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番組スタッフ
12月28日(月)佐々木俊尚●「21世紀の不平等」から読みとるべき日本への処方箋
『21世紀の資本』で大ブームを巻き起こしたピケティ。その師であるアンソニー・アトキンソン氏の著書『21世紀の不平等』(東洋経済新報社)が12月11日に刊行され、話題となっています。
話題の本『21世紀の不平等』とは?そして、そこから読みとるべき日本への処方箋とは?


12月29日(火)速水健朗●音楽ストリーミングサービスの影響?変化したヒットの方程式
アップルやグーグル、LINEなど大手IT企業が定額制のストリーミング配信サービスに乗り出し、「ストリーミング元年」ともなった2015年。
激動の時代を迎えた音楽ビジネスは今、どこに向かっているのでしょうか。
そしてCDセールスのランキングがヒットチャートとして成り立たなくなりつつある今、本当のヒット曲はどこにあるのか。
ストリーミング元年を経て、ヒットの方程式はどのような変化を遂げたのかを考察します。


12月30日(水)ちきりん●日本経済で今なお続く1940年体制の呪縛
経済学者の野口悠紀雄氏が「日本の経済システムは1940年体制をいまだに引きずっており、それが過去20年の停滞の原因にもなっている」と指摘する内容がここ最近のメディアで取り上げられています。1940年体制とは一体何なのか?


12月31日(木)小田嶋隆●消滅可能性都市を救う?「孫ターン」の是非
いま祖父母の暮らす地方に孫が移住する「孫ターン」が、人口減少を食い止める手段のひとつとして注目を集めています。
発案者とされるのは、UIターン促進に取り組む東京のNPO法人「ふるさと回帰支援センター」。4年ほど前からセンター内で「孫ターン」という言葉が使われ始めたといいます。
「孫ターン」は消滅可能性都市を救うのか。その課題とは。
(2015/12/28 UPDATE)
番組スタッフ
ファッションから発言まで何かと注目される女優の紗栄子さん。かねてから噂されていたスタートトゥデイ社長の前澤友作さんと交際していることが正式にわかりました。
2人も大人ですので交際に異論はありませんが、私が「おや」と思ったのは交際が正式に明らかになった場所。
関連会社も合わせて700名あまりが参加したスタートトゥデイの忘年会での交際宣言なのです。

【大忘年会「STARTTODAY CAMP」を今年も開催しました!】

スタートトゥデイといえば、労働時間やチャリティー企画など何かとその動向が注目される会社であります。
報道によると紗栄子さんは忘年会のサプライズゲストだったとか。
サプライズゲストが噂されている社長の彼女で、しかもその場で交際宣言がなされる…すごい会社だなと思いました。
このニュースを知った時、先週、自分が参加した忘年会で想像してみました。
一番偉い人が挨拶をしつつ、そこにサプライズで恋人が登場。スタッフを前にして交際宣言がなされる。
ただ想像してみただけなのに、眉間にシワが寄ってしまう感覚がはっきりとあります。
海外の企業ならこんなことは当たり前にあるのでしょうか。こういった“掟破りであること”も、躍進するベンチャーの秘訣かもしれません。

ところで、忘年会の名前は 「STARTTODAY CAMP」。こういった場合に使われるCAMPという単語。よく見かけるのですが、私は未だに正しい訳がわかりません。ただ、「自身のスキルを高める」という自己啓発臭を確かに感じます。シリコンバレーで流行っているのでしょうか。

前澤社長と紗栄子さんの仲睦まじい様子はスタートトゥデイのHPにアップされているのですが、華やかなステージには「ARIGATO」という大きなオブジェがありました。今年の忘年会のテーマだったそうです。
今年もがんばってくれたスタッフをねぎらうパーティーだから「ARIGATO」。
他者への感謝を表明しながらも、「OMEDETO」と言ってもらうようなサプライズを仕掛ける社長。
「ARIGATO」の主語はあくまでも前澤社長のようです。(余談ではありますが、忘年会の主役である前澤社長からはもう一つのサプライズとして、社員全員へのハワイ旅行プレゼントも発表されたとか。これも「ARIGATO」のひとつでしょう)

忘年パーティーに参加した人にとって、主語は常に1人称複数形であるのかもしれません。
社長からスタッフへの「ARIGATO」というよりも、自分たちから自分たちへ「ARIGATO」。
主語が何かと「私たち」になるこの雰囲気が、ITベンチャーなどの若い会社でよく見られる「キラキラ感」、そして「仲間感」なのではないでしょうか。

女優の紗栄子さんといえば、可哀想になるくらい“いちいち”炎上することでも有名です。
件の忘年会では交際宣言の際、こう言ったそうです。

「私は1度結婚をして、“好き”だけでずっと人と一緒にいられるわけじゃないっていうことも知って…。それからは、子供の生活のことをいちばんに考えてこの数年間生きて頑張って仕事をしてきたんです。でもこんな私でも、またもしかしたら、誰かと一緒に人の役に立つことをしたり、生きていけるんじゃないかっていうことを、最近感じるようになって…」
【NEWSポストセブン・ゾゾタウン忘年パーティーで前澤社長が紗栄子と堂々交際宣言】


紗栄子さんのインスタグラムから伝わって来る、あの「キラキラ感」。同じものをこの発言から私は感じました。
忘年会すら、交際宣言ですら己の人生観を表現する場所にしてしまう…。さすが紗栄子さんです。

IT企業特有の「キラキラ感」、女性芸能人がインスタグラムで見せる「キラキラ感」。
種類は違えど、これらの「キラキラ感」は時に人の神経を逆撫でます。仲間という言葉を気持ち悪がる私のような人間にとって、「スタートトゥデイ」×「紗栄子」というキラキラした組み合わせは残酷ではあるものの、この先どうなるかがとても気になって仕方がない毒性も有しています。

