DAILY NEWS ★あなたの気になる特集内容は?ソーシャルボタンでシェアしよう!

番組スタッフ
大阪府立高校の高校3年の女子生徒が、頭髪が生まれつき茶色いのに、何度も指導され、精神的な苦痛を受けたとして、約220万円の損害賠償を求める訴訟を起こした問題。

「黒染め強要で不登校」生まれつき茶髪の女子高生が提訴(「朝日新聞デジタル」2017/10/27)

生徒の母親は入学時、生徒の髪が生まれつき茶色いことを学校側に説明。
黒染めを強要しないことを求めたのですが、教師らは染色や脱色を禁じる「生徒心得」を理由に、黒く染めるよう指導し、「生来的に金髪の外国人留学生でも、規則では黒染めをさせることになる」とも話したのだといいます。

私が高校生だった今から20年ほど前も、もちろん茶髪を禁じる風潮はありましたが、今回の問題からはこの風潮の根深さを感じてしまいます。

それとともに感じるのは、学校側のおかしな配慮が増えたこと。

地毛茶髪、黒染め強要 高3提訴 心身に傷、不登校に 修学旅行、締め出し 大阪の府立高(「毎日新聞」2017/10/27)

この記事によると、複数の大阪府立高校では、頭髪が生まれつき茶色い生徒に誤った指導をしないように、「地毛登録」と称する制度を導入。

約10年前からこの制度を始めたある府立高校では、地毛が茶色い生徒は入学時に色合いを計測し、数値化して登録し、色の変化がなければ指導しないといいます。

「地毛証明書」、都立高の6割で 幼児期の写真を要求も(「朝日新聞デジタル」2017/4/30)

また、東京の都立高校の約6割が、生徒が髪の毛を染めたりパーマをかけたりしていないか、生まれつきの髪かを見分けるため、一部の生徒から入学時に「地毛証明書」を提出させていることが、朝日新聞の調査で判明。

こちらは、勘違いによる指導を防ぐ狙いがあるようですが、そこまでして黒髪にこだわるのか、こだわる必要があるのかとも思ってしまいます。

日本人の多くは、小中高と黒髪が当たり前、大学に入ったら髪を自由に染められるものの、就活になると、また黒髪に逆戻り。
その後は、職種によっては髪を自由に染められますが、とくに男性は黒髪が一般的です。

こうした空気を、メディアプランナーの指南役さんは「黒髪を強要する社会の同調圧力」を表現。ツイッターにこう投稿しています。
*****
例の茶髪の髪染め強要の件は言語道断だけど、一方で就活中の女子大生を見ると、みんな黒髪だったりする。多分、面接受けを考えてのことだけど、だとしたら黒髪をよしとする面接官も、コトを穏便に済ませたい就活性も、実は黒髪を強要する社会の同調圧力の一員なのかも。この問題、実はもっと根深い。
*****

結局のところ、「黒髪=真面目」という考え方が支配的で、「茶髪=不真面目」と捉える人も少なくないのが現状。
そうなると、見た目で損をするのも面白くないという思考が働き、自然と黒髪という選択肢になってしまうわけです。

とはいえ、わたしは別に、黒髪で居続けることに不満があるわけではありません。ただ、「黒髪=真面目」という考え方がまかり通っていることに腹が立つのです。
こうした現状を変えるためには、「黒髪=真面目」を根付かせる大もとである、小学校の教育の変化が不可欠。
髪を染めることに対する寛容さが出てくることを願うばかりです。

(スタッフH)
(2017/10/31 UPDATE)
番組スタッフ
10月30日(月)佐々木俊尚 ●ネットフリックス値上げで考えるサブスクリプションモデルのあり方
ネット動画配信の世界大手、ネットフリックスは10月から本国アメリカで値上げを始めました。ネットフリックス躍進に見るサブスクリプションモデルのあり方とは?

10月31日(火)速水健朗●「生きがいのない時代」にどう生きればいいのか
年金シニアプラン総合研究機構の調査で、「生きがいを持っている」と答えた人の割合が初めて5割を切ったことが分かりました。

11月1日(水)ちきりん●“排除”で明らかになった、個室民主主義という傾向
希望の党の失速で見えてくる個室民主主義とは?

