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「小商い」で自由にくらす 房総いすみのDIYな働き方
磯木 淳寛 (著)
税込価格:1,512円
出版社:イカロス出版
ISBN:978-4-8022-0300-5

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スマートフォンの普及によって自宅でなくとも外出先等のあらゆる場所でのインターネットへの接続が可能になり、ショッピングのためのお店を探す便利さ、選択肢の幅の広がり方は留まる事を知らない。特に近年では、個人の出品者を募ったインターネット上のフリーマーケットが普及し、定着化してきている。
今までは個人で事業を起こしたり、出店したりする事へ憧れを抱いていても出来なかった事が、手軽とは言わないまでも実現するまでのハードルは確実に下がっている。
例えば、地方在住者が都市まで上京しなければ集客の難しい商いを、インターネットを介して首都圏の顧客を多数獲得し成功させている。このような地方発信の商いは、今後も増え続けていくだろう。

本書はインターネットを上手く利用した商いのヒントが得られるだけではなく、千葉のいすみという房総エリアに属する地域に、30代から40代の働き盛りの商いプレーヤー達が首都から地方へと移住している流れを、移住者の目線から的確に捉えている。
彼らはそれぞれ全く異なった経歴で、今まで培ってきた経験やノウハウを活かし、それぞれの個のプレーヤー達が交流して親交を深め、互の商いを助け合い、「個」が「集」となり、この地域独自の大規模なコミュニティネットワークを形成しているのだ。結果、地域格差や地方の過疎化が深刻な社会問題になっているにも関わらず、毎週のように個人出店者が集うマーケットが開催され、地域の活性化への潤滑油になっている。これは、インターネット社会とは相反するようでいて、実は密接に繋がっている。
欲しいものをインターネットで検索してショッピングすることが当たり前になった現在、インターネットでは手に入らないような、個性的で唯一無二な商品に消費者は大きな魅力を感じている。どうしても手に入れたいと思えば、購入するために実際に現地へと赴くだろう。そして現地で好きなことを商いにして伸び伸びと生活しているプレーヤー達と触れ合うことで消費者から売り手へと転向する者も現れるかもしれない。そんな近年の商いの流れを、具体的でわかりやすく書いた本書は、これから何か商いを始めたいと考えている人達への指南書として最適な良好書に違いない。


(評者:文教堂青戸店 青柳将人)


(2017/6/15 UPDATE)

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