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番組スタッフ
11月30日(月)佐々木俊尚●「田園回帰1%戦略」は地方創生の処方箋になり得るのか
現政権の主要政策のひとつ、地方創生。なかなか処方箋が見つからないなか、「地方再生の決定版」と最近、評判になっている本があります。
島根県で長年、過疎と向き合ってきた、島根県中山間地域研究センター研究統括監、藤山浩(ふじやま・こう)さんの著書『田園回帰1%戦略』(農山漁村文化協会)です。
今年6月に出版され、自治体やまちづくり関係者の間で評判に。
同著が提唱する「田園回帰1%戦略」。どのような戦略でどのような効果を生んでいるのでしょうか?藤山浩さんにお話しをうかがいます。


12月1日(火)速水健朗●2035年、中間層が拡大する世界の未来と日本
CIA、国防総省、国土安全保障省――米国16の情報機関のデータを統括するNICトップ分析官が辞任後、初めて著した全米話題作『シフト 2035年、米国最高情報機関が予測する驚愕の未来』が11月19日に発売されました。政治・経済・軍事・テクノロジー、あらゆる領域からNICトップ分析官、マシュー・バロウズが在任中には明かせなかった「シフト」を分析。今後20年間で世界を飲みこむことになる“大変動"の正体に迫り、話題となっています。その一つが中流、中間層の拡大です。マシュー・バロウズが予言する2035年の未来とは?


12月2日(水)ちきりん●ウエルベックの「服従」が示す、パリ同時テロを理解するための視点
世界中に衝撃を広げたパリの同時テロ。このテロによってフランス人作家、ミシェル・ウエルベックの『服従』という小説が注目を集めています。
2022年仏大統領選。投票所テロや報道管制の中、極右国民戦線のマリーヌ・ルペンを破り、穏健イスラーム政権が誕生するという物語で、フランスでは「シャルリー・エブド事件」の当日・1月7日に発売され、フランスをはじめヨーロッパ各国でベストセラーとなりました。
パリの同時テロを予言したとして注目を集める小説、ミシェル・ウエルベックの『服従』。
この小説が示す、パリ同時テロをより深く理解するための視点とは?


12月3日(木)小田嶋隆●ツイッター・キラキラ女子はなぜフォローされるのか
10月京都府警に詐欺と商標法違反で逮捕された松永かなえ容疑者(26才)。
彼女が「ばびろんまつこ」と称してツイッターに綴ったセレブ生活が話題になっています。
自称「ハイパーエリートニート」。自己申告の年収は3000万円。しかし、逮捕容疑はカルティエの偽ブレスレットをネットオークションで本物として65万円で販売したというもの。
ツイッターにはセレブ生活や勝ち組の恋愛観をひけらかす「キラキラ女子」「キラキラアカウント」が多数、存在します。有名ホテルやブランド品の写真など、セレブツイートをしては憧れの的となる「キラキラアカウント」の代表格でした。
時として炎上してしまうキラキラ女子たちは、多数のフォロワーを有するといいますがなぜなのか。キラキラ女子がフォローされる理由とは?
(2015/11/30 UPDATE)
番組スタッフ
先日、BGMのように付けているテレビのある情報番組が、私の好物の粕漬けをテーマに扱うということで普段よりも意識を集中させて見ていました。老舗・奈良漬け屋が紹介されていたのですが、そこの主人の肩書きに添えられていたのが「奈良漬け界のご意見番」という言葉。
「奈良漬け界のご意見番」…わかるようでわからない肩書きです。
年齢を重ねておられることはわかります。奈良漬けについて何ら「意見」を述べることもなく、VTRが終了。私が知る「ご意見番」とは少し違う、制作側がおそらく勝手に付けたであろう乱暴な肩書きという印象を受けました。「奈良漬け屋」が集まる会合では忌憚のない意見を述べておられるのでしょうか。

政界、スポーツ界、芸能界…。ご意見番と聞いて私が思い浮かべるのは、主にこれらの業界です。
何となくではありますが、ご意見番のお言葉が聞けるのは週末に集中しているような気がします。政界を引退した長老たちが現政権に苦言を呈するような番組、野球界の重鎮がスポーツニュースに喝を入れる番組、芸能界のドンが「私にお任せあれ」と時事ネタをさばく番組…。

それはさておき、そもそもご意見番とは「豊かな経験と知識とを持ち、偉い人に対しても遠慮なく意見を述べ、忠告する人」( デジタル大辞泉)を意味するようです。
語源を調べてみると、 徳川家康、秀忠、家光と三代の将軍に仕え、諫言し、舵取りをした 大久保彦左衛門がご意見番と呼ばれたことに由来するという説がありました。
ニュースカフェ/"ご意見番"人気アンケートとるも…約半数が"不要"

松本人志さんが日曜日の番組放送後に決まって発言内容がヤフーニュースになる流れを見ると、まさに彼の発言はご意見番となっていることがうかがえます。
ひと昔前のご意見番というと、ワイドショーなどでよく活躍する光景を目にしたのですが、演歌界、歌謡界のベテラン勢が芸能ネタをぶった切っていました。正確には、リポーター勢に目の前にネタを用意されて、調理させられていたと言えるでしょうか。演歌界、歌謡界のベテランが社会的に人気を失い、発言の重みを失ったからか、今ではあまり目にすることもなくなりましたが。

映画や新製品のPRイベントでタレントが、強引に時事ネタをぶった切らされている無残な姿も目にする中、芸能界のご意見番に奉り上げられようとしているのはマツコ・デラックスさんでしょう。広告塔としての圧倒的タレントパワーを有しながら、発言内容も魅力的であるとすると、その役割を担わされるのは仕方がないのかもしれません。
実際に、彼女が出演する番組をみると、本当に色々とよく知っているなと感心する限りであります。

最近のご意見番の発言は、ネットのニュースになることで的を射ていないと反感を食らう、さすが良いことを言うと賛同の声が上がるというのが可視化されました。反感を抱かれる場合、その「ご意見番」はこう呼ばれます。
「老害」だと。

