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番組スタッフ
みなさんは日常生活においてキャラ、人格を使い分けているでしょうか?
電通が行った「若者まるわかり調査2015」で興味深い調査結果があります。

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▼Twitterアカウントを複数所有している人は、高校生で62.7%、大学生で50.4%、20代社会人で34.5%。Twitterユーザーが所有するTwitterアカウントの平均個数は、高校生で3.1個、大学生で2.5個、20代社会人で2.7個

▼実生活において一緒に行動したり情報を得たりしているグループやつながりの数は、高校生で7.2個、大学生で7.4個、20代社会人で6.8個。

▼実生活におけるキャラクターの使い分けについても聞いている。高校生で5.7キャラ、大学生で5.0キャラ、20代社会人で4.0キャラを使い分けており、「ライフステージが若ければ若いほど、日常でのキャラの使い分けが活発に行われている」という。


【女子高校生Twitterユーザーはアカウントを平均3.4個所有、電通の「若者まるわかり調査2015」】
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「今の若い子って大変だね」
このニュースに対して、こんなコメントを目にしました。

私は仕事の時とプライベートでは私が用いている人格は異なります。
細かくいうと、携わる仕事の種類によってお付き合いする顔ぶれも違うので、仕事の現場の違いによっても人格を変えていたりします。
人格を使い分けることが億劫だとも思いません。プライベートも仕事も1つの人格で突き通すことこそ、私にとってはストレスです。

私自身のSNSとの付き合い方の場合。自ら何かを投稿することはなくなり、完全なる「見る専」となってしまいました。
例えばFacebookを使い始めた頃は友達リストにいるのが親しい友人だけのですが、いつの間にか仕事関係者にまで広がりました。仕事関係者には投稿を見られないようにすればいいのですが、仕事関係者の中でも投稿を見て欲しい人、見られたくない人という隔てがあったりします。
プライベートと仕事では私は人格を使い分けているつもりですので、親しい友人、仕事関係者の共に見られていると意識した人格で投稿しなければならないという面倒臭い状態に陥っていたのです。
日常で人格を使い分けているからそんな面倒に陥るのでしょうが、その面倒から逃れるためにはコミュニティによって使い分ける人格の数だけアカウントを所有するという別の面倒を受け入れなければならないのです。

SNSが自身の広告ツールと言わんばかりに、積極的に趣味嗜好や仕事内容、さらには政治思想のようなものまでいちいち教えてくれる人がいます。
Yahoo!ニュースを見ると、顔写真アイコン付きの実名と思われるFacebookアカウントで記事について堂々とコメントを残す人もいます。コメントすること自体に全く問題はないのですが、平気で差別的発言をする精神の強靱さに驚かされることもしばしばです。
Yahoo!ニュースの記事にコメントを残すとなると、Facebook内の友達数の何万倍にもあたる人に見られる可能性がある…そう考えただけで(他者はきっと気にしてないのに)他者の目が気になってしまう私のような人間は、絶対にYahoo!ニュースの記事について何かをコメントする気は失せてしまいます。

「ありのまま」とか「レリゴー」とか、自分を大きく見せない、本来の自分であることが若い女性たちの間でもてはやされているようです。こういった言葉が礼賛される背景には、SNSアカウントを複数所有し、自身が身を置くコミュニティの数に応じて人格を使い分けることへの疲弊があるのかもしれません。
しかし、こうも思います。
実は完全なる「ありのまま」などなく、多々ある人格の一部に「ありのまま」を設けているだけなのではないか、と。
あらゆる場面において、「ありのまま」の自分で立ち向かい、それを貫き通すとおそらくコミュニティの垣根が瓦解し、人間関係が破綻してしまいます。
自営業の私など、食べることに困ってしまう自分がはっきりと想像できてしまいます。

人格を演じること、偽ることは悪いことではありません。社会を生き抜く立派な知恵です。
生き辛い世の中だと言われます。
30代の私からすると、SNSアカウントを複数所有して人格を使い分けることなど、想像の域を超えた面倒さがありますが、10代・20代の若者からしてみると今を生きるための大切な術。
彼らを勝手に可哀想な世代だと憐れんではいけません。

私は30代ですが、バブルを知らないというだけでバブル入社世代から同情されたこともあります。
バブル崩壊後の不景気真っただ中に生まれた若者などは、「良い時」の日本を知らないというだけで私たちの世代以上の憐憫を注がれます。
過去を知る世代が知らない世代への助言は大きな指針となるうるかもしれません。
しかし、過去のあの一瞬こそ素晴らしいという思い出の呪縛に囚われすぎて、若い世代を憐れむことだけはご法度だと思います。
当の若者にとっては上の世代の憐れみほど、「はて?」と頭をかしげてしまうものはないのですから。

スタッフ・坂本
(2015/4/30 UPDATE)
番組スタッフ
おととい(26日)後半戦の投開票が行われ、全日程が終了した統一地方選。
これは選挙が行われる度に思うことではありますが、今回の統一地方選でも「選挙カー」による名前の連呼は不快以外の何ものでもありませんでした。

わたしの選挙区にはとくに名前の連呼がひどい候補者がいて、ひそかに落選を願っていたのですが、結果をみてみると、結構な票数を獲得して当選。
ネットでも「選挙カーで名前を聞いたら、その人には入れないようにしている」という書き込みが非常に多く見られたようですが、今のところ、選挙カーによる名前の連呼は当落を左右するほどのマイナス要素にはなっていません(なってほしいのですが…)。
むしろ、選挙カーによる名前の連呼をしない方がマイナス要素になる。今回の統一地方選では、それを証明する結果が出ています。

「騒音を撒き散らす選挙カーを使わない」と自身の公式サイトで表明し、話題になっていた千代田区議選の候補者、山下たけおり氏。
こちらはひそかに当選を願っていたのですが、投開票の結果、得票数は168票で落選。
これは、候補者38人のなかで4番目に低い得票数で、「選挙カーを使わない」という選挙戦術が現状では票には結びついてないことが分かります。

投票率の高い高齢者(60代、70代)のほとんどが「山下氏が選挙カーを使わないと表明していること」を知らないだけ、といった前向きな解釈もできますがどうなのでしょう。
高齢者は「選挙カーでの名前連呼」を評価しているとの情報もあり、知っていたとしても結果は変わらなかったように思います。
つまり、今のままでは「選挙カーを使わない」という選挙戦術は広がりようがないのです。

