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番組スタッフ
昨日あたりから報じられている世界的トランペット奏者、日野皓正氏の往復ビンタ問題。

”暴力”が起こったのは8月20日、世田谷区教委の主催で世田谷パブリックシアターで行われた『日野皓正 presents "Jazz for Kids”』でのこと。
週刊文春によると曲の後半でドラムのソロを叩き続ける男子中学生に対して日野さんが近寄り、スティックを奪い取りました。男子中学生は、それでも素手でドラムを叩き続けたため、「馬鹿野郎!」と叫びながら、600人の観客の前で往復ビンタをしたのだといいます。

映画「セッション」みたいだな、という声もあるようです。ビンタを食らった中学生の素行、本来の性質に問題があったのかはわかりません。
歯に衣着せぬ発言でなぜか人気を集めている俳優の梅沢富美男さんは今回の件について、次のようにコメントしました。

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「(映像を)見てて分かりますよ。スティック取られても、まだ叩いてますから。なめてますよ!」と非難した。
「僕だって、人前では殴ったり叩いたりしませんから」と暴力自体は否定した上で、「人前で日野さんが叩くなんて、おかしいじゃないですか。よっぽど、だと思います」として、日野さんの心情に一定の理解を示した。
【ハフポスト:日野皓正に往復ビンタされた中学生を梅沢富美男が非難】
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ビンタを食らった中学生に非があるという梅沢さん。こんな発言をしても好感度に影響はないであろう点が梅沢さんのすごいところなのかもしれません…。

ショービジネス、エンターテイメントの世界のプロならば、「舞台で起こった予想外のハプニング」に対して感情的になり、怒りに身を任せてしまうのは損に思えます。
ジャズにはジャズのルールがあるのかもしれません。他にも色々な感情が混ざって、あの悲劇的暴力が起こってしまったのかもしれません。しかし、それでも観る側は気持ちのいいものではないことは確実です。

「舞台で起こった予想外のハプニング」に対しては、外国人がうまい印象を受けます。
今週、イギリスのニュース番組放送中に2歳の女児がやりたい放題するという動画を見たのですが、ベテランキャスターは女児が机の上に上がることを止めもせず、気にすることなく彼女の母らにインタビューを続けていました。なんとも微笑ましい動画でした。

【AFP:女児、ニュース放送中にキャスターの机によじ登る 英国】

さらに、世界的歌手のセリーヌ・ディオンさんにも似たようなことがありました。
それは自身がデザインするバッグをアクセサリーの新作発表会でのこと。昨年、夫をがんで亡くしたディオンさんに対して、記者から新恋人の存在について問われると、ディオンさんは信じられないという表情をしながらも「わたしのこと、デートに誘ってるの?」と切り返しました。

【日刊スポーツ:セリーヌ・ディオン 記者の質問に神対応、拍手喝采】

「神対応」というよりも、その場の空気が悪くならないように記者に自身の質問の恥ずかしさを知らしめるウィットに富んだ対応だと思います。

「ウィット=機知」とはその場に応じてとっさに働く鋭い知恵のことを言います。
感情に身を任せては「機知」をうまく使いこなせません。
若輩者にはない知識と経験が年配者の大きな魅力。それによって生み出される「機知」を感情に身を任せすぎることで上手に使いこなせない年配者のニュースが多いことに悲しくなってしまいます。

スタッフ・坂本
(2017/8/31 UPDATE)
番組スタッフ
「ベイビーハラスメント」という見慣れない言葉がネット上を騒がせています。
きっかけとなったのは、こちらのブログ記事。

生後数ヶ月の赤ちゃんを連れ回す親たちに想うことと、“ベイビーハラスメント”について(個人ブログ『さようなら、憂鬱な木曜日』2017/8/26)

「ベイビーハラスメント」とは、親が泣き喚く赤ちゃんを放ったらかしにして、周りに鳴き声をまき散らすこと。
この記事を書いた宮田レイシープさんはこう主張します。
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生後数か月の赤ちゃんは、どうしたって泣きます。(略)しかし、それが、公共の場で泣かれた場合、どうでしょうか。(略)はっきり言って、私は、移動時間にゆっくりしたいのに、赤ちゃんが泣き喚かれたら迷惑です。
(略)でも、これって、なんか指摘しづらい空気ありますよね。
(略)その場合は、こちらが指摘しなくとも、赤ちゃんを抱く母親なり父親の方が、気を効かせて席を外すなど、すればいいわけです。
そういうことをせずに、泣き喚く赤ちゃんを放ったらかしにして、周りに鳴き声をまき散らすのは、もはや「ベイビーハラスメント」と呼んでいいのではないでしょうか。
私は、悪質な場合はハラスメント(嫌がらせ)に近いと感じることがあります。
*****