その業界に長く居る、年をとっているというだけでご意見番扱いされるケース。そこから彼らが「(何言ってるんだこいつ)」と老害扱いされるのは、放たれた意見に新たな情報、視座がなさすぎるからではないか。そう思います。

聞く側(リポーター)も、本当であればご意見番の知識や経験を大いにあてにするべきなのですが、それができているとは思えません。
知識・経験を抜きにして、誰も言えなかったことを包み隠さず、辛辣に述べるというのは実は誰でもできます。ブロガーですら、YouTuberですら。そして、その中でも的を射た意見は誰かが発掘し、拡散してくれます。その人の威厳の有無にかかわらずです。

いかに自らの威を最大限に利用して、辛口批評をするかではもはやご意見番は務まりません。
いかにうまいことを言って聴く人がなるほどと手を打つか。いかに情報をインプットしているかが重要でしょう。
ネットで炎上する機能不全に陥ったご意見番と正論だとシェアさせるご意見番の違いも、そういったことにあるような気がします。

もはや誰もがご意見番よりも気の効いたご意見を投稿しうる時代です。この人ならこのニュースになんというかなと気になってしまうようなお気に入りの「ご意見番」の一人や二人、誰しもいるのではないでしょうか。
誰もが言えなかったような一言を、高みから辛味を効かせて提供してくれる長老ではなく、情報が誰にでも手に入りうる昨今においては、新たな知識や視座で受け手を導いてくれるものこそ「ご意見番」と呼びたいものです。

スタッフ・坂本
(2015/11/26 UPDATE)
番組スタッフ
このところ、ネット通販会社の間で「配達の速さ」を競う動きが過熱しています。

楽天は今年8月から食料品や日用品を最短20分で届ける「楽びん!」を、ヨドバシカメラは9月から最短6時間で商品を届ける「エクスプレスメール便」をそれぞれ開始。
そして、今月19日からはAmazonがインターネットで買った商品を1時間以内に届けてくれる有料会員向けのサービス「Prime Now」を始めました。

アマゾン「1時間以内にお届け」 過熱する「配達の速さ」競争(「J-CASTニュース」2015/11/21)

Amazonが2007年に「翌日配送サービス」を、2009年に「当日お急ぎ便」を始めたときは素直に驚き、速く届くことにありがたみを感じたものですが、それも今は昔。
購入してから届くまでの時間が速くなればなるほど、速く届くことが当たり前になり、速く届くことへのありがたみは薄れつつあります。

*****
アマゾンジャパンなどのネット通販に感化され、送料無料に甘やかされてきた日本の消費者は、貪欲に送料無料を探しつづける。
それが、ネット通販業者へのプレッシャーとなり、回り回って宅配業者への安い運賃という形で表れるようになる(後略)。
*****
宅配業界の暗部に迫ったノンフィクション『仁義なき宅配』(小学館)で著者の横田増生さんは、「送料無料」が当たり前と感じている消費者の心情をこのように指摘していますが、「配達の速さ」にも同じことが言えるのでしょう。

ありがたみが薄れると、不思議と「配達の速さ」を追い求めることへの違和感も生じてきます。
そんなに速く届けてもらう必要があったのかと。
精神科医の熊代亨さん、漫画家の小島アジコさんのブログエントリーを読むと、その違和感はさらに強まります。

半日ちょっとでAmazonから荷物が届く社会は狂っている(「シロクマの屑籠」2015/11/23)
まず常識を疑え!半日で届くamazonの配送サービスの謎(「orangestarの雑記」2015/11/24)

熊代さんのエントリーの抜粋がこちらで、、、
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こういうお届け速度にニーズがあり、ひとつの“サービス”になっちゃっていること自体が、なんだか正気の沙汰じゃないなぁと振り返って思うこともあるんですよ。
(中略)
あらゆる品がこんなにも早く届けてしまえること・その早さにニーズがあり、サービスの与件になってしまう事が、私には狂気じみている。
*****
小島さんのエントリーの抜粋がこちら。
*****
昔と同じように働いて、その結果、半日で荷物が届いたり、東京大阪を夜行バスで格安で行けたり、飛行機も安くなったし、遠くの人とテレビ電話できたり、電子書籍やら音楽やら、いろいろと便利になったけれども、それでも、個々人が25年前の人たちと比べて、幸せになっているかというと、あんまりそんな感じはしない。むしろなんだか不幸になっているような気さえする。
*****

よくよく考えると、そもそも1時間以内に届けてほしいものなどありませんし、これまでにネットで買ったものを振り返ってみても、速く届けてもらう必要があったものなど一つもありません。
それでもいつの間にか、「速ければ速いほど便利」という思い込みだけが強くなっていました。
「速い」=「便利」=「利用しないと損」、このような精神状態です。
過度に便利さを求めたために、便利さを通り越し、おかしな方向に進んでいる。
「配達の速さ」競争の異常ともいえる過熱ぶりをみると、そう思わずにはいられません。

(スタッフH)
(2015/11/24 UPDATE)
番組スタッフ

11月23日(月・祝) 佐々木俊尚 ●トラブル急増の民泊と宿泊余地のある旅館の実態

今年にも訪日外国人2000万人を達成しそうな日本。先日、GDP600兆円を目指すために具体策を話し合った会合の中で、2020年までに4000万人を目指すという案が浮上しました。
そして、訪日外国人急増で足りていないと言われるのが、宿泊する場所。
問題を解消するため、安倍政権が規制緩和に意欲を示す都心部の「民泊」で、トラブルが相次いでいます。
その一方で、 「宿泊の余地のある旅館がある」との指摘もあります。
宿泊所不足で増加する民泊トラブル。その背景にある空室に困らない旅館の現状とは?
旅館業を知りつくした「観光地再生」の仕掛け人、マーケティングプランナーの井門隆夫さんにお話を伺います。


