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番組スタッフ
ダウンロード違法化の阻止を目的に、先月下旬から続いている、国際的なハッカーグループ「アノニマス」による日本へのサイバー攻撃。
これまでに、財務省やJASRACのサイトが相次いで攻撃を受け、サーバーがダウンするなどの被害が報告されています。

サイバー攻撃を続ける一方で、アノニマスは公式ツイッターアカウントなどで、日本人に向けてさまざまなメッセージの発信を開始したのですが、そのメッセージがいちいち面白く、今ネット上の話題をさらっています。

たとえば・・・
アノニマスが攻撃した国土交通省霞ケ浦河川事務所のHPは、アノニマスが「霞が関」と勘違いして攻撃したのでは、という疑惑が流れたときには、つたない日本語で以下のように勘違いを認めるメッセージを発信しています。
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昨日は忙しいだった。でもちょっとミスしました。誤爆ごめんな(笑) やっぱり日本語は難しい。でもみんなは優しい。ミスの説明を言いました。ありがとう。頑張ります。
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アノニマスが行っている作戦「オペレーション・ジャパン」の公式ツイッターアカウント(@op_japan)

また、きのうは、ツイッターアカウント@AnonymousIRCに、「原発を再稼動させる政府と電力会社に不満を持っていますか?我々はあなたたちを支援します!」と書き込むなど、大飯原発の再稼働に揺れる日本人を応援するようなメッセージを発信。

そして、極めつけが、日本語の公式HP(http://anonymous-jp.com/120701_opACS.html)の開設と、そこに告知された「お掃除オフ会」のお知らせ。
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ハッカー集団「アノニマス」が7月7日に「第1回オフ会」を開催する。
オフ会と言っても基本的には「清掃活動」だ。参加者はアノニマスの象徴であるガイ・フォークスの仮面を着け、チラシを配りながら、ゴミを拾い、街をきれいにする。
「違法・不法行為」や「公序良俗に反する行為」は一切行わず、アノニマスがサイバーテロを望まず、より建設的な解決方法を望んでいることをアピールする。
もちろん、違法ダウンロード刑罰化法案への抗議の意味も含まれる。
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ねとらぼ 2012年7月2日

アノニマス側のこうしたメッセージに対する、ネット上の主な反応は以下の通り。
「アノニマスになんか親近感が湧く今日この頃。」
「アノニマスって、『自分の考えを何らかの方法で伝える人たち』だと思ってる。良くも悪くも、手段は色々あるからね。 人の命を盾に脅す方法だけは取ってないから、基本的には応援してる。」

ネットの反応と同じく、わたし自身も“妙な親近感”を抱いていることは確かなのですが、それと同時に、日本人に媚び過ぎている態度から“胡散臭さ”も感じてしまっています。

この胡散臭いという感情。
日本経済新聞Web版(2012年6月27日)の以下の記事を読むと、あながち間違っていないようにも思えます。
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アノニマスの攻撃は3段階に分かれているという。

第1段階は、フェイスブック、ツイッターなどのソーシャルネットワークを使って、自分の行動の正当性を訴え、活動への参加を促す「リクルート段階」
だ。スキルのあるハッカーは攻撃対象に対して調査を開始する。その期間は1〜18日間という。

第2段階は、「調査とアプリケーションを使った攻撃段階」で、スキルを持つハッカーが発見されないように注意をしながら目標とするサイトのサーバーに脆弱性がないかを調べ、そのサイトのデータを盗み取る試みを行う。その期間は3日以内だという。

第3段階は、「DoS攻撃の段階」。スキルを持たない素人たちが特定のサイトを攻撃するうえで効果的なツールをダウンロードできる環境を整え、できる限りの多くの個人に広めて、目標とするサイトに対して実際のDoS攻撃を始める。
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これを見ると、今、アノニマスが日本に対して行っている攻撃は第3段階に入っています。
そして、今回、ネットで話題になっているアノニマスが発信しているメッセージは段階の順番は変わっているにしろ、自分の行動の正当性を訴えるという第1段階の状況と一致するように思います。
つまり、アノニマスの発信しているメッセージは今後、攻撃を強めていくための足場づくり。

現在、アノニマスには日本の協力者が数十人いるといわれていますが、そのアノニマスが日本人に媚びるメッセージを発信し続けることは、今後も日本人の協力者を増やし、攻撃をさらに強めていくことを示唆しているのかもしれません。