これに対し、ネット上の多くの人が「赤ちゃんは泣くもの」「こういう正論が親を委縮させる」などと反発。
一方で、擁護する声も少なからずあり、たとえば、こちらのブログ記事。
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「赤ちゃんは泣いて当然」とでもいわんばかりに横柄に行動する親に対して批判的な意見を持つことがそんなにいけないことなのかな。
(略)
親には親なりの苦労とか楽しみもあるし、公共のいろんな場所で迷惑を掛けているところもある、でも公共の場を利用する人もちょっとそんな所で配慮を受け止めてあげるだけのゆとりみたいなものもあって欲しい。
<「あれこれやそれこれ」2017/8/29>
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というのが、この騒動のこれまでの経緯。

こちらの騒動について、幼い子を持つ親として思うのが、結局は親側の態度次第なのではないかということです。

赤ちゃんが泣くのは仕方がないというのは多くの人の共通理解であり、“よっぽどのこと”がない限り、「うるさい」と言い放つ人はいません。
この“よっぽどのこと”が、親側の態度なのです。

長いこと論争が続いているベビーカーの問題も根っこは同じ。
ベビーカーを利用するのは仕方がないというのは多くの人の共通理解なのですが、それを親側がさも当然かのような態度で電車に乗り込むことが周囲を刺激してしまうのです。

少し話は横に逸れますが、この騒動によって、先日、妻と子の3人で行ったショッピングモールでイライラする出来事があったことを思い出しました。
イライラしたのは、ある子連れ客のフードコートにおける席取りのマナー違反。

土日のショッピングモールのフードコートでは熾烈な座席取り競争が繰り広げられるのですが、その競争を避けるため、わたしはいつも昼どきを避け、11時ごろに昼食をとるようにしていました。

ところが先日は11時の段階で、机の上に日傘を置き、席をキープする行為が複数、見受けられたのです。
数分のキープであれば、仕方がない。そのようにイライラを鎮めていたのですが、いくら待っても日傘の持ち主は現れず、結局、現れたのは1時間後の12時。最も混み合う時間帯です。
11時から12時までの間、日傘が置いてなかったら、おそらく2組はその席を利用できたでしょう。
自己中心的な態度に、わたしのイライラはしばらくおさまりませんでした。

こうした親側の態度がまわりまわって、赤ちゃんの泣き声やベビーカーに対する嫌悪感につながっているような気がします。

(スタッフH)
(2017/8/29 UPDATE)
番組スタッフ
8月28日(月)佐々木俊尚 ●相次ぐTSUTAYAの閉店が意味すること

ここ数か月で相次いでいるTSUTAYAの閉店が意味することとは?

8月29日(火)速水健朗 ●財政再建中の夕張市は日本の未来を暗示しているのか?

財政破綻した夕張の姿から日本のどのような未来が見えてくるのか、考えます。

8月30日(水)ちきりん ●内容未定

内容が決まり次第、お知らせします。

8月31日(木)小田嶋隆 ●人種差別問題で過熱するインターネット上のジレンマ

ネットの倫理がより細かく問われるようになっている時代、アメリカで起きている現状とは?
(2017/8/28 UPDATE)
番組スタッフ
マクドナルドは8月4日から20日まで実施した「マックなのか?マクドなのか?おいしさ対決!」の結果を発表しました。結果は関西圏で主に使われる「マクド」の勝利。
「マクド」勢の勝利を受け、公式ホームページのサラ・カサノバ社長のメッセージが関西弁化。厳密には「大阪弁」で、方言の有識者が監修して作成したと言います。

【withnews:マック社長、突然関西弁に「マクドは…」 あの勝負が引き金だった】

今回のマクドナルドのような標準語として存在する言葉の集合体を関西弁に訳すというネタはこれまで幾度となく繰り返されてきました。
2年前、漫画「進撃の巨人」1巻の関西弁バージョンが期間限定で無料公開されました。
作画はそのままに、セリフ部分を改変。人類対巨人の攻防が主たるテーマですが、人類は「関西人」に、巨人が「でっかいおっさん」に変更されていました。

【ITmedia:関西弁版『進撃の巨人』が無料配信中――でっかいおっさん(巨人)を食い倒れたる!】

関西弁化ネタとしては非常に秀逸ですが、細かく読んでみるとゲシュタルト崩壊を起こすのか、作中に登場する関西弁に対して違和感を覚えないでもない。

京都に住んでいたことしかないので大阪弁に対する肌感覚があまりないからかもしれませんが、例のマクドナルドのHPを読んでみて思ったのは、「活字にした時の大阪弁の違和感」。

誰かの校閲が入るような文章では、方言の活字化にはどうしても違和感が生じてしまうような気がします。
SNSで同じ地方出身者が方言でやりとりしているのを見ると、不自然さは皆無。
テレビドラマ、映画で俳優が方言を話していると、(その方言の地方出身者でない限り)どんなに巧みな方言指導であっても、どんなに俳優の演技が卓越していても不自然さが拭い去れないという感覚と似ているのでしょうか。

間に「標準語」を挟むから違和感が生じてしまうのでしょうか。
頭の中にある程度の標準語版が想定としてあって、知らず知らずのうちに標準語から方言への変換を行なっており、その一瞬の作業工程が「不自然さ」「違和感」を生む…、と勝手に仮定してみますが本当のところはどうなのでしょう。