投資家でブロガーの山本一郎さんの以下の指摘を読むと、絶望感すら漂います。
山本さんによると、「選挙においては迷惑がらせてでも、名前を知ってもらった者の勝ち」であり、「選挙カーでの名前連呼は選挙戦術上どうしても外せない作戦」なのだといいます。
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選挙カーのみでの地区活動をした得票数と、選挙カーでの名前連呼さえもしなかった地区の得票数は、若干開票所の担当エリアの被りや異なりがありつつも、ほぼ一貫して「回数多く選挙カーで名前を連呼した候補者は、その地区での得票は増える」傾向があります。
要は、みんなウザいと思いつつも、選挙カーでの名前連呼は選挙戦術上どうしても外せない作戦なのです。
<しらべぇの記事 「選挙カー」ってウザいけど意味あるの?【お前らの知らない選挙の実情】>
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一方で、「選挙カーでの名前連呼」は今の選挙制度のせい、そんな声もあったりします。
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でも、そんなに名前ばかり繰り返さなくてもいいのに――。いや、繰り返すしかないのだ。
理由は公職選挙法にある。走行中の選挙カーで演説などの選挙運動をすることは原則禁止されているが、例外として連呼は認められている。
1964年、ポスター掲示などをめぐる規制が強化されたのと同時に決まった。
「規制と緩和。バランスをとろうとしたのでは」と総務省。
<「朝日新聞デジタル」2015/4/21>
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規制を進めた結果、「選挙カーによる名前の連呼」という陳腐な作戦が重宝される。おかしな話です。
今のままでは「選挙カーを使わない」という選挙戦術は広がりようがないのですが、希望がまったくないわけではありません。
「選挙カーなし、選挙ハガキなし、電話かけなし」という異色の選挙戦術で、今回の統一地方選で4期目の当選を果たした候補者もいます。
横須賀市議選に立候補していた藤野英明氏で、投開票の結果、得票数は6番目に多く4344票。
藤野氏は4期目の当選であり、おそらく地元ではある程度、知名度のある人物。「選挙カーを使わない」という戦術がどれほど票に結びついたかは分かりませんが、こういう人に票がこれだけの集まったのは意味があること。
前出の山下氏の落選に心を折ることなく、「選挙カーを使わない」という選挙戦術を表明する候補者が増えていくことを願うばかりです。

(スタッフH)
(2015/4/28 UPDATE)
番組スタッフ
4月27日(月) 佐々木俊尚 ●死者の人格をダウンロード?Googleの「ロボット・クラウド」の是非

グーグルが、ロボットに特定の性格などを植え付けられるシステムの特許を取得したことが、今月4日に分かりました。
このシステムを使い、人格データをクラウドからダウンロードしてロボットに吹き込むことによって、亡くなった親族や有名人の「性格」を持つロボットが身近な存在になるとも言われています。
グーグルは「実社会に多大な恩恵をもたらす画期的システム」と自賛するものの、批判する声もあがっているこのシステムの是非を考えます。


4月28日(火) 古谷経衡 ●IOTがもたらす「見えない宗教」への信仰

科学の進歩により、驚くべきデバイスが登場した際、その性能を見て「魔法のようだ」と私たちはついつい非科学的な感想を抱いてしまう。
例えば、iPhoneのSiriが人の言葉を理解し、時には心を読み解くような反応を見せることに、「科学の素晴らしさ」よりも「科学を超えた何か」を想像してしまう。
科学の進歩によって、なぜ非科学的な見方が流行るのでしょうか?また、その先にある「見えない宗教」とは?
すでに私たちの周りに存在し、これからも広がるかもしれない「見えない宗教」について考えます。


4月29日(水) 番組休止


4月30日(木) 飯田泰之 ●閣議決定した「残業代ゼロ制度」の問題点

政府は今月3日、「残業代ゼロ」制度の創設や裁量労働制の対象拡大などを盛り込んだ労働基準法などの改正案を閣議決定しました。
政府が「高度プロフェッショナル制度」と名付ける「残業代ゼロ」制度は、働いた時間ではなく成果に応じて賃金を払うというもの。
政府や経済界は時間に縛られず、効率的な働き方ができると強調していますが、野党や労働界は長時間労働を助長すると反発。
残業代のほか、深夜や休日の割増賃金が支払われなくなる、との懸念の声もあがっています。
「残業代ゼロ」制度の何が問題で、このまま成立したらどのようなことが起こり得るのか、考えます。
(2015/4/27 UPDATE)
番組スタッフ
いよいよ明日発売となる時計型端末「Apple Watch」。
Appleが発表する新たなハードとしてはiPad以来となり、世界中がその「実力」に注目しています。
店頭では実際に腕にはめて、付け心地、使い心地を体験することが可能です。
私も実際に試してみましたが、当初思い描いていたスマートウォッチよりも、普通の腕時計に近いという印象を受けました。

AppleはApple Watch投入に際し、「腕時計を再定義する」と言っているようです。

iPhoneの時も携帯電話というものを、概念から再定義しました。その再定義はかつての携帯電話の覇者・ノキアに携帯電話事業売却という予想だにしない未来をもたらし、パナソニックやNECなどの日本企業もスマホ事業からの撤退を余儀なくさせられました。
世界を統べるIT企業の覇権争いはよく、Apple対Googleの構造と捉えられますが、Apple Watchに関して言うと、おそらくAppleにとっての敵はGoogleではなく既存の時計メーカーなのかもしれません。

腕時計というものが社会人にとって、ステータスとなりうることは十分承知はしていますが、私もiPhoneを使うようになって腕時計をはめることをやめました。
もちろん、それはスマホが時間を確認するものとしての役割を十分に果たしているからでもあります。
腕時計をする人はかつてに比べて、おそらく減っているでしょう。
腕時計をしなくなった人にもう一度、腕時計を装着させる。
スマホで十分なのに、スマホと過ごす時間を腕時計のそれに割く。まさに腕時計を再定義しなければ適わないこと。

果たして、Apple Watchが腕時計を再定義できているかどうかはまだまだわかりません。
しかし、スマートウォッチと聞くと、どうも「IT機器」「スポーツウォッチの進化系」のようなイメージがつきまといますが、Apple Watchが発表したスタンダードモデル、最高で200万円ほどするエディションなどをみると、従来のイメージに捕らわれていないものであることはうかがえ、Aビジネスマンが装着しても違和感のない時計の体をなしているようでもあります。
それもそのはず、バーバリーやイブ・サンローランというファッション業界の偉人をITの世界に引き抜くという荒技まで成し遂げてみせたのですから。

Apple Watchと比べるべく、ある日本メーカーのスマートウォッチを見てみましたが、あまりにもダサすぎます。こんなの付けるくらいなら、装着しない方がマシというレベルでした。

日本製品だから素晴らしいに違いないという考えは、もはや過去のものとなりつつあります。
食べ物の話になりますが、先日、築地のある仲卸業者の方から「日本の鯖よりもノルウェーの鯖の方が美味しい。騙されたと思って食ってみな!」と言われて、翌日、ノルウェー産の冷凍ものの鯖と日本産を食べ比べてみました。圧倒的にノルウェー産の方が脂が乗っていて、味が濃くて美味しい。驚きました。
その仲卸業者の方が言うには、ノルウェーの漁師は日本向けにしっかりとマーケティングしているとのこと。
さらに、日本の鯖は乱獲により未成熟のまま出荷することが多くなったため、味が落ちていると言います。

