプローチが異なる」と言います。

「ガラ」は言うまでもなく、「ガラケー」の「ガラ」。世界では珍しい日本独自の機能を有している携帯電話を表現する言葉として、「ガラパゴス・ケータイ」という言葉がiPhoneが流行り始めたあたりかた使われるようになりました。
「ガラケー」の「ケー」は「携帯電話」を、「スマホ」の「ホ」は「phone」を意味します。
「ガラホ」は「phone」の「ホ」があるので、文字面でギリギリ携帯電話であることがわかる言葉ですが、「ガラスマ」は「ケー」も「ホ」もなく、状態を意味するのか、製品を意味するのか、何のことかもはや文字面からは「電話」感はなくなってしまいました。

ガラホ、ガラスマ。正直、どちらでもいいのですが、果たしてニーズはあるのでしょうか。
実際に、海外では一部、ガラケー人気が高まっていると言います。

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2009年にスタートした古い携帯電話を売買するサイト「VINTAGE MOBILE」では、ノキアの限定版機種 “Nokia 8800 Arte Gold” は810ユーロ(約11万)といった高額で取引されている。他エリクソン、モトローラなどの機種も、平均60〜250ユーロ(約8000〜3万5000円)といった価格で販売されているのだ。

【ロケットニュース24 スマホ以前のレトロな携帯電話が人気再熱! 人気の理由は「SNS疲れや豊富なデザイン」など】
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ガラケーが好きな人はきっと、高速ネット通信、テザリング、アプリ、クラウド、高度なカメラ機能…など、スマートフォンの強みとも言える要素はあまり必要ないのかもしれません。
シンプルに電話、メール、不便でないくらいのネット通信ができて、ボタンを押す感触がある。iPadを使っているくせに、スマホに変えようとしない私の両親はガラケーの良さをそう語ります。

世界的に見て、日本はiPhone人気が高い国です。Appleがとんでもない失敗を犯さないかぎり、iPhone人気が下がることはないでしょう。
国内のスマホ市場は「iPhone vs その他大勢」という抗争図がすっかり定着してしまいました。
一部の人にとって、ガラケーのニーズは高いのでしょうが、できれば本気でiPhoneを倒しにかかるような製品を見てみたい。手に取ってみたい。

グローバル化が叫ばれて幾年たつでしょうか。
グローバル化が叫ばれ続けた期間はつまり、日本企業のブランド力が問われてきた時間に等しいと言えます。
日本製品というブランドだけで、海外の製品よりも優れていると信じている人は今やどれくらいいるでしょうか。

機能だけでも使い勝手の良さだけでももちろんダメ。デザインだけでもいけません。
一度手にすると、手放せなくなるくらいの衝撃を与える製品。
生活を(劇的に)変えてくれ、それなしでは生活できないくらいに浸透する。日本企業にはいつかそんな製品を生み出しと欲しいと願っていますし、それこそが日本企業のブランド力を高めることにつながり、自ずと世界と戦えることを意味するのではないでしょうか。

業績が悪化の一途をたどるAppleにスティーブ・ジョブズがCEOとして復活した当時、「集中」という言葉を掲げ、手を広げすぎた事業、出しすぎた製品を縮小することを明示しました。
手がける製品を目先の目標として4つのみとし、そこに「創造性」を集中することにした結果、今日のような成功を収めたのです。

雑多に価値を付与するのではなく、「集中」して消費者の心を掴むことが日本企業にも求められているのでしょうが、スマホ・ケータイ市場において、その解が果たしてガラホなのかガラスマなのかは私は懐疑的です。


スタッフ:坂本
(2015/1/22 UPDATE)
番組スタッフ
本日の特集は
「『9.11』『3.11』…なぜ人は『愚行』を繰り返すのか。拡大阻止のためにできること」。

アメリカ同時多発テロ=「9.11」や、福島第一原発事故=「3.11」など、現代の「愚行」を提示する事件や事象の写真を収録した書籍『続・百年の愚行』が刊行されました。
クラウドファンディングによる資金調達を経て出版されたこの本のテーマは「愚行を繰り返さない社会をどう作るか」。

世界各地で起こるテロ、環境問題、経済格差、そして原発事故……。
正義や改善、常識といったものを求めた一方、それが悪、非常識とされることもあります。
私たちはどこで間違えたのか、修正する道はあるのか。
グローバル資本主義を追い求めてきた先に起きた「愚行」を解決する糸口は、どこにあるのだろうか。この本に集められた「愚行」を通し、解決のヒントを探ります。
ゲストは「続・百年の愚行」編集統括の小崎哲哉さんです。

ピックアップは「残り2年、オバマが目指すアメリカとは?」。アメリカ・ニュージャージー在住の作家でジャーナリストの冷泉彰彦(れいぜい・あきひこ)さんにお話を伺います。