好きなものよりも、嫌いなものが共通している人の方が長くいられる。こんな言葉を、スタートトゥデイ忘年会での社長の交際宣言が思い出させてくれました。

スタッフ・坂本
(2015/12/24 UPDATE)
番組スタッフ
ついに先週金曜(18日)公開となった、スター・ウォーズの最新作『スター・ウォーズ フォースの覚醒』。
早くもネット上では酷評が相次ぎ、一部新聞のネタバレ記事には批判が集まる事態となるなど、公開後もなかなかの盛り上がりをみせています。
酷評されるのもネタバレが批判されるのも、熱狂的なファンを持つ作品の宿命。
よくある展開であり、それほど気になるものでもありません。
それよりもわたしが気になったのは、先週末の観客動員数でスター・ウォーズが1位にならなかったことです。

スター・ウォーズ、「妖怪」に敗れる 先週末の観客動員(「朝日新聞デジタル」2015/12/21)

先週末(19〜20日)の観客動員数でスター・ウォーズを抑えて1位になったのは、「妖怪ウォッチ」の劇場版アニメ第2弾『妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』。
スター・ウォーズが80万258人(3日間では104万4330人)だったのに対し、妖怪ウォッチは97万4557人。しかも、公開スクリーンはスター・ウォーズの半分以下。

[公開スクリーン数]スター・ウォーズ⇒958 妖怪ウォッチ⇒434
[公開館]スター・ウォーズ⇒371館 妖怪ウォッチ⇒358館

「公開スクリーン数」「公開前のPR量」の圧倒的な差を考慮すると、妖怪ウォッチの観客動員数のすごさが際立ちます。
確かにすごいことではあるのですが、信じられなくもあります。
なぜかというと、すでにブームが終焉していたと思い込んでいたから。

妖怪ウォッチがブームとなったのは去年・2014年。日経MJのヒット商品番付では西の横綱に選出されています。
ところが今年は目に触れる機会が格段に減り、今年9月にはビジネスジャーナルが「妖怪ウォッチ、早くもブーム終了で投げ売り?」と報道。
ネット上でも夏ごろから、「うちの子はもうすでに飽きています」という報告を見る機会が増え、レアメダルが手に入るとして長い行列ができていた「妖怪おみくじ神社」で、行列を見ることもなくなりました。
ちなみに先日、足を運んだある百貨店のおもちゃ売り場でも、「妖怪おみくじ神社」を待つ子供は1〜2人。閑散としていました。
こうしたことからブームは完全に終焉したと思い込んでいたのですが、スター・ウォーズを抑えての1位という今回の結果。
ブームは終焉していなかったのでしょうか。
それとも、「ポケモン」と肩を並べ、定着期に入ったということなのでしょうか。

わたしの考えは、「定着期には入っておらず、ブームの終焉へと向かっている」というもの。
このように考える理由のひとつが、先週末スター・ウォーズを超えた要因にあります。
要因として今のところ挙げられているのが以下の3つ。

・劇場前売券の売上枚数が102万4825枚だったこと
・入場者に映画の最重要キャラクターのメダルがプレゼントされること
・親子連れだけでなく、祖父母も含めたファミリーで来場する客が多いこと

3つの要因のうち、わたしが注目したのはひとつめの「前売券」。
約102万枚が売れたこの前売券の発売日は7月25日。ブーム終焉が囁かれ始める少し前になります。
子供は飽きているが、すでに購入していた前売券を無駄にはできない。こう考えた親が子を連れて、映画館に足を運んだのではないでしょうか。

「定着期には入っておらず、ブームの終焉へと向かっている」と考える理由。もうひとつがレベルファイブのこれまでの商品戦略。
「コンテンツを大事にしない」とも揶揄される短期的な戦略で、元ホビーショップ店員のブログエントリー「妖怪ウォッチブームは終了してしまうのか?元ホビーショップ店員の考察」にはこのように書かれています。
*****
そもそもレベルファイブの商品戦略は長期的なものではない。
『レイトン教授』シリーズで注目されるようになったレベルファイブが一気に知名度を広げたのが『イナズマイレブン』『ダンボール戦機』である
(中略)両タイトルとも、現在も完全に商品展開が止まっているわけではないが、本格的にアニメ・商品戦略が行われたのは3年〜5年ほどである。
(中略)この3〜5年という周期は小学低学年が中学生に中学1年生が高校生に進学する等、顧客の変化(ブームの一段落)でもある。
*****

レベルファイブによるクロスメディアプロジェクト第3弾である「妖怪ウォッチ」が世に出たのが2年前の2013年。今年で3年が経ちます。
そして、今年4月にはレベルファイブが手がけるクロスメディアプロジェクトの第4弾「スナックワールド」が発表されました。
ブームが終焉に向かえる前に、次のヒットを狙うため軸足を移す。こうしたやり方からは冷たい印象も受けますが、ブームが終わる前に終わらせ、ヒットを連発してきたレベルファイブとしては当然の流れと言えるのでしょう。

(スタッフH)
(2015/12/22 UPDATE)
番組スタッフ
12月21日(月) 佐々木俊尚 ●炎上上等。ドナルド・トランプという男

来年行われるアメリカ大統領選挙に向けた共和党の候補者指名争い。他の候補を引き離して、世論調査の支持率でトップを独走しているのが、ドナルド・トランプ氏。
イスラム教徒のアメリカ入国禁止を求めた今月7日の発言後も支持率を大幅に伸ばし、14日発表の世論調査では自身最高の41%を記録。世論調査では依然として、トップを保っています。
暴言大炎上でも共和党から降ろされない男、ドナルド・トランプ氏。なぜ、今支持されるのでしょうか。人物像にスポットを当て、その理由を探ります。


12月22日(火) 古谷経衡 ●相次ぐ「偏り」批判の背景にあるもの

報道や出版などの表現の「偏り」を批判したり、公平・中立を求める事例が相次いでいます。
神奈川新聞の連載「時代の正体」への「偏っている」との批判。11月中旬には読売新聞と産経新聞の紙面に「私達は、違法な報道を見逃しません」とする意見広告が掲載。その他にも、大手書店のブックフェアや博物館の展示などでも「偏り」が批判されています。
報道だけでなく、書店、博物館においても指摘されるケースが相次いでいる、表現の「偏り」。その背景にあるものとは?