Apple Watchが流行るかどうかはわかりません。誰もがその可能性を疑ったiPhoneやiPadの例をみると、腕時計に取って代わるものとなるようにも思えます。
ただ一つ自明なのは、Appleの「意気込み」です。時計業界の勢力図を塗り替えてやる、くらい思っているのかもしれません。

文句をタレる隙すらなく加速していくグローバル化という大きなうねり。そんな世界の中で日本企業はいかに存在感を示すかが課題として取り上げられます。
iPhoneやダイソン、ルンバ、レイコップ等、世界的ヒットとなっている製品を見ると、そこに「お国柄」のようなものは感じられません。
テレビや_書店に目をやると、「世界と比較して、日本が素晴らしい」といった結論に落ち着く内容のものが目立ちますが、もはや「日本らしさ」にそこまでこだわる必然性も不明です。

家電量販店に足を運ぶと、国産メーカーの製品がたくさん並んでいますが、ワクワクすることはなくなりました。Appleやダイソン等の躍進を見ると、探せば他にもっと良い海外メーカーのものがあるのでは…と思ってしまいます。

世界を圧倒するようなものを創造する腹積もり。それが日本企業にはどの程度あるのか。
「当たり前に世に普及しているものを、再定義する」くらいの意気込みを見せて欲しいと願います。


スタッフ・坂本
(2015/4/23 UPDATE)
番組スタッフ
日本とイギリス、同じような時期に「電車内での痴漢対策」に関するニュースが報じられ、かたや否定、かたや称賛と評価が分かれています。

日本で報じられた痴漢対策は、埼玉県警が開発した「チカン抑止シール」。4000枚作製し、2月から無料配布していますが、あまり評判がよくありません。

<埼玉県警「チカン防止シール」に「冤罪ガー」としか言わない人たち>

このシールは、痴漢被害者の多くが「被害に遭っている時は怖さや恥ずかしさで声を出せない」と話していることなどから開発されたもので、使い方は二段構え。
まずは、「さわらないで!」と書かれた、このシールをスマホの背面などにあらかじめ貼っておき、痴漢に遭ったときに犯人に見せて警告。
シールを見せても痴漢行為をやめない場合には、シールの表面に貼られたシートをはがしてスマホごと痴漢の手に押しつけると、赤いバツ印が転写。赤いバツ印はこすっても落ちにくく、痴漢の手には証拠が残るしくみになっています。

このシールに対するネット上の意見は否定的なものばかり。
「冤罪を作り放題」「不愉快に感じたオヤジにつけて痴漢を捏造するやつが出るに違いない」といった、冤罪の助長を懸念する意見が多数を占めています。

冤罪の助長も気にはなりますが、それよりもわたしが気になっているのが使いにくさ。
まず、なかなかにダサいデザインに加え、周囲から自意識過剰と思われる可能性も高いため、そもそもこれをスマホに貼ろうと思う女性がいるとは思えません。
さらに、声を出せない人のために開発したわりに、「シールを見せる」「スマホを痴漢の手に押し付ける」といった、声を出すことと同程度の勇気を強いることにも疑問を感じます。
声を出せない人が、声を出す代わりに、シールを見せて、スマホを痴漢の手に押し付けられるでしょうか。
問題があまりにも多すぎて、痴漢への抑止力は期待薄と言わざるを得ません。

こき下ろされる「チカン抑止シール」とは対照的に、「この取り組みは冤罪対策にもなりそう」「通報が増えるのは良いことだよね」などとある一定の評価を得ているのがイギリス鉄道警察の痴漢対策。

<「痴漢されたら通報」促す動画が威力 イギリス、逮捕が3割増>

「痴漢されたら通報」を促す動画の公開で、動画公開後、通報件数と容疑者の逮捕件数が30%以上増加したといいます。
ただし、ただ動画を公開しただけで効果が出たのではなく、重要なのは防犯カメラの存在。

イギリス(とくにロンドン)では電車内にも監視カメラが設置されていて、警察が監視カメラの映像をもとに調査してくれるため、被害者がやるのは電車を降りて、イギリス鉄道警察が指定する電話番号に電話をかけるだけ。
いつ、どこで、何が起こったのかを報告するだけでよく、調査も監視カメラをもとに行われるため、冤罪の心配もないというわけです。

日本でも電車内に防犯カメラを設置すればいいのに、、、イギリスの事例を知るとそう思うのが自然ですが、実は日本でも6年前にすでに設置されている路線があったりします。
2009年末からJR東日本が埼京線の電車内に防犯カメラを設置していて、最も被害が多かった1号車の天井に4台設置して撮影。
その結果、痴漢犯罪件数の減少に一定の効果があったようです。
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痴漢防止目的で客室内に防犯カメラを全国で初めて導入したJR埼京線で、導入後の今年1〜2月の痴漢摘発件数が前年同時期より6割少ない15件だったことが、警察庁のまとめで分かった。
<「朝日新聞デジタル」2010/4/11>
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効果があったとはいえ、これは5年前のこと。これ以降、埼京線の防犯カメラに関するニュースはまったく報じられていません。
ちなみに、去年、埼玉県警鉄道警察隊に寄せられた痴漢に関する相談は255件で、125件だった2009年に比べて2倍以上に増えています。埼京線だけの相談件数ではないものの、効果が続いていないとの推測はできます。

その原因と思われるのは、防犯カメラが設置されているのが1号車だけであること。
実際、こちらの記事では、ある期間の調査で、埼京線の防犯カメラがついている車両での痴漢の検挙は0件で、ついていない車両では5件という結果が出ています。
逆に言えば、この調査結果が防犯カメラの抑止力を証明したとも言えます。
全車両に防犯カメラを設置。
コストの問題もあるでしょうが、本気で痴漢を撲滅する気があるのであれば、「チカン抑止シール」のような中途半端な対策をするのではなく、これぐらい思い切った対策をとってほしいものです。

(スタッフH)
(2015/4/21 UPDATE)
番組スタッフ
新しいメンバーとお送りするスペシャル企画『第4次産業革命とワタシ』

4回目の産業革命が起ころうとしています。
第1次産業革命は18世紀にイギリスで起き、綿織物工業の機械化が進みました。続く第2次産業革命は20世紀初頭の電気による大量生産、第3次産業革命は1980年代以降のコンピュータにより実現した様々な自動化を指します。
ドイツが主導する今回の第4次産業革命は、ここ10年程加速して来た情報革命の延長線で、国や企業の経済力・業績、産業構造、そして何より私たちの仕事にかつてないインパクトをもたらすといいます。