「まえがきは謳う」は、「イスラム国 テロリストが国家をつくる時」(ロレッタ・ナポリオーニ著)をとりあげます。

(2015/1/21 UPDATE)
番組スタッフ
厚生労働省と法務省、それぞれがホームページに掲載しているマンガ。どちらも甲乙つけがたくおかしな内容で、頭がくらくらします。

Twitterユーザーが発掘し、まとめサイトに取り上げられたのをきっかけに批判が殺到した、厚労省がホームページで公開しているマンガ「いっしょに検証! 公的年金」。
社会保険労務士の女性、年金子が、架空の家族に年金の仕組みを解説する設定で、0話から11話まであり、批判されているのが11話「世代間格差の正体〜若者って本当に損なの?」
主な登場人物は、年金子(とし・かねこ)と架空の家族の面々(地方公務員の姉、大学生の妹、姉妹の母親)で、テーマはタイトルからも分かるとおり、「年金受取額の世代間格差」。

とくに批判されているのが、4ページのこのくだりと、、、
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年金子「今のお年寄りたちは教育や医療も十分でなかった時代に自分たちの親を扶養しながらここまで日本を発展させてきました」
年金子「そのおかげで今の若い世代が豊かに暮らしていることを考えると受け取る年金に差があったとしてもそれだけで若者が損とは言えないと思いませんか?」
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8ページのこのくだりと、、、
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妹「結局 若い人は大変ってことか……」
年金子「少子高齢化が続けば仕方のないことですけどね」
年金子「でもこの状態がずっと続くかどうかはまだ決まってませんので そんなに悲観することはないですよ」
姉「そうだ あんたが結婚してたくさん子どもを産めばいいのよ!」
妹「ええっ なんであたし?」
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9ページのオチの一言。
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年金子「バリバリ働いて今週のお見合いパーティも頑張りましょー!」
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重要なポイントを要約すると、こういうことになります。
・今の高齢者がここまで日本を発展させてきたから、今の若い世代が豊かに暮らせている。だから、年金受取額に差があったとしても若者が損とは言えない。
・今は少子高齢化だから、給付額が下がるのは仕方がない。
・給付額を下げないためには、女性が結婚してたくさん子どもを産めばいい。

論点があまりにも飛躍しすぎていて、まったく意味が分かりません。
このマンガは去年5月に公開。アクセスは1日1000件程度だったのが、今月13日から急増し、14日は最多の8万9000件を記録。
年金局には電話での苦情も寄せられたようですが、それも納得のひどい内容です。

厚労省と同じぐらいおかしなマンガをホームページに公開しているのが法務省。
おととい(18日)にはこんなまとめができるなど、厚労省のマンガほどではないにしろ、ある程度の批判が集まっています。

<法務省制作の「いじめをなくすマンガ」が全然すっきりしない>

批判されているのは、<みんなともだち〜マンガで考える「人権」〜>のなかのひとつ、『みんなで「いじめ」をなくそう』
主な登場人物はいじめっ子(名前なし)といじめられっ子(今西くん)と、正義感の強いクラスメイト(権人くん)の3人。
わずか2ページ13コマのマンガで、内容はこんな感じ。

*****
いじめっ子「なんだと!!オレのいうことがきけないっていうのか」
今西くん「そうだよ」「いままでずいぶんいじめられたけど もうイヤだ!」
いじめっ子「なにっ」
今西くん「カバン持ちもしない おつかいにも行かない」
いじめっ子「こ、このやろう ナマイキだぞ!」
権人くん「今西くん えらいぞ!」
いじめっ子「け、権人(けんと)はだまってろ!オレは今西と話してるんだから」
権人くん「イヤ!だまらないよ」「先生もいってたじゃないか!みんな人権があるんだから、むりやりカバン持ちやおつかいをさせちゃいけない!」「クラスのみんなも同じ意見なんだよ」
いじめっ子「えっ?」
クラスメイト「(数人が声を合わせて)そのとおり!!」
いじめっ子「わっ」
権人くん「どうする?いじめをやめてくれる?」
いじめっ子「わ、わかった もうしない」
クラスメイト「(数人が声を合わせて)ワーイ!」
クラスメイトの女子「よかったわね 今西くん」
今西くん「ウン ありがとう」
*****

おかしいのは、権人くんの「みんな人権があるんだから、むりやりカバン持ちやおつかいをさせちゃいけない!」「クラスのみんなも同じ意見なんだよ」というセリフ。
いじめをなくそうというテーマで示されるのが、「みんな同じ意見だから、いじめは止めてくれ」ではあまりにもお粗末。
いじめっ子がこの程度で改心するとは到底思えませんし、同調圧力でいじめっ子を黙らせる展開は根本解決とはほど遠いように思います。
つまり、いじめっ子はいじめがなぜ悪いのかを理解したわけではなく、みんながやめろと言っているからいじめをやめることにした。これでは再発は避けられそうもありません。