11月24日(火) 古谷経衡 ●バーチャルリアリティがジャーナリズムにもたらす変革

アメリカのメディアが「バーチャルリアリティ」を使った360度3Dの動画を相次いで公開しています。
バーチャルリアリティを使った動画はスマホで見られることを想定していて、専用のアプリをダウンロードすると、スマホを上下左右に動かすことで、自分の目線と同様に画面が変化するのが特徴。
このバーチャルリアリティを使った動画を11月に入ってから、ウォールストリート・ジャーナル、ニューヨーク・タイムズ、APからバズフィードまで、それぞれ力のはいったコンテンツを投入。
当事者の視点で風景を目にし、「ニュースを体感する」という、新しい表現方法の模索が始まっています。
アメリカのメディアが相次いで公開しているバーチャルリアリティを使った動画は、ジャーナリズムにどのような変化をもたらすのでしょうか。


11月25日(水) 飯田泰之 ●NLDの圧倒的勝利 民主化へ大きく舵を切るミャンマーと、ビジネスの行方

ミャンマーの総選挙は今月20日、アウン・サン・スー・チー氏の野党・国民民主連盟(NLD)が8割に当たる390議席を獲得。
長年、軍による独裁政権が続いてきたミャンマーで歴史的な政権交代が実現、来年春、民主化へ大きく舵を切ることになりました。
それに先駆け12月にはミャンマー初の証券取引所がオープンします。
ミャンマー初のベンチャーキャピタルを設立し、十数年にわたりミャンマービジネスとの関わりが深い松下英樹さんは、著書『新聞では書かない、ミャンマーに世界が押し寄せる30の理由』で、「2015年がターニングポイント」と指摘。ミャンマーのビジネスはどう変わるのでしょうか。
「アジアのラストフロンティア」と呼ばれるミャンマーの存在感、日本との関係とはどう変わるのか。
2015年以降のミャンマービジネスの行方を考えます。


11月26日(木) 小田嶋隆 ●日本でも普及する?オーディオブック市場の勝算

「日本でオーディオブックは流行らない」という常識を覆そうとする動きが出始めています。
Amazon.com傘下でオーディオブックの制作・配信を手掛けるAudibleは今月16日、宮沢りえさん朗読の「雨ニモマケズ」、糸井重里さん朗読の「小さいことばを歌う場所」の配信を開始。
日本人向けのコンテンツを取り上げ、オーディオブックの認知度向上につなげる方針です。
「Audible」は、ビジネス書や小説、落語、童話、ライトノベルなどの朗読音声が月額1500円で聴き放題になる定額制サービス。
世界で25万タイトル以上のコンテンツを配信し、全世界に数百万人のユーザーがいるといいます。
オーディオブック元年になるかもしれないと実は言われていた2015年。今年も2ヶ月を切りましたが、オーディオブックは果たして日本に普及するのでしょうか。
(2015/11/23 UPDATE)
番組スタッフ
2015年も残すところ2ヶ月を切りました。
今年という一年を振り返るような企画を色々なところで目にします。
先日、仕事仲間と「今年の顔」と言われる人で、紅白歌合戦の審査員席に座るような”ポジティブな人”が少ないという話を仕事仲間としていました。
何となく思い当たるのは芥川賞受賞作家、ラグビー日本代表選手…といったところです。
一方でネガティブな意味での「今年の顔」はいくらでもいます。

1年を振り返る言葉を選出するのは日本だけではありません。英語の辞書でおなじみのオックスフォード辞書は毎年、「今年の単語」を選んでいます。
先日発表された2015年を象徴する単語は「うれし涙の絵文字」。絵文字が選ばれるのは史上初めてだそうです。
なぜ「うれし涙の絵文字」が今年の単語に選ばれたのか。
うれし涙の絵文字が2015年に最も使われた絵文字であるという調査結果が出たそうです。
【Oxford Dictionaries Word of the Year 2015 is…】

ちなみに2014年は電子たばこを吸う行為を指す「vape」でした。

果たして世界の2015年は「うれし涙」の絵文字で表すことができるのか。多くの人が疑問に思うことでしょう。
うれし涙を象徴するような世界的出来事といえば…、思い当たるものがありませんが、絵文字使用履歴を見てみると私も使っていました。感謝、うれしさ、感動、笑い…色々な感情に添えることが可能なので、確かに使い勝手は良いのかもしれません。
人間が選んでいる以上、万人を納得させるような「正解」を求めるのは無理があるのでしょうが、あまりにもピンとこないので、世界という時間の流れから自分がはみ出してしまっているかのような疎外感すら覚えます。


その1年を象徴する言葉といえば、日本ではユーキャンの新語・流行語大賞があります。
先日、2015年の新語・流行語がノミネートされましたが、その言葉を見て気になったのは政権を批判する側から見た言葉が多すぎないか、という点です。

I am not ABE/粛々と/切れ目のない対応/存立危機事態/駆けつけ警護/国民の理解が深まっていない/レッテル貼り/テロに屈しない/早く質問しろよ/アベ政治を許さない/戦争法案/自民党、感じ悪いよね/シールズ(SEALDs)/とりま、廃案/

安保法制成立に日本中が注目したのは言うまでもありませんが、賛否両論あったはず。
まぁ、賛成派こそ声をあげにくい雰囲気だったように思いますので、政権に批判的な言葉が目立つのかもしれません。

人間の生来の性質なのか。どうも1年を振り返る時、よろしくない出来事ばかりが思い浮かびます。
1年を振り返って、良い出来事として取り上げられるのは大体、スポーツでの活躍かノーベル賞受賞か。あるいは有名人の結婚か出産でしょう。

良いニュースがあっても、それをきっかけに社会全体が良い影響を被ることはありません。
社会全体を見て、良い1年だったと言えるのは日本人全員の懐が温かくなった時。景気次第だと思います。
しかしこの先、万人にとって喜ばしいと思えるような1年がやってくるのかはわかりません。