11月2日(木)小田嶋隆●カズオ・イシグロとボブ・ディランの世界をつないだ扉
今年のノーベル文学賞に選ばれたカズオ・イシグロ氏。昨年の同賞受賞者、ボブ・ディラン。2人をつなぐものとは?
(2017/10/30 UPDATE)
番組スタッフ
先日、「ウルトラマン症候群」という言葉があることを知りました。
北朝鮮リスクに関する日本人の平和ボケを考察する内容で、その一つとして「ウルトラマン症候群」なるものを上げています。

***************
一つめは、本当に困ると最後には正義の味方が現れると信じる「ウルトラマン症候群」である。これに侵されているかどうかは、トランプ米大統領やマティス国防長官の発言に対する心の声でわかる。「軍事オプションも机の上だ」と聞いた時に、ほっとする気持ちがほんの少しでも表れれば、すでに「ウルトラマン」登場への期待感が脳内に浸透していると考えられる。「きっとアメリカなら完璧な攻撃能力があるのではないか」と希望を抱くのだ。
【毎日新聞・平和ボケとウルトラマン症候群=東洋大学国際学部教授・横江公美】
***************

程度の差はあれ多種多様な課題が山積する日本ですが、果たして私たちはそれらを「ヒーロー」に解決してもらいたいと思っているのでしょうか。
記事でも言及されている北朝鮮問題。目下の事態改善のため確かにアメリカとの連携が必須であることは言うまでもありません。
しかし、かのトランプがヒーローと重なるとはどうも思われない。記事を書いた人も、ヒーローを個人ではなく「力を持った他者による問題解決」として見ていることは承知はしていますが。

長らくリーダー不在と言われてきた日本ですが、誰もリーダーやヒーローの登場を待ち望んでいないのではないか、と思えてくることもしばしばです。
日本のヒーローといえば、ウルトラマンもそうですが戦隊モノや仮面ライダーも何十年も愛される存在です。
そんな戦隊モノと仮面ライダーが放送される日曜朝のスーパーヒーロータイムも10月から時間帯が移動し、ワンピース、ドラゴンボールというこれまた日本のアニメ界を代表するヒーローですと視聴率を巡って大人しか喜ばない戦いを繰り広げています。

今の戦隊モノは、9人の究極の救世主「キュウレンジャー」。
すでに悪によって支配されている宇宙の星々をキュウレンジャーが解放していくというストーリーで、「ヒーロー」が不在だったために起こった最悪の状態から始まります。
平成ライダーで初の改造人間がライダーに変身する「仮面ライダービルド」も優しいけれど、アイデンティティの模索の方に心血をそそぐ姿が今のところ多いため、わかりやすいヒーローとは言えません。

アメリカのヒーローといえば上記記事でも言及されるバットマンがいます。
今年、公開された『レゴバットマン ザ・ムービー』を観た時、私はヒーローの不在を実感しました。

同作ではアメリカを代表するバットマンがヒーローとは程遠い存在で描かれています。
他人を信じられず、誰にも興味がなく、趣味も良くなく、なかなかのクズ。もちろん友達もいない。
そんなバットマンは劇中で自身のことをヒーローと呼んだりもするのですが、とても痛々しく感じます。
おなじみの悪役ジョーカーに「最大の敵はオレじゃない。アンタ自身だ」とまで言われ、バットマンは自身の「こじらせ」「迷走」に徐々に気付いてきます。

あることがきっかけで、名だたる悪役が幽閉された極悪ゾーン(ファントムゾーン)に行くことになったバットマン。そこのガイドをしているおしゃべりブロックが極悪ゾーンにやってきたバットマンが本当に悪人なのかを査定し、こう言います。

「昔ながらの悪者ではない。けど、良い人というわけではない」

アメリカを象徴するヒーローであるにもかかわらず、バットマンはヒーローでもなければ、善人ですらないのです。

なんでも政治に絡めるのは悪手かもしれませんが、選挙の結果を見てもそうです。大勝した自民党は私たちの未来をより良くしてくれるヒーローとは言い難い。しかし、現実的に考えると…という理由で選ばれたのではないか。
バットマンでは「自分自身をヒーローだと思い込む」人間の厄介さも描かれていました。
野党の体たらくを見ていると、敵役を作って攻撃してヒーローを気取る素っ頓狂な人間に仕切られたくないという気持ちが湧いてきます。

話をバットマンに戻します。クライマックスでゴッサムシティが崩壊しかねない最悪の展開に見舞われるのですが、ゴッサムシティを救えない、ヒーローではないバットマンは自分と向き合った結果、こうつぶやきます。

「1人じゃ救えない…俺を助けてくれ。」

ヒーローとしてゴッサムシティを救うのは自分ではないと悟るのです。
冒頭1分でバットマンが名言だとして、自身のこんな言葉を紹介します。

「世界をより良い場所にしたければ、自分を見つめて変わるんだ。フー」

誰もヒーローによる救済を望んでいない時代。これは差し迫った命の危険がない日本だからこそ、言えることなのかもしれませんが、誰かに何かをしてもらうと期待するよりも自分が能動的になった方がうまく行くのではないか。そう思わされます。

スタッフ坂本
(2017/10/26 UPDATE)
番組スタッフ
文藝春秋の松井社長が図書館に「文庫の貸し出しをやめてほしい」と異例のお願いをしたことが波紋を広げています。