12月23日(水・祝) 飯田泰之 ●ふるさと納税が地方創生に及ぼす負の影響

「ふるさと納税」が話題になっています。
「ふるさと納税」は、地方で生まれ育った人などが都市部にいながら、ふるさとに納税することで、地方を応援することになるという税制優遇策。
このふるさと納税がこの数年、「税制優遇も受けられ、地方の特産品をもらえてお得」ということで人気となっています。
人気の一方で、マイナスの影響を指摘する声もあります。
ふるさと納税が地方創生に及ぼす負の影響とは?


12月24日(木) 小田嶋隆 ●Ustreamの日本撤退とネット動画ビジネスの行方

ライブ動画配信サービス「Ustream」が、来年2月に「事実上の日本撤退」をすると一部メディアで報じられ、話題になっています。
Ustreamは、アメリカ大統領選挙のキャンペーンで使われたことからブレイク。日本ではTwitterとの連携をきっかけに、革新的なメディアとして2009年末から注目を集めていました。
このUstreamの日本法人、Ustream Asiaが撤退する見込みとなり、事実上の「日本撤退」との見方が広がっています。
Ustreamはなぜ日本撤退を決めたのでしょうか?また、そこから見えてくるネット動画ビジネスのあるべき形とは?
(2015/12/21 UPDATE)
番組スタッフ
右を見ても左を見てもスター・ウォーズだらけの12月。単純な映画の宣伝の域を超え、ダース・ベイダーやC3POなどのキャラクターとコラボしたPRがあらゆるところで繰り広げられるのを見ると、コンテンツとしての威力を改めて知らされます。

1977年公開のシリーズ1作目から通算7作目となる『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』。今月18日、午後6時30分に全国一斉公開されるわけですが、その人気は世界各地でいまだ衰える気配もなく、公開前からすでに話題となっているようです。第1作公開以来、実に10億人もの人がスター・ウォーズを見たと言う映画史に名を残す伝説的作品の、その「伝説の更新」に注目が集まっています。

全世界で10億人が見て、計り知れない額の経済効果を生んできて、もう十分がんばっているスター・ウォーズ。その成功を、日本を代表する漫画「ワンピース」が応援するとして批判を浴びています。
公式サイトにはこうあります。

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2016年7月23日(土)公開が決定した『ONE PIECE』の映画最新作『ONE PIECE FILM GOLD』。
TOHOシネマズとT・JOYの『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を上映する劇場(一部劇場を除く)の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』上映回に、ルフィからエールを贈るスペシャル映像が上映されることが決定しました!
(中略)
史上初の、映画会社・作品の垣根を越えたまさに奇跡の連携となる本施策!
「スター・ウォーズ」風の衣装に身を包んだルフィたち麦わらの一味が、リスペクトを込めて『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を映画館で鑑賞するという内容になっています!!
【ルフィが「スター・ウォーズ」へエールを贈る!! 映画館でスペシャル映像上映決定!!!!!】
****************

「世界観を壊さないで」「謎の上から目線」「ライトセーバーで切られろ」といった怒りの声が多数上がっていると言います。
事実、私の友人の教徒とも呼ぶべきスター・ウォーズファンはワンピースのスペシャルエールが公開されない一部劇場を選んで観賞する、と憤っていました。

上から目線と批判されているけれど、ワンピースとスター・ウォーズのコンテンツとしての力関係を、上にいるのはどちらかと考え、批判の是非を考えるのは野暮というものです。
「スペシャル企画」で「リスペクトを込めて」と言うのに、スター・ウォーズ好きによるスター・ウォーズ好きのための「特別感」や「敬意」などが感じられないから怒りを買っているのです。好きでもないであろう人に横槍を入れられたという感じでしょう。

私はどちらのファンでもありませんが、スター・ウォーズのファンが怒るのも納得できます。
そんなことで怒るなと思われる人もいるでしょう。
しかし、そんなことでもファンは「ファンであるがゆえ」に怒るのです。
スター・ウォーズのみならずファンという人たちの沸点はとても低い。惜しみなく時間や金を投資した作品、コンテンツを、他者が取り扱う瞬間を見つけ、その扱い方に「敬意」がないと彼らは怒ります。
特にマスコミで取り上げる際は、紹介される情報量が自分が知る未満のものであると、ファンの怒りを買ってしまいます。
貴重な時間と金を投資している以上、常に自分の方が勝るという自負がつきまとうことは仕方のないことです。
「熟知しない者」の介入を毛嫌いするのは何も趣味の世界に限ったことではありません。

PR合戦が最高潮に達したスター・ウォーズ。日本の映画業界に限ったことなのかはわかりませんが、映画の宣伝として「PR大使」や「応援団」といった肩書きをつけられたタレントたちが意気揚々と声を上げているのを目にします。しかもその映画に出演していない人が、こじつけとも言うべき理由で起用されているから滑稽に見えたりもします。

世界で知られるアメリカの話題作を日本人タレントがその成功を祈ってPRしている姿に恥ずかしさを感じるのは私だけでしょうか。
「笑っていいとも!」のエンディングに外国人アーティストが登場し、何やら日本人のタレントの中でまごついていた感じ。
世界的サッカープレイヤーが日本の音楽番組に出演したときのやる気のなさ。
ハリウッド映画の日本語吹き替え声優に、声での演技力に疑問符がつくタレントの起用。
日本人として欧米にコンプレックスがあるというわけではないのですが、何だかどれも恥ずかしい。
どれもファンの裾野を広げようとしているのでしょう。しかし、裾野を広げようとやってきた場所がそこでいいの?と疑問に思ってしまったり、何より出たくて出ているわけではないことが見え見えなのが辛かったりもします。
「ファンの裾野を広げる」という行為を誰もが納得が行く形で成功させるのはとても難しい。