<web担当:H>
(2012/7/3 UPDATE)
番組スタッフ
消費税増税が決まり、大飯原発もついに再稼働開始。
震災以降の日本は、あいかわらず暗闇の中を歩き続けているようです。
そんななか、興味深い記事を見つけたのでご紹介します。

●なぜか「患者」は大企業のサラリーマンと公務員ばかり「新型うつ」これが真相です
/週刊現代 6月25日号

今、日本中に「新型うつ」という病がはびこっているといいます。
会社に行こうとするとうつ状態になり、
休暇をとれば、元気いっぱいで海外旅行や趣味を満喫する…
そんな「新型うつ」急増の背景には、意外な事実があるようです。

それは、多くの専門医が「新型うつの患者は大企業と公務員に多い」と語っていること。

つまり、療養制度が整っている職場ほど「新型うつ」が多いのだそうです。
療養期間に入っても、数年間は満額近い給与が支給され、
復職しても、再び長期間、休むことができることから、
ほとんど働かずに給料がもらえる例もあるそうです。
なかには、休職と復職を繰り返し、うつ病の診断書をもらいやすい病院の情報を、
同僚に教えてくれる人もいるといいます。

生活保護不正受給の問題もそうですが、こういった社会の受け皿には、
必ずといっていいほど、便乗する人達がいます。
そういった“相乗り”している人が、この「新型うつ」という病には、
少なからずいるんじゃないかと思ってしまいます。


とはいえ、本当に「新型うつ」になってしまった人と、
便乗の人を見分けるのは、とても難しいことも事実です。
そこで、身近な人が「新型うつ」になってしまった場合、どうしたらいいのか?
その対処方法を調べてみました。

●そもそも「新型うつ」の主な傾向は・・・
(1) 自ら「うつ」であることを主張する
(2) 他人を非難し、他人を責める傾向が強い
(3) 職場復帰を極力後回しにする
(4) 薬では治らない

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● 「新型うつ」への対応方法

(1) ただのワガママに見えても、安全を考えて、主治医の指示を尊重する
(2) 彼ら彼女らの思いを汲み取って、本人をよく理解しようと努める
(3) 時には背中を押してあげたり、育てる関わりも必要
(4) 本人が1人で仕事を抱え込みすぎないよう目を配る
(5) 本人の感情を刺激しないよう、伝え方を工夫する
(6) 就労態度については、倫理観ではなく、社内規程に即して対応する

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参考:日本の人事部「職場のメンタルヘルス最前線 増加する“新型うつ病社員”への対処法」
https://jinjibu.jp/article/detl/bizguide/423/1/

以上の対処法は、ビジネスシーンにおいてのもの。
「主治医の意見を尊重」しながら、面倒見よく対応して、
問題が起きた場合は「就労規則に合わせて対応」することが求められているようです。

しかし、この対処法を見る限り、私が思ったのは、
これらの対処をする上司が、 良くも悪くも“ドラマのような理想の上司像”だということ。
つまり、「新型うつ」の人は、
「楽しい仕事ばかりあって、優しくて理想の上司が見守ってくれる職場」という
“無い物ねだり”をしているのではないか、と思うのです。


(ちなみに、規則に則って退職をすすめると、いきなり症状が良くなり、
何の問題もなく治ってしまった例もあるそうですが…)

現実社会が、ドラマのように行かないのは、誰もが知る常識。
「新型うつ」の方々は、他人の些細な言動に、
悩み、苦しみ、感情を揺さぶられやすいようですが、
理想の上司を演じなければならない上司と、それを喜ぶ「新型うつ」の社員なら、
どちらが悩み多き社会生活なのでしょうか。
その境界線は、今のところ“神のみぞ知る”ならぬ、“医師のみぞ知る”のようですが。


担当:梅木
(2012/7/2 UPDATE)
番組スタッフ
今、グーグルで自民党と検索すると、第2検索ワードに「ガンダム」と出てきます。(6月28日16時時点)
その理由は今日、自民党と動画投稿サイト「ニコニコ動画」がコラボする「12時間ぶっ続け まるナマ自民党」が放送され、その中で、自民党の平将明議員と丹羽秀樹議員による「本気で考える自民党ガンダム開発計画」という議論がなされるからです。

