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クリストファー・ノーランの噓 思想で読む映画論
トッド・マガウアン (著),井原 慶一郎 (訳)
税込価格:3,456円
出版社: フィルムアート社
ISBN:978-4-8459-1622-1

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間も無くクリストファー・ノーラン最新作『ダンケルク』が公開されます。
ノーラン作品の全てを「嘘」と言うキーワードでひもとく本書。
ノーラン作品はそれぞれ嘘を中心に構成されており、その嘘によってフィクションの世界が確立され、観客が積極的にこの世界に関わるよう作用していると言います。
登場人物が個別的な嘘を超越した巨大な嘘の網にとらわれる『フォロウィング』。
嘘をベースにした真実の探求を描く『メメント』。
嘘の必要性を主題にし、刑事の嘘を焦点にした『インソムニア』。
英雄的行為それ自体がフィクションであることを示した『バットマン ビギンズ』。
観客と映画の登場人物、両者を欺くマジックをテーマにした『プレステージ』。
バットマンが嘘を捨て去ることはできず、悪と誤認されながら嘘をつき続ける道を選ぶ『ダークナイト』。
夢をフィクション(嘘)と結びつけ、嘘のアイディアを精神に植え付けることを目的にした産業スパイを描く『インセプション』、
バットマンとジム・ゴードンの嘘の上に築かれた偽りの平和が崩れさる様を描いた『ダークナイトライジング』。
嘘の動機によって人類存亡をかけた宇宙探査に乗り出す『インターステラー』。

確かにノーラン作品は「嘘」ばかり。その多くが嘘で始まります。
「観客は、起こったことや出来事の核心についての誤った考えから出発する。典型的なノーラン作品が進む方向は、ほとんどの映画とは異なり、無知から知へではない。そうではなく、観客は、誤った知から、その誤りを正す知へと進むのである」と著者。
これらの嘘を拒絶することなく、あえて受け入れることことで私たちはノーラン作品の真実に近づけるのです。

ノーランにとって重要なのは、嘘が生み出す結果ではなく、嘘の中で起こる創造的行為だと著者は言います。
人間の創造力に挑戦するかのようなノーランの嘘。「ダンケルク」にはどのような嘘が施されているのでしょうか。

スタッフ坂本
(2017/9/4 UPDATE)

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