私は関西弁化ネタをそれなりに受け入れられる方ですが、私の知人は今回のマクドナルドの件で次のように怒りを示していました。

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なんか、関西をバカにされてる?
「結果はマクドの下克上でした」っていうのも、なんかカチンとくる。下剋上ってなんだ!
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私は想像すらしていませんでしたが、生まれも育ちも大阪である知人数人は「マクドナルド」のことを「マクド」と省略する行為が「マック」勢からバカにされていると感じていたのです。「マクド」と「マック」の対決というそもそもの企画を見ると、そう考えられなくないのかもしれません。

大阪の知人はこう言います。
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ようするに関西人ならテキトーなネタにしても問題ないという事ではないだろうか?
神戸・大阪・京都とあるなか、「関西」っていうことばでひとくくりにはできないのに、
ステレオタイプみたいに大阪のおばちゃんを担ぎ出している。
なんか、関西を適当にあしらっている気がして、見かけるたびにすごく苦々しい思いをしている。
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確かに東京にいるとテレビ等で「ステレオタイプの大阪」をよく見かけます。
ヒョウ柄のおばちゃん、新世界をうろつく酔っ払い、ボケとツッコミ…。
知人らはステレオタイプの大阪が嫌いな大阪人だったのです。乱暴にひとくくりにされて揶揄されて、それは辛かったことでしょう。
「関西弁化ネタ」は今後も繰り返されるでしょうが、もしかしたら、私の知人たちのように「ステレオタイプの大阪」を押し付けられ、乱暴に「関西」でまとめられることに憤る声が大きくなっていくのかもしれません。

スタッフ・坂本
(2017/8/24 UPDATE)
番組スタッフ
ミニマリストな生活が有名な「アフロ記者」、稲垣えみ子さんの『AERA』のインタビューがネットに転載されたのをきっかけに、稲垣さん批判が巻き起こっています。

稲垣えみ子「『図書館で借りて読みました!』、私の本を読んでいただいたのはありがたいのだが……」(「AERA」2017/8/14・21)

批判されているインタビューの冒頭がこちらで、要は、講演に行ったとき、担当者が持っていた自分の著書が買ったものではなく、図書館で借りたものだったことに“傷ついた”のだそう。
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先日、とある行政機関に呼ばれて大勢の方の前でお話をする機会に恵まれたのですが、現地へ行き、担当の方と顔を合わせ、よろしくお願いしますと頭を下げたら付箋のいっぱいついた私の本を持っておられたのでお礼を言おうと思ってよくよく見ると、なんと図書館で借りた本!
こんなことは初めてで、予期せぬ光景に私、思いもよらぬほど動揺してしまいました。
顔を殴られたような感じがしたのです。
必死に気持ちを立て直してなんとか元気にお話をして帰ってきましたが、どうにも心は沈んだまま。そう、私は傷ついていたのです。
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そのうえで、「あなたが懸命に作ったものを当然のようにタダで持っていく人がいたらどう思いますか」と問いかけているのですが、これに批判が集中しています。
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それが何であれ、仕事には相応の苦労が伴います。そして、それに敬意を表してお金を払ってくれる人がいて初めてその人は仕事を続けることができる。
あなたが懸命に作ったものを当然のようにタダで持っていく人がいたらどう思いますか。
自分にはそんなにも価値がないのかと傷つきませんか。
いや借りたっていいんです。読んでいただいたことに感謝いたします。しかしやはり……。
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なぜ、批判が集中しているのかというと、稲垣さんが自宅に掃除機も冷蔵庫も、洗濯機や電子レンジ、エアコンも炊飯器もない、ミニマリストな生活を実践しているから。
不要なモノは極力買わない生活を実践している稲垣さんが直接は言っていないものの、「自分の著書は図書館で借りずに買ってくれ」と暗に示したこと、つまり、「お前が言うな感」が多くの人の反感を買っているわけです。

そして、この稲垣さんの発言をきっかけにネットでされているのが、図書館をめぐる議論。
たとえば、映画史・時代劇研究家の春日太一さんはツイッターで「図書館をただの『無料書店』としか思っていないユーザーが少なからずいることが大きな問題」と指摘しています。
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図書館で大きな問題は「書店で簡単に手に入る本でもタダで読みたいユーザー」からの多数のリクエストを聞いてしまうため、本来図書館に置かれるべき専門書や郷土史本の枠が圧迫されること。それにより専門系出版社も読者を奪われる大手も損失となり、図書館も恨まれる。
ですので、図書館をただの「無料書店」としか思っていないユーザーが少なからずいることが大きな問題といえますし、とにかく利用者増加ばかり狙ってそうしたユーザーへの配慮を強いる一部の行政も大きな問題といえるでしょう。
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一方で、図書館が果たしている役割をツイッターに書き込む人もいて、それが10年ほど図書館員をやっているというツイッターユーザーのネガだいこんさん。
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いろんな人に届いて欲しいので折に触れて言い続けていますが、10年くらい図書館員やっているなかで一番嬉しいお客さんの反応が、「今回借りた本、買おうか迷ってたけど、やっぱり手元に置きたいんで後で自分で買うことに決めました」なのはずっと変わんないですね。
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このツイートは3600件以上リツイートされています。