この産業革命にかつてのエレクトロニスク王国日本はすでに乗り遅れが指摘されています。しかし、この革命は日本という国の産業構造・ワタシが勤める会社、ワタシの職種、ワタシのサラリー、そしてそもそもワタシの雇用、職業観、ひいては人生哲学、結婚観や宗教観みたいなものにまでに大きな影響を及ぼしかねない話です。

人類にとって4回目となる産業革命が「ワタシ」に及ぼす影響を語る1週間。


4月20日(月)佐々木俊尚●第4次産業革命が日本にもたらす問題
第4次産業革命を進めるドイツの国際的な立場が大きく変貌しています。
国際社会において、アメリカに次ぐ政治的リーダーとなりつつあるドイツ。テクノロジーの面でも覇者になろうとしています。
次世代の産業に極めて大きな影響を与えると言われる「IoT」(Internet of Things:モノのインターネット)の分野においてドイツ企業は先行。
もはやドイツは単なる優等生国家ではなく、アメリカに次ぐ覇権国家と言ってもよい存在かもしれません。
政治、経済に加え、第4次産業革命によって技術分野でも超大国となりつつあるドイツ。
これにより、日本にもたらされるやっかいな問題とは?


4月21日(火)速水健朗●人工知能が人間の仕事を奪う未来への「備え」
人工知能の進歩とともに繰り返される議論が、人間の仕事を奪い得るかということ。
人工知能やロポットの技術進歩による人間の仕事の消失を指摘したのが、英オックスフォード大学マイケル・A・オズボーン准教授の「雇用の未来」という論文です。オズボーン准教授は702の職種が今後10年から20年でどの程度コンピュータによって自動化されるかを分析。その結果、米国の労働者の47%の仕事が自動化されると結論づけました。
実にさまざまな職業が消滅の危機にあると仮定して、私たちはどのような心構えをするべきか。国はどのような対策をとるべきか。


4月22日(水)番組休止


4月23日(木)ちきりん●人間と機械、これから構築すべき新たな関係性
第4次産業革命をめぐっては、人間の雇用を奪う、という悲観的な声も聞かれます。
しかし、第4次産業革命を主導するドイツでは、必ずしもそうではないとの声も。
ドイツ人工知能研究センターのマティアス・ロスキル研究員は、「人間は柔軟性に富む生物なので、将来の高度にデジタル化された工場では、重要な決定や問題の解決といった業務を専門に行うことになる。インダストリー4.0は人間を工場から駆逐するものではない」と指摘します。
人間と機械、これから構築すべき新たな関係性とは?
(2015/4/20 UPDATE)
番組スタッフ
先日、東京・お台場に足を運んだ時、話題の「自撮り棒」を目にしました。
これまでにも東京のどこかの街並みで目にしたことがあったのでしょうが、お台場を少し歩いた30分に満たない時間で3組もの自撮り棒ユーザーを見てしまったので、ブームなのだなとあらためて知らされた次第です。
アジア系の外国人だけでなく、日本人の女性たちも金属の棒を高らかに空に掲げて歩いておりました。

自撮り棒については「棒が他の人に当たる」など度々、問題も起こっているようで、規制する動きが強まっています。
例えば、新製品発表に注目が集まる、毎年6月開催のApple年次総会において、「自撮り棒」の持ち込みを禁止しました。自撮りブームに一役買ったであろうAppleですら、自撮り棒を規制するのです。
【ITmediaニュース/Apple、WWDCへの自撮り棒持ち込みを禁止】

お台場で自撮り棒ユーザーを連続して視認した時。私が抱いた感情を、誤解を恐れることなく言うと、それは「恥ずかしさ」です。「見ているこちらが何だか恥ずかしい」「使っている本人は恥ずかしくないのか」という2種類の恥ずかしさがこみ上げました。
規制強化の流れという勝ち馬に乗るというわけではないですが、自撮り棒について好きか嫌いかのどちらかで答えるならば、私は「嫌い」です。

グローバル化が進み、かつてほど国境を意識しなくなった現代において、有名な観光地は常に人だらけ。知られざる観光地も「知られる」ことになり、観光客を疎ましいと思うならば、本当の秘境にいかなければならないのかもしれません。つまり、人気の観光スポットにおいて、もはや観光客も景色の一部なのです。
数十センチの金属の棒を空に掲げて、笑顔で観光地を闊歩する光景は私には異様と映りました。
流行しているものを、流行の最高潮や最高値の時に手を出していることに恥ずかしさを感じてしまうのかもしれませんし、人らだけの地にいながら、「他者との関わりをいっさい拒絶し、身内だけの狭い世界に閉じこもる」という意思表示に、不可解さを感じてしまうのかもしれません。
もちろん、自撮り棒を使う人は並々ならぬ事情があるのかもしれませんが、規制強化が再び緩むには時間と理解を要するでしょう。

観光地で知らない人に話しかけるのは大変、勇気がいることだったりもします。恥ずかしさもあります。
しかし、旅の恥はナントカと言いますが、同じ恥をかくのならば、私は「棒ではない方」を選びます。

自撮り棒よりも、そもそもの「自撮り」という行為が私は好きではありません。
スマホで自分を撮影する「自撮り」という行為は「セルフィー」とも呼ばれ、世界的にブームとなっているようです。

SNSのアイコンや投稿写真という小さな点で見ると、自撮りできるか、できないかで人間性の大きな隔たりがあるようにも思われます。もちろん、どちらが良い、悪いとかではなく。
私は自撮りという行為に理解が及びませんが、自撮りを日常的に行っている人からすると「何でこんなこともできないのか」「自意識をこじらせているのではないか」と思われるのかもしれません。

自撮りブームの背景には何があるのか。大きな原因の一つとして、スマホの普及と付随するカメラ機能の進化が挙げられることは明らかです。
社会的に見るとどうでしょうか。
自撮りについて、ロンドンのUniversity Collegeの神経科学のDr. James Kilnerは次のような研究結果を発表しています。

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彼の研究によると、このところセルフィー(selfy, 自分で自分を撮った写真)がますます氾濫しているのは、自分が自分に関して抱いている、自分は魅力的だというイメージと、自分の写真とを、マッチさせたいと努力するためだ、という。彼が行った実験では、被験者たちにさまざまなセルフィーを見せる。より魅力的に見えるように編集されている写真もあれば、あまり魅力的でない写真もある。そして、元の(編集前の)写真を選べと被験者たちに求めると、ほとんどの人が、編集されてより魅力的になった写真を選ぶ。
【TechCrunch Japan/汝のセルフィーを知るべし】
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見なければいいのに、何だか暇つぶしに見てしまうSNS。欲しくもない他人の情報ばかり入ってきてしまいます。
他者の情報というノイズが、悲しい哉、自分と比べる引き鉄となる。他者と自分を比べてしまうと、本当はそうでないかもしれないのに自分が惨めに思えるという、本来の自己の認識を誤る。その対策として、他者のノイズに打ち勝つような自己を喧伝しなければならない。
その手段の一つがおそらく「自撮り」。
「自撮り」により自己を認識し、編集機能を駆使し、他者だらけの世界に向けて自身を再定義して発信しているのではいか…と考えすぎかもしれませんが、考えてみました。

