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番組スタッフ
風物詩とも言うべき、年末恒例のイベントが続きます。
先日、行われたのは若手漫才の日本一を決める「M―1グランプリ2017」。今年、頂点に立ったのはとろサーモン。11回目の挑戦で掴み取った栄冠でした。

毎度毎度、優勝した芸人の苦労話や優勝を逃した芸人の大会にかける思いなどが取りざたされ、賞レースに人間賛歌のようなものが織り込まれることは必至で、特に今年は泣けるとの声が多かったように感じます。

「お笑い」にカテゴライズされるニュースが出るとき、「誰、これ?」「なんでこんなことをいちいちニュースにするんだ」などとあまり良い反応を聞かない、むしろ興味がない、というような意見ばかりだと感じていましたが、M1が終わると、”お笑い評論家”がまるで夏を待っていた蝉のようにワラワラと登場します。

「どのコンビも遜色なかった」というようなものもあれば、「2本目であのネタ選ぶかね」「ちょっとコント色が強かったかな」というような玄人よりの意見もあります。
中には「とろサーモン、仕事増えるけどトークは大丈夫かな」と優勝者の漫才以外の仕事を心配する声もありました。

優勝したとろサーモンがM―1バブル真っ只中にいることは間違いありませんが、覇者よりも話題になっているのが、審査員を務めた上沼恵美子さんです。

辛口審査が話題になっている上沼恵美子さんです。
決勝の舞台に立ったマヂカルラブリーに対して、上沼さんは「好みじゃない」「何で決勝に上がれたの?」などと酷評。公開処刑の生放送となりました。

文字で見ると、上沼さんがマヂカルラブリーの可能性の芽を摘み取るほど激怒しているように感じるかもしれませんが、実際に観ると、いつも通りの関西の女帝。
私がよく見た関西ローカルの番組では、マヂカルラブリーも驚くほどの罵倒を上沼さんは若手芸人に浴びせていたように記憶しています。
「酷評」であることに間違いはないでしょうが、上沼相談員が「激怒」したかと言われるとそうとも思えない。
しかし、他出演者の表情や反応を見る限り、緊張感漂うその場の空気をさらにピリッとるほどの圧を上沼相談員が放っていたのでしょう。

M―1後は得てして自身のお笑いに対する知識を披露する場になりがちです。
関西ローカルの上沼恵美子さんについて語った私も、全国ネットでは知り得ない上沼恵美子を知っているぞ、というマウンティングを私はしてしまっているわけです。

お笑いはマウンティングが容易にできる趣味です。「昔から知っている」「ライブに足を運んでいる」を出されると、一見さんは持論を強く語ることが困難です。お笑いだけではないでしょう。人間が「趣味」にするあらゆる事象で、新規語るべからずの圧力が蔓延しています。
「好き」だけでは語ってはいけないようで、語るならいっその事、好きという情熱でどこまで知識を仕入れ、それをどのように自身の血肉にしたのか、までにしなければいけないのでしょうか。

しかし、お笑いというエンターテイメントを例に言うと、評価を受け手の「好き」「嫌い」に委ねてしまっているところがあります。M―1がまさにそうです。
漫才の技術の良し悪しに加え、審査員の好き嫌いに大いにかかっていることは、上沼相談員が証明してくれました。

「知っている」と最強のマウンティングを食らわせられるような気がします。
気がするだけで、ただの錯覚です。
知識で持ってしてマウンティングしようとすると、いつか「もっと知っている」人が現れて、恥をかきます。
M―1後に繰り広げられるお笑い議論を見ると、知識とは誰かにひけらかすものではなく、謙虚に己を磨くためにあるものだと知らされます。

スタッフ坂本
(2017/12/7 UPDATE)

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