わたしは、今でも定期的に図書館を利用しているのですが、それは新着図書の棚を見るため。
この棚をチェックしていると、ごくたまに、書店では決して平積みにされないけれども読むに値する本と出会えるのです。
自分で読む本を選ぶとすると、どうしても好みが偏り、同じジャンルの本ばかりを選びがちなのですが、図書館はこうした偏りを上手く調整し、ときにセレンディピティを起こしてくれているような気がします。

(スタッフH)
(2017/8/22 UPDATE)
番組スタッフ
8月21日(月)佐々木俊尚●止まらない人口減少。日本人が絶滅危惧種になる日
人口減少が止まらず、日本人が絶滅危惧種になるという不吉な未来を防ぐために、
いまやるべき対策とは?

8月22日(火)古谷経衡●2035年、日本人の半分が独身に。「超ソロ社会」の到来
国立社会保障・人口問題研究所によると、2035年には生涯未婚率は男性30%、女性20%と推計。国民の半分が独身になると、日本人はどう生きればいいのか。

8月23日(水)飯田泰之●『空母いぶき』にみる日中衝突の現実味
尖閣諸島の領有問題を描いた注目のマンガ『空母いぶき』(かわぐちかいじ/小学館ビッグコミック連載)から読み解ける、日中衝突の現実味とは?

8月24日(木)小田嶋隆●プライバシーの終焉と「私」の居場所
富裕層の贅沢品になると予測される「プライバシー」。「プライバシー」の概念が消える可能性とは?
(2017/8/21 UPDATE)
番組スタッフ
昨今、批判の的に晒されるPR動画やCM。「炎上」という言葉を当てるには過小な出来事がその名で呼ばれているような気がしますが、PR動画への批判もそんな「炎上」の一つ。

今週、牛乳石鹸のPR動画に批判が集まりました。

『牛乳石鹸 WEBムービー「与えるもの」篇』と題された動画で、妻と息子を持つ男性が主役(俳優の新井浩史さん)。息子の誕生日に妻から頼まれた息子のためのケーキとプレゼントを妻からの指示で買いに行く主人公。
無事、ケーキとプレゼントを購入しますが、仕事でミスをした後輩を飲みに連れて行ってしまいます。
帰宅後、主人公を待っているのは妻からの「何で飲んで帰ってくるかな」という呆れ声。主人公は風呂へ行き、何かを断ち、気持ちを切り替えるかのように顔を洗います。入浴後、主人公は妻に謝り、息子の誕生日をあらためてお祝い。

この一言で動画はこんな言葉で終わります。
「さ、洗い流そ。」

この動画が意味不明であるとか、不快になるといった理由で批判されました。

牛乳石鹸は公式YouTubeで、動画を以下のように説明しています。

****************
父と子の絆。
とある男のなんでもない1日の物語。
昔気質で頑固な父親に育てられ、
反面教師にすることで今の幸せを手にした彼。
「家族思いの優しいパパ」。
でも、このままでいいのだろうか。ふとそんな疑問を抱く。
それでも、お風呂に入り、リセットし、自分を肯定して、
また明日へ向かっていく。
がんばるお父さんたちを応援するムービーです。
****************

そもそもこの動画が公開されたのは6月15日。父の日に合わせたものでした。
2ヶ月を経てなぜ今、話題になったのかはわかりませんが、私はこの動画を見たとき、確かに「少し難解だな」と思いましたが、牛乳石鹸の不買運動に参加したくなるほど酷いものだとは思いません。
境遇が違うから、主人公の気持ちも理解できない。ただ、ママがワンオペ育児で頑張ってきたんだろうなということは想像できました。

お父さんを演じる、死んだ目俳優の異名をとる新井浩史さんは騒動を受けて、こうツイートしています。
「うちの事は嫌いでも、牛乳石鹸は嫌いにならないでください」

昨今、PR動画が多く非難されますが、何やらこういった騒動は「リトマス試験紙」的な役割を担っているようにも思えてきます。
その「騒動」の”肝”を読み取れないと、現代人として失格とは言わないまでも、マイナスポイントとなってしまうような無言のプレッシャーすら感じる。
これが同調圧力というヤツなのでしょう。

もちろん中には性差別を匂わせたがため批判された動画もあるので、この辺りは現代の国際感覚(おかしな言葉ですが)としては有しておきべき批判の目なのかもしれません。
しかし、中にはどこが批判されうるのか、わからないものもある。
「炎上」に反応できるかどうかで自分が「真人間」かどうかが試されている…、そんな圧力。その「真人間」が良いものなのか、悪いものなのかはわかりませんが。

スタッフ坂本
(2017/8/17 UPDATE)
番組スタッフ
高校野球と言えば、根性論がつきものであり、未だに根性論を支持する人が一定数、存在するのを感じます。
たとえば、こちらの記事、