(2015/4/16 UPDATE)
番組スタッフ
<Story(特集)>
「『上場ゴール』と呼ばれないための新規株式公開のあり方」
昨年12月に東証1部に上場したゲーム会社「gumi」が、今年3月になって、上場後わずか3か月も経たず業績の下方修正を行ないました。これをきっかけに新規株式公開(IPO)への混乱、懸念が拡がっています。
日本取引所グループは、「上場審査を強化」「業績予想の前提条件や根拠の適切な開示を要請」「上場時期が集中しないよう緩和を要請」といった対応を取るとしています。
IPOラッシュはなぜ起こっているのか。
実力以上に“厚化粧”をして上場する「上場ゴール」と呼ばれるような行為が起こってしまうのは何故なのか。
IPOの健全性を確保するために今後必要になってくること何か。
ベンチャー企業向けコンサルティングを手掛ける「ジャパンベンチャーリサーチ」代表取締役・北村彰さんにお話を伺って検証します。

<フォーカス>
「テレビ局呼び出し、本当に“全く問題ない”の!?」
メディア倫理に詳しい、青山学院大学法学部の大石泰彦教授にお話を伺います。

<イマジネーション>
飯田泰之さんオススメの映画「モンティ・パイソン/人生狂騒曲」を取り上げます。
(2015/4/15 UPDATE)
番組スタッフ
<上西小百合と巻き舌秘書の品性>
<中身はポンコツばっかり「橋下チルドレン」不祥事一覧>
<米倉涼子離婚決断 原因は夫の「モラハラ罵倒」「首絞め」「5時間正座説教」>
<「池谷幸雄」の「ミスりんご」セクハラをもみ消した日本体操協会>
これらは今、書店やコンビニに並んでいる週刊誌から選りすぐった“煽り見出し”です。

こうした煽り見出しに釣られて、雑誌を買ってしまうことも少なくなく、ときに自己嫌悪に陥ることもあります。
それでも懲りずに煽り見出しに釣られてしまうのは、人間の性なのでしょうか。

<「トイレが臭い」と夫切りつけた疑い、妻逮捕>

昨日、ワイドショーで盛んに報じられた、こちらのニュースの見出しも煽り気味。
思わず興味を惹かれてしまいます。
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夫は、13日午後、自宅のトイレから出た際、入れ替わりに入ってきた3歳の長男が用を足すのを手伝おうとしたということです。
そのとき・・・「手を洗わずに子どもに触れるな」「こんな臭いトイレじゃ、子どもが入れない」
間宮容疑者は「トイレが臭い」などと腹を立て、夫の左頬を刃渡りおよそ18センチの包丁で切りつけた疑いが持たれています。
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それだけに見出しの情報だけを面白おかしく伝えるメディアも少なからずあったのですが、それを見ていてひとつ気付いたことがありました。

見出しのインパクトに引っ張られて、動機を見誤ってしまう、ということ。
たとえば、こちらの記事をよく読むと書いてある、「この夫婦が激しいケンカをすることは有名」という情報。
見出しだけを読むと、「トイレが臭い」だけで妻が夫を包丁で切りつけられたように見えますが、この情報が入ると、「トイレが臭い」だけが動機ではないことが何となく見えてきます。
ネットの反応を見る限り、「この夫婦が激しいケンカをすることは有名」という情報は伝わっていないように思います。

さらに、このニュースに派生して、近年の「夫婦げんかにまつわる記事」を調べてみると、“扇情的な見出し”と“動機の見誤り”という同じような傾向が見受けられます。

今年3月、ホワイトデーのお返しがないことに腹を立てた妻が、ネクタイで夫の首を絞めて殺害しようとしたとして逮捕されたことを伝えるニュースの見出しは、<ホワイトデーのお返しなく激怒 堺の43歳妻、31歳夫の首締め逮捕>で、記事をよく読まないと、「夫に不信感を持っていた」という真の動機は見えてきません。
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「夫に不信感を持っていた。ホワイトデーにお返しがなかったので腹が立った」と供述しているという。
<「産経新聞」2015/3/16より抜粋>
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同様に、2005年、食事のおかずの品数が多すぎることに腹を立てた夫が妻を殺害し、逮捕されたことを伝えるニュースの見出しは<TVチャンネル争い、夫を刺殺 容疑の妻「カッとして」>、2003年、テレビのチャンネル争いで腹を立て、夫を刺し殺した妻が逮捕されたことを伝えるニュースの見出しは<「おかず品数で口論、かっとなって殺した」 妻殺害、札幌の80歳男を逮捕>。
それぞれ記事をよく読まないと、「子供の独立を契機に、冷え切った夫婦関係となり、食べ物の恨みを引き金に憤怒を爆発させた」、「日頃から夫に不満があった」という根っこにある動機は見えにくくなっています。
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子供の独立を契機に、冷え切った夫婦関係となり、食べ物の恨みを引き金に憤怒を爆発させた。
<「毎日新聞」2005/11/1より抜粋>

容疑者は「日頃から夫に不満があった。酒を飲んでいて、テレビのチャンネル争いから口論となり、カッとなって刺した」と話しているという。
<「朝日新聞」2003/2/26より抜粋>
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少し前に、ある新聞の<「スマホやめるか、大学やめるか」 信州大入学式で学長>という煽り見出しが話題になりましたが、ネットメディアだけでなく大手メディアの煽り見出しも目立つようになってきています。
煽り見出しは一時、話題にはなるものの、結局は批判され、そのメディアの信頼性を落とす、にもかかわらずです。
一時の話題性をとるか信頼性をとるか。
長い目で見れば、どちらが得なのかは明らかなのではないでしょうか。

(スタッフH)
(2015/4/14 UPDATE)
番組スタッフ
4月13日(月) 佐々木俊尚 ●「正しい母親」という幻想

川崎の中1男子殺害事件に関して、作家の林真理子さんが、「お母さんにちゃんとしてもらわなければ」と母親を責めるようなエッセイを寄せたとして、話題になりました。
また、ベビーカー論争はいつまでも止まず、ママタレントが子連れで居酒屋に行けばバッシングされ、育児ノイローゼの母親が子どもを殺めてしまう事件報道も続いています。
「正しい母親」像を求める風潮から、母親たちを取り巻く息苦しさの正体を探ります。


