書考空間



字を書く女 中年書道再入門新刊
酒井 順子 (著)
税込価格:1,728円
出版社:芸術新聞社
ISBN:978-4-87586-493-6


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選挙の時期になると、普段はなかなか見られない政治家が書く字を目にする機会が増えます。テレビの党首討論でフリップに文字を書かざるを得ないからです。
数年前、ある女性党首が色紙に書いた字の汚さがネットで笑いものになりましたが、このときの衝撃は忘れられません。一方で総理経験のある大物政治家の異常なまでの字の上手さに目を奪われたこともありました。
こうした経緯から“字と人間性”の関係が心に引っかかり、手に取ってみたのが本書です。
エッセイストの酒井順子さんが、書道雑誌『墨』と芸術新聞社のWebマガジンに連載していた“文字”に関するエッセイ。本書はこの2つの連載をまとめたもので、2年にわたる書道のお稽古体験、筆を持つ楽しさ、写経の魅力などが語られるなか、とくに目をひくのが、著者と書道の先生(大東文化大学書道学科の河内教授)の対談で、字の好き嫌いについて語っている部分。
たとえば、書道の先生の“字と人間性”についての考察。
河内 ハガキや封書で郵便物が届くと、その宛名書き一つで萎える字があるよね。よく「書で人間性や人格って分かるんですか?」と聞かれるんですけど、人間性はよく分からない。だけど教養は出るんです。
連続不審死事件の木嶋佳苗被告の字の上手さにも触れ…
酒井 めちゃくちゃ字が上手いのですが、これはどう捉えたらいいのか混乱します。
河内 整った字だね。お習字していた字だと思う。どこで人生が狂ったのかね。
上手い下手はさておき、他人に何かを読み取られる可能性がある字。
人前で字を書くときに備え、魅力的な字を書けるようになっておこうと思います。

(評者:スタッフH)
(2016/7/12 UPDATE)

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