ワンピースの件もそうです。スター・ウォーズを知らない世代を取り込むというファンの裾野を広げる意味もあったのでしょう。裾野を広げるということは、入り口を「わかりやすくする」ということです。
スター・ウォーズを知らない世代を取り込むわかりやすい手段として、ワンピースが用いられたのでしょう。
「ファンの裾野を広げる」という大義の下、作品とは関係のない日本人タレントやコンテンツというフィルターを通して、わかりやすくする必要があるのか。そのフィルターがきっかけでファンになってくれた人はずっとファンなのか疑問です。

ワンピースに罪はありません。しかし、どうせエールを送るならば、スター・ウォーズそのものではなく製作者、関係者に送るべきだったのでは、と思います。

坂本
(2015/12/17 UPDATE)
番組スタッフ
去年10月に103歳で亡くなったわたしの祖父は、亡くなる1年ほど前から認知症を発症。
目的の見えない外出を繰り返し、世話をするわたしの両親を困惑させていました。
これは、認知症患者によくみられる行動で「徘徊」と呼ばれていますが、この「徘徊」という言葉を使わないようにしようという動きが今、自治体の間で広がっています。

「徘徊と呼ばない」運動広がる…認知症患者の尊厳守るため(「読売新聞」2015/12/10)

福岡県太宰府市では、去年まで「徘徊模擬訓練」と呼んでいた外出したままの認知症患者への対処法を体験する訓練から「徘徊」という言葉を外し、「声かけ・見守り模擬訓練」に変更。
熊本県山鹿市の一部でも訓練の名称から「徘徊」を外し、今年から訓練を始めた佐賀県基山町は「徘徊」を初めから使わないことを決めています。

「徘徊」を使わないのは、『「徘徊」の辞書上の意味』と『認知症患者が行う「徘徊」の実態』にズレがあるため。
「徘徊」の辞書上の意味が「あてもなく、うろうろと歩きまわること」なのに対し、認知症患者が行う「徘徊」は必ずしもあてがないわけではなく、「子供を迎えに行く」「晩ご飯の準備をするために帰る」といった外出の理由が存在するケースもあるのだといいます。
認知症患者への偏見を助長しかねない。こうした配慮も含まれているようです。

「徘徊」が使えないとなると、他の言葉を替わりにあてなければならない。そこで最近、「徘徊」の替わりに使われ始めているのが「ひとり歩き」。
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名古屋市瑞穂区の高齢者相談窓口「いきいき支援センター」は、昨年作ったパンフレット「認知症『ひとり歩き』さぽーとBOOK」で使用。
岡山県笠岡市なども、行方不明になった認知症の人を捜すメール送信事業に「ひとり歩き」を使っている。
<「徘徊」と呼ばないで(「中日新聞」2015/5/20)>
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「徘徊」の替わりが「ひとり歩き」。これはどうなのでしょう。
認知症患者やその家族に配慮しすぎるあまり、実態から遠ざかってしまっているのではないでしょうか。
声かけや見守りが必要なある意味でネガティブな行動であるにもかかわらず、ポジティブな言葉で無理やり覆い、ネガティブな面を包み隠している。そんな印象を受けます。

「ひとり歩き」から緊急性が感じられないことも問題です。
自治体が「徘徊」という言葉を使っていたのは「訓練」や「行方不明になった人を捜すメール送信」のとき。ある程度の緊急性を感じます。
実際、わたしの祖父が徘徊し、行方が一時分からなくなったときは、家族全員大慌てでした。
それだけに、“ほのぼの”とした雰囲気が漂う「ひとり歩き」という言葉には違和感を覚えてしまいます。

認知症患者への配慮は「徘徊」という言葉だけではなく、介護施設の「利用者」の呼び方にもあらわれています。
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通ってくる認知症の人を「メンバーさん」と呼ぶ。
職員と対等という位置づけから、メンバーに希望を聞いてから昼間の活動を決める。
<「徘徊」と呼ばないで(「中日新聞」2015/5/20)>
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認知症患者が介護施設のメンバーであり、職員と同じ位置づけ…なんだかよく分かりません。
施設内が混乱していないか、そちらの方が心配になってしまいます。

認知症患者への配慮は元を辿れば、「認知症」という呼び名もそう。この呼び名も配慮によって生まれたものです。
「認知症」の元々の呼び名は「痴呆」。「いったん個人が獲得した知的精神的能力が失われて、元に戻らない状態」を指し、当時は日常生活でも、行政の文書でも普通に使われていましたが、2004年12月を境にこれが「認知症」へと替わります。
きっかけは2004年12月に公表された厚労省の「痴呆に替わる用語に関する検討会」の報告書

呼び名を変更する理由については次のように記しています。
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言葉の分析により、「痴呆」は「あほう・ばか」と通ずるものであり、侮蔑的な表現であることが確認できた。
また、有識者や関係団体からのヒアリングを行った際に、「痴呆」という用語は広く国民に知られているが、「痴呆」の言葉から受ける「あほう・ばか」の印象があるために実態がどういうものであるかが正確に理解されておらず、国民への普及啓発を進める上で逆にわかりにくい用語となっており、問題であるという指摘があった。
<「痴呆」に替わる用語に関する検討会報告書>
*****

侮蔑的な表現で、実態が正確に理解されていない。だから呼び名を変えた。
呼び名を変えたことで、実態の理解は進んだと言えるのでしょうか。
今回の「徘徊」をめぐる動きを見る限り、それほど進んでいないようにみえます。
実態の理解が進んでいないからこそ、周囲は配慮する、というか配慮しすぎる。配慮しすぎた結果、実態と呼び名が乖離し、実態の理解は遅れる。
こうした悪循環が「認知症」という呼び名の変更以降、続いているように思います。

(スタッフH)
(2015/12/15 UPDATE)
番組スタッフ
12月14日(月)佐々木俊尚(作家・ジャーナリスト)●過激派組織“イスラム国”は、なぜイスラム圏から生まれたのか?
今週のタイムラインは、昨今のイスラム圏での出来事が、周囲を海に囲まれたこの日本に暮らす「私たち」にとってどういう影響を及ぼすのかを考えます。
過激派組織「IS」、いわゆるイスラム国が行っているテロとイスラム教はそもそも違うといいますが、
改めて、どんな違いがあるのでしょうか。そして2015年の今日、何を目指しているのでしょうか。
『イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北』などの著書で知られる、
国際政治学者の内藤正典さんにお話を伺います。