4月14日(火) 古谷経衡 ●ネットで批判殺到!「unbroken」は反日映画なのか

人気俳優アンジェリーナ・ジョリーさんが監督した映画「unbroken」が、日本公開をめぐり揺れています。理由は、旧日本軍の捕虜虐待を描いた内容に、ネットなどで「反日映画」とボイコット運動が起きているため。
「アンジェリーナ・ジョリーの反日映画を阻止しよう!」と名付けられたページには1200人以上が参加し、連日のように映画批判が投稿されています。
“反日映画“だとして物議を醸している映画「unbroken」。本当に反日映画なのでしょうか。
この映画を観たという古谷さんにその真偽を伺い、なぜこのような映画が作られたのか、分析してもらいます。


4月15日(水) 飯田泰之 ●「上場ゴール」と呼ばれないための新規株式公開のあり方(仮)

証券市場で新規株式公開(IPO)直後の不正発覚や赤字転落などで株価が急落する企業が問題になっている。
去年3月に東証1部に上場した中小型液晶パネル製造のジャパンディスプレイは、上場後に2度の業績下方修正。去年12月に東証1部に上場したゲーム会社のgumiは、今年3月になって15年4月期の営業損益見通しを黒字から赤字に急遽修正。
2社とも野村証券が主幹事を務めて華々しく上場させましたが、株価は上場後に低迷しています。
こうした状況をみて、「上場ゴール」と批判する声もあります。
相次ぐ、上場後の業績下方修正。
「上場ゴール」と揶揄されないため、新規株式公開(IPO)に求められる健全性とは?


4月16日(木) 速水健朗 ●日本一住みやすい町に学ぶ、地方創生のヒント

人口減によって、2040年には日本の半数の自治体に消滅の恐れがあると指摘されるなか、人口流入が続いているとして注目されている自治体があります。
名古屋市に隣接する愛知県長久手市。
人口5万人の一見何の変哲もないベッドタウンなのですが、「快適度」「子育てがしやすい」といった各種調査で「日本一」に輝き、今も人口流入が続いています。
消滅の恐れがある自治体と長久手市は何が違うのでしょうか。
長久手市のほかにはない取り組みから「地方創生」のヒントを学びます。
(2015/4/13 UPDATE)
番組スタッフ
日本に限ったことではないのかもしれませんが、私たちの周りには「いい話」「ありがたいお言葉」が溢れかえっています。
信憑性が担保されないバスの中での話から著名人の名言・スピーチまで、実に様々。
「いかに読む人の心を打つか」が優先される結果、SNS特有のシェアというシステムとうまく合致し、事の真偽は無視されて爆発的に広がっていきます。

SNSが普及した数年前から、春になると決まって話題となる「いい言葉」が、卒業式・入学式における式辞です。
式辞をめぐっては、信州大学の学長が「スマホやめますか、それとも信大生やめますか」と発言して賛否両論を呼びました。
その後、東京大学教養学部長の石井洋二郎氏による卒業式の式辞が、胸を打つとして多くの人の共感を呼び、新聞系メディア、バイラルメディア、まとめサイトなど多岐にわたって取り上げられました。

【平成26年度 教養学部学位記伝達式 式辞(東京大学 大学院総合文化研究科・教養学部HP)】

上記サイトに石井学部長の式辞全文が掲載されていますので、どうぞご覧下さい。

石井学部長は、1964年に東大総長だった大河内一男氏が語ったとされる有名な「肥った豚よりも痩せたソクラテスになれ」という言葉に触れ、大河内氏が言ったものではなくイギリス人哲学者の引用で、さらに引用の日本語訳が違うことを指摘。
「肥った豚よりも痩せたソクラテスになれ」という言葉が格言として、世でもてはやされていることについて、次のように述べました。

「善意のコピペや無自覚なリツイートは時として、悪意の虚偽よりも人を迷わせます。そしてあやふやな情報がいったん真実の衣を着せられて世間に流布してしまうと、もはや誰も直接資料にあたって真偽のほどを確かめようとはしなくなります」

そして、次のように続きます。

「あらゆる情報の真偽を自分の目で確認してみること、必ず一次情報に立ち返って自分の頭と足で検証してみること、この健全な批判精神こそが、文系・理系を問わず、『教養学部』という同じ一つの名前の学部を卒業する皆さんに共通して求められる『教養』というものの本質なのだと、私は思います」

最高学府の学部長が言うのだから、というわけではありませんが、最もなお言葉です。

石井学部長の式辞は読む人の心を打つ、「いい話」「ありがたいお言葉」です。繰り返しになりますが、シェアがシェアを呼び、ネットで話題となりました。

おそらく「驚くべきこと」なのかと思いますが、私自身のSNSを見てみると、「石井学部長の式辞をネットで話題の良い言葉だとして抜粋した記事」をシェアしている人がいたのです。「全文」ではなく、良い所・要点だけの「抜粋」です。
シェア主のリンク先をたどってみると、1000件以上もリツイートされており、その注目具合がうかがえます。
シェアという行為には、誰かに伝えたい、備忘録としておくなどいくつかの意図があり、邪推も多少含みますが、「全文を読まずに記事をシェアしている人」も一定数おり、そういった人は石井学部長が言わんとすることを理解していないのではないか、と思わざるをえません。

お分かりの通り、石井学部長は「真偽を自分の目で確かめること、一次情報に触れること」の重要性を説かれています。…何とも皮肉なお話です。
全文を引用、紹介しているメディアもあります。石井学部長の式辞をありがたいと思い、敬意を払うならば、シェアした方が好ましいのは全文が掲載されているサイトでしょう。
私たちが到達しうる、一次情報に最も近いものは「東京大学 大学院総合文化研究科・教養学部HP」にある「全文」だと私は思います。そして、それは調べようと思ったら、誰でもたどり着けるレベルのものです。

「教養」「知性」という言葉には、ある種の憧れがあります。
「教養」「知性」があると思われたくて、それを促す記事や言葉をシェアしようと必死になったりもします。
しかし、石井学部長が指摘されるような無自覚さ、あるいは無責任さが、どんなに教養あり気な記事をシェアしようがかえって教養の欠如を示すことになるのではないでしょうか。

一次情報に触れるには、能動的であるか否かが問われます。
何でもかんでもシェアする前に、まずはリンクをたどる、検索ワードを入力する。部分ではなく全体で捉える。

シェアを促すボタンが無限に配置されているネットの大海。シェアするという作業にも、1秒を要しません。
しかし、今や何かを調べるという行為はかつてほど労力を必要としないのもまた事実です。
石井学部長の言葉をどのようにシェアするかで、“何か”がわかってしまうような気がしました。


スタッフ・坂本
(2015/4/9 UPDATE)
番組スタッフ
<Story(特集)>
「『金銭解雇』制度が必要なわけ」

政府の規制改革会議は先月25日、雇用終了に関する意見書を発表しました。
これによると、裁判で不当と認められた解雇について、解決への選択肢の多様化へ向け、
労働者が金銭を受け取ることによって解決できる制度を導入するよう提言しています。
この制度は労働者側からの申し立てのみを認めることを前提としていますが、
これまで政府は野党などからの「解雇規制を根底から覆す」という批判を受け、導入を見送ってきた経緯があります。

