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秘められた和食史
カタジーナ・チフィエルトカ (著),安原 美帆 (著)
税込価格:1,944円
出版社: 新泉社
ISBN:978-4-7877-1607-1

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2月中旬、京都市で開かれた「和食文化学会」の設立総会。国内で学会設立が相次ぎ、和食研究がブームになっているといいます。
2013年にユネスコの世界無形文化遺産に登録され、伝統的な食文化として注目を浴びる和食。本書は様々な文献をもとに、「和食」の由来と変遷を探ることで日本社会の変遷を考察します。
著者はまず、「和食」という言葉の誕生を探ります。「和食」という言葉が用いられるようになったのは、20世紀になってから。以降、庶民的な日本料理という意味合いではなく、洋食に対する「和食」というように用いられてきました。
さらに、19世紀から20世紀の日本人が実際に食べていた「和食」の実像にも迫っています。「和食」には庶民の食卓に上るものというイメージがあるように、当時の日本人が食べていた和食は実に質素。一汁三菜と言った「伝統的な日本人の食文化」としての和食が登場するのは20世紀半ばになってからなのです。
和食という言葉の変遷を著者がおっていくうちに、ユネスコの世界無形文化遺産に登録された「和食」とは、どうも史実とは違ったものであることがわかります。
こうった食の歴史に関する本を読むと思うのですが、食ほど政治やプロパガンダと結びつけやすいものはないと思わされます。
いかに私たちが、イメージやブランドを頼りに“食事”をしているか。本書は知らしめてくれます。

スタッフ坂本
(2018/4/16 UPDATE)

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