12月15日(火)速水健朗(ライター・編集者)●イスラム教が世界最大の宗教になる日
世界最速で成長している宗教、イスラム教。その信者数は世界最大の人口を誇るキリスト教に肉薄し、2070年には追い越すと予測されています。
要因のひとつが改宗者の急増。2050年までに1億600万人がキリスト教徒をやめ、改宗先として最も多くの割合を占めるのは、イスラム教だとの予測も。イスラム教が世界最大の宗教になる日はやってくるのか。


12月16日(水)ちきりん(社会派ブロガー)●「テロとの戦い」で打ち出すべきメッセージ
パリの同時多発テロの直後から、各国首脳が口々に「テロとの戦い」を宣言。
事件の後すぐ、フランスはシリア国内の過激派組織「イスラム国」(IS)の拠点を空爆、3日にはイギリスがシリア領内の過激派組織「IS」に対する空爆を開始しました。
各国の首脳が宣言し、実行に移している「テロとの戦い」。
その先には何があるのだろうか。


12月17日(木)小田嶋隆(コラムニスト)●イスラム国で見えてくる日本の宗教の未来
「イスラム国」に見られるような、イスラム教原理主義過激派の台頭。テロリズムや戦争といった暴力的な事態を生み、世界の平和に対する脅威にもなっています。
日本でも、今から20年前の1995年には、「オウム真理教」による無差別テロが起こりました。いったいこれから日本の宗教はどのような方向にむかっていくのかを考えます。
(2015/12/14 UPDATE)
番組スタッフ
今年も残すところ3週間ほど。年末年始の予定をすでに決めている人もいれば、これから考えるという人もいるでしょう。あるいはどこにも出かけず家でまったりと…という人もいるかもしれません。

年末という時間は、その年を振り返り、新たな年を迎える準備をするという雑務を色々とこなす慌ただしさもあり、いつの間にか過ぎ去っているもの。しかし、やってきてしまった新年というのはよほどの予定がない限り、時間の潰し方に困ったりもします。

どこに行っても人だらけで特別な感じはするのに、非日常などとは程遠い。主体的にどこかへ旅立たない限り、正月とはメディアやイベントによって作り上げられる特別な雰囲気の中で過ごす、日常に過ぎないように思います。この日常に苦痛を覚える人もいるかもしれません。

あらかじめどこかへ出かけるという予定が決まっていない限り、年始をどう「有意義」に過ごすかを思案し、行動に移すのは骨が折れます。
初詣に決まって出かけるのですが、いつも近所の神社に出かけるので数時間で終わるイベントです。その後、どうしようか。家に帰って寝正月に移行するか。この足で初売りでも行ってみるか…。
どこへ行っても人だらけとわかってはいるのに、初物好きの日本人の性質なのか、ついつち初売りに足を運ぶ人も少なくないでしょう。

三越伊勢丹ホールディングスは、首都圏8店舗において、1月1日、2日の両日を店舗休業日として、2016年の初売りを「1月3日から」開始することが話題となっています。一部の小売業においては盆も正月変わらず働くことが当たり前となっている中、三越伊勢丹の決定は「英断」だとして賛同を得ているのです。

【grape「元旦から二日まで休業」 三越伊勢丹の決定に賛同の声ぞくぞく】
バイラルメディアによる上記記事のシェア数を見てみると、12月10日15時時点でフェイスブックで5・8万もの「いいね」が付いています。シェア数から見ると、多くの人が「初売り」の陰で磨耗する人がいることを疑問視しているかも読み取れるでしょう。

従業員の労働環境を改善することで、より高質で手厚い販売サービスの提供を目指すためとしていますが、三越伊勢丹の初入りについては今年の9月に以下のような報道がありました。

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三越伊勢丹ホールディングスは7日、首都圏の店舗について、2016年1月2日を原則休業日にすると発表した。対象となる店舗の初売りは1月3日になる。元日を含めて2日間の休日を設けることにより、従業員の働く環境を改善。意欲を高めて接客水準の向上などにつなげたい考えだ。
【日経新聞】
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人生で一度だけ、海外で新年を迎えたことがありますが、日本のそれとは全く別物でした。
私が過ごしたドイツのある街はクリスマスは大いに盛り上がり、それが終わると1年が静かにフェードアウトしていくという雰囲気に街全体が包まれます。
「包まれる」というと、趣きがあるように聞こえますが、要は店が次々と閉まっていくのです。
年明けに少々、小腹が減って、どこか店は開いてはいないかと街に繰り出してみたのですが、営業していたのはバーガーキングだけ。自宅用の飲み物や食材などは、駅まで出てキオスクで買わなければいけませんでした。電飾は灯っているものの街全体は静か…日本の正月では考えられないでしょう。
もし次の年もこの街で年を越すことになれば、その時はきちんと備蓄しようと心に誓ったものです。

日本の場合、消費者の目線から考えると、家にいようが、外出しようが何とかなります。それなりに選択肢はあるからです。
正月に小腹が減ったとして…日本ではそれを満たす選択肢は実に豊富です。ドイツのある街では、バーガーキングか駅のキオスクしかありませんでした。

日本のサービス業はどの職種もそのレベルが高いと感じます。反面、丁寧すぎるサービスであるがゆえに、色々と社会的問題に発展するような脆さも抱えています。
初売りがなかったとしても、有意義ではないかもしれませんが、私はそれなりの正月3が日を何とか過ごせます。
私も何度か初売りに行ったことはありますが、帰宅後、「果たして初売りでしか買えないものだったか」と、正月3が日にその買い物をする行為を振り返って、後悔の念を抱くものです。

経営者側から見ると、正月こそ商売における好機なのでしょう。しかし、「ワークライフバランス」という言葉が叫ばれる現代においては、これまで正月に働かなければならなかった従業員をいかに思いやり、その処遇をいかに改善するかに努めた企業に賞賛が集まることは明白です。
正月特有の特別感のおかげで「何か特別なことをしないと不安になる」ものですが、何もしないでも何とかなるのもまた事実。それはただの寝正月というやつになるわけですが…。