今年の新語・流行語にもノミネートされた「上級国民」という言葉。東京五輪エンブレム問題で組織委員会が行った記者会見で「一般国民の理解を得られなくなった」「一般国民の納得を得るのは難しい」と何度も「一般国民」という言葉が使われました。
これを揶揄して「上級国民」という言葉がネットを中心に飛び交ったのです。
政治活動で話題となった学生集団の1人が「社会の最底辺をさまよっているようなクズ」と発言したことも記憶に新しい。

一般国民とはどこにいるのか。一般国民とはいわゆる「99%」のことなのか。
社会の最底辺にいる人は一般国民なのか。もしくはそれにも属さないのか。

世界的に格差拡大が問題になっているといいますが、日本人もそれは同じで、経済の域を超え、意識、思想にまで階層を生み出しています。もしかしたらそれは階層ではなく、同じ思想の者だけが集まることで生み出される小さな世界がいくつもあるからなのかもしれません。いわゆる「タコツボ化」というヤツです。

今年を象徴する言葉にピンと来ないものがあるのも、「国民それぞれ見る景色が違う」からなのでしょう。
ここまで意識や思想が階層化、タコツボ化してしまっている以上、もはや「国民の総意」を見出すことなど難儀です。
国民全てがそれぞれの目から見て、同じように映る景色などないのでしょう。ただ、自分からは見えない景色がどのようなものなのかを想像する力は養っておかなければなりません。
Facebookのプロフィール写真のトリコロール議論で出てくる「想像力」という言葉。これもそういう意味だと思います。


スタッフ・坂本
(2015/11/19 UPDATE)
番組スタッフ
女の子が「遅刻、遅刻〜」と言いながら、食パンをくわえて走っていたら、曲がり角で男の子とぶつかる。
少女漫画における「出会い」のベタな描写として広く認知されている、こちらのシーン。
ところが下記の記事によって、「実は少女漫画には見当たらない」説が浮上。
こちらの記事が先週土曜(14日)、はてなブックマークの人気エントリーに掲載されたことで話題になっています。

「食パンをくわえて走る少女」 実は少女漫画に出現例見当たらず(「太田出版ケトルニュース」2015/3/23)

こちらの記事で「少女漫画には見当たらない」説を唱えているのが、1960年代の新旧少女漫画、少女小説に造詣が深いお菓子研究家の福田里香さんで、「60〜70年代のラブコメ系少女漫画群を機会があるたび読みあさっているが、該当作がない」と語っています。

その代わりに、初めてこのシーンが登場したマンガとして挙げているのが1989年に出版された『サルでも描けるまんが教室』(小学館)。
ただし、『サルでも描けるまんが教室』での登場の仕方はパロディー。
少女漫画にありがちな出会いのパターンとして取り上げられ、以下のようなセリフで表現されています。

竹熊:そして少女まんがにおいても、ウケるストーリー展開はただ一つ!!
相原:ウケるストーリー展開!!
竹熊:そう、まず出だしは……主人公が「ちこくちこく」と叫びながら、あわてて家をとび出す(ドジだから)のだ!!これ以外ウケる出だしはあり得ない!!そして、さらに重要なのは、このとき、主人公は必ず口にトーストをくわえているのだ!!
相原:確かに面白そうだ。

「パロディーが初出で元ネタがないなんてありえない」との思いから、ここからさらに調べを進めると辿り着くのが、2008年ごろ(※明確な時期は不明)にアップされたというこちらのエントリー。

「遅刻する食パン少女」記事まとめ(廃屋譚WEB)

イラストレーターのはいおくさんが書いたエントリーで、はいおくさんは「元ネタは存在しない」と言い切っています。
*****
「遅刻しそうな女の子が食パンを咥え、走って登校している途中で曲がり角で男の子とぶつかり…… 」というパターンが「少女マンガの定番」とされることが往々にしてあるが、1970〜1985の『りぼん』作品を全て読破した経験から言えば、そんなマンガは存在しない。定番ではない。
*****

ちなみに、はいおくさんは『サルでも描けるまんが教室』の著者の一人、竹熊健太郎さんにメールで質問。
「直接的な典拠はなく、いくつかの事例を複合した」との回答をもらったことも上記のエントリーで報告しています。

元ネタが存在しないのに、「少女漫画のベタな描写」というイメージが流布。おかしな現象ですが、なぜこんなことが起きたのでしょうか。
今回の元ネタに関する情報をつなぎ合わせると、その理由がなんとなく見えてきます。

たとえば、エディトリアルデザイナーのほうとうひろしさんが2年前の2013年にした「遅刻する食パン少女」の元ネタに関するツイート。

ほうとうひろし氏による食パンをくわえて登校するキャライメージの元祖探し(「togetter」2015/11/16)
*****
日本マンガに於ける「ちこく、ちこく〜」と言いながら食パンをくわえて登校するキャライメージの開祖。ちばてつや作「ハリスの旋風」週刊少年マガジン1965年12月19日号より

先週《おそらくハリスの旋風が日本漫画における食パンくわえて遅刻ちこく描写の開祖》と記したが、サトウサンペイ「フジ三太郎」の朝日新聞1965年10月9日号掲載作がふた月早かったと判明。
*****

ツイートには画像が貼り付けてあり、『ハリスの旋風』には「主人公(男)が遅刻しそうになって、おにぎりをくわえて家を出るシーン」、『フジ三太郎』には「主人公(男)が食パンをくわえて家を出るシーン」がそれぞれ登場すると指摘しています。

また、前出のはいおくさんは、1974年から75年にかけて連載されていた少女漫画『つらいぜ!ボクちゃん』(小学館)に「遅刻しそうな主人公(女子高生)が走り、曲がり角で男の子にぶつかるシーン」が登場すると指摘。
編集者の新保信長さんも、『1・2の三四郎』に同様のシーンがあることをツイッターで指摘しています。
*****
パンはくわえてなかったと思うけど「遅刻遅刻〜」でぶつかるってのは『1・2の三四郎』の第1話ですでにパロディ的に描かれてたからなー。70年代にはすでに定番表現だったことは確か。
*****