この制度が導入されることによって、“テイのいい首切りにならないか”
“解決金の水準によっては、労働者への救済が充分とは言えないまま、安易な解雇が拡がるのではないか”といった、 懸念や批判の声が挙がっています。
また、労働基準法や労働契約法に照らし合わせ、「解雇権の乱用にあたるのではないか」という指摘もあります。

このような意見の中、飯田泰之さんは「金銭解決を選択できるようになることの意義は大きい」と、早期実現を求めています。
経営者側、雇用者側のメリットとはどのようなものか。
「金銭解雇」制度のルール作りをするうえでの課題は何か。
飯田さんにお話を伺っていきます。

<フォーカス>
「2020年、東京の“空”はどう変わる!?」
航空産業に詳しい、早稲田大学教授の戸崎肇さんにお話を伺います。

<イマジネーション>
「エドノミクス 歴史と時代劇で今を知る」飯田泰之 , 春日太一(著)を取り上げます。
(2015/4/8 UPDATE)
番組スタッフ
「野良猫と野良犬に餌を与えていた女性が亡くなり、その葬儀に20匹の野良猫と野良犬が訪れた」という眉唾もののニュースが美談のように取り上げられたことからも分かるように、一見、善意のように見える、野良猫に餌をあげるという行為。
しかし現実に目を向けると、善意という言葉では到底片付けられない、厄介なものが見えてきます。

先月20日に京都市で成立した野良猫への“不適切”な餌やりを罰則付きで禁止する条例も、背景にあるのは餌やりをめぐるトラブル。
京都市には鳴き声やにおいなどの猫に関する700件以上の苦情が寄せられていて、この条例はこうした声をうけ、提案されたもの。
野良猫などに“不適切”に餌を与え、環境を悪化させる行為を禁止する一方で、「自宅敷地内で行う」「清掃をする」「地域の同意を得る」などの条件を満たせば、“適切な餌やり”として禁止対象にならないとしています。
つまり、禁止されたのは“不適切な餌やり”で、“餌やり”自体は禁止されていません。

こうなると気になるのが、“不適切な餌やり”を禁止するという微妙な文言が使われていること。
どうやらこれは、野良猫への餌やりを禁止することの難しさのあらわれのようで、条例の成立前、京都市がパブリックコメントを募集したところ、「適切な餌やりも排除される」「野良猫が餓死してしまう」などと、条例化への疑問や批判が3000通以上も寄せられたようです。
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猫と地域の共存を目指す「ぜろの会」の根津さゆり代表は「地域の同意を得るのは難しい場合もある。条例ができれば、無責任な人間が生み出した野良猫を餓死させてしまう」と懸念。
市民団体「THE ペット法塾」代表の植田勝博弁護士も「餌やりは本来自由な行為であり、条例は動物愛護法の趣旨にも反する」と指摘する。
<「毎日新聞」2015/3/15 >
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こうした事例は京都市が初めてではなく、野良猫の餌やり規制を計画していた奈良市では、計画段階で野良猫の餌やり規制に批判が高まったため、最終的には餌やり規制の対象をカラスに限定し、条例化。
さらに、東京都が作成したガイドブック『「飼い主のいない猫」との共生をめざす街 ガイドブック』には、「野良猫の餌やりを禁止しても感情的な対立を生むだけで問題は解決しない」との記述があり、その難しさを物語っています。
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猫の問題は、無責任なエサやりが発端になっていることが多いのは事実です。
しかし、単純にエサやりを禁止しても、感情的な対立となり隠れてエサをやるようになるだけで、問題は解決しないことが多いようです。
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野良猫の餌やりの根底にあるのは、「かわいそう」という感情。分からないでもありませんが、トラブルに見舞われた側からしてみれば、この感情、厄介以外の何ものでもありません。

厄介と思うのは経験談から。
数年前、わたしの実家が、飼い主のいない動物(野良猫ではない)への餌やりが発端のふん尿トラブルに見舞われたことがあるのです。
実家の近くは都会にしては緑が多いため、カラスやハトが多く、それに目を付けた近所の住人(60代の男性)がある日、カラスとハトへの餌やりを開始。
毎日のように、餌やりをするため、カラスやハトは餌目当てに増え続け、実家の前の道路はカラスやハトのふんだらけに。
それでも餌やりを止めようとしない住人を見かねて、わたしの母が注意したところ、その住人は自分がやっていることは善意から発したことであり、その善意が他人に迷惑をかけていることには気づいてすらいなかったようです。
これは、いわば無責任な善意。カラスやハトを助けているという自己満足に浸っているだけです。
悪気がないだけに、手の施しようがないとも言えます。

京都市の条例は“適切な餌やり”は禁止していませんが、“適切な餌やり”とは条例にある「自宅敷地内で行う」「清掃をする」「地域の同意を得る」といったことなのでしょうか。
“適切な餌やり”とは、正式な飼い主になってからの餌やり。野良猫には酷かもしれませんが、わたしはこのように思います。

(スタッフH)
(2015/4/7 UPDATE)
番組スタッフ
4月6日(月)佐々木俊尚●IT社会の創造主。アラン・チューリングとは何者か。
3月13日(金)に公開され、全国各地でも満席が続出する大ヒットスタートを切った『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』。実在したイギリス人の天才数学者アラン・チューリングを演じたベネディクト・カンバーバッチ史上最高の熱演と評され、アカデミー賞「脚色賞」を受賞しました。
現在のコンピューターの基礎をつくったチューリング。もし彼がいなかったら、ITの恩恵を被る現代社会は存在しなかったかもしれません。
コンピューターと人工知能の創造主が、今を生きる私たちに訴えかけるものとは?


4月7日(火)速水健朗●「履物と傘の物語」に見る、日本再生のヒント
AKB48の新曲「Green Flash」Type-Nに収録された「履物と傘の物語」が、NHKの「みんなのうた」に起用され、大きな反響を集めています。
物語の登場人物は、2人のおばあちゃん。2人は田舎の駅前でそれぞれ履物屋と傘屋を営んでいます。しかし、おばあちゃんたちのお店には、ほとんどお客さんはこないため、2人は互いに客となり、互いの商品を買い合っていましたというお話。素朴な曲調、アニメーションなども手伝い、ネット上では「泣けるね」「いい話だな」といった感想が飛び交っている。
「履物と傘の物語」の魅力と秘められた物語を新パーソナリティの速水健朗氏とともに読み解きます。


4月8日(水)飯田泰之●「金銭解雇」制度が必要なわけ
政府の規制改革会議が25日、裁判所が不当だと認めた解雇について、労働者が金銭を受け取って解決できる制度を導入するよう提言。
金銭解雇はヨーロッパでは一般的です。日本では小泉政権のほか、安倍政権でも第1次政権から検討されましたが、野党や連合はその都度、「失業保障や再就職支援が充実し、同一労働同一賃金が確立しているヨーロッパと日本は違う。解雇規制を根底から覆す」と批判し、政府も導入を見送ってきました。
批判的な声があがっている「金銭解雇」制度が必要な理由とは?