厚労省と法務省のマンガが扱っているのは、どちらも難しいテーマ。その難しいテーマを分かりやすく説明するためにマンガという形式をとったことは、ある程度は理解できます。
しかし、結果としてどちらも理解ではなく、誤解を広げることになってしまいました。
その原因を断定することは困難ですが、わたしが感じるのは子供だまし。
子供を意識するあまり、子供だったらこの程度の表現で理解してくれるだろう、疑問も持たないだろうというおごりがあり、そのおごりが招いた結果なのではないでしょうか。

(スタッフH)
(2015/1/20 UPDATE)
番組スタッフ
1月19日(月) ●ハローワーク、ブラック企業求人掲載拒否の意義

政府は今月5日、ブラック企業の新卒求人票をハローワークで取り扱わない制度を導入する方針を固めました。
厚労省によると、2013年に全国のハローワークに寄せられた求人票に関する苦情は約9000件。厚労省が実態を調査したところ、約4割が事実と異なる条件を提示していたことが発覚しています。
現行の法律では虚偽記載などが発覚している企業であっても、求人票の受け取りを拒否することが出来なかったのですが、拒否を可能とすることで、新卒者が劣悪なブラック企業に入社することを防いでいくようです。
まだ具体的な制度設計は明らかになっていませんが、どういった制度にすべきなのか、ブラック企業対策プロジェクト事務局長で弁護士の嶋崎量さんにお話を伺い、考えます。


1月20日(火) ●大企業を変える〜過去を否定し組織を覚醒させるリーダーとは〜

連結従業員数が10万人を超える企業は、国内に21社。トヨタ自動車34万人、日立製作所33万人、パナソニック26万人など。その従業員総数は、370万人で日本全企業の9%近くを占めます。
株式時価総額をみてみると、上位21社合わせて92兆円。
ちなみに、アメリカのアップルは、従業員総数10万人で、株式時価総額84兆円。
今月20日発売の月刊誌「wedge」では、日本経済再生には、大企業の覚醒は不可欠として、過去の成功体験から決別し、改革マインドを定着させようと動く大企業経営者たちのインタビューを掲載しています。
大企業は今、どのような改革を実行しているのでしょうか。Wedgeの大江編集長に伺います。


1月21日(水) ●「9.11」「3.11」…なぜ人は「愚行」を繰り返すのか。拡大阻止のためにできること

『続・百年の愚行』 の編集ディレクター、小崎哲哉さんにお話を伺います。


1月22日(木) ●企業側の視点で考える、食品異物混入問題

マクドナルドをはじめ、食品に異物が入っていたとの苦情が全国で相次いでいます。
日本マクドナルドでは、チキンナゲットにビニール片のようなものが入っていたほか、ポテトに人の歯のかけらが混入していたことなどが判明。
日清食品冷凍の冷凍パスタや和光堂のベビーフード、ロッテのキシリトールガムなど、ほかの企業の商品でも異物混入が発覚し、対応に追われています。
年間約1千件にも及ぶという食品への異物混入。発覚した場合、企業は商品の回収という対応を迫られるが、この商品の回収という対応は、企業側の対応として正しいと言えるのでしょうか?
企業側の視点で食品異物混入問題を考えます。
(2015/1/19 UPDATE)
番組スタッフ
SNSへの投稿がきっかけであるかのように、次々と同じような事態が明らかとなった食品異物混入。
増えているというよりは、これまで見えることがなかった「被害」が、可視化されたということでしょうか。
SNSにより「粗」が可視化されるようになったのは、テレビドラマも同じことです。

2015年、NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」においても「粗」が見つけられました。
指摘したのは日本語学者の飯間浩明氏。Twitterで「幕末の書物の表紙にパソコンの明朝体フォントが使われていたのには当惑しました。美術スタッフに筆文字の書ける人が少なくなっているのではないかと心配します」と述べ、「花燃ゆ」に登場する美術としての書物に違和感を示したのです。
入念な時代考証がなされる大河ドラマですが、これまでも何度となく史実と違うなどの指摘が外野から起こってきました。

そんな「花燃ゆ」ですが、視聴率がふるわないようです。
初回の平均視聴率は16・7%。2話目は13・4%。
動乱の幕末史を語る上で欠かせない吉田松陰と松蔭の志しを継ぐ門下生たちが織りなす青春群像を、お世辞にもメジャーとは言えない吉田松陰の妹・文(ふみ)を中心に描くという内容です。

昨年末くらいから、東京の駅のあちこちで「花燃ゆ」のポスターを目にするようになりました。
主演の文を演じる井上真央さんを中心に、松蔭役の伊勢谷祐輔さん、文の夫となる久坂玄瑞役の東出昌大さん、松蔭の親友・小田村伊之助役の大沢たかおさん、高杉晋作役の高良健吾さんらとともに、屋根の上でおにぎりを片手に、笑顔で空を眺めているという構図です。
「何だか大河っぽくないな」と思ってしまいました。井上真央さんとイケメン俳優が繰り広げる、“ハートフル恋愛時代劇”のように見えてしまうのです。