こうした断片的な情報をつなぎ合わせることによって気付くのが、「遅刻しそうな主人公が食パンをくわえて登校するシーン」と「遅刻しそうになって走り、曲がり角で男の子にぶつかるシーン」が別個には存在するということ。
別個に存在するシーンがいつしかごっちゃになり、その世間的なイメージを『サルでも描けるまんが教室』が少女漫画と結びつけて具現化。
それを否定する人など存在せず、否定するほどの材料もないため、「遅刻する食パン少女」=「少女漫画のベタな描写」は浸透。
それが今日まで続いているということなのでしょう。

(スタッフH)
(2015/11/17 UPDATE)
番組スタッフ
11月16日(月)佐々木俊尚●パリ同時多発テロ
『イスラム戦争――中東崩壊と欧米の敗北』の著者で、ムスリム移民の研究をされている内藤 正典さんにお話をうかがいます。
(予定していた内容を変更してお送りします)


11月17日(火)速水健朗●「2016年問題」にみる、経済成長時代のハードの終焉
日本芸能実演家団体協議会など10の芸術団体が5日、東京都内で記者会見を開き、首都圏でコンサート会場が不足している現状を訴えました。芸団協の調査では、この10年で首都圏の劇場やホールの閉鎖が相次ぎ、約2万5千席分が失われたといいます。さらに、来年に耐震改修などが集中し、業界は「2016年問題」と位置づけ。東京五輪の競技会場になる施設の改修工事も絡み、深刻化しています。
2016年問題を「ハードの更新・改修」という視点から考えます。


11月18日(水)ちきりん●「地方は活性化するか否か」が描く、地方都市の現実と打開策
地方都市が抱える課題を描いたWEBマンガ『地方は活性化するか否か』が話題になっています。
著者は、秋田県在住の漫画家こばやしたけしさん。
今年1月ごろからネット上で話題になり、アクセス数は280万を超えました。
インターネット上の連載が好評で今月20日には書籍版が学研プラスから出版。
書籍版は石破茂地方創生担当大臣がブログで紹介し、さらに注目を集めています。
話題のWEBマンガ『地方は活性化するか否か』が描く、地方都市の現実と打開策とは?


11月19日(木)小田嶋隆●傾斜マンション問題から考える「家」という資産
日本を揺るがした傾斜マンション問題。その余波は日本各地に広がりました。
今回の騒動を機に、家を買うということに不安を抱いた人も多いはずです。
30年で建て替えることが当たり前という日本で、家を購入するポイントとは。資産価値の高い家を作るには?

現在の日本の住宅業界の構造と共に、これからの「家」について考えます。
(2015/11/16 UPDATE)
番組スタッフ
最近、よく耳にする神対応という言葉。
「神対応」でニュース検索すると実にたくさんヒットします。
この数日間で抜粋しただけでも以下の通りです。

【ハメられたら「神対応」で反撃! 怨霊になった菅原道真“実家跡”のメッセージ】

【松岡修造、イベントで“神対応” 報道陣から「さすが」の声 】

【三村マサカズ、鈴木亮平の神対応に感激「なんて律儀な奴だ」 】

【ブランジェリーナ夫妻、スタッフらに神対応。ビッグな報酬に高級酒も。】


「神対応」とはそもそも、企業のクレーム対応時に使われる言葉だったのではないでしょうか。

****************
主に企業のクレーム対応などについて、驚き感心するほど行き届いた対応に対して用いられる表現。不具合製品の修理サービスに関する手際の良さや、配慮に満ちたサービスなどに関する最大級の好評価を表す語として用いられることが多い。

【weblio辞書「神対応」】
****************

それがいつからか、その反義語として「塩対応」という言葉が生まれたきっかけであるように、アイドルの握手会イベント等のファン対応に使われるようになったと感じます。

こういった表現はただの流行り物なのでしょう。
美人すぎる地方議員が登場した際から使われる「●●すぎる」、 全国レベルの知名度を得た地方を拠点に活動するアイドルの「●年に1度」のように、 言い得て妙と納得するやいなや、素人から玄人までが味の全くしないガムのようになるまで使われてしまうもの。
美人やかわいいに些細な言葉を足せば済むものの、「●●すぎる」「●年に1度」といった表現で期待させることで、「おや?」と肩透かしをくらう機会もしばしばです。

圧倒的なその量のため、情報が情報によって埋没させられてしまう現代社会。
埋没して忘れられないためにも、少しでも目立つような言葉を並べる必要があります。
「●●すぎる」「●年に1度」と見慣れない表現だったから「言い得て妙」ということで広がったのに、そうつければ情報の瓦礫に埋没しないと考えているようなタイトルの記事や出来事が多すぎるように思われます。

「神対応」も同じような表現です。
企業のクレーム対応から、アイドルがイベントでファンとの距離を急激に近づける好意的な対応を指すものに変わり、もはやただの「優しさ」を言い換えるこ言葉になってしまっている。
その優しさの対象は誰かと言うと、ファンだけではなくメディア、マスコミにまで拡大しました。

あるハリウッドスターが来日した際、日本人ですら名前の知らない日本人タレントが、流行りの芸を「ジャパニーズ・スタンダードだから覚えておいて損はない」と言わんばかりに必死で教えるという地獄のような光景は珍しくありません。特に朝の情報番組でありがちです。
さらにハリウッドスターも人が良いからか、PRのためと腹をくくっているのか、きちんと応えてくれるのですが、恥ずかしさで意識が飛びそうになるのは私だけではないでしょう。
この地獄絵図を、朝の情報番組ではハリウッドスターの「神対応」として紹介するのです。
ある意味、「神対応」なのでしょうが、発信する側の都合により神か否かが決まるとは神様もたまったもんではありません。