スタッフ・坂本
(2015/12/10 UPDATE)
番組スタッフ
今年9月、鬼怒川の決壊によって大規模な水害に見舞われた常総市。
この水害に対応した市の職員の残業代が、毎日新聞の記事をきっかけに問題になっています。

常総市 市職員、9月分給与100万円超も 水害対応で、残業最高342時間 /茨城(「毎日新聞 地方版」2015/12/5)

残業代の金額は先週金曜(4日)に開かれた常総市議会の一般質問で明らかにされたもので、9月10日から30日までの残業代の合計額は「約1億3千万円」。
平均残業時間は139・2時間で最も多い人は「342時間」。9月の給料が残業代を含めて「100万円」を超えた職員が十数人いたといいます。

問題になっているのが、この日の議会で一般質問をした遠藤章江議員のこの発言。
「もらう権利はあるが、全国から来たボランティアが無償で働いている中、市職員が多額の給与をもらうことに市民から疑問の声が上がっている」。
遠藤議員はこう話したうえで、「給与が高額にならないよう、災害時の特別給与体系の創設を求めた」といいます。

この記事をうけ、遠藤議員は即座に反論。
自身のブログに「私自身、新聞の内容は確認しましたが、これは一般質問で発言した中の一部の言葉をとらえ記事にしたようです」「このような言葉尻だけを抜き出し、都合のよい具合に記事をまとめ上げ、質問の内容を正確に伝えていない新聞の書き方については誠に不快に感じております」と綴り、常総市議会のWebサイトで配信される「議会の録画映像」を見てほしいと訴えています。

この録画映像が今日(8日)の18時過ぎに配信されたので、該当箇所を確認してみると、毎日新聞の記事が「言葉足らず」であることが見えてきます。
まず、こちらが「もらう権利はあるが、全国から来たボランティアが無償で働いている中、市職員が多額の給与をもらうことに市民から疑問の声が上がっている」の発言部分。

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災害時の職員の残業代というのは、常総市に限ったことではなく、いろいろな地域で必ず問題になることです。
それが1億4400万円だったということで、それが新聞にバンと出まして、やはりそれ、市民の間でかなり話題になっているので、今回質問させていただこうと思っています。
私は9月10日の2時40分に市役所に入りました。それからずっと、9月10日の午後9時まで役所にいて、みなさんが不眠不休で本当に一生懸命、働いている姿も見ておりますので、働いた残業代分、当然もらう権利があるっというのも思いますけども、実際、市民の声っていうのはなかなか厳しいものがあります。
私たち議員に対しても、給与は全部寄付しろとか、賞与はカットしろとか、必ず市民と対峙するとこういう言葉を投げかけられます。
まぁ、それもいたしかたないことだと思って、おりますけども、実際、職員に対してはやはり残業代はカットした方がいい、もらわない方がいい、なぜならば、ボランティアに来てる方たちは残業代がないじゃないかと。
ボランティアの方たちは無償で、不眠不休で働いているじゃないかと。
そういう中で、市の職員が残業代をもらうというのはどうなのかと、こういう厳しい意見もあることは事実です。
ですから、私はもらうなってことではないですけれども、やはり今回の災害でどれほどの人件費がかかっているのか、こういうことを少し明らかにしていただきたいと思います。
分かる範囲でいいので、お答えいただきたいと思います。
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こちらは毎日新聞の記事に問題はなく、長い発言の要約になっていると思いました。
そして、こちらが「給与が高額にならないよう、災害時の特別給与体系の創設を求めた」の発言部分。

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私が心配しているのはですね、やはり職員の健康管理をしっかりしていただかないとならないということ、もう一点は社会保険料の問題なんですね。
今回、災害が9月、10月と起こってたからいいんですけど、もしこれが4月、5月、6月に起こってたとしたら、どうなるか。
そうすると、社会保険料、社会保険料というのは、その年の4月、5月、6月の平均給与で決まってくるわけですよ。
そうすると、ここの時点でたくさん残業してしまって、給料が通常の2倍も3倍もなってきますと、その方が払わないといけない社会保険料が3か月の平均になってくると、ものすごい額になるんですよ。
そうすると、一年間、職員の方の生活を圧迫してくるようなことになる。
ですから、逆に言うと、災害時で残業代が多くもらったのが今の時期でよかったなとも思うんですね。4月、5月、6月であれば、1年間、ほんとに社会保険料、基本給は低いのに何万も払わなきゃならなくなる。こういうことが起きます。
ですから、私は今、給与がすごく増えてしまった職員もいるということでため息が出ました。それも受け止めなくてはならない。
ですから、逆にどうでしょう。選挙の時に行うような特別手当制にして、災害時の特別な給与体系、これを今後、早急に検討していく必要があるんじゃないかと思うんですけども、これについて今後どのように見直していくのか、お考えがあったらお聞かせいただければと思います。
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この部分は「社会保険料」のくだりが抜けているため、毎日新聞の「給与が高額にならないよう、災害時の特別給与体系の創設を求めた」ではニュアンスが十分に伝わっていない。そんな印象を受けます。

どういうことかといいますと、遠藤議員が「給与が高額にならないよう、災害時の特別給与体系の創設を求めた」ことの前段にあるのは「社会保険料の負担の問題」であるにもかかわらず、毎日新聞の記事は「市職員が多額の給与をもらうことに市民から疑問の声が上がっている」から「給与が高額にならないよう、災害時の特別給与体系の創設を求めた」と読者が受け止める流れになっているということ。

実際には「市職員が多額の給与をもらうことに市民から疑問の声が上がっている」は「どれほど人件費がかかっているのか明らかにする」につながり、「社会保険料の負担の問題」が「給与が高額にならないよう、災害時の特別給与体系の創設を求めた」につながっているにもかかわらずです。
このほんの少しの「言葉足らず」が、今も止まない遠藤議員バッシングを生み出したとも言えます。