ポスターのデザインには次のような製作意図が込められているようです。

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ポスターのデザインについて、土屋勝裕チーフプロデューサーは「文は、ひとりで生きていくのではなく、多くの家族や仲間たちと出会い、影響し合って生きた人物です。ですので、今回はあえて主役一人のビジュアルではなく、4人の男性たちに囲まれたヒロインをメーンビジュアルにしました」と解説。またキャッチコピーの『幕末男子の育て方。』について、「文が、志士たちを励ましたり、叱ったり、褒めたりしながら、いわば『やる気スイッチ』を押していく姿を、視聴者の皆様に楽しんでいただきたい」という思いが込められていることを明かした。
<「花燃ゆ」のポスター完成、井上真央と男性キャスト4人が集結>
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何でもかんでも視聴率という指針で見てしまうのは悪い癖かもしれませんが、大河ドラマというと一昔前は、視聴率20%超えは当たり前でした。
歴史が大好きな「歴女」という言葉もかなり前に流行りましたが、「女性視聴者と歴史もの」の相性はあまりよろしくないと見られがちです。大河ドラマは2000年代に入り、女性が主役となる作品が勢力的に作られていることなどを考えると、人気女優を主役に添え、その周りをイケメン俳優で固めることで女性の視聴者を獲得しようと画策しているのかもしれません。

昨年6月、「花燃ゆ」のプロデューサーは次のように語っています。
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土屋勝裕プロデューサーは、キャスティングについて「イケメンを意識した。女性が観ていて楽しい大河ドラマにしたい。今後も実力・人気・ルックスの三拍子がそろったイケメンを続々と登場させる」と明言した。
<2015年大河『花燃ゆ』はイケメン押し 伊勢谷・高良・東出ら続々>
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歴史上の比較的マイナーな人物が主役ということもあり、普通にしていたら女性が食いつかないのは納得できます。
しかし、一筋縄ではいかない恋愛模様を想起させるような、周囲がイケメンだらけの設定がその女性を惹き付けるための解なのでしょうか。
「花燃ゆ」の公式ホームページを見ても、「イケメン」という言葉とともに幕末当時の髪型について解説されていたりするのですが、これも「女性視聴者のために考えています」感が強すぎて少し照れます。

そして、キャッチコピーである「幕末男子」という言葉も何だか気持ち悪さを感じます。
眼鏡男子、料理男子、弁当男子…「男子」という名でカテゴライズすることで、「男臭さ」が排除され、中性的な魅力が増して見えます。多分、見えるだけです。同性の私も、「●●男子」とカテゴライズされたもの聞くと、無条件にポジティブなイメージが沸き起こります。しかし、私の周りにはブサイクな眼鏡男子(良いヤツです)もいますし、ゴリラのような料理男子もいます。
ダサくて、ブサイクな男は「男子」には最初から含まれていないのでしょう。

「花燃ゆ」のホームページ、PRなどを見ていると、女の人ってイケメンが好きでしょ?●●男子って言っときゃ気になっちゃうでしょ?という押し付けがましさを感じてしまいます。
全ての女性が「イケメン」を好きというわけではありません。私の妻など、流行りのイケメン俳優に興味はありません。三浦友和一択です。

少なからずイケメンを起用することで女性視聴者は増えるかもしれませんが、半世紀の歴史がある大河ドラマの古参ファンを失ってしまうのではないかと危惧してしまいます。
女性にウケるための選択肢は「ピンク」に限るわけでもないようにイケメンでもないのですから。

「花燃ゆ」は始まったばかりです。主人公が井上真央さんで、周りをイケメン俳優が固めていることから、幕末版「花より男子」と揶揄されているようですが、始まったばかりの段階でつまらないとの烙印を押されてしまっては製作サイドも不本意でしょう。
スタートダッシュには失敗してしまいましたが、これからどんな巻き返しを図るのか。こすり尽くされた幕末という設定の中、「イケメン」「恋愛」など関係のない、視る人を惹き付けるストーリーが繰り広げられる演出・脚本になることを期待します。


スタッフ・坂本
(2015/1/15 UPDATE)
番組スタッフ
特集は「ネットは窮屈になったのか」。
OS「Windows95」が登場して20年。
これは日本でネットが一般的になった20年とも言えます。
自らホームページを開設し情報を発信していた時代を経て、そのツールはブログ、SNSへと変化をしていきました。
今月に入り、“ネットで情報を発信することが窮屈になってきた”とする意見がブログに上がり始めています。
漫画家の小島アジコさんのブログでは「最近、ブログが不自由になってきたと思いませんか?」というエントリーがアップされました。2005年ごろまではネットはもっと自由だったが、それ以降、徐々に不自由になっていったというのです。
この記事をきっかけとして、精神科医の熊代亨さんはブログに「ネットは“コミケ”から"“テレビ”になった。」という記事を、またカメラマンでライターのかさこさんは「ネットが窮屈になったとかいうくだらない議論〜批判を恐れず発信すればいい」という記事をアップしています。
ネットニュース編集者の中川淳一郎さんは著書『縁の切り方』の中で、ネットは“所詮「多種多様な人々との交流で、新しい価値観が生まれる」なんてものはあり得ない”としています。
ネットはなぜ“自由”から“窮屈”へと変貌を遂げたのか。
その結果、ネット上で起こっていることとは何か、検証します。
ゲストはネットニュース編集者・中川淳一郎さん(@unkotaberuno)です。