「文庫本貸し出しやめて」 文春社長、図書館に呼び掛け(「東京新聞」2017/10/14)

松井社長は今月13日、全国図書館大会で出版業界が主催する分科会に登壇。
文芸書が中心の文藝春秋で、収益の30%以上を占めるのが文庫だとの実情を明かしたうえで「良書を刊行し続けて作家を守り、版元の疲弊に歯止めをかけるために必要なのが、文庫の生み出す利益、市場の低迷は、版元にも作家にとっても命取りになりかねない」、そして「できれば図書館で文庫の貸し出しをやめていただきたい」と呼びかけました。

東京新聞の記事で重要なのが、文藝春秋の収益の30%以上が文庫であること。
ここからさらに深堀しているのが、こちらの記事。

「図書館で文庫本貸さないで」文芸春秋社長が訴え 「文庫は借りずに買ってください!」(「ITmedeia NEWS」2017/10/12) 

松井社長は、図書館が文庫の貸し出しをやめることで「文庫の売り上げが大幅に回復するなどとは思っていない」が、「図書館では文庫は扱っていない。それなら本屋で買うしかない。文庫くらいは自分で買おう。そんな空気が醸成されていくことが何より重要」だと訴えています。

このように、出版社のトップが図書館にモノを申すのは、実は今回が初めてではなく、2015年には、新潮社の佐藤隆信社長が全国図書館大会の分科会で、売れるべき本が売れない要因の一つは図書館の貸し出しにあると発言し、物議を醸しました。

図書館は出版社から悪者扱いされがちですが、果たして売れ行きを左右するほどの存在なのでしょうか。

今回の全国図書館大会では、図書館と書籍の売れ行きに関する研究報告が行われ、「少なくともマイナスの影響は与えてない」との結果が示されました。
*****
マイナスの効果というのは、図書館で本を無料で借りられるのだからわざわざお金を出して本を買う必要はないという人が増えること。
それに対してプラスの効果とは、図書館に通ううちに本を読むという習慣が形成されて、その結果逆に本を買う消費者の数が拡大するということを指します。
それで、研究の結果は、どちらの効果もあるのだけれど全体で見ればすくなくともマイナスの影響の方が大きくはないということだったのです。
<文藝春秋社の社長が図書館に異例のお願いをした背景(「MONYE PLUS」2017/10/19)>
*****

また、以下のまとめに目を通してみると、興味深いのが【「音楽業界で見た流れ」という意見】というくくりの中のツイート。

文藝春秋の社長「図書館で文庫本を貸し出さないで」→さらに衰退するだけでは?そもそもデータは?などの意見(Togetter)

「CDから離れられなかった音楽業界と同じ斜陽へ向かっている」
「聞く機会がなくなって買われなくなってCDと同じ末路をたどる流れ」

いずれも、図書館で文庫の貸し出しをやめたところで大した効果が見込めないことを暗示しています。

そもそも、本が売れなくなったのは貧困層の増加と、スマホなどの娯楽の多様化が背景にあると言われています。
つまり、貧困層の増加により、本を買う余裕がある人が減り、娯楽の多様化により本の優先順位は下がったというわけです。

ここで思い出すのが、10月18日放送の『バラいろダンディ』(TOKYOMX)でライムスター宇多丸さんが示した見解です。
*****
文庫を買うお金をケチって図書館で借りる人が文庫買うか?相関関係が本当にあるのかが、ちょっと怪しい気がするんだけどな。
*****

図書館サイドのベストセラーを複数購入する「複本」はたしかに問題で改善の余地はあるものの、文庫を貸し出さないという措置はあまり合理的とは思えません。
聞く機会がなくなって衰退したCDと同じ末路をたどらないためにも、出版社は図書館との共存の道を模索すべきなのではないでしょうか。

(スタッフH)
(2017/10/24 UPDATE)
番組スタッフ
10月23日(月)佐々木俊尚 ●「空想」と「現実」がぶつかる、日本人の平和ボケ

平和主義を装った日本人の平和ボケ。ぶつかりあう現実と空想とは?

10月24日(火)古谷経衡 ●ものづくり大国ニッポンの失墜はいつ始まったのか?

日本も製造業を失墜させた「失われた20年のツケ」とは?

10月25日(水)飯田泰之 ●各党が掲げた「教育無償化」実現に欠かせない「教育の質」の向上

今回の衆院選、大きな争点の一つだった教育無償化。その落とし穴とは?

10月26日(木)小田嶋隆 ●人工知能は神になれるか

人工知能は神になれるのでしょうか。その可能性を探ります。
(2017/10/23 UPDATE)
«Prev || 1 | 2 | 3 | 4 |...| 207 | 208 | 209 || Next»

MESSAGE ★ 番組へのメッセージはこちらから ★ 皆さまからのご意見お待ちしております


ページの先頭へ