4月9日(木)古谷経衡●今、求められる「地政学」の基礎知識
アメリカ・中国の覇権争い、EU財政を左右するドイツとギリシャのせめぎ合い、ロシアとウクライナの対立、中東危機、尖閣諸島領有権の主張…世界で起こっているこれらの問題はすべて「地政学」で語られます。
地政学なしでは複雑な世界情勢を読み解けなくなった現代。基礎知識としての「地政学」、その必要性を学びます。
(2015/4/6 UPDATE)
番組スタッフ
番組リニューアルに伴って、スタッフコラムも一新しました。

【座標:そのものの位置づけ。また,その基準】
何が常識なのか、何が非常識だったのかわからなくなるようなことばかりが続く昨今。
曖昧な狭間をさまよう私たちは、どこに視座を位置づければいいのか。
番組スタッフそれぞれがコラムを通じて考えてみます。


皆さんは一日にどのくらい“ググる”でしょうか?
一日に何度、Yahoo!の検索窓に知りたい言葉を入力するでしょうか?

呼吸をするという生態活動のように、当たり前に私たちの生活に浸透した「インターネットで検索する」という行為。その気になれば、知りたい情報を全てインターネットの海からすくいあげることも容易となりました。
本を読んだり、賢人からご高説を頂戴するといった体験よりは劣るかもしれませんが、インターネットで検索するという行為はそれなりの知識欲を満たしてくれます。

先日、インターネットでの検索は「自分は賢い」と錯覚させる、との調査結果が明らかとなりました。

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検索ユーザーはネット上の知識と自分の知識を混同してしまう傾向があり、研究者は「正確な知識を身につけるのは難しいことだが、ネットはそれをさらに困難にしている」という。
ある実験では、対象者をネット検索を使ってもいいグループとそうではないグループに分け、「ジッパーはどういう仕組み?」といった4つの質問に答えてもらった。その上で、4つの質問とは無関係な別の質問(「曇りの夜はなぜ暖かい?」など)を示したところ、ネット検索を使ってもいいグループは、そうではないグループに比べ「自分はその質問に答える能力がある」と考える傾向にあったという。
【ネット検索は「自分は賢い」と錯覚させる 米研究】
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私は身近で起こったこんな光景を思い出しました。
会議という場所を自身のPR、オーディションの場であると考えているのか、発言しさえすれば良いと思っているのではないかと勘ぐってしまうような人がいます。
そんな人にとって、“神器”となりうるのがデジタルデバイスです。
会議で必要以上に発言したがる人は、議論が中断したり、多くの人が知らない情報が出てきたりすると、その場で即座にググって、検索仕立ての情報をまるで自身が見聞きしたものであるかのように答える。
後から誰でも検索すればわかることを、ご丁寧に誰よりも早く、その場で検索してくれる。
Google大先生がいるからこそ、その人は会議で“知らない”自分をさらすことはない。
どこの業界でもありうる光景なのではないかと想像します。
PCやタブレットを、会議に持ち込むことを禁止する企業があるというのも納得です。
検索すればわかるようなことを話し合うのは、果たして生産性のある会議と言えるのか、大いに疑問です。

インターネットはそれを使う人に知恵をもたらしました。
知恵は、相手より優位性を示すことのできる力となりえます。
しかし、誰でも利用できるインターネットで、言葉を入力しさえすれば得られる情報のどこに優位性があるのでしょうか。(有料会員制サイトから得た情報ならば別かもしれませんが…)

インターネットを使えばヒーローになれる。
インターネットで法を無視した罰を与えられる。
インターネットがあるから世界を変えられる。
こんなことをもし考えている人がいたとしたら、それは錯覚です。謙虚さが欠如しています。

確かにインターネットは使い方によっては世界の常識を一変させうるものでもありますが、万能ではありません。万能でないが故に、多くの人間が翻弄されてきました。
「インターネット事件簿」なるものをひも解いてみると、本人のリテラシーもさることながら、謙虚さを有していないがために起こってしまった事例が多々あるように思われます。

インターネットとは情報の大海でもあります。慣用表現として、自身がいる環境の狭さを知る、謙虚さを改めて持つ時に用いられるのが、「大海」という言葉です。
ウソもあれば、真実もある。塵芥のようなくだらない情報もあれば、代替できないほど価値あるものもある。
インターネットの大海は、まさに玉石混淆です。
どんな情報を掴もうが、決して驕らない。謙虚であれ。
何だかお説法のようですが、リテラシーよりも大切なことなのではないでしょうか。


スタッフ・坂本
(2015/4/2 UPDATE)
番組スタッフ
4月1日、今日からタイムラインはリニューアル。
最初のご出演は、社会派ブロガーのちきりんさんです。

<特集>
「電王戦FINALが示す、人間とコンピュータ それぞれの限界」
おととし始まった、将棋の若手プロ棋士5人と、コンピュータソフトが戦う団体戦「電王(でんおう)戦」。
過去2回はソフト側が勝ち越しています。
先月14日から「FINAL」と銘打たれ始まった五番勝負では、
2連勝と棋士側の優勢が続いていましたが、
先月28日の第3局では、稲葉 陽(あきら) 七段が、ソフト「やねうら王」に負け、
対戦成績はプロ棋士の2勝1敗となっています。
これに先立ち、21日に行なわれた第2局では、
永瀬拓矢六段が、ソフト「Selene(セレネ)」に勝利しました。

将棋では、自分の駒が敵に近いエリアに入り、ひっくり返って強くなることを「成る」、
それをしないことを「成らず」といいます。
永瀬六段は、敢えて「成らず」という奇策をとり、
「セレネ」はこれに対応することができず、ソフトの反則負けという形になりました。
しかも、この展開を永瀬六段は見抜いていたといいます。
今回の対局から見えてくる、人間とコンピュータのそれぞれの限界、
そして未来とはどのようなものでしょうか?
プロ棋士・永瀬拓矢六段にお話を伺います。

<ピックアップ>
「あぁ、値上げの春」
大和総研のエコノミスト、長内智さんにお話を伺います。

<まえがきは謳う>
今夜はちきりんさんの最新刊「マーケット感覚を身につけよう」を取り上げます。
(2015/4/1 UPDATE)

MESSAGE ★ 番組へのメッセージはこちらから ★ 皆さまからのご意見お待ちしております


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