今週火曜日、この自民党のガンダム構想のニュースがネットを騒がせました。
消費税増税関連法案が可決された日にです。

自民党広報によると、平議員、丹羽議員ともに熱狂的ガンダムファンだそうですが、
今回のニュースに対して…
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ネットではこのニュースに関して、冷笑と脱力感が広がっている。そもそもガンダムは宇宙戦争で活躍する「兵器」であり、現在の技術や法律では開発するのが絶対に無理で、議題に上ること自体が間違っている。しかも政局が混乱している中、消費税増税法案が衆議院を通り、これからどんな事態になるのか国民が不安になっているのに「ふざけている」というのだ。
【自民党が「ガンダム」開発計画 ネット仰天、「消費税を使うのか?」「ふざけるな!」J-CASTニュース 6月26日】
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そんな批判を恐れてか、とうの本人である平議員はツイッターでこう述べています。

平将明 @TAIRAMASAAKI
始まる前からネットで騒然となっていますが私の一押しは冒頭午前11:30からの自民党蔵出し映像!田中角栄元総理の演説映像など。

実は自民党のガンダム構想は今回に限ったことではありません。
2011年2月にも平議員は自身のツイッターでこうつぶやいています。
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昼から自民党参議院政策審査会(山本一太会長)の勉強会。宇都参議院議員ご紹介の金岡教授より最先端ロボットについて講義いただく。1/1ガンダムを歩かせることは可能か?

ガンダムは象徴であって、目標ではない。人間が搭乗して操縦する人型の大型作業機械。コア技術はすでに存在する。問題は産業化の可能性。本当の目的はGMの量産。人々を納得させるためのプロトタイプとしてのガンダム。

搭乗式人型二足歩行ロボットの実現に向けた取り組みが、自民党のマニフェストに入るかも。石破政調会長には提案済み。党の経済産業部会にかかる。私が部会長なら通ったが、昨年の9月に西村康稔さんにバトンタ
ッチ。
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さらにさかのぼると、自民党政権下だった2007年にも政治の世界で「ガンダム」が話題になりました。
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ネット上で「防衛省がガンダムを開発している」という噂が流れている。11月7日、8日に開かれる「防衛技術シンポジウム2007」展示セッションのプログラムに、「ガンダムの実現に向けて」(先進個人装備システム)と書いてあったためだ。(中略)気になったので、主催している防衛技術研究本部に電話で聞いてみたところ、やはり、ロボットのようなものではないらしい。直接の担当者ではないので詳細までは分からないとのことだが「『GPSなど先進的な機器を装備する個人用の最新の装具のことを、キャッチーに『ガンダムに向けて』と表現したのでは」との回答。防衛省唯一の公式雑誌「MAMOR」でもそういった特集が組まれていた。
【防衛省がガンダム開発中? - ITmedia ニュース】
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今日の放送で一体、どんな議論がなされるのか気になるところではありますが、J-castニュースによると
自民党広報に話を聞いてみたところ、登場する議員の頑張り次第で深い内容まで踏み込むこともありえる、とし「まず何のためにガンダムを作るのか、から始まって、作った場合の法規制などについても話し合う予定です。あくまで政治的見地からの議論となります」
…のだそうです。

私自身、ガンダムは好きですし、“構想”自体は確かに夢のあるお話だと思います。
しかし、今この時期に批判されるとわかっていて、学者ではなく政治家がなぜこのようなことを言うのか
間の悪さというか、危機感のなさというか…。

消費税増税ですら、日本国民にとっては一大事です。
さらに私たちは東日本大震災、福島第一原発事故という課題を抱えています。
ガンダムが日本を復興へと導いてくれるのでしょうか。
ガンダムが原発事故を収束させてくれるのでしょうか。
政治的見地から議論すべき優先課題は他にあるはずです。

政治家とは何なのか。
そんなことを思う毎日が続きます。


スタッフ:坂本
(2012/6/28 UPDATE)
番組スタッフ
タイムラインのリスナーさんの中でペットを飼っているという方は、どれくらいいらっしゃるでしょうか?
私は猫を飼っています。野良猫を拾って飼いはじめて十数年、もう猫のいない暮らしは考えられないほど、日々たくさんの幸せをもらっています。

矢野経済研究所がまとめた「ペットビジネスに関する調査結果2011」によると、2010年度のペット関連産業の市場規模は1兆3,794億円。前年度とほぼ変わらないとはいえ、日本においては巨大産業です。