その度合いは関係なく、優しいかつニュースバリューがあれば、「神対応」に当てはまるようです。
しかし、「神対応」と使われすぎることでインフレを起こしてしまい、言葉そもそもの意味が損なわれてしまっています。

神対応という言葉をあまりにも耳にするためか、何でもない優しさ、配慮が神様のそれだとして扱われる。
そこに違和感を覚えると同時に、社会から薄れる寛容さの指摘も頭に思い浮かびます。

実際に私の身の回りから寛容さが欠如しつつあるとは実感しません。
しかし、ネットの揉め事や社会の規範を見ていると、寛容さは薄れていると言えるのでしょう。
妊婦やママ、女性、若者、高齢者…彼らに関する問題が浮上し、議論がなされるとき。確実に彼らに対する優しさは欠如しています。

社会の不寛容さを埋め合わせるように乱発される「神対応」という言葉。
たとえ使われなくなったとしても、それは社会が寛容になったからではなく、ただその言葉に飽きただけという単純な理由だからかもしれません。


スタッフ・坂本
(2015/11/12 UPDATE)
番組スタッフ
昨日(9日)の朝、放送された『NHKニュース おはよう日本』をきっかけに話題となっている、“資生堂ショック”。
これは、資生堂が20年以上前から導入してきた「育児支援制度の方針転換」のこと。
「女性に優しい会社」として知られる資生堂は、化粧品売り場を任されている「美容部員」を対象に1991年から「短時間勤務制度」を導入していましたが、今年4月に方針転換。
育児をしている美容部員にも育児をしていない美容部員と同様の「勤務シフトやノルマ」を与える方向へとシフトしていました。

方針転換の理由は、「短時間勤務制度によって生じた摩擦」。

“資生堂ショック” 改革のねらいとは(「NHKニュース おはよう日本」2015/11/9)
脱「優しい会社」 甘えなくせ、資生堂の挑戦(「日本経済新聞」2015/6/29)

美容部員の勤務体系は、10時から午後6時45分まで働く「早番」と、11時15分から午後8時まで働く「遅番」。
「短時間勤務制度」は、早番の終わりの時間を最大2時間短縮できるもので、時短勤務の美容部員は午後5時ごろに帰宅。
そのため、子育てをしていない美容部員に遅番の負担が集中し、「不公平だ」「プライベートの時間がない」などの声が続出。
それだけでなく、忙しい夕方、同僚に感謝の言葉もなく帰るなど育児中の優遇が既得権益化。
その結果、育児をしている美容部員と育児をしていない美容部員の間に摩擦が生まれ、方針転換を余儀なくされたようです。

この方針転換によって、時短勤務の美容部員に告げられたのは「育児をしながら土日勤務や遅番をこなす」という厳しい内容。
この内容をうけ、わたしは正直なところ、「資生堂は退化した」と感じました。「育児をしながら働きやすい会社」から「育児をしながら働きにくい会社」への退化です。
しかし、こちらのエントリーによると、わたしのこの考えは浅はか。
資生堂は退化ではなく、むしろ進化への道を進んでいるのだといいます。

資生堂ショック報道への反応のズレ(「はてな匿名ダイアリー」2015/11/9)

その理由がこちら。
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1.子供を産まずにキャリアを蓄積する「(育児犠牲)キャリア重視女性」
2.子供を産み、時短勤務を取る「(キャリア犠牲)育児重視女性」
基本的に、上記の二択だった。
(中略)
この内、1番の「キャリア重視なら育児が犠牲になるのはやむを得ないよね」というのにハッキリ「ノー」と言ったのが資生堂になる。
育児は当然の権利なのでそれは尊重した上で、キャリアを積み重ねるのは、この方法だという方針を打ち出したと言って良い。
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今のところ、資生堂の方針転換はおおむね批判的に受け止められています。
それはなぜか。
「育児は女性の役割」という固定観念に縛られるあまり、多様な働き方を受け入れられない国民性が関係しているように思います。
まあ、わたしもその一人なのですが。

(スタッフH)
(2015/11/10 UPDATE)
番組スタッフ
11月9日(月) 佐々木俊尚 ●先進国で物欲が低下!「物欲なき世界」の到来


11月4日に発売された書籍『物欲なき世界』(平凡社)が話題になっています。
著者は編集者の菅付雅信さん。
ソーシャルメディアの普及によって誰もが丸裸にされてしまう実情を描いた『中身化する社会』(星海社)から2年越しの著書で、「先進国・先進都市において全体的に消費が落ち込んでいる」状況を指摘、資本主義の先の来るべき世界を浮かび上がらせています。
先進国・先進都市でみられる全体的に消費が落ち込んでいる状況。
物欲がなくなり資本主義が立ち行かなくなる中で、どう生きればいいのでしょうか。
著者の菅付さんをスタジオにお迎えし、お話を伺います。


11月10日(火) 古谷経衡 ●研究費をネットで募る「アカデミスト」の可能性


研究費の工面に悩む若手研究者たちが、ネット上で出資を募るクラウドファンディング「アカデミスト」がじわりと広がっています。
アカデミストは去年4月に開設された、出資対象を学術系にしぼったクラウドファンディング。
従来の研究資金は専門家が研究内容を審査するのに対し。アカデミストは専門知識をもたない一般人がお金を出すかどうかを決めます。
研究費が得にくく、ポスドク問題が深刻化するなか、「アカデミスト」はどんな役割を果たすのでしょうか。その可能性を探ります。


11月11日(水) 飯田泰之 ●中国による海洋進出の対抗策となるか。「コスト賦課戦略」の可能性

中国の習近平国家主席は今月7日、南シナ海の島々について、「古くから中国の領土だ」と話し、南シナ海の問題をめぐって妥協しない姿勢を強調しました。
中国が海洋進出を強硬に進めるなか、「コスト賦課戦略」という概念が注目を集めています。
「コスト賦課戦略」とは、特定の国の望ましくない行動に対するコストを賦課することによって、そうした行動を自制させる戦略。
アメリカの対中戦略をめぐる議論のなかで注目されているのだといいます。
この「コスト賦課略」が対中国においてどんな効果を生むのでしょうか。


