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孤独論 逃げよ、生きよ
田中慎弥 (著)
税込価格:1,080円
出版社:徳間書店
ISBN:978-4-19-864349-2

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芥川賞作家・田中慎弥氏が語る孤独論。
著者は現代人は「奴隷」と化していると嘆きます。
仕事の奴隷、インターネットによる情報の奴隷、誰かと繋がっていたいという人間関係の奴隷…有形無形の外圧によって思考停止に陥っているならばそれは「奴隷」であると言うのです。もしかしたら、私も現代社会の奴隷なのかもしれません。
奴隷の状態から脱したいのなら、まずは逃げよと著者。
しかし、逃げ出す気概もない、仕事をいきなりほっぽり出すわけにもいかない…という人もいるでしょう。ではそんな人はどうすれば「奴隷」という思考停止状態から脱することができるのか。
著者が進めるのは読書。本は読む人に無数の選択肢をもたらし、希望の光で照らしてくれる。読む人のものではない、異なる体系で編み出された言葉の連なりこそ、本が持つ最大の魅力だと著者は語ります。他者の言葉を通じて、知らなかった論理や景色を実感して初めてこの世界の拡がりを理解できる。
本を読むことで、孤独であることを認識し、またその孤独からは逃げられないとも悟る。そうして初めて新たな可能性を目の前にする。本を読むことが苦ではない人は一度はそのような体験をしたことがあるかもしれません。
私たちの周りには私たちを拘束する様々なもので溢れています。
それらはあると便利なのですが、「あったほうが良い」という同調圧力に屈しているとも言えなくもない。
現代社会の奴隷にならないために是非読むことをお勧めします。

スタッフ坂本
(2017/6/27 UPDATE)

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