しかし、気軽に飼いはじめられる分、手放すのも気軽なのか、飼えなくなった人によって捨てられ、保健所に持ち込まれて殺処分されるペットは後を絶ちません。

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マイナビニュース(2012/5/24)
犬猫の殺処分数、前年度比で約2.6万匹減少
http://news.mynavi.jp/news/2012/05/24/059/index.html


(記事より抜粋)
「全国自治体における犬猫の収容・処分数」は平成21年度が犬6万5,956匹、猫17万3,300匹、合計23万9,256匹だったのに対し、平成22年度は犬5万3,473匹、猫16万134匹、合計21万3,607匹となり、2万5,649匹減少した。

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この数字には、飼い主が持ち込んだペットの数だけでなく、所有者不明のまま持ち込まれた犬猫や捕獲された野良犬・野良猫も含まれていますが、いずれもその数は減少。引き取り・殺処分数の半減を目標に掲げる自治体と、次の飼い主を見つける譲渡活動をサポートする民間団体などの取り組みが数字に反映されているということなのでしょうが、それでもまだまだ、一年間で20万匹以上が殺されている現実があります。


* * *


ペットを取り巻くさまざまな環境を取材し発表してきた一人のペット問題ジャーナリストが、ジャーナリズムのテーマ性に限界を感じ、この6月いっぱいで廃業する、と聞きつけた私。「ペット問題ジャーナリスト」「ペットジャーナリズム」という言葉が初耳だったのもさることながら、取材を通して何が見えたのか、どうして辞めることになったのかが知りたくて、お話を伺ってきました。

北海道を拠点に活動している山下浩さんは、地元の月刊誌の記者からフリーのペット問題ジャーナリストに転向しました。そもそもは、月刊誌で取り上げる、まったく別のテーマの調査過程で、保健所に収容された動物の殺され方(二酸化炭素を充満させたガス室にまとめて入れて窒息死させる)を知ったのがきっかけだったと言います。保健所に交渉して借り受けた殺処分の映像をYouTubeにアップし、月刊誌に記事を書いたら、驚くほど反響があり、単発記事の予定が3回の連載になったそうです。


山下さんが撮影した動画「殺処分の現実」はこちらです。
とてもショッキングな映像なので閲覧注意です。

http://m.youtube.com/watch?v=DLV7-AVG_rE

http://m.youtube.com/watch?v=xZYFuFiLZ6g


その後、フリーになって全国を取材。支援者の力を借りながら、2年間の取材で得た情報をネットで公開してきたけれど、もう続けられなくなってしまった、という事情です。

ペット問題を2年間追いかけて、山下さんが出した結論は、「ペットジャーナリズムは成り立たない」というものでした。

=====
捨てられるペットの問題は、多くの国民にとって「自分に関係ないこと」。ペットを飼っている人も、自分のペット以外の、捨てられて殺される動物のことは、できれば知りたくないのです。原発の問題と根本的に違うのは、自分の命や生活に直結しないところ。
ペット業界は構造的な問題を抱えていますが、政治経済のように日々新しいニュースが次々に飛び込んで来るものでも、毎日新しい発見があるものでもありません。
動物愛護というテーマは社会的関心という大きな流れにはならない。圧倒的にマイノリティなのだと思い知りました。

=====

こう語る山下さん。
しかし私は、「ペットジャーナリズム市場」がニッチすぎて仕事として成立しないから辞めるという説明よりも、山下さんがふと漏らした「取材すればするほど動物を取り巻く環境すべてに絶望した」という言葉が引っかかりました。
買うことも捨てることもイージー過ぎる消費者、小さいほうが売れるからと生まれて間もない動物を親から引きはがす業者、劣悪な飼育環境で動物を繁殖させ、売れ残ったら保健所に持ち込むブリーダー、スポンサーや視聴率を気にしてペット業界のネガティブな面を取り上げないマスコミ・・・などは私も耳にしたことがありましたが、「一部の動物愛護団体」にも問題があると、山下さんは言います。

=====
大部分の愛護団体は良心的に活動しています。これはあくまでも、一部の団体の話です。

誰しもが最初は高い志を持って愛護活動を始めます。しかし、寄付を呼びかけると予想外にお金が集まるので、初心をすっかり忘れて、そこで踏み外してしまう。
かわいそうな犬猫の写真をネットにアップすれば、その状態が酷ければ酷いほどお金が振り込まれるので、そこで当初の志をはき違えるようになるんです。こんなにオイシイ活動なのだと分かると、もっと振り込んで欲しいから、そのためにはどうしたらいいかという知恵もついてくる。だから、かわいそうな犬や猫が根絶すると困る。“ほどほど”に存在してくれないと困るわけです。

