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番組スタッフ
子が大きくなるにつれ、何となくは理解していた「子育て世代の負担」の重みをひしひしと実感しつつありますが、育児に奮闘するママの神経を逆なでるかのようなこんな調査結果が発表されました。

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 育児の「年収」は約237万円――。明治安田生命保険は13日、子育てに関する意識調査を発表した。0〜6歳の子どもを育てて「賃金」が生じるならいくらだと思うかと質問したところ、こんな結果が出た。(略)
育児の給与を「0円」と回答した割合は女性が3%だったのに対し、男性が11%で差が開いた。小玉祐一チーフエコノミストは「『イクメン』増加の裏で、男性の間に育児労働を軽んじる風潮も根強く残っている可能性がうかがえる」と指摘した。
【日経新聞:育児の「年収」237万円? 明治安田が意識調査】
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やってることは本来の「父親」なのに、それを「イクメン」と言い換える悲しさ。これまでの「父親」という言葉は「育児をする者」という意味を持ち合わせていないからなのか、男女共同参画社会の新たな父親像を象徴する言葉にしたいのか。
子供が生まれて、仕事をいくらか減らして育児に参加する時間を増やしてみて思うのですが、「イクメン」という言葉には薄ら寒さをおぼえます。
ママ友連中は自ら「イクメン」を名乗るパパへの嫌悪感を隠しません。土日にやった程度で何が育児だと。
しかし、「イクメン」になりたくてもその時間を作れないパパがいることも事実で、そうなってくると話は社会システムの問題になってしまうので複雑です。

育児への時間を費やせば費やすほど膨らむ、「イクメン」という言葉に感じる虚しさ。ママはこれまでのこれからも、ママ、母親にもかかわらず、パパ、父親の居場所は育児に関してはあまりない。育児本を手にとってみてもそうです。
そのほとんどがママ中心の視点で書かれており、パパ視点の項目など、「パパでもできる離乳食」や「緊急パパ座談会」などが全体のボリュームの1割ある程度。
育児はママのものであるという暗黙の了解、有史以来の決まりごとは、そもそも持ち合わせたDNAや性機能に由来するのかもしれません。
しかし、旧来型の社会システムの中だからこそ成立した「育児は女性の仕事」という思考法は、現代のママに当てはめられてしまい、ワンオペ育児による疲弊を生んでいるのでしょう。

24時間を育児に費やすママたちとは比べものにならないですが、育児に参加してみて、普通に働いていた方がどれほど楽かと思ったことが何度あったでしょうか。
仕事は時間をかければ、頭を使えば何とかそれなりに思い通りにいくのですが、育児はその逆。
泣き止まない、ミルクを飲まない、寝ない、やっと寝かしつけても起きる。上手くいかないことの連続です。
結婚は修行だと誰かが言っていたような気がしますが、育児は苦行です。
母乳の出る乳房が欲しい、それさえあればもっと上手くいくと思ったことがあるパパは私だけではないでしょう。

1日の仕事には終わりがありますが、ママの場合は24時間、睡眠時間を削って育児をしなければなりません。さらに、目に見える形での対価、報酬は約束されていません。
愛は見返りのない無償なものであるべき、という考えはあまりにも綺麗事過ぎますが、ママと育児を交代してみて思うのは「誰かに褒められないことの苦しさ」。
仕事は誰かしらに褒められることはあります。
祖父母は孫のことばかりが気になって、育児で疲弊するママの気持ちなんて慮ろうともしない。
ママだって褒められたいのです。
育児の対価としてお金が欲しい、というママもいるのかもしれませんが、身を粉にして育児に勤しむ人を最大限に慈しみたいものです。それは別にママでなくても良いのかもしれません。

我が家の場合、育児とは苦行でもあり、時には神々しいものでもあります。色々と考えた末、育児の対価は時給になど換算できない、という結論に落ち着きました。
育児歴数年の私には、誰かに語るような育児論を持ち合わせていませんが、親が持つあらゆるものと見返りを期待せず投資する。親が思うような人間に育たないかもしれませんが、それは別にリスクではない。そが育児ではないか、と思うのです。

スタッフ・坂本
(2017/9/14 UPDATE)

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