毎日新聞の記事がどういった経緯で書かれたのかは分かりません。文字数の制限があったことも十分考えられます。
ただ、言葉の捉え方によって、ひとりの人間に取り返しのつかないダメージを与えてしまう。
自戒の念を込めてではありますが、そのように思います。

(スタッフH)
(2015/12/8 UPDATE)
番組スタッフ
12月7日(月) 佐々木俊尚 ●メールは時代遅れ?新たなコミュニケーションツール「Slack」の可能性


メールに代わるとも言われ、世界中で利用者を増やしているコミュニケーションツールがあるのをご存知でしょうか?
メッセージ送信もファイル交換もワンタッチ、ゲーム感覚で同僚や取引先と交流できるコミュニケーションツール「Slack」。
サービス開始からたった2年で、利用者数は世界で170万人。ネット上で気軽に使えると評判を呼び、ケタ違いのスピードで広まっています。
メールが時代遅れと言われるなか、注目される新たなコミュニケーションツール「Slack」。
メールに代わるコミュニケーションツールになるのか。その可能性を探ります。


12月8日(火) 古谷経衡 ●スター・ウォーズに投影された大国・アメリカとその変遷

12月18日、いよいよエピソード7「フォースの覚醒」公開されることを受け、各メディアでスター・ウォーズ特集が組まれています。
関連本も次々と出版。その一つが12月10日発売となる『スター・ウォーズの精神史』です。
著者は『ゴジラの精神史』『モスラの精神史』で知られる文芸評論家の小野俊太郎さん。
この本を通し、1977年の第1作公開からアメリカの姿はどう変わったのかを読み解きます。


12月9日(水) 飯田泰之 ●日本でユニコーン企業が生まれないワケ

評価額が10億ドル(約1200億円)以上で上場していないベンチャー企業、「ユニコーン企業」に今、注目が集まっている。
ユニコーン企業は、額に一本の角が生えた馬に似た伝説の生き物「ユニコーン」のように滅多にお目にかかることがなく、投資家にとって巨額の利益をもたらす可能性のある夢のような企業のことを指し、今年10月時点で世界に141社あります。
一方、日本に目を向けるとユニコーン企業は存在しません。
なぜ、日本ではユニコーン企業が生まれないのか?その背景にあるものとは?


12月10日(木) 小田嶋隆 ●『禁じられた歌声』が描く暴力の連鎖とイスラム社会の危機

日本初となるイスラームをテーマにした映画祭「イスラーム映画祭2015」が12月12日より渋谷ユーロスペースにて開催されます。
この「イスラーム映画祭」のオープニング作品として上映されるのが、『禁じられた歌声』。
世界遺産にも登録されているマリ共和国ティンブクトゥの美しい砂の街を舞台に、愛や憎しみを通じて人間の“赦し”とは何かを問う深淵な人間ドラマです。
イスラーム映画祭のオープニング作品『禁じられた歌声』から見えてくる暴力の連鎖によるイスラム社会の危機とは?
(2015/12/7 UPDATE)
番組スタッフ
「同性愛は異常…」
こんなことをツイッターで発言したどこか県の職員が炎上しました。
「公務員」という肩書きゆえにザルにすくわれない暴言もあるでしょう。
公務員であろうが議員であろうが、肩書きは関係なく想像力の欠如ゆえに本音をさらけ出した結果、炎上してしまったのでしょう。
セクシャルマイノリティ、LGBTに関しては寛容であることが基本とされます。制度を変えることに反対意見もあるでしょうが、冷静かつ理にかなった反論でない限り、聞いてもらえません。感情論のみの意見など攻撃の対象となるのは明らかです。

ここ最近、LGBTに関する議論は熱を帯びています。
私が担当するいくつかの番組では、LGBTを積極的に取り上げる動きもあれば、視聴者が保守的だからと敬遠する放送局もあります。
私が出入りするある放送局のある部署で共に働く男性がゲイであると、先日、知らされました。 カミングアウトというほど大袈裟なものではなく、会話の流れで普通に知らされたのです。ゲイである本人も、その周囲も「え。知らなかったの」と言わんばかりの反応。
知った時は驚きましたが、一瞬でその感情は消え、次にはまた別の驚きに襲われていました。

あまりにも普通すぎる。良い意味でです。
その会社は誰もが知る大企業であり、保守的なイメージが常に付きまとっています。聞いた限りですが、LGBTに関する特別な施策はありません。カミングアウトするにあたっては、しやすい環境だったと言います。カミングアウト後に何か支障があったということもないようです。
これがあの保守的な企業かと少々感動したのですが、もちろん、本人の心情の細部までは窺い知ることはかないません。
しかし、間違いなくその企業のその部署では、彼をLGBTとして特別視することなく、ごく当たり前の「労働力」として扱われており、その「普通さ」に私は胸が熱くなったのでしょうか。
また、そのゲイがとても仕事ができるのです。
よく、カミングアウトすることで能力発揮につながるという見方もあります。

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LGBTは、セクシュアリティがバレないかと同僚との何気ない会話にさえストレスを感じたり、週末の集いにも参加しづらく愛想のない奴というレッテルが貼られたりしがちです。欧米の調査では、カミングアウトできない職場では仕事の効率性が落ちるというデータも存在します。
【なぜ、先進企業は「セクシャル・マイノリティ」を絶対に手放さないのか(プレジデント)】
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彼こそその好例なのでしょう。

企業がLGBTに関すると何かと新たな取り組みだとして取り上げられます。
例えば、 国内の大企業で最もLGBT関連施策が先行する日本IBMで、“同性パートナー登録制度”が新設されることになりました。
人事部に所定の事前登録をすれば、LGBT当事者(社員)と同性パートナー(社内外)に対しても、特別有給休暇、休職、慶弔見舞い、赴任旅費などが適用され、可能な限り、事実婚を含む男女間の結婚と同等水準に近づけたいというもの。