NHKが取り上げたこともある愛護団体が、認定NPO法人(※1)だったんですが、3年間、再三の警告(※2※3)を無視して国に事業報告を出さなかったために、内閣府から認証を取り消された。NHKが取材するような団体ですら、こうです。
自分たちが保護した犬猫が生きていくために必要な活動資金以上の振り込みがある。旨味を覚えてしまうと、お金の力で人は変わってしまうんです。


※1:(2012/7/9追記:「認証NPO法人」の誤りでした。お詫びして訂正いたします)

※2:(2012/7/9追記:「警告は2回であった」という匿名のお電話をいただきました。内閣府担当部署に確認中です)

※3:(2012/7/11追記:内閣府担当部署より回答あり、「督促」がH21.10とH23.6の2回、「市民への説明要請」がH22.11の1回であったとのことでした)


このような話は、愛護団体の代表者は決してしません。これは愛護団体を辞めた人たちから聞いた話です。

また、自分が取材した愛護団体は、内部的なトラブルも抱えていました。同じ団体でも、動物愛護に対する考え方が一人一人違うんです。「こうあるべき」という思想がそれぞれにたくさんあって、みんな「自分の考えがいちばん正しい」と思っているから、もめ事が絶えない。目指す目標は同じはずなのに、感情が先に立って余計トラブルになる。

さらに、団体同士、横のつながりでネットワークを広げて今の状況を改善しようという動きは、自分が取材した限りはひとつも見られなかった。お互いがライバルなんです。寄付金がよそに行くとイヤだから、他の団体は「同志」ではなく「商売敵」なんですね。そんな構図で愛護団体が健全になるはずがありません。ペットを取り巻く環境をよくしていくには、法整備や何かじゃなくて、まず愛護団体が変わらないと。出発点はそこからなんじゃないかと思います。

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私もたまに物資を送ったりして愛護団体を応援しているので、この話はショックでした。もちろん、みんながみんなこうではないと信じていますが・・・

山下さんのお話を伺って感じたことは、根深いわりに関心を持たれにくいテーマと2年間格闘したけれども、何からどうやって現状を崩していけばよいのか途方に暮れてしまい、耳を傾ける人も少なく、一人の力の小ささを突きつけられた無念さ、のようなものでした。
ペットを買う人、売る人、繁殖させる人、保護する人、処分する人。鶏と卵の関係があって、どれも密接につながっていることだから、たとえまだペット問題ジャーナリストを続けるとしても、状況が変わらないかぎりは同じ気持ちに苛まれるのではないか、そんな気がします。


* * *


最後に、タイムラインを聴いてこのコラムを読む方に向けてのコメントをお願いしたところ、山下さんは「うーん」としばらく考えて、「本当に月並みだけど・・・」と、こんな言葉をくださいました。

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ペットを買う(飼う)なら、一週間考えてください。カワイイからといって衝動的に手に入れて、失敗したからといってゴミ箱に捨てられるものじゃない。動物を飼うということは、お金も手間もかかることです。人間の生活は制約されるし、動物はどんどん大きくなります。工業製品とは違うのですから。
=====


人間に育てられ、餌を与えられることが当然の生活になっており、自然に帰しても自力で生きていくのは困難な愛玩動物。いわば人間のエゴにつきあわせている以上、飼う人には最後まで面倒を見る責任があります。
動物愛好家の一人としては、理想論かもしれませんが、ペットに携わるすべての人々が少しずつでもモラルを高めて、現在の状況を少しずつでも改善していってほしいと願うばかりです。



(水曜タイムラインWeb担当:たけなか)
(2012/6/27 UPDATE)
番組スタッフ
今月4日、世間的には大して話題になっていませんが、わたしの心にはとても引っかかったニュースが報じられました。

それは、「東京・足立区、ゴミ屋敷問題対策で独自条例を制定へ」というニュース。

このニュースの主題でもある「ゴミ屋敷」とはその名の通り、大量の廃棄物をため込んで、近隣住民の迷惑になっている建物のこと。
国土交通省によると、2009年の調査で全国の250市区町村で確認されています。