手首を骨折していても本塁打 前橋育英、信頼応えた4番(「朝日新聞デジタル」2017/8/9)

この記事では、左手首の骨が折れた状態で試合に出場し、ホームランを打つなど、チームの勝利に貢献した「4番サード」の選手を美談っぽく取り上げています。
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前日、群馬大会の決勝以来、約2週間ぶりに打撃練習した。「緩い球で、軽く当てる程度」で約10スイング。痛みが全く消えていなくて、びっくりした。
それでも、試合になれば「4番サード」に名前がある。5月の関東大会で死球を受けてから、ほとんど練習できていないのはみんな分かっている。
(略)そして、期待以上に応える。(略)一回に先制の左前適時打、三回は中前適時打。七回は左中間席まで白球を運び、「いっちゃったなあって思いました」。
(略)監督が「男気がある。昔のガキ大将みたい」とほれ込む主将。
<「朝日新聞デジタル」2017/8/9>
*****

もうひとつ、今、ネットを騒がせているのが、下関国際高校(山口県)の野球部の監督による、根性論丸出しの野球論。
この野球部は、部員の集団万引が発覚、山口大会の抽選会直前で出場停止処分になるなど荒れ放題だったところに、この監督は2005年に就任。
野球部を立て直し、今大会が創部52年で春夏通じて初の甲子園出場となったようです。

監督が頑張って、野球部を甲子園に導いた。
これはひとつの功績ではありますが、野球論に同意できる部分がまったくないのです。

たとえば、部員たちに練習をやらせる姿勢。
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半強制です。自主的にやるまで待っていたら3年間終わっちゃう。練習が終わって学校を出るのは21時くらい。本当に遅いときは23時くらいまでやることもあります。
毎日ではないけど、長期休みの時期とか。遠征に行っても、大広間で生徒はみんな同じ空間にいるけど、やっていることはバラバラ。
練習でもそうです。今の子は連帯感が希薄なんですよね。少しでもそういうのを大事にしていかないと、うちのような弱いチームは他に勝てない。進学校さんはそういうやり方が嫌いだと思いますけど。
<「日刊ゲンダイ」2017/8/12>
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対戦相手である、香川県の県立「三本松高校」に対する持論も、ただの言いがかりレベル。
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三本松さんの選手、甲子園(球場)でカキ氷食ってましたよ。うちは許さんぞと(笑い)。
僕らは水です。炭酸もダメ。飲んでいいのは水、牛乳、果汁100%ジュース、スポーツドリンクだけ。買い食いもダメ。
携帯は入部するときに解約。3日で慣れますよ。公衆電話か手紙でいいんです
<「日刊ゲンダイ」2017/8/12>
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ここまでこき下ろした三本松高校との試合は今月13日に行われ、結果はなんと三本松高校の勝利。
スコアは4対9で、三本松高校にとっては甲子園初勝利でした。

しょうもない根性論を打ち砕いた、歴史的な勝利と言えるでしょう。
根性論を感じさせないチームが勝利するというのは、三本松高校以外でも見られ、それが9日に行われた試合で茨城県の土浦日大に勝利した、長野県の松商学園。

実は、松商ナインは、甲子園優勝以外にも今大会の目標があり、それが「ポケモンGO」で100種類以上、存在するポケモンをゲットすること。
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ある選手は「ポケモンが長野のような田舎だと都会よりも少なかったけど、宿舎のある大阪だと新しいポケモンがじゃんじゃん見つかるのでうれしい。一試合でも長く勝ち残って大阪にいたいんです」と明かす。
練習後の自由時間に宿舎を出て、ポケモンを探しに歩き回ったり、中には電車に乗って遠出までしてポケモンをゲットする猛者までいるそうだ。
<「東スポWeb」2017/8/10>
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今から20年ほど前、私が学生時代、部活と言えば、根性論が当たり前とされていました。
体力の限界まで走る、練習中に水は飲まない…。
でも結局のところ、こうしたやり方は忍耐力を鍛えるだけで、スポーツの上達には結びつくことはありませんでした。
それからおよそ20年が経ち、根性論を否定する論調が強まりつつある中、目に飛び込んできた2つのニュース。
根性論を感じさせない2つの高校の勝利は、しぶとく残る根性論の終焉を感じさせるものでした。

(スタッフH)
(2017/8/15 UPDATE)
番組スタッフ
8月14日(月)佐々木俊尚 ●遺伝子組換えの先を行く、ゲノム編集作物とは?

人類増加を支える切り札として期待されるゲノム編集とは何か、その安全性と実用化への課題とは?

8月15日(火)速水健朗 ●広まる体内へのチップ埋め込み、トランスヒューマニズムは定着するか?

