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コレモ日本語アルカ? 異人のことばが生まれるとき (そうだったんだ!日本語)
金水 敏 (著)
税込価格:1,944円
出版社:岩波書店
ISBN:978-4-00-028630-5

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本書は〈アルヨことば〉がどのように生まれたかそのルーツを探求し、日清・日露戦争以降、日中戦争終結までの日本における言語実態を探り、〈アルヨことば〉との関連について考察。
そもそも、ポピュラーカルチャーの中で〈アルヨことば〉は、どこが風変わりで怪しげで、利にさとく抜け目なさげで、しかしそれでいてどこか抜けており、おとぼけで滑稽感のある中国人キャラクターを表現するために用いられます。
フィクションの世界に中国人が登場するとき、決まって「アルヨ」「ヨロシ」口調です。本当にそれに該当する中国人キャラは多いのですが、私はまず『らんま1/2』のシャンプー、呪泉郷ガイドを思い浮かべました。

〈アルヨことば〉のもっとも古い例として本書が取り上げるのが、宮沢賢治の「山男の四月」。似た例として夢野久作「クチマネ」、坪田譲治「善太の四季」といった小説も取り上げ、創作の世界でどのように〈アルヨことば〉が使われ、そこにはどのような中国人像が投影されていたのかを暴きます。
〈アルヨことば〉のルーツを考える上で忘れてはならないのが、幕末から明治にかけての横浜開港時、往来する外国人たちよって使われた「横浜ことば」。
多義的に使われる語尾の「あります」が特徴です。

〈アルヨことば〉を紐解いていくことで浮かび上がる日本人が抱いて来た中国人像。
ステレオタイプな部分も大いにあるでしょうが、良い意味でも悪い意味でも日本人に親しみ深い言葉なのだと気づかされました。

スタッフ坂本
(2017/12/11 UPDATE)

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