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デジタルエコノミーはいかにして道を誤るか 労働力余剰と人類の富
ライアン・エイヴェント (著),月谷 真紀 (訳)
税込価格:1,944円
出版社:東洋経済新報社
ISBN:978-4-492-65480-4


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近い将来、AIが人間の仕事を奪うという脅威論は根強く存在しています。
本書のテーマは、この脅威論への対応。大部分が自動化され、高学歴でも仕事を奪い合う世界で、人間はどのように働けばいいのか?子供の教育はどうすればいいのか?こういった疑問に対する答えを、現場取材と最新のデータ、テクノロジーの変化を踏まえ、提示してくれています。
著者の主張は、今、私たちが直面しているデジタル革命は産業革命と似ているというもの。
「経済変化から最大の恩恵を受ける層は、獲得した富を進んで分かち合おうとはしないものだ。負け組が取り分の拡大を求めて社会的・政治的に力を行使する手立てを見つけたとき、社会に変化が起きる」とし、「今私たちが心配すべき問題は、単にテクノロジーの未来をより良く生きるためにどんな政策を取るべきかではなく、誰がなにをどんなメカニズムで獲得するかを決める、始まったばかりの激しい社会闘争にいかに対処するかである」と指摘しています。
そして、ベーシックインカム、シェアリングエコノミーといった例を挙げながら、働き方の未来を提示してはいるものの、決して楽観的にならないのが著者の一貫した姿勢。
本書の最後をこういった言葉で締めくくります。
「未知と対峙したとき、なにを思いなにをすべきか心得るのは難しい。ついひるみそうになる。だが影響力と変革力を備えたこの大きな力に対して、恐れてはいけない。広い心で臨もう。できるかぎり広い心で」
AIが仕事を奪うかもしれない未来に向けて人間は何をすべきか。その知恵と心構えを授けてくれる一冊です。

(評者:スタッフH)
(2017/11/16 UPDATE)

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