アメリカ、ヨーロッパで広まる体内チップ埋め込み、その可能性を探ります。

8月16日(水)ちきりん ●「デジタルシャーマン」という新たな弔いのかたち

ロボットに姿を変えた死者と会うことができ、会話もできるという「デジタルシャーマン」によって、日本人の弔いのかたちは変わるのか?
お盆の時期、新たな弔いの可能性を探ります。

8月17日(木)小田嶋隆 ●プライバシーの終焉と「私」の居場所

富裕層の贅沢品になると予測される「プライバシー」。
「個」に重きを置かない世代が社会の中核に位置付けられるようになる近い将来、「プライバシー」は概念すら消えてしまうのか、考えます。
(2017/8/14 UPDATE)
番組スタッフ
フジテレビの情報番組「とくダネ!」にレギュラー出演していた菊川怜さんが9月いっぱいで同番組を卒業すると発表しました。
「とくダネ!」はたまにしか見ないのですが、見たときは必ず菊川さんとアナウンサーの梅津弥英子さんとの仲の悪さが画面から伝わってきて、それはそれで見応えがありました。

「とくダネ!」といえば、スタッフのツイッター公式アカウントが8日、台風5号による増水の動画を投稿したユーザーに対して、返答がない場合でも動画を使用する旨のリプライしたことが話題になりました。

「周辺住民の方々への注意喚起および台風の被害を伝えるニュースの重要性に鑑みて、非常に公共性の高い映像であると認識しております」
「午前7時30分までにご連絡を取らせていただけないでしょうか?また、午前8時の放送までにご返答がない場合、上記の理由により使用させていただきたく存じます」

…という内容で、使用を願う立場でありながら勝手に期限を設けて放送するとは何事か、とのニュアンスで批判されました。
「とくダネ!」以外にも様々なテレビ局、番組アカウントがこのユーザーに動画の使用許諾を取るべくコンタクトを取っていますが、さすがに「返答がない場合は使用させていただく」というものはありませんでした。

「公共性の高い映像」という理由で、動画を許諾なしに放送することはできるのか。

弁護士ドットコムによると、著作権者に無断で使用することはできず、返答がなければ勝手に使うと一方的な主張は、法令上特別の規定がない限り、何らの意味もないのだそうですが、著作権法41条が『時事の事件の報道のための利用』を認めていますので、今回の動画の利用が、同条によって認められる可能性はあるといいます。

【とくダネ!がSNSの台風動画「返答なくても使用」、弁護士「違法とまではいえない」 - 弁護士ドットコム】

法律的に見てもセーフなのに、大きく批判されてしまうのはスタッフの横柄、傲慢とも取れる態度、マナー的に問題があるからでしょう。

「とくダネ!」を擁護するつもりはないですが、叩きたい相手がヘマをしたから大いに叩いてやろうではないか、という「ネットの空気」を感じました。
ワイドショー、情報番組というのは可哀想なくらいに煙たがられていますが、本来なら違法であって欲しいものの合法ならば「マナー違反」と言う大義を掲げて徹底的に攻撃してやろうという、気概すら伺えます。

昨今、様々な場で散見される「叩けるものは叩けるだけ叩く」という勢い。これを生み出すもう一つの原因が「イメージ」という概念でしょう。
SNS等で色々と可視化されるからか、ネットで拡散された情報は共感を得たものだけ目につきやすいという仕組みになっているからか「イメージ」というものが肥大化し、時には独り歩きする。よく知りもしないのに、当事者でもないのに「イメージ」だけで物事を判断してしまう。

ワイドショーはゲスいというイメージ。
ベッキーは清純でなければならないというイメージ。
そもそものイメージがネガティブなら、それ通りのネガティブなことをしてしまえば批判される。ポジティブなイメージならばそれを裏切ると、恐ろしいまでの顰蹙を買う。
総理が「印象操作」という言葉を再三、口にしていましたが、日本全体が「印象」「イメージ」に操作されているようにも思われます。

スタッフ・坂本
(2017/8/10 UPDATE)
番組スタッフ
ネット上で先週あたりから中学校の給食をめぐる議論をよく目にします。
議論の中心となっているのは、横浜市の中学校に給食がない件。

昼食15分で食べられますか?(「NHK NEWSWEB」2017/8/2)

ネットで話題になるまでは全く知らなかったのですが、横浜市は、実は中学校の学校給食実施率が0パーセント。
横浜市立中学校の昼食は、家庭の弁当を基本としていて、給食を提供していないのです。

給食を提供しない理由は明らかにされていませんが、多額の予算が必要になることが背景にあるとみられています。
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横浜市は、「家庭弁当には良い面があり、家庭からの要望も多い」などとして、今も完全給食の実施には否定的な立場を崩していない。
全国最大となる373万(2016年6月1日現在)の人口を抱える巨大自治体だけに、中学校給食の実施には多額の予算が必要となることが背景にあるとみられる。
<「AERA dot.」2016/6/23>
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この給食がない件は、先月30日の横浜市長選でも争点となったのですが、給食の導入を訴えた新人2人は敗れ、当選したのは予約制の配達弁当「ハマ弁」を推進する現職の林文子氏。
ところが、この「ハマ弁」の利用率はわずか1.15にとどまっています。