11月12日(木) 小田嶋隆 ●本が売れなくなる?図書館で新刊を貸し出す意味

朝日新聞の記事をきっかけに、ネット上で「本が売れないのは図書館のせいなのか?」という議論が巻き起こっています。
きっかけとなったのは、10月29日付の朝日新聞の記事『本が売れぬのは図書館のせい? 新刊貸し出し「待った」』。
10月半ば、都内で開かれた全国図書館大会で、新潮社の佐藤隆信社長が、本が売れない原因の一つが「図書館の貸出」であると発言。
著者と版元が合意した新刊の「貸し出しの1年猶予」を求める文書を、11月にも図書館側に送る予定だと報じています。
大きく括って「書籍との新たな出会い」の場である図書館。図書館で新刊貸出をする意味とは?
(2015/11/9 UPDATE)
番組スタッフ
行楽に最適のシーズンです。歩く、走るなど体を動かしながら景観を楽しむイベントが各地で開催されています。
最近、人気なのが「沿線ウォーキング」。中でも京王電鉄が主催する「京王線沿線ウォーキング」は京王線沿線の街並み、自然、歴史などをめぐりながらウォーキング楽しめるとして人気を博していました。
そんな「京王線沿線ウォーキング」が今年は中止になったと言います。

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京王電鉄は中止の理由として、参加者の歩行マナーに厳しい意見が寄せられたことを挙げている。近年中高年を中心にウォーキング人口が増加し、さまざまなウォーキングイベントが開催されているが、参加者のマナーが問題になることもあるようだ。

【京王電鉄が「沿線ウォーキング」を中止 年々高まる人気もマナーに問題】
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上記記事は全く”そういう”書き方はしていませんが、「中高年が増える→中止の原因となったマナーの悪い人は中高年に違いない」と勝手に結び付けてしまう自分がいます。
中高年、特に高齢者のマナー悪化が最近になって叫ばれるようになりました。
暴走老人という言葉もいつからか使われるようになり、高齢者の犯罪が積極的に取り扱われるようになったのはここ数年のことのように思います。

テレビの場合、メイン視聴者様であるからという理由で高齢者を咎めるような企画は一切と言っていいほど組めませんでした。
運悪く高齢者の犯罪が増加しているという事実もあります。
最新のデータである2013年の統計で比べると、暴行罪は23年間で約70.9倍、傷害罪は約12.4倍に急増。殺人も約3.4倍です。
【下流老人の復讐 年々増加する高齢者の犯罪】

93歳の高齢者がひき逃げ事件を起こし、証拠隠滅を図ったというニュースもありました。
自動車事故つながりで言うと、その前には九州で高齢者が車で歩道を暴走し、死傷者を出した事件も記憶に新しい。
結婚を断られたことに腹を立てて脅迫したとして逮捕された高齢者もいました。
先週、某新聞の読者欄に中学生が席を譲った高齢者から「ふざけるな」と怒られたという投稿も話題をなりました。
【中学生が席を譲った高齢者から「ふざけるな」 読者投稿が注目集める】

こういったニュースを見て、自身の出来事を思い返してみるとありました。キレる高齢者に思い当たる例が。
携帯電話ショップで番号札を取り、順番を待っていると、お年寄りが番号札も取らずに、接客をしている従業員に要件を伝えるという事態に遭遇してことがあります。
私が通うジムでは、高齢者と呼ばれる年代であろう人が実にたくさんいます。
ジムには禁止事項を書いた張り紙がしてありますが、思い返してみると禁止事項をやってしまっているのは大抵、高齢者です。
コンビニでお会計が済んでいるのに、自分の後ろにある行列に気づかないかのように店員と世間話をするお年寄りがいたことも思い出しました。

しかし、これらの出来事は「高齢者のマナーの悪さ」を総括的に表すものではないのです。
あまりにも「キレる老人」報道が多いがために、優しさが欠如した私が自身の周りの出来事を「高齢者のマナーが悪くなっている」と考えると気持ちが良いから、そう考えてしまっているのです。
相次ぐキレる老人報道により、私の思考は「そう考えると楽な方」に向いてしまっているのです。

高齢者のマナーの悪さをとってみても、個人の性質そのものがそうだったのかもしれませんし、その時だけ「ついうっかり」なのかもしれません。
しかし、私たちは一部を総論であるとして判断してしまいがちです。この思考法は昨今指摘される「レッテル貼り」と似ているような気もします。
「近頃の若者は・・・」というレッテル貼りの常套句が、「近頃の高齢者は・・・」となる日も、悲しいことにすぐそこに来ているのでしょう。

高齢者のセックス特集を組む雑誌もあれば、暴走老人を糾弾する警察密着系のテレビ番組もある。
ネットニュースのコメント欄を見ると「老害」という言葉が転がっている。
敬老の日というものもあり、「お年寄りに優しく」と教えられてきた私たちの目の間に広がる世界、先にある未来は本当にお年寄りに優しくないと感じます。政策は高齢者に優遇されたものであったとしても、その優遇などたかが知れているし、その優遇により下の世代から良からぬ反発を受ける…。

品良く老いている人もいるでしょう。私が住むマンションの大家さんはそれはとても上品な老女です。素敵な年の重ね方をされています。しかし、私はそうなれるかは自信がない。
医療技術を発展させた科学への冒涜かもしれませんが、高齢者に優しくない世界で長生きすることにどこまで価値があるのだろうか…と考えます。
超高齢化社会の日本で老いる意味を考えることはとても困難なようです。


