書考空間



人生はマナーでできている
高橋秀実 (著)
税込価格:1,620円
出版社:集英社
ISBN:978-4-08-781609-9


本を購入


世の中に数多あるマナー本。そうした本には大抵、「○○の時には○○してはいけない」などと書かれています。
著者はこうした世のマナー本に噛みつき、「これはマナーではなく、ルールです。(中略)みんなそうするからそうしましょう、という一種の同調圧力ともいえるわけで…」と指摘。
本書はこの前提を踏まえ、「おじぎ」「満員電車」「挨拶」「食べ方」「会議」「レディー・ファースト」など全部で10テーマのマナーの現場に出向き、「マナーとは何か?」の答えを探していくもので、その過程における気づきや著者の思考の変化が抜群に面白い。
たとえば、「エスコートのマナー」ではまず、「過去の戦争で男手が減ってしまった日本は、何もせずとも女性に大切に扱われてきました。その歴史によってエスコートが苦手な男性を造ってしまったといわれています」と書かれた記事を見つけ、これを基に「フィギュアスケート」のペアで日本人が活躍できない理由に言及。
「日本ペアは男が手で『ここ』と指示し、女性がそれをつかむ感じ。そのせいかジャンプに失敗したりすると女性に責任があるかに見える。(中略)これもまた戦争の後遺症なのかもしれない」との独自の考察を披露。
明らかに話がマナーから脱線しているのですが、その脱線っぷりがまた楽しい。
タイトルに騙されることなかれ。マナーを入り口に、マナーへの皮肉がたっぷりと込められた一冊です。

(評者:スタッフH)
(2016/6/8 UPDATE)

MESSAGE ★ 番組へのメッセージはこちらから ★ 皆さまからのご意見お待ちしております


ページの先頭へ