給食がなく、家庭の弁当が基本で、予約制の配達弁当もあるが、利用率は低い。
こうした事態を受け、2年前に横浜市の市立中学校を卒業した、はるかぜちゃんこと春名風花さんは以下のようにツイート。
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ぼくも、給食より親のお弁当が好きです。でも中学生にもなって毎日親に負担をかけるのが嫌で、中学に入った時に自分でお弁当づくりを初めました。
でも親に作ってもらってる子とそうでない子を「愛情弁当」って言葉で区別されたり、お弁当に格差が生まれるくらいなら、みんなで給食を食べたかったです。
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また、春名さんのツイートを受け、保育園で給食調理をしている管理栄養士だというTwitterユーザー(保育園給食のお兄さん@nut_brobro)は以下のようにツイートしています。
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はるかぜちゃんが横浜市のハマ弁当or給食問題で言及しているが、リプライしている人の中に「母親の愛情=お弁当」という方程式があり、頭の中のユートピアに“社会”を飼っているんだなぁという感想。(後略)
「じゃあ我々の作る給食にお母さん以上の愛情はないのか」って頭来る話だし、その辺をどう反論されようも“愛情”というものを計る尺度すらない訳だから、論じようが本来ならない。(後略)
*****

これらのツイートから見えてくるのは、弁当がないことによって生じている“弁当格差”と、「弁当=親の愛情」という固定観念。
本来、当たり前のはずの給食を導入しないことによって、余計な劣等感を生み出してしまっているのです。

家庭弁当のよさを強調し、給食を導入しない横浜市。
その一方で、長いこと中学校で給食を提供してこなかった川崎市は、今年度から給食を実施することになりました。
先行して給食を導入した4校が対象のアンケートでは、生徒の78%、保護者の97%が給食の導入を高く評価しているといいます。
横浜市も川崎市にならい、一刻も早い給食の導入を決めることを願ってやみません。

(スタッフH)
(2017/8/8 UPDATE)
番組スタッフ
8月7日(月)佐々木俊尚●「若者離れ」もしていないし、「おっさんの楽園』でもなかったFacebook
若者がFacebookを離れているという声がしばしば聞かれますが、統計を見ると意外な結果が…。
ストラテジストの永江一石さんにお話を伺います。

8月8日(火)古谷経衡●炎上事案の周辺を生きる「くすぶりっ子」の生態
ネットの炎上案件に見られる「くすぶりっ子」、その整体とは?

8月9日(水)飯田泰之●混沌のホワイトハウス人事、その行く末
人事を巡るホワイトハウスの混沌、その行く末は?トランプはカオスをどう収めるのか?

8月10日(木)小田嶋隆●「世代」で読み解く 音楽フェス定着の理由
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(2017/8/7 UPDATE)
番組スタッフ
数日前から安倍改造内閣の顔ぶれが明らかになっておりましたが、閣僚経験のある小野寺五典氏、林芳正氏の名前も早々に上がっていました。
昨日、ある仕事現場で50代前後の男性が、再入閣を果たした両名がどれほどの人間なのかを若い女性に懇々と説いておりました。
林芳正氏は地元が安倍総理と同じ山口で、そこでは安倍一族を上回る有力者だそうで、そんな林芳正氏が入閣する意味は云々…
小野寺五典氏の実家は老舗旅館で泊まったことがあって云々…

その若い女性も行儀よく聞いており、素晴らしいなと思わされた次第でありますが、今に限ったことではなく、自分より目下の者、特に若い女性にやたらと教えたがるおっさんはどこにでもいるのでしょう。

「マンスプレイニング」という言葉があります。

『マンスプレイニングとは、男性が偉そうに女性を見下しながら何かを解説・助言すること。man(男)とexplain(説明する)という言葉をかけ合わせた言葉だ』

【女性に男性が偉そうに解説する「マンスプレイニング」を、1枚の漫画が的確に表現している】


年は取るものです。おっさんになることは素直に受け入れております。
いつまでも若々しくオシャレで、ダンディで、モテて…という年の取り方をしたいという憧れも別になく、ただ「マンスプレイニング」を乱発する「教えたがりおっさん」には絶対になりたくないと強く願っています。
フェミニズムに興味はないけど、おっさんがやたら女子に教えたがるのは同性ながら醜悪極まりない。

先日、これまた罰の50前後の男性が若い女性に向かって「■■の話になったらバカのフリして『どういうことですか』って●●さん(おそらく偉い人)に聞いて見て。●●さん、喜んで語り出すはずだから!」と言い放つ瞬間を目撃しました。

若い女性はおっさんより多くの知識を持っていては、おっさんの機嫌を損ねる…そう考えられているのかもしれません。
「可愛げない」という言葉は若年者に向かって使われますが、この「可愛げ」とは無垢で従順という意味なような気がします。おっさんの個人的欲求を満たすために不条理な「可愛げ」を求められる女子たちに同情を禁じ得ません。

こちらが知りたい情報を穏やかに理路整然と与えてくれるおっさんは若い女性の知的好奇心をくすぐることでしょう。しかし、マンスプレイニングという言葉が生まれるように、そのようなイケてるおっさんは希少種。
なぜ、一部のおっさんはここまで教えたがるのか。
ググったら大体の答えが出るこのご時世。若い女性だってすぐに知ることができますし、知ろうとすることができるので、おっさんの教えたがる欲求が正しく昇華される場所はないと言って良いのではないでしょうか。
もはや教えることで自身の優位性を保ちたいという欲望はこの際、捨て去れば良いのです。