社会問題化しているゴミ屋敷への対応は、近隣住民から「悪臭がひどく、害虫などが入ってくる」などの苦情が寄せられても、家主から「ゴミではない」と主張されれば行政が介入することは難しく、多くの自治体は対応に頭を悩ませているのが実情。
また、明らかにゴミと思っても、私有地にあたる家や敷地内から第三者が持ち出せば、「財産権の侵害」につながることもあり、解決は困難を極めています。


こうした中、報じられたのが上記のニュース。
ゴミ屋敷問題の解決を目指し、東京都足立区がゴミの撤去勧告や撤去費用の助成を盛り込んだ条例を制定すると発表。9月に議会に提案し、来年1月より施行する見込みだといいます。

全国初というこの条例が成立すれば、区はゴミ屋敷の家主に問題解消を勧告し、それに従わない場合は審議会の判断のもと、ゴミの撤去を命令でき、それでも家主が従わなければ、氏名を公表した上で行政代執行による強制撤去も可能に。
一方で、ゴミの撤去費用として10万円程度の補助を行い、早期の撤去を後押し。
さらに、家主に精神面でのケアが必要な場合には、専門の医師を紹介するなど、手厚いサポート体制も用意しているのだといいます。

この条例案をみて、わたしが引っかかったのは、「家主が従わなければ、氏名を公表した上で行政代執行による強制撤去も可能になる」という部分。
多くの方は、迷惑なものは強制撤去してしまえばいい、そう思うかもしれませんが、それは大きな間違い。

ゴミ屋敷の家主には、一度ゴミを撤去したとしても、何度も繰り返してしまう傾向があるため、強制撤去は有効な手段とは言えないので、この一文は削るべき。
その代わりに重視すべきは「精神面でのケア」なのではないかと、わたしは思っています。

その根拠となるのは、ゴミ屋敷の家主が「ゴミに執着する理由」です。
「ルポ ゴミ屋敷に棲む人々」(岸恵美子著/幻冬舎)では、このように分析しています。
*****
私の過去の調査に照らし合わせると、そういう人たちは、他社の介入を拒む、孤立した人たちに多いように思います。孤独で、寄り添う人がいないため、物欲に走り、ゴミ屋敷にたどりついたのではないかと感じるのです。
*****

また、ゴミ屋敷の家主の多くは高齢者であり、近親者を亡くした喪失感などで、「セルフ・ネグレクト」(生活上当然すべき行為をせず、安全や健康が脅かされる状態のこと)の状態になり、自宅をゴミで埋めつくしてしまう、といった分析をしている専門家もいます。

この2つの分析に共通するのは、「孤独」。
実際に、この「孤独」がゴミ屋敷を生み出す原因だと考え、「精神面でのケア」に力を入れ、ゴミ屋敷問題を解決している団体もあるといいます。

たとえば、2009年11月に放送されたNHKのドキュメンタリー番組「追跡!AtoZ」で紹介された、大阪府豊中市の市民ボランティアの取り組み。
*****
大阪府豊中市では、民間の福祉団体や市の職員、市民ボランティアが一体となって、3年前「ごみ屋敷リセットプロジェクト」(現・福祉ごみ処理プロジェクト)を立ち上げていた。
これまでにおよそ50軒のゴミ屋敷を解決。再びトラブルが起きたケースがなく、その実績が全国的に注目されている。
プロジェクトが重視するのは、ゴミをためた人に社会との「絆」を取り戻してもらうこと。
「孤立」がゴミ屋敷を生み出す原因だと考えているからだ。「ゴミの片づけ自体は手段にすぎない。どうやってその人と接していくのか、ということがメイン」だと語る福祉団体の専門員。
ゴミは一度に片づけず、家を何度も訪れる。長期的に様子を見て信頼関係を築くためだ。
さらに、片付けには市民ボランティアにも参加してもらい、代わる代わる声をかける。
失われた「絆」を結び直す地道な取り組みが行われていた。
*****

“モノが溢れる現代社会”を象徴するといわれてきた「ゴミ屋敷問題」。
しかし、わたしには“現代人の孤独”を象徴しているように思えてなりません。

「近親者に先立たれた多くの高齢者は、心に孤独を抱えながら、それを表に出さずに生きている。
ただ、すべての人がそう強くは生きられない。誰かに助けを求めたい。でも、他人に弱いところは見せたくない。」
言葉でSOSを発せられない、こうした孤独な高齢者の心の叫び。
それを具現化したものが、「ゴミ屋敷」なのかもしれません。


<web担当:H>
(2012/6/26 UPDATE)
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