ピックアップは「ムハンマド風刺画、“表現の自由”か“冒とく”か」。青山学院大学法学部の大石泰彦教授にお話を伺います。

「まえがきは謳う」では「絶対に行けない世界の非公開区域99」(ダニエル・スミス著)をとりあげます。
(2015/1/14 UPDATE)
番組スタッフ
これまで“正しい”とされていたルールが突然、“間違い”に変わるときがごくたまにあります。
そういうとき、小さないざこざが起きたりしますが、その原因は案外、単純でアナウンス不足だったりします。
こちらの記事が取り上げていた「エスカレーター」のルール変更もそう。

<片側空け→歩行禁止 マナー変わる? エスカレーター>

片側(東京などは左側、関西などは右側)を急いでいる人のために空けておくことが正しいとされていたエスカレーターのルール。
最新のルールではこれは間違いとされ、正しいルールは「エスカレーターでは歩かず、片側を空けず、手すりにつかまる」こと。
理由は、急いでいる人が隣をすり抜けるとき、荷物や体などが接触して思わぬ転倒事故を引き起こす恐れがあるためのようです。

去年7月に日本エレベーター協会などが呼び掛けるポスターを作成していたようなのですが、わたしは恥ずかしながら、このルール変更を知りませんでした。
そのせいか、片側を急いで歩いていたとき、見知らぬ人からにらまれたこともあります。当時はにらまれている理由が分からなかったのですが、おそらくこの人はルール変更をご存じだったのでしょう。

とはいえ、このルール変更、知っている人は少数派、知らない人の方が多いように思います。
なぜかというと、いまだにエスカレーターの片側を空けているケースが目立つからです。というよりも、片側を空けていないケースはほとんど目にしたことがありません。
それに加え、わたしのように急いで歩いている人がにらまれるのもレアケース。片側を空けずに立っている人が「片側を空けろ」と注意されている姿を目撃することの方がはるかに多い気がします。

新たなルールを守っていない人だけでなく、守っている人も注意される。このようなややこしいことになっている原因は、やはりアナウンス不足。
名古屋市交通局や福岡市交通局などは新たなルールを利用者に呼び掛けているのに対し、JR東日本、東京地下鉄、東京都交通局、阪急電鉄などは「あくまでもマナーの問題。『歩くな』とは強制できない」という立場であまりアナウンスをしていないのが現状のようです。

あまり知らされていないルール変更。
エスカレーターと同じぐらい知らされていないのがペースメーカーに関するもので、そのせいでこちらも「ペースメーカーを着用している人にスマホを叩かれたことがある」といった小さないざこざが報告されています。

<ペースメーカー「携帯の影響ほとんど無い」と総務省 電車内マナー変わる? 鉄道会社見直しの動き>
<ペースメーカーへの携帯の影響は無視できる程小さい事を電車でちゃんとアナウンスしてほしい>

これまで、携帯電話は強い電波が出るためペースメーカーの誤作動を招く恐れがあると言われていましたが、携帯電話とペースメーカーの機能向上に伴い、去年1月に総務省が「携帯電話がペースメーカーに与える影響は小さい(※厳密に言えば、携帯電源とペースメーカーが3センチ以上離れれば影響がない)」として指針を緩和。
指針から「満員電車などでは電源を切るよう配慮することが望ましい」との一文を削除しました。
さらに総務省は、携帯電話がペースメーカーに影響を及ぼした例は一度も報告されていないことも明らかにしています。
これを受け、関西鉄道協会とJR西日本は去年7月、優先席付近で終日行っていた「携帯電話の電源オフ規制」を見直し、電源オフ規制は混雑時だけとなりました。
ただし、これは関西のみ。関東ではなぜか今も終日、優先席付近の電源オフ規制が続いています。

エスカレーターとペースメーカーに共通するのは、「変更の中途半端さ」。
エスカレーターは鉄道各社の対応がバラバラで、ペースメーカーは地域限定。これでは十分なアナウンスがされるはずもありません。
中途半端なルール変更は小さないざこざを生むだけ。変更するのであれば、とことんやってほしいものです。

(スタッフH)
(2015/1/13 UPDATE)
番組スタッフ

1月12日(月・祝)原田曜平 ●「女子力男子」の生態

成人の日の今日は「マイルドヤンキー」生みの親、原田曜平氏とともに、今どきの若者の傾向について考えます。


1月13日(火)●正社員待遇の限界と非正規雇用時代の到来

今月1日に放送されたあるテレビ番組での、竹中平蔵氏の非正規雇用に関する発言が物議を醸しています。
番組の中で竹中氏は、“同一労働同一賃金”について「(目指すなら)正社員をなくしましょう」と指摘。「全員を正社員にしようとしたから大変なことになったんです」と語りました。
全員が今までの正社員のような働き方をするのは無理で、非正規雇用へのシフトは避けられないのか?正社員待遇が限界にきている原因と、非正規雇用にシフトせざるを得ない現状を考えます。