先日、20代の女子が映画「シャイニング」のことをずっと「サンシャイン」と言っていたのですが、教えたがりおっさんになるのを恐怖と捉えている私は訂正しないでおきました。「シャイニング」ほど有名な作品ならそのうち自分で誤りに気づくでしょうし、いつか誰かが教えてくれるでしょうから…。
どうせ教えたがりおっさんと化すならググってもわからない問いの答えを教えて上げると良いのではないでしょうか。

スタッフ・坂本
(2017/8/3 UPDATE)
番組スタッフ
神奈川県・相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で、入所者19人が殺害され、26人が負傷した事件から1年が経ちました。
1年が経つのを前にマスコミ各社は植松聖被告から送られてきた手紙を公開。
手紙には事件当時と変わらない、障害者への憎悪の感情が綴られていました。

「私は意思疎通がとれない人間を安楽死させるべきだと考えております」
「人の心を失っている人間を私は心失者と呼びます。心失者は人の幸せを奪い、不幸をばら撒く存在です」

こうした憎悪の感情に感化され、事件後、ネット上では障害者をおとしめるような発言が相次いでいます。
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ネット上では被告の「障がい者は生きていても仕方がない」などの言葉に共感を示し、障がい者をおとしめるような発言が相次いでいる。
<「琉球新報」2017/8/1>
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こうした風潮を障害者の家族も感じ取っており、共同通信が全国の知的障害者の家族を対象に実施したアンケートでは7割近くが事件後、「障害者を取り巻く環境が悪化したと感じた経験がある」と回答。
「インターネットなど匿名の世界で中傷が相次いだ」との回答が31%で最多でした。

今月26日に放送されたNHKの情報番組『ハートネットTV』では、相模原殺傷事件に関する意見を募集したところ、障害者に対して以下のような辛辣な意見が寄せられたのだといいます。
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「障がい者は私たちプロの社会人戦士から見たら、目障りかつ邪魔以外なにものでもありません。お願いですから障がい者はこの世から全て消えてください」
「正直、今の日本に障がい者を保護する余裕はありません。普通の人でも生きるのが精いっぱいなのに、生産性のない障がい者を守ることはできません」
<「J-CASTニュース」2017/7/31>
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障害者に対する憎悪の感情が増幅する一方で、障害者を優しく諭す38年前のテレビドラマのせりふも静かな共感を呼んでいます。

共感を呼んでいるのは、山田太一さんが脚本を手掛けた『男たちの旅路』シリーズの『車輪の一歩』に登場するせりふ。
どう生きるべきか悩む車いすの青年に対し、主役のガードマンを演じる鶴田浩二さんはこう諭します。
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『人に迷惑をかけるな』という社会が一番疑わないルールが君たちを縛っている。君たちは、普通の人が守っているルールは、自分たちも守るというかもしれない。しかし、私はそうじゃないと思う。
君たちが、街へ出て、電車に乗ったり、階段を上がったり、映画館へ入ったり、そんなことを自由に出来ないルールはおかしいんだ。いちいち後ろめたい気持ちになったりするのはおかしい。
私はむしろ堂々と、胸を張って、迷惑をかける決心をすべきだと思った。
<「NHK NEWSWEB」2017/7/26>
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「人に迷惑をかけてもいい」という主旨のこのセリフは、ネットで増幅する憎悪の感情とは相反するものですが、わたしは前者を肯定しつつも、後者を全否定することもできないという立場。
現時点で前者を肯定できているのは身近なところに障害者がいないからで、もし、身近なところに障害者がいたら、後者のような感情を抱く可能性がないとは言い切れないところがあります。

また、わたしはこれまで障害者について、「障害も個性と考えるべき」「障害者を理解すべき」という考えを一貫して持ち続けてきたのですが、最近、この考えに多少のブレが生じ始めています。

ブレが生じ始めたのは、人生のうち、およそ半分を弱視者として過ごし、残り半分を全盲者として過ごしたという倉本智明さんの著書『だれか、ふつうを教えてくれ!』(イースト・プレス)の影響。
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障害を特異な目で見たり、あわれむような視線を向けたりするのはやめましょう、といったことを口で言うのは簡単です。けれど、そのような感覚、感情が一朝一夕にして人びとから消え去るわけはありません。
(中略)障害者であろうが、健常者であろうが、人間を簡単に理解するなんてことは、もともとできっこないことなんですね。ところが、「障害者」についてはひとくくりにされて、あたかもそれが可能であるかのような誤解が、なぜかはびこっています。
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「理解すべき」と押しつけがましく言われると、人は理解したくなくなるもの。
一方、スタート地点を「理解なんてできない」に設定することが反発を弱め、長期的な理解につながるような気がします。

(スタッフH)
(2017/8/1 UPDATE)

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