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万引きの文化史 (ヒストリカル・スタディーズ)
レイチェル・シュタイア (著), 黒川 由美 (訳)
税込価格:2,376円
出版社:太田出版
ISBN:978-4-7783-1341-8


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内閣府では、昭和54年から、毎年7月を「青少年の非行問題に取り組む全国強調月間」と定め、青少年の非行防止等について国民が理解を深め、子供たちの規範意識の醸成や有害環境への適切な対応を図ってきました。
夏休みと言えば、若者(学生)にとって「危険な誘惑」があちこちに転がっている季節。
「万引き」が注意喚起されるのも今の時期です。
若者よりも最近、深刻化しているのが高齢者の万引きだというのは珍しい話ではないのかもしれません。
警察密着24時系の番組を見ていると、だいたい万引き犯を捕まえる瞬間が登場します。そして、その犯人は盗まなければ飢えて死んでしまうというほど貧しい人じゃなかったりします。
なぜ、人は「万引き」してしまうのでしょうか。その行為の背景には一体なにがあるのでしょうか。
本書は心理学や精神分析、精神医学、犯罪学の専門家らが「人はなぜ万引きをするのか?」と議論を重ねた学説をもとに、「万引き」という犯罪、あるいは文化を考察。
また、本書は「万引き」という犯罪が我々の文化に少なからず影響を及ぼしていると説きます。そして、人を悩ませると同時に、魅了しているというのです。
何遍注意してもやってしまう万引き依存症は存在します。ある意味、万引きに“魅了”されているからかもしれません。
そんな私自身、警察24時系のテレビ番組で万引きGメンが万引き老女を捕まえる瞬間、その後の追求を見るのがとても楽しかったりします。これも万引きを見る側として、魅了されているからなのかもしれません。
万引きがもつ引力のようなものの根源は一体どこにあるのか?
それを知ることが、万引きという許されざる犯罪の防止策につながるのです。

評者:スタッフ・坂本
(2014/7/23 UPDATE)

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