1月14日(水)●ネットは窮屈になったのか

漫画家の小島アジコさんが今月1日にアップしたブログエントリー「最近、ブログが不自由になってきたと思いませんか?」をきっかけに、“ネットが窮屈になった理由”をめぐる議論が巻き起こりました。
『シロクマの屑籠』で知られる精神科医の熊代亨さんが「ネットは“コミケ”から"“テレビ”になった。」というブログエントリーをあげたのをはじめ、いくつもブログエントリー(「ネットが窮屈に感じる原因はfacebookルールと拝金主義」「ネットを窮屈にする側の論理」など)があがりました。
多くの識者、ブロガーが賛同しているが、果たしてネットは窮屈になったのか?
ネットは窮屈になったのか?また窮屈になった結果、ネットで何が起きているのか?


1月15日(木)●書店空白と変わる本の価値観

新刊本を扱う書店が地元にない自治体数が、全国で4市を含む332市町村に上り、全体の5分の1に上ることが、書店情報を集計している出版社の調査で分かりました。
「書店空白」の4市は、北海道歌志内▽茨城県つくばみらい▽宮崎県串間▽鹿児島県垂水。
つくばみらいを除けば、有識者でつくる日本創成会議が昨年、「消滅可能性都市」と指摘した自治体です。
全国にある書店空白の問題と、その背景にある「本に対する価値観の変化」を考えます。
(2015/1/12 UPDATE)
番組スタッフ
年末から年始にかけて、ご存知の通り、テレビでは特別番組ラッシュです。
記憶に全く残らないものもあれば、おもしろいというわけではないけど何となく記憶に残ったものもあります。

今週、仕事場で暇つぶしに何となく観ていたのは、ある人生相談番組の新春スペシャル。元民放キー局の女性アナウンサーや女性タレントが自身の結婚生活の破綻を打ち明けるという内容でした。
元女性アナウンサーは「刑務所に入るつもりで結婚しよう」「子どもがいなかったら、ずっと独身だったかも」と、いわゆる仮面夫婦であったことを訴えていました。

VTRは女性だけの座談会のような構成で、元旦那への不満が幾度となく登場します。
スタジオでは冷えきった夫婦生活を無理矢理つづけたことにより、「子どもがかわいそう」と別出演者が嘆きます。
偽りの結婚生活を赤裸裸に語る女性だけの座談会の中に、もちろん「夫の声」はありませんでした。
番組は夫不在で進んでいきます。番組タイトルには「解決」と付いていますが、解決されるのは相談者の“気持ちのあり方”に過ぎず、根本的な問題はもちろん解決されることはありません。

彼女達の告白を疑うわけではないのですが、「ズルいな」と思ったのが番組を見た印象です。
夫婦の問題は、どちらか一方の意見を聞くだけで理解できるものなのでしょうか。

私と妻の共通の友人であるカップルがいるのですが、年始早々、そのカップルの彼女から妻のLINEに、相談のメッセージが届きました。
内容は「彼氏が浮気している」というもの。彼氏の知り合いである私にその真偽を確認してくれないか、というのです。おそらくよくあることであろう男女間の問題ですので、詳細を述べることは避けますが、妻たち女性陣の意見としては、その彼氏は完全なる「クロ」。疑わしい行動をとってしまった時点でもうアウトだということでした。

私はこういった問題をうまく解決する術を持ち合わせてもいなければ、そもそもあまりかかわり合いになることが億劫だと思ってしまう人間です。
しかし、期せずしてその数日後、彼氏の方から私に連絡がありました。
「彼女に浮気を疑われているんだが、どうすればいいのか」と。
あまり深入りしないように話だけを聞いてみると、彼女の早とちりか勘違いか、もっと言うと彼女側にも問題があるのでは…という印象を受けました。

欠席裁判という言葉があります。
当事者や代理人が不在のまま行われる裁判というのが本来の意味ですが、転じて、不在の人を批評するといった意味も持ちます。
日常生活でよく目にする欠席裁判は、「原告」がただの悪口を昇華するためだけの場所です。

もし欠席裁判を目にしたなら、参加したなら、そこで飛び交う意見が全て真実だと鵜呑みにしないことが良いでしょう。

騙し絵のように、男女間の“問題”ほど立つ側によって見方が変わってくるものはありません。
いや、男女の問題だけではないでしょう。
昨今のネットやメディアを見ていると、批判する側の声が大きすぎてその意見に思考を侵蝕されてしまいがちです。
両側の視点から考えようとせず、安易に感情だけで判断してしまった挙げ句、私たちは問題の本質や真実をこれまで多く見落としてしまっているのかもしれません。
何が正しいか、どちらが正しいかを判断することは困難ではありますが、自身の意見と反するものも一応、目を通すくらいのことはする必要はあるでしょう。