スタッフ・坂本
(2015/11/5 UPDATE)
番組スタッフ
本人が亡くなった後も運営され続け、コメント欄に書き込みが続いている「亡くなった芸能人のブログ」。
これが今、「悩みのはけ口」と化し、何とも言い難い気味の悪さを漂わせています。

今月1日に両親の高齢化を理由に閉鎖された飯島愛さんのブログは、気味の悪い現象が起きていた代表格。
2008年に亡くなった後も最後の記事にコメントが付けられ続け、人知れず悩みが吐き出されていました。

飯島愛さんブログ閉鎖、死去後7年「永遠に忘れない」ファンの声最後まで…(「スポーツニッポン」2015/11/1)

こちらの記事によると、あるファンが「愛ちゃん 私 今日で50歳になっちゃった。もはや誰も祝ってくれないけどね」と書き込むと、「誕生日おめでとうございます」というメッセージが寄せられ、これに対して最初の投稿者が「私にまでコメント貰っちゃって、この場を借りてありがとうございます。愛ちゃんのおかげだね」と返信をつづるといったもの。
一見、心温まる交流にも見えますが、書き込みの目的は悩みの吐露。
最初の投稿者は「もはや誰も祝ってくれない」という悩みを吐き出し、別の投稿者に祝いの言葉をかけてもらうことで悩みを浄化しているように見えます。

また、こちらの記事によると、コメント欄に「愛ちゃんそっちに行きたい。行ったら幸せだけの日々ですか?」と書き込むファンもいたようです。
死に引き寄せられているのでしょうか。闇が深すぎます。

飯島愛さんのブログと同様の現象が起きているのが、桜塚やっくんのブログ。

桜塚やっくん、死去から2年 ブログにコメント8万4000件(「ハフィントン・ポスト」2015/10/6)

桜塚やっくんが亡くなってから10月5日で2年となりましたが、亡くなった後もブログには毎日のようにファンからのコメントが投稿されていて、その数は8万4000件超。
コメント欄を読むと、一部のファンの「悩みのはけ口」となっていることが見てとれます。

あるファンは「子育て」の悩みをつづり、あるファンは「体の不調」や「かかっている病気」の悩みを吐きだす。そして、それを見た別のファンが「励まし」の書き込みをする。
飯島愛さんのブログのコメント欄とほぼ同じ流れです。

悩みを書き込めば、誰かが励ましてくれる。だから、また悩みを書き込む。
それの繰り返しで、メインは追悼ではなく自分の悩みの吐露。
最近のコメント欄を見るととくに、桜塚やっくんのブログに書き込むという意義は希薄になっているような印象を受けます。
これは、2009年に亡くなったモデル・純恋さんのブログ、2013年に亡くなった女優・坂口良子さんのブログでも見ることができ、「亡くなった芸能人のブログ」に共通する現象と言えるでしょう。

ではなぜ、わざわざ「亡くなった芸能人」のブログに、その芸能人とは関係のない自分の悩みを書き込んでしまうのでしょう。
わたしが考える一因は、「亡くなった芸能人」のブログ特有の心地よさ。
悩みというのは多かれ少なかれ、誰もが抱くもの。それを吐き出してしまいたいけれど、吐き出したときの相手の反応が怖い。
励ましてくれないかもしれないし、批判されるかもしれない。できれば、安全圏で悩みを吐きだしたい。
そんなとき、悩みを抱えた人が辿り着くのが「亡くなった芸能人」のブログ。
同じ芸能人を愛した、いわば同士であれば、おそらく励ましてくれるし、批判される可能性も低い。
悩みを吐きだしづらくなった今、「亡くなった芸能人」のブログは悩みを気兼ねなく吐き出せる唯一のオアシスになっているのかもしれません。

(スタッフH)
(2015/11/3 UPDATE)
番組スタッフ
11月2日(月)佐々木俊尚●「tolino」から学ぶ、電子書籍の売り上げを伸ばす手立て
日本の電子書籍市場は、参入ストアが100を超える乱立状態で、多くの会社は赤字が続いています。
一方、ドイツでは、書店大手4社が合同で立ち上げた電子書籍ブランド「tolino(トリノ)」が、サービス開始から1年余りでアマゾンの「キンドル」のシェアを抜きました。
注目が集まるドイツの成功事例から、日本で電子書籍の売り上げが伸びない理由を探ります。

11月3日(火・祝)速水健朗●成功事例からみる、これからの小さな本屋の可能性
本屋の減少が止まりません。調査会社アルメディア(東京)によると、06年(5月1日現在)は1万7582店だったが、15年(同)は1万3488店で約23%も減っています。しかし、そんな中、従来にはない手法を取り成功している本屋も。業界全体が苦境の中、一体どのようにして活路を見出したのか?成功事例から、これからの本屋のあり方を考えます。

11月4日(水)ちきりん●戦争を描いた藤田嗣治に学ぶ「近代」と「戦後」のあり方
世界的に著名な画家の藤田嗣治(1886〜1968年)の半生を日仏合作で描いた映画「FOUJITA」が、11月14日から角川シネマ有楽町など各地で公開されます。
藤田は1920年代前半に発表した「ジュイ布のある裸婦」(寝室の裸婦キキ) をはじめ、“乳白色の肌”と称された裸婦像でエコール・ド・パリの寵児となり、その後、「アッツ島玉砕」をはじめとして数多くの“戦争協力画”を描きました。
彼の創作人生から日本の戦後、近代のあり方はどう見えるのか。

11月5日(木)小田嶋隆●ヒモザイル連載休止。炎上過敏社会の行く末
講談社の月刊漫画誌「モーニング・ツー」が、12号(22日発売)に掲載予定だった東村アキコさんの漫画「ヒモザイル」を、作者の申し入れで休載。家で家事をこなす男性を、女性に金銭を貢がせる「ヒモ」と呼ぶ内容に、ツイッターを中心に批判が寄せられました。
炎上に過敏になりすぎた社会。ヒモザイル休載騒動が意味するものとは?
(2015/11/2 UPDATE)

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