私が出入りするその企業ではLGBTが働くということに関して全く注目されないのですが、新たな試みを導入する動きがある中、何もしなくてもLGBTが働くに不自由ない環境を築けていることに少々、驚かされました。本人の性格とその職場環境、同僚によりけりなのかもしれませんが。
ちなみに、そのゲイにIBMがやるような扶養手当等は必要ないのかと聞いたのですが、どちらも働いているから必要ないし、そもそもLGBTは一緒くたに考えられるものではないのではないかというのが彼の意見でした。

個人的見解ではありますが、ゲイに限っては実は同性である男性こそ、彼らを特別扱いしないのではないかと思います。
よく「ゲイの友達が欲しい」と言う女性がいるのですが、私が共に働くゲイはこういう女性が一番嫌いだと言います。
彼が言うには、「友達としてのゲイはお前のステータスでもないし、相談役でもない」。
私の周りにも「ゲイの友達が欲しい」とはばかりなくいう女性がいますが、「なんで?」と聞くと「色々、相談したい」「楽しそう」とか「女子力アップしそう」と答えます。女子力なるものをアップするために欲する友達とはステータスのようなものであり、友達とは言えません。

何か特別なことをするわけでもなく、ただ普通に同僚として認める。これも大切ではありますが、家族を持ちたいとするLGBTのためにもIBMのような新たな試みも望まれます。
「普通に共に働く」ために必要なのは新たな制度なのか、社員の理解なのか。
私が共に働くゲイの彼は、特に働き辛さは感じていないと言います。 その理由を聞くと、「会社が普通であること」に尽きると言います。
新たな制度、理解、普通に働ける環境よりも、「働き辛さ」の有無をどう確認するかを模索することがまず重要のようです。

スタッフ・坂本
(2015/12/3 UPDATE)
番組スタッフ
萌えキャラを使って地域振興をする施策を指す、「萌えおこし」。
この萌えおこしの一例である、岐阜県美濃加茂市が「のうりん」とコラボして作成したポスターに批判が相次いでいます。

「巨乳」アニメポスター批判相次ぎ撤去 岐阜・美濃加茂(「朝日新聞デジタル」2015/12/1)

「のうりん」とは、美濃加茂市の農業高校をモデルにしたライトノベルで、去年テレビアニメ化。
美濃加茂市観光協会は、この「のうりん」とコラボし、市内の飲食店などを巡ってスタンプを集めると景品がもらえるスタンプラリーを過去に3回(去年2回、今年1回)実施しています。

4回目である今回のスタンプラリーは11月7日から始まるため、それに合わせ、開始3日前の11月4日、公式ツイッターに、「のうりん」に登場する女性キャラクター「良田胡蝶(よしだ・こちょう)」のイラストが描かれたポスターの画像を投稿。
画像を見ていただければ分かるように、このキャラクターは巨乳という設定(※アニメのHPにも「巨乳の持ち主で、重度のツンデレ」と記載あり)のため、ポスターの画像も胸元が強調されています。

このポスターに11月下旬ごろから「女性の目から見て不愉快」「セクハラだ」「人権侵害」との批判が続出。おととい・29日には観光協会が、唯一ポスターを掲示していたJR美濃太田駅からポスターを撤去する事態に。
また、美濃加茂市観光協会の「地元民に批判されたことはない」「批判の多くは地元以外の人たちではないか」との証言もあがってきています。
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これまで「のうりん」のキャラを使ったポスターや看板をいくつも作ってきたが批判は無く、(中略)
「良田」のポスターは公開してから約1か月間、地元民に批判されたことはない。
(中略)批判の多くは地元以外の人たちではないか(後略)。
<「J-CASTニュース」2015/11/30>
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ここまでの情報でまず引っかかるのが、4回目のポスターだけが批判されて、過去3回のポスターは批判されなかった理由。
過去3回のポスターを「胸、もしくは胸元が強調されているかどうか」という観点で見ると、1回目は問題なし、3回目は微妙ではありますが胸を強調とまではいかない印象。
ただし、2回目は明らかに胸が強調されています。

【1回目】⇒「のうりん」のメインビジュアル 
※画像はこちら(「のうりん」原作者・白鳥士郎さんのツイッター)
【2回目】⇒女性キャラクター・中沢農のイラスト
※画像はこちら(ねとらぼ)
【3回目】⇒女性キャラクター・木下林檎のイラスト
※画像はこちら(美濃加茂市観光協会公式ツイッター)

胸の強調が4回目の批判の原因であるとするならば、2回目が批判されなかった理由も気になってきます。
その理由を読み解くカギは、2回目と4回目のスタンプラリーの告知のされ方。
4回目は美濃加茂市観光協会が公式ツイッターでポスターの画像込みで告知されているのに対し、2回目はポスターの画像がツイートに貼り付けられていません。
実際のツイートを見てもらえば分かりますが、ポスターの画像の代わりに「スタンプを集めるともらえる景品の画像」が貼り付けられています。
つまり、不特定多数の人の目に触れた4回目に対し、2回目を目にした人はおそらくは少数。そのため、批判をしたい人の目に触れなかったのでしょう。

そして、最後まで引っかかっているのが4回目のポスターを批判している人たちの存在。
地元住民は批判しておらず、スタンプラリーの参加者(=「のうりん」のファン)は批判するはずがない。そこで浮上するのが、マンガ評論家の伊藤剛さんが提唱した「萌えフォビア」。
「キャラクターを用いた性的な表現は気持ち悪いから絶対に認められない」という強い感情を指す言葉ですが、三重県志摩市の海女の萌えキャラをめぐる騒動でも見られた「クレーム⇒騒動⇒撤回」という一連の流れによって、この「萌えフォビア」を抱く人たちが声をあげやすくなっているのかもしれません。

志摩市、美濃加茂市と、立てつづけにケチがついた「萌えおこし」。
批判された2人の萌えキャラの共通点は「巨乳」でしたが、これが今後、萌えおこしにどんな影響を及ぼすのでしょうか。
「貧乳」の萌えキャラを使った萌えおこしが増え、「貧乳はセクハラだ」とする批判の声があがる。
来年早々に、そんな騒動が起こるような気がしてなりません。

(スタッフH)
(2015/12/1 UPDATE)

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