スタッフ・坂本
(2015/1/8 UPDATE)
番組スタッフ
「第65回 NHK紅白歌合戦」が終わりました。中森明菜さんやサザンオールスターズの出演など、話題が豊富で、終了後も多くの関連ニュースが関心を集めたと思います。そんな中で、以下のような記事が目を引きました。1月3日に配信された、週刊誌「週刊SPA!」が運営するサイト「女子SPA!」から引用します。

「紅白の松田聖子で考える、堂々と『衰える』ということ」
ゴールデンボンバーの公開丸刈りや、イディナ・メンゼルまさかの日本語での絶唱など、様々な話題を提供した昨年の紅白歌合戦。その中でも一番注目を集めたのは、やはり大トリを務めた松田聖子だったのではないでしょうか。
 というのも、ここ数年のライブ映像や歌番組での彼女のパフォーマンスが著しく衰えているからです。特に「夏の扉」の歌いだしや「Sweet Memories」の高音などは、聴いていて苦しくなってくるほど。
 もっとも、その苦しさこそが彼女がきちんと肉声で歌っていることの証明になっているという、なんとも皮肉な結果を生んでいるのですが。ともあれ、そんなコンディションで果たして「あなたに逢いたくて〜Missing You〜」を歌いきれるのかどうか。
 その不安を歌い手自身も抱えていたのでしょう。キーは原曲から半音ほど下げられていました。にもかかわらず、その声がメロディラインの全ての音に到達することはありませんでした。

その上で、筆者の石黒隆之さんは「本当の問題は衰えではありません。歌い手だって人間ですから、みな老いる。肝心なことは、それとどう向き合うのか。衰弱に説得力と正当性を持たせること。(中略)そしてそれに取り組めるのは、その年齢に至るまでキャリアを維持することのできた年長者の特権であるとも言えるのです」と指摘。松田聖子さんの紅白での歌唱については「まっすぐな歌だったと言えるでしょうか。上がりきらない音をぼやかすためにフレーズの終わりをフェイドアウトさせたり、大げさなヴィブラートで楽曲を置き去りにしたりする歌が、果たして人の心を打つでしょうか」と疑問を投げかけています。(引用元は以下のサイト)

http://joshi-spa.jp/179362

音楽は全くの専門外ですし、人さまの歌唱の良しあしを聞き分けられるほど耳が肥えていませんので、松田聖子さんの歌が「うまかった」「下手だった」という判断は横に置くとして、この記事の中で特に考えさせられたのは「年長者の特権」という言葉でした。

紅白歌合戦の中で、松田聖子さんを見て感じたのは、この方はもはや、歌そのものより、いずまい、たたずまいがエンターテインメントなのではないかという点です。大勢が集うステージでもなぜか目が行きますし、娘の神田沙也加さんの姿を見て、目頭を押さえる仕草には「おおっ、さすが、ここで泣くか」と、何か「いいモノを見た」ような気にさせられました。同時に、郷ひろみさんや神田正輝さんとの過去も思い起こしました。

同じような感覚を、薬師丸ひろ子さんにも感じました。「Wの悲劇」の歌唱中、映画のシーンを思い出すとともに、玉置浩二さんとの結婚、ドラマ「あまちゃん」での鈴鹿ひろ美さんとしての姿なども去来しました。その上で歌を聴くと、「ああ、いろんなことがあったね」と、また深みが感じられるのです。

長く芸能報道に関わってきた知人は、今回のベスト3を「中森明菜、椎名林檎、美輪明宏」としたうえで、特に中森明菜さんが、はじめのトークのか細い声から、歌い始めると次第に自信に満ちて行き、表現に入り込んだ様子に「感動した」と力説。そしてこう言いました。
「紅白ってなんだかんだ言っても、テレビショーの最高峰だな」。

紅白歌合戦は、テレビのこちら側、つまりお茶の間で、出場者の人生を、勝手ながらご本人と一緒に振り返り、その人の今を目撃するという、国民的ビックイベントなのではないかと思います。
出場者が「年長者の特権」を行使しているのかどうか、しているならどのように行使しているのかを、鑑賞できる番組なのではないかと思うのです。

そこで希望したいのは、年末に森進一さんが提案して議論を読んだ「紅白歌合戦50回定年制」は、できればルール化してほしくはないということです。

出場する歌手の方ご自身が「50回で卒業しよう」と考えるのは自由でしょう。しかし、ルール化されてしまうと、本来の紅白の面白さが少なくなると言うか、何とも味気なくなってしまうように感じます。
ゴールデンボンバーの丸刈り、バナナマンの副音声中継など、放送内容の幅が広がり、「何でもあり」になりつつあるのならば、出場回数だって「何回でもあり」にしてほしいと思います。
(スタッフN)
(2015/1/7 UPDATE)
番組スタッフ
漫画家の小島アジコさんが今月1日にアップしたブログエントリー『最近、ブログが不自由になってきたと思いませんか?』
これをきっかけに、「ネットが窮屈になったこと」がテーマのブログエントリーが相次いでアップされています。

