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判断のデザイン (TEDブックス)
チップ・キッド (著),坪野 圭介 (訳)
税込価格:1,836円
出版社: 朝日出版社
ISBN:978-4-255-01009-0

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「世界一有名なブックデザイナー」として知られる著者。デザインには第一印象が必要で、明瞭さ、不可解さを基準に創作していると言います。
「不可解」であるべきなのは、どんなときなのか。
「不可解さとは、解かれるべきパズル、破りたくなる秘密の暗号、タネも仕掛けもあるはずのイリュージョン、消えてしまう前に記憶に留めて置こうとする夢」であると著者。
不可解さは明瞭さよりも複雑。このバランスがどうやら難しいようです。そこで本書では紹介されるデザインに「不可解さパラメーター」を付けて、その良し悪しを著者が品評していきます。
例えば、は村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』。
「なあ、おれたちはある意味、パーフェクトな組み合わせだったんだ。五本の指みたいにな」という一文から、4本の指には色があり、残る1本には色がない手をイメージした装丁を著者は作り出しています。
これは不可解さ指数8。しかし、不可解ではあるものの、手に取った人は必ずその意味を思案せざるにはいられない、優秀な「不可解さ」です。
わかりにくいものは敬遠されがちなように感じます。
わかりやすい”直球”をつくることもまた難しいでしょうが、「見る人の注意を引く、一見ではわかりにくい」デザインももっと増えて良いように思います。最もこれはデザインに限った話ではありませんが。

明瞭さと不可解さ。例えば自身の仕事等でどちらを選ぶかは悩ましいですが、「世界があなたをどう捉えているか」に注意を払うと、やはり様々な物事において「第一印象」がいかに大切かを知らしめられます。

スタッフ坂本
(2017/11/13 UPDATE)

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