代表的なところで言えば、『シロクマの屑籠』で知られる精神科医、熊代亨さんの『ネットは“コミケ”から"“テレビ”になった。』や、ブロガーのかさこさんの『ネットが窮屈になったとかいうくだらない議論〜批判を恐れず発信すればいい』
きっかけとなった小島さんを含め、それぞれ下記のような主張をされています。

・小島アジコ
「最近のサイトをみても、みんな一般論しか述べていなくて、自分は間違っているだろうけれどもこう思うとか、こうしか生きられないからこう生きてる。っていうブログとかサイトがない。あっても、すぐ、“お前はおかしい”ってリプがついて、消えて行ってしまう。」
・熊代亨
「皆が寸評者になった。誰もがテレビに向かってあーだこーだ言うように、ネットコンテンツを寸評する時代がやって来た。ネットは書き手で満ち溢れた以上に、寸評者・視聴者でいっぱいに充たされた。」
・かさこ
「ネットは確かに窮屈になると感じるぐらい、粗探しして叩きたい自分のないバカげた人間が増えたことは確か。」
「ネットが窮屈?そんなことでわあわあ言ってどうする。自分に自信があるならくだらん批判を恐れず、堂々と自分の意見を述べればよい。」

主張は違うものの、お三方に共通しているのは「ネットが窮屈になった」と感じていること。
便乗しているようでかっこ悪いのですが、わたしもここ最近はとくに、ネットでのしょうもない批判や揚げ足取りが増えているように感じます。
よく目にするのが、一般論から少し外れたことを書いた人を、正論を振りかざして批判するケース。それをきっかけに、知りもしないのに、書き手の人格を全否定するようなコメントを平気で書く人もいて、とにかく嫌な気持ちにさせられます。

そしてこちらも、「ネットの窮屈さ」を象徴するケースと言えるのでしょうか。今まさに世間を騒がせているプロフィギュアスケーター、安藤美姫さんの件。
安藤さんは今月1日、Instagramに交際中のハビエル・フェルナンデスさん、娘のひまわりちゃんとの3ショットを掲載。これに、「誘拐や犯罪が心配だから子どもの顔出しはしないんじゃなかったの?」「注目を集めるために子どもを利用しないで」などと批判が殺到。
しかし、これに心が折れることなく安藤さんは反論。
翌日(2日)には、同じくInstagramに「私の事が嫌いだったりするのは構いません」「私の事が心から嫌いなのであれば見なければいいし、気にしなければいいのではないでしょうか?」と、今日(6日)も娘の顔写真を公表した理由を「あまり隠し事をしたくないから」と立て続けに綴り、「娘の父親は隠しているのに何言ってるんだ」という正論すぎるツッコミが入るなど、さらなる批判を呼んでいます。

こちらの記事で、「『かまってちゃん』的な態度が叩かれている原因の根本にある」なんて分析もされているように、安藤さんが人をイラつかせる要素を持っていることは確か。わたしもちょっとイラつきます。
ただ、だからといって、こういう人がネットから消えてほしいとは思いませんし、こういう人が紛れ込んでいる、いわば玉石混交なところがネットのおもしろさのはず。
そもそも、ネットに正論や清廉潔癖な人格を求めてはいませんし、それは他のメディアを見れば済むこと。それが、しょうもない揚げ足取りによってネットならではのよさが失われつつあることに、一抹の寂しさを覚えました。

(スタッフH)
(2015/1/6 UPDATE)
番組スタッフ
先週木曜と今週一週間お届けするSP企画、『タイムライン・ベストエントリ〜人気ブロガーが放つ第5の矢』。
昨年末に第3次安倍内閣が発足し、今後、政府はアベノミクスや集団的自衛権、憲法改正、エネルギー問題など多くの政治課題と向き合っていくことになります。
一方、私たちの暮らしには、2015年にどんな変化があるのでしょうか?
波紋を呼んだ人気ブログから、2015年にどんな変化が待っているのか、探っていきます。


1月5日(月) ●タイムライン・ベストエントリ

政治経済のみならず社会、働き方にまで言及するブログが人気の元経産官僚、宇佐美典也さんをスタジオにお迎えし、お話を伺います。


1月6日(火) ●タイムライン・ベストエントリ

Twitterネーム「めいろま」で知られる谷本真由美さんにお話を伺います。


1月7日(水) ●タイムライン・ベストエントリ

「軍歌を中心とした、世界のプロパガンダ」を研究している文筆家の辻田真佐憲さんにお話を伺います。


1月8日(木) ●タイムライン・ベストエントリ

「cakes」「日経ビジネス」などで連載を持つ、ライターの武田砂鉄さんにお話を伺います。

(2015/1/5 UPDATE)

MESSAGE ★ 番組へのメッセージはこちらから ★ 皆